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湖の男



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【この小説が収録されている参考書籍】
湖の男
湖の男 (創元推理文庫)

湖の男の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

今までの小説と比べると、ちょっと物足りないかも!?

よくできている小説だとは思うのですが、今までの本と比べると衝撃度が少なくて物足りなさを感じました。
これまでの彼の小説はミステリーというより、もの悲しさが全体に付きまとっていたように思っていますが
今回は不発?というより、彼が訴えたいと思われる歴史自体を私が把握していないせいなのかもしれません。

7点は辛口かもしれませんが、人に勧めるとなると、気軽に読める小説ではないという観点からです。



ももか
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No.1:
(8pt)

東西冷戦時代の悲劇が、今も影響を及ぼしている

アイスランドの人気ミステリー「エーレンデュル捜査官」シリーズの邦訳第4弾。今作も、期待に違わぬ骨太な社会派ミステリーである。
エーレンデュル、エリンボルク、シグルデュル=オーリという、いつものトリオが今回取り組むのは、水位が低下した湖の底から現われた白骨死体。頭蓋骨に、強く殴られてできたような穴が開いていたことから殺人事件と見なされた。白骨死体は死後30年以上が経過し、骸骨にはソ連製の通信機器がつながれていた。ということは、冷戦時代のソ連のスパイが絡んだ殺人事件なのか? 30年以上前の失踪者を丹念に探し歩くという地道な捜査の結果、被害者候補として1968年に行方不明になったままの農機具セールスマンが浮かび上がってきた。婚約者を残したまま失踪したその男は偽名を名乗っており、アイスランドでの生存や行動の記録は一切見つからなかった。白骨死体の正体はだれか?、なぜ殺されたのか?
物語の途中に挿入される、ある男の独白(回想)によって、早い段階からストーリーの大まかな展開は読めてくるのだが、作品の主題が犯人探しや事件の様相解明ではないため、最後まで緊張感をもって読むことができる。シリーズのこれまでの作品同様、個人と家族と社会のかかわり合いがメインテーマになっており、社会情勢や主義主張に振り回される人間の弱さと哀しみが深い印象を残す社会派ミステリーの傑作である。主要メンバーそれぞれの個人的事情の展開も、シリーズ読者には楽しい。
シリーズのファンにはもちろん、北欧ミステリーファンには自信を持ってオススメしたい。

iisan
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