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特捜部Q 知りすぎたマルコ



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特捜部Q 知りすぎたマルコの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

主役を譲ったのも、余裕の表れかな

日本でも安定した人気を誇る、コペンハーゲン警察の未解決事件専門部・特捜部Qシリーズの第5弾。今回、おなじみQのメンバーが挑むのは、アフリカの開発援助を担当していた外務官僚の失踪事件である。まじめで心優しい男性だったのに、担当するプロジェクトの進行を確認するための出張を一日早く切り上げて帰国したのち、まったく姿を消してしまったのだった。彼の事実婚相手の娘で、彼を慕っていたティルデは、情報提供を依頼するポスターをコペンハーゲン市内に張り出したが、情報は全く得られなかった。
それから3年後、特捜部Qのメンバー・ローセは偶然、そのポスターを入手し、乗り気ではないカール・マーク警部を説得し捜査を始めようとする。実は、そのポスターがローセの目に留まったのは、ロマ(ジプシー)を装った犯罪集団から逃げ出した15歳の少年マルコが、組織の追及を逃れながら一人で生き延びるための仕事としてポスター張りをしていて見つけたものだった。マルコはそのポスターを見て、自分が大変な犯罪の証拠を知っていることに気がついた。マルコは、自分の命が狙われていることを確信する。さらに、外務官僚の失踪に絡む汚職の犯罪者たちもマルコを捕まえようとする。
生粋のストリート・チルドレンであるマルコが、知恵と勇気と偶然を味方にコペンハーゲン中を駆け巡る逃走劇と、いまひとつ覇気が無いカール、病み上がりのアサド、やたらと正義感が強くなったローセというQのメンバーによる失踪事件捜査が並行して進行し、やがて悲劇と感動のクライマックスを迎えることになる。
本作では、読者の関心は圧倒的にマルコの逃走に向けられるだろう。いわば、Qのメンバーがマルコに主役を譲ったと言えるかもしれない。それでも、カールの老いらく?の恋話、ローセの意外な一面の暴露、アサドの秘められた過去の部分的な判明など、シリーズ読者には必読のエピソードも盛り沢山で、主役を譲ったのは彼らの余裕の表れといえるだろう。今回も、オススメの出来栄えだ。

iisan
927253Y1

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