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イン・ザ・ブラッド



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【この小説が収録されている参考書籍】
イン・ザ・ブラッド (文春文庫)

イン・ザ・ブラッドの評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

イン・ザ・ブラッドの感想


▼以下、ネタバレ感想

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松千代
5ZZMYCZT
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ブラッドの呪縛から離れ始めたカーソン

カーソン・ライダー刑事シリーズの第5弾。巻末の「解説」にもある通り、カーソンが実兄・ジェレミーの呪縛から解放され始めた、シリーズの転回点となりそうなモニュメンタルな作品だ。シリーズ作品なので第一作「百番目の男」から読み始めるに越したことはないが、本作だけでも十分に楽しめる上質な社会派ミステリーである。
自宅前で早朝の釣りを楽しんでいたカーソンとハリーの刑事コンビは流されてきたボートの中で瀕死の赤ん坊を発見し、救助する。ボートがどこから流されてきたのかを探していた二人は、ボートが海に押し出されたと思われる場所で住宅の焼け跡と銛で刺殺された焼死体を発見するが、自分たちの管轄外だったため、地元警察に捜査をまかせることになる。
一方、救助された赤ん坊が病院から誘拐されそうになり、犯人はその場で射殺されるが、背景には何らかの組織の存在が疑われた。また、過激な人種差別発言で人気を集めていた極右の有力説教師がSMプレイ中に変死しているのが発見され、カーソンとハリーが捜査を担当する。無関係に見えた二つの事件だが、捜査を進めるに連れて、同じ根から発生していることが明らかになって行く。
事件の背景となっているのは、今なおアメリカの病巣といえる人種差別で、それを育み維持しているディープサウスの原理主義キリスト教を基盤とする保守主義に対する作者・カーリイの激しい怒りがヒシヒシと伝わってくる。ヘイトスピーチが取り上げられることが多くなった日本の現状を考えると、作者の怒りは他人事ではない。
そうした社会的な評価は別にしても、ストーリー展開の早さ、最後のどんでん返しなど、サスペンスフルなミステリーとして非常に優れており、多くの人にオススメできる作品だ。

iisan
927253Y1

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