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三角館の恐怖



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三角館の恐怖の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

シンプルながら本格推理小説の面白さがつまった名作

それぞれ双子の片割れを当主とする二家族が、一つの屋敷の中央対角線部分を壁で分断し、結果二つの三角形が組み合わさった状態で別々に住むこととなった異形の建物「三角館」
さらにその二家族は双子の父親にあたる先代の残した「一日でも長く生きた方に全財産を譲る」という奇妙な遺言のため、長年にわたる確執を持っていた。
そして双子の片方の死期が近いとなった時、とうとう遺産を巡りこの二家族の間で血塗られた殺人劇が幕を開ける……

奇妙な館で奇妙な遺言のせいで殺人が起きるという、お約束ながらもうそれだけで面白い本格ミステリの黄金パターンを扱った本作。
それほど長くはないコンパクトな分量とシンプルな構成の中に、しっかりとしたフーダニットとホワイダニットが用意され、トリックやドラマも仕込まれた無駄のない完成度の高い作品だと感じました。
ミステリ初心者はもちろん、やたら真相を捻りまくる昨今の本格ミステリに疲れたような人にも勧めたい、純粋に本格ミステリ本来の魅力が味わえる一冊です。

本作はロジャー・スカーレットが1932年に発表した海外古典の『エンジェル家の殺人』を原作として舞台を日本に焼きなおしたとされる作品で、実は私はそちらは読んでいないのですが、おそらく当時は「影響を受けて下敷きにしたあくまで別作品」として発表したけれど、いくらなんでもプロットも何もかも丸パクリだったために、現代では乱歩が翻訳した作品みたいな扱いに後からしたんだろうなと邪推してしまいます。(っていうか多分間違いなくそう)
というわけで高得点をつけましたが、あくまで原作の『エンジェル家殺人事件』の方に捧げたい点数ですかね。
(ただ正直私は全体に海外翻訳作品の味気ない文章がどうも苦手なので、翻訳版よりも乱歩が焼きなおしてくれたこっちを読んだおかげで楽しめたんだろうなぁなんて思ってしまうのも事実です)

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ

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