はじめてのキスは乾いていて、なめらかで、日ざしの温もりをたたえていた―1960年の夏、ボビー、キャロル、サリー・ジョンの仲良し3人組は11歳だった。

1966年、ギャンブルが熱病のように流行し、学生運動の嵐が吹き荒れる大学時代が幕を明け、新入生ビートはひとりの少女に出会う。

寓話と現代文学が美しく融合した作品「カジマイ」ほか、みずみずしい感性が紡ぐ、切ない八つの物語。著者初の短編集。

ダートムアの領主館に滞在するホームズから、メアリにすぐ来るようにと電報が届いた。

「やめないと、おまえは死ぬ」アメリカのみならず、世界中の女性を魅了し続けるベストセラー作家シャンデリア・ウェルズのもとに届いた脅迫状。

若さだけが取り柄、さして特技もないのに“何でもやる商会”を始めた4人の男女。

角丸真理子は父の反対を押し切って、屋敷芳樹と結婚した。小野和人という恋人をふっての決断だった。

幸せ一杯の結婚式場に突然死体が降ってきた。空には巨大な翼と人間の顔をもつ異形の影が。

復讐代行屋・幸福企画。幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の男たち。

西沢書店のおじさんは、平凡な毎日に退屈して、ある日、みんなに笑顔をあたえる怪盗になろうと決心しました。

騙し騙され、一攫千金を狙っては燻り続ける男たち。

おなかがすけばおいしい食事をつ

売り物になるショートショートの

敗戦後、信介は恐るべき陰謀を知る。占領軍が「忌むべき過去」を断ち切るべく、日本語のローマ字化を図っているのだ。

戦局いよいよ見通しのない昭和二十年春。

四月。入学式。

「灰色の木を金色に戻す薬を下さい」―人知外れた妖の、悪業に見舞われし迷い子が、救いを求めて囁く呪文。

香港在住の元・ウォール街のファンドマネージャー、工藤秋生は、脱税目的の香港口座開設などをしながら、もぐりのコンサルタント業をしていた…金融を知り尽くした新人作家による、驚天動地の脱税小説にして、必読の金融情報小説！

西暦二〇〇六年、水星から突如噴き上げられた鉱物資源は、太陽をとりまく巨大なリングを形成しはじめた。

2001年初夏、日韓A代表戦の前座として国立競技場で、スペインU‐17との親善試合が組まれた。

「空なんておとぎばなしにしかないって、聞いたよ。

この世のものならぬ真実。我々の持ち得ぬ叡知。

京都の西にある苔寺で有名な西芳寺の門前にある茶店の娘、秦春香は、子犬の鳴き声が気になって外へ出た。

天才科学者山之内明が発見し、遺伝子操作によって作り上げた奇跡の石油生成菌・ペトロバグ。

心理学者でラジオのパーソナリティでもあるスーザンは、傍目には言うことなしの人生だが、両親は離婚、姉に恋人を奪われた苦い過去もある。

時は1875(明治8)年。

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。

名だたる探偵作家が書きながら、今はほとんど顧みられない少年少女向け推理小説。

住民の八十パーセントが歴史と伝統のある浦島重工業の関係者で占められる浦島市では正社員、工員といった身分差別がいまだに厳然とあった。

「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。謎の答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。

霊界の現世への侵出を防ぐため、緩衝地帯に現れた我らがヒーロー。

俺―間男は、エロいながらも不安な夢から目を覚ました。そこは人外のモノが跳梁跋扈する絶海の孤島。

タクシードライバーの浜田英二のところに、ある日一人の女性がやって来る。ミラーごしに見た懐かしい面影。

かつて、戦闘機で夜空を翔け昇り、月を撃ち落とそうとした大尉がいた。

素人探偵・一尺屋遙の友人で作家の八追純平は、金子みすゞの取材で山口県の仙崎を訪れた。

海外へ逃亡する人間を匿ってほしい―。空港近くのパーキングに勤めている男は、ある日、上司からアルバイトを持ちかけられた。

売れっ子マンガ家、陣内龍二の婚約者・里美が交通事故で死んだ。

福井県の西端にある、海市(=蜃気楼の意味)という、いささかロマンチックな名前を与えられた新興の港湾都市。

パリ警察が誇る名予審判事、シャルル・ベルトラン。

生きることが最も困難だった時代、生きることが最も困難だった場所で。衝撃の問題作。

十九世紀末、帝政露西亜。十七歳の川江環は、日本人で初めて画学生として留学をゆるされる。

京都の舞妓が全裸で絞殺された。

うらぶれたモーテルで黒人娼婦が絞殺される。

ロンドンの住宅街の一角で、浮浪者が餓死しているのが発見された。

徹頭徹尾、謎に満ちた長編!声楽家で野性的な美貌をもつ久美子と、その夫で伴奏ピアニストをつとめるさえない男・重之。

大物画家の私設美術館の開館日。展示室のドアを開けると、そこは…死体の山だった。

女性作家マイナが催した、読心術師ペニイクを囲んでの夕食会。

十津川警部の部下の西本刑事が、突然若い女に声をかけられた。怪しい男につけられているので、自宅まで送って欲しいというのだ。

美しい日本海沿いに走る特急「白鳥」の車内で殺されていた女性は、一代で財を築いた実業家だった。

開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。

詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。

核物質輸送列車が忽然と姿を消し、大都会中枢部が切り取られる―。

数十年振りの大雪であらゆる都市機能が麻痺する中、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。

「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

仮釈放され刑務所から出てきた須賀俊二は、ピアノ教師木崎江津子の家で殺された。発見者である江津子が容疑者として逮捕された。