神の街の殺人

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長編
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あらすじ

2002年04月01日 神の街の殺人 (文春文庫)

うらぶれたモーテルで黒人娼婦が絞殺される。敬虔なモルモン教の街ソルトレーク・シティにそぐわないこの事件は、教会幹部を襲う連続殺人事件への序章だった。ニューヨークから流れついた刑事トムは、一見平和な宗教都市の歴史的暗部に、事件解明の鍵をみつけるのだが…。後年のクック世界の萌芽が随所に感じられる初期作品。(「BOOK」データベースより)

評判

神の街の殺人の評価:

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5.00/10点 レビュー 2件。

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No.2
(3pt)

ファン以外には薦めない

 巨匠と呼ばれる作者の初期の作品だ。ブレイクした「記憶シリーズ」の遥か昔、「フランク・クレモンズ=シリーズ」よりも更に古く、作者数えて三作目の作品にあたる。 一匹狼を主人公としたオーソドックスな警察小説といえる。モルモン教徒の街ソルトレークシティを舞台に連続殺人を解決に導く、ニューヨークから来た異教徒警官の物語。この主人公の疎外感と、記憶シリーズで多用されている過去と現在を行きつ戻りつする手法が巨匠の現在を彷彿とさせる。万物流転の法則は、フランク・クレモンズ=シリーズでも語られたが、この物語でも東洋的な諦念とでもいえそうな主人公の内面が全編を支配して独特の雰囲気を醸し出している。主人公トムは、フランク・クレモンズの原型かもしれない。諦めているよるよでいて絶望しているわけではないという。 人物一覧である程度犯人が絞られてしまうので、ミステリとしてはイマイチか。作者特有の展開の鈍さも拍車をかけて、かなり退屈な読書になった。犯人の心情が綴られる部分も、宗教的背景がわからないため、単なる基地外の独白としか読めず興味がわかない。もっとも、怪電波の詳細と発生源を綴ったところで無意味だからこれで良いのかな。カットバックで語られる主人公トムのニューヨーク時代のエピソードが、なかなかソルトレークシティの連続殺人に結びつかずにやっかいだった。もうちょっと説明が欲しかったと思ったのはぼくだけかな。 というわけで、クック・ファン意外にはオススメできません。
神の街の殺人 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神の街の殺人 (文春文庫)より
4167527995
No.1
(2pt)

ソルトレイクの「記憶」は…

「緋色の記憶」「心の砕ける音」など、ミステリーのかたちを踏襲しながら、人間の心の奥底にまで入り込む描写で人気の高い、トマス・H・クックの新作ーとはいえ本書は最近よくある、人気の出た作家の旧作の翻訳だ。「おっ、新作だ!」と買ってみると10年程前の作品だったりする。ちょっと詐欺にあったような気もするが、やはりお気に入りの作家の作品ともなれば食指は動く。さて、本書はモルモン教の総本山ソルトレイクが舞台。そこで起きる凶悪な連続殺人に、ニューヨークから流れ着いたアウトロー刑事が立ち向かうーといった、ごくありきたりなプロットではある。しかしさすがクックはそこにいかにも「クック的」なスパイスを振りかけている。主人公の刑事のNY時代のトラウマ、モルモン教の人々が持つ迫害の歴史、信者でない人々の思いーなどなど…作家とはやはり成長するもので、ここでのスパイスの利かせ方は、ちぐはぐで効果的でなく、ストーリーの流れをたびたび阻害する。日本でヒットした作品に比べるべくもない。それぞれのエピソードが独立してしまって、これからどんな風に完結していくのか期待していると、あっけなく終わってしまう。僕はクックの作品を読むとアンドリュー・ワイエスの絵を思い浮かべる。古きよきアメリカの田舎町とそこで暮らす人々の心の奥底にある、希望の対極をなす、暗く深いうねりを感じる。しかし本書はそのうねりをはるか遠くに感じながらも、それを的確に描き出しているとはいえない。ちょっと毛色の変わったエンターテインメントでしかない。
神の街の殺人 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神の街の殺人 (文春文庫)より
4167527995

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