銀座の宝石店から二億五千万円相当の宝石を奪った強盗の片割れ宮本信介が東京に護送される途中、「ひかり62号」の車中で何者かに射殺された!十津川警部は、彼の最後の言葉から主犯の江上利夫の割り出しに成功。

流れ出した原油が夜の帳のように広がる海岸で、美しい女が鳥の死骸を抱いて泣いていた。女の名はローレル・ラッソ。

五月のある夜、東京の井の頭公園で、東陽工機社員、仙崎が「スズ…」という言葉を残して毒殺された。

結婚を控えた友人のみやこが、性の悩みで日美子を訪ねてきた。

鳴き声がうるさい隣家の犬を何とかしようと、一計を案じた僕たちだったが、ことは意外な方向に発展して行き…(表題作)。

起死回生の新作で存在を世に問うべく、秩父の山荘にこもった老作家のもとに美貌の女性が訪れる。

吉成行夫には、12年間隠し続けた秘密があった。

ソ連大使館員殺害の容疑で逮捕された大学教授・荻野が、突如聞き慣れぬロシア人名を口走り、精神鑑定に持ち込まれた。

北多摩警察署の刑事課強行犯係の相馬刑事―身長180センチ、体重80キロ、通称ウマさん。

夕闇の松山港で若い美女の絞殺事件が!現場に残されたのは四国の地図と将棋の駒。

大学時代の悪友に誘われ、独身最後の想い出として山に登った恋人が、縦走中に転落死してしまう。

「自殺するみたいな走り方が、面白い?」と女は言った。

クラスでふたりは際立った。英語をきれいに発音できる少女と、訳出が上手な少女。

製薬会社社員の田原と禅道は数学者、相良五郎の命を偶然救い、親しくなった。

その時分、私は映画に狂っていた。終戦直後で中学が新制高校に切り替って間もなくのことだった。

流氷が鳴くオホーツク沿岸で、名物観光列車が奇々怪々な事件に遭遇―というリレー式推理小説の筆者たちが、おそるべき運命の糸にたぐられて…。

シベリアの寒村ツムスクで反体制医学博士サムソノフの娘が、何者かに殺害された。

唯野仁，早治大学の名物教授にして実は隠れた新進作家．彼は，大学のグロテスクな日常をのり切りながら，その講義で壮観な文学理論を展開して行く．「大学」と「文学」という二つの制度＝権力に挑んだ衝撃の長篇小説．

父は贈賄の容疑で手配中の逃亡犯、母は男と二人で駆け落ち―両親が同時に家出して、残されたのは姉と弟二人だけの“子子家庭”。

青年は、生きるけじめを求めた。死に向かった男は、生きた証を刻もうとした。

冬景色のパリ。凍てついたセーヌにほど近い地下鉄駅で、日本人ガイドの他殺死体が発見された。

奈良春日大社が万灯篭で彩られた節分の夜、参拝者で混み合う境内から若い女性が蒸発した。

思いたってメキシコ旅行に出かけたエイミーとウィルマ。

根吹岳山麓で遭難死した男の遺品の中から発見された手帳には、ライフルを持った男たちによるおぞましい人間狩りの模様が克明に描かれていた。

ちょっとおませで利発ゆえに自閉的な少女マリ。

京都3大祭りのひとつ、時代祭りの行列の中にヒロインの巴御前に扮した広川雪江がいた。

警視庁捜査1課の吉敷竹史は、ふと入った画廊で作者のない“羽衣伝説”と題された彫金を目にした。

輝く青い瞳、魅惑的なプロポーションにサテンのドレスをまとった女は何に怯えているのか?アメリカ西海岸で探偵をする〈わたし〉の許に、雨の金曜日の夜、仕事の依頼に現れた女はサラと名乗った。

精神科医の前に現われた女は、真っ黒の水中眼鏡を取ることをかたくなに拒んだ。

昭和18年4月、脱獄歴6回の無期懲役囚・白岩由吉が網走刑務所に移送されてきた。

東京を恐怖のどん底につき落とす殺人鬼が二人も出現した。一人は金槌で被害者をめったうち。

ソ連製ヘリコプターで千キロを北上、ソ連空軍機の追撃を振り切り、はるかバイコヌールに潜入したガントだったが、すでにKGBが彼を待ち受けていた。

ベルリンの壁は取り壊され、いままさに米ソ両国は、歴史的な軍縮条約を結ぼうとしていた。だが―。

迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。

中世、異端、「ヨハネの黙示録」、暗号、アリストテレース、博物誌、記号論、ミステリ…そして何より、読書のあらゆる楽しみが、ここにはある。

JR・田町駅付近の東京湾岸で男性の死体が発見された。

マユコです。内気で本好きの私には、ひとつ秘密があるんです。

夏村絵里子はコンピュータ結婚相談所のオペレータ。データを見たいという女性の申し出を断わった翌日、その女性が殺された。

2番ホールのティーショットのボールがフックして隣りの12番ホールでプレー中の税理士の側頭部を直撃、意識不明のまま70年後に死亡した。

ややワケありで、僕は家を出た。形が無いから大事にしていたものたちを失くし、僕にはもうほとんど何も残ってはいない。

学ぶことの楽しさ、知ることの面白さを伝授する、カルチャーエッセイ。

推理作家の氏家周一郎の妻、早苗が勤めている名倉病院の内科病棟では、親睦をかねて南紀2泊3日のツアー計画がたてられた。

三尾健治は東京転勤を機に、消息を絶っている高校の同級生・藤代瑛子のマンションに住み彼女を探すことになった。

ナンバーワン・ホステスが猫と心中!―その事件の真相を見抜いた深田光彦は突然、行方を晦ました。

鎌倉街道東慶寺は、「駆込寺」として知られる。寺の前のせんべい屋に居候する。

落ちこぼれが集まる私立高校の人気者美也子さんが殺され、さらに親友亜紀子の命も狙われている…。

女は、男の頑なまでの職人気質に惹かれ、その腕にすべての望みをかけて仕事をたくした。

初夏。傷ついた心をたずさえて、わたしはサンタマルゲリータへ帰ってきた。

実業界を引退したゆたかな紳士ピクウィック氏は、素朴な人柄で、人間愛に満ちた人である。

アリソンは戦略家だった。

めったに贈り物など受けとったことのないルポライター、浅見光彦のところに大きなダンボールの包みが届いた。

異星文化のごった煮と化した都市ヤミナベ・ポリスで開かれた超人サミットに四十数名のスーパーヒーローが集結した。

連邦地方裁判所のハリー・スペンサー判事は、世間におもねらず思いきった判決を下すことで知られている。

毒を持つ女性ほど妖しい魅力がある。彼女の周辺にはいつも男が群がっていた。

白雪の宗谷本線をひた走る急行「礼文」の車中で男が毒殺された。

5年前に清算した上司との不倫…その相手であった田岡が殺された日、亜木子はマレーシアにいるはずの夫を赤坂のナイトクラブで見かけた。

ワールド時計社長令嬢の楠木かおりが、国鉄の人気欧風列車サロンエクスプレスから、忽然と姿を消した。

轢き逃げ犯人に仕立てられたカメラマン金井は、出所直後、自分を罠にはめた後輩松本を刺殺して故郷函館へ逃亡した。

美しい日本海沿いに走る特急「白鳥」の車内で殺されていた女性は、一代で財を築いた実業家だった。

ごぞんじ、世界一の名探偵・ホームズが親友のワトソン博士とともに大活躍！　さえわたる名推理で怪事件を次つぎに解決していく。

ロンドンのビジネス街にあるささやかな煙草屋の二階に、切手商が間借りしていた。

ホテルのオープニング・パーティに招待された赤かぶ検事夫妻、そこで超豪華な装身具に身をつつんだ婦人に出会った。

首都圏近郊のアパートで、1人暮らしのOL・平沼美奈子が襲われた。

恋人の水沢アキのマンションの隣室が全焼し、男の焼死体が出た!釣部渓三郎と蟹沢警部は、部屋の主でここ数日所在不明の独身女性を探し出せば一件落着と考え、秋田の乳頭山に出かける。

B・ホリディなんかブッ飛ばせ!19歳の美貌を含羞でくるんだ朝子のボーカルが古都の夜空を駆け抜ける―。

零下三十度のモスクワの街頭で一人の男が爆死した。六十年前、その男・高村平介は独りソビエトへ留学した身だった。

英国秘密情報部員ダビナは、亡命したKGB大佐ササノフの尋問を任された。

子供たちの父は、チャンドラーだった。その友は、フィリップ・マーロウだった。

現代の気鋭作家たちの新たなストーリーに乗って、フィリップ・マーロウの心と時代が躍動する。

ある日、突然に、われわれの日常生活をおそう不条理な陥穽は、いたるところで、ひそかに牙をといでいる―。

二十歳の自称“うら若き乙女”奈々子がアルバイトをしている喫茶店〈南十字星〉を若くてしっとりした美人・美貴が訪れた。

うりふたつの人間ドッペルゲンガー(D)があちこちに出現、自分のDと出会った者のほとんどは自殺してしまう。

ひたすら人の心の荒野へむかう写真家望月のファインダーに、人生のなにが映し出されるのか。

乱診乱療の糾弾に揺れる南川病院の理事長が殺された。全病経協議会へ出席した九州の宿泊先でのことだった。

最先端の医療設備を誇る南川病院で、診療ミスによる死亡事故が発生した。

TVドラマ「利休の死」撮影中・太秦で毒殺事件。

ニセ学生からの脱却を目指し、受験勉強に励む隆。電器店でアルバイトに精をだす耕一。

神真人が何かに憑かれている―悪霊封じの九十九乱蔵は術の師・真壁雲斎から、真人の姉・小百合に会うことを依頼された。

早苗の兄・喬が局部をえぐり取られた惨殺死体で発見された。

伝説によれば、脱走した三百人の囚人たちははてしない雪原をどこまでも越えて行き、阿寒の山麓あたりに彼等だけの共和国をつくり上げたと言われる。

養子に入った武家の妻にへきえきしていた男が、初めて連れていかれた谷中の茶屋の女に魅せられ、武士の身分を捨ててしまう表題作。