「今朝起きたらひどく頭が痛んだ。

帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。

「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

独立蜂起の火種が燻る、十九世紀ポーランド。その田舎村に赴任する新任役人のヘルマン・ゲスラーとその美しき妻・エルザ。

失踪した父を探して難関音楽学院を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

ミスター・ボーンズは犬だ。だが彼は知っていた。

危険を孕まぬ人生は、生きるに値しない。

1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ15歳の少年エディは享楽的な毎日を送っていた。

18世紀英国。

1975年、日本海側のN***県が突如分離独立を宣言し、街は独立を支持するソ連軍の兵で溢れた。

ある侯爵が、美しい養女を放蕩三昧の金持ちに輿入れさせようと企んだ。

取材のためにエルサレムを訪れた作家のモリーンは、白昼に突然幻視に襲われた。

インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。

1809年、フランス占領下のウィーン。

オーストリア軍の兵士、オットーとカールの兄弟は、膠着状態の戦線で、ロシア兵達の虐殺を目撃したことをきっかけにジェルジュと呼ばれる若者に出会う…。

世界は何によって、どんな風にできているのか?百姓の小倅であるヨハネスは、ふいに彼を襲った疑問に憑かれて旅に出る。

18世紀初頭のパリ。追い剥ぎのアルノーは、襲撃した老紳士に逆に儲け話を持ちかけられる。

第一次大戦前夜、天賦の“感覚”を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する“顧問官”に拾われ、その配下となる。

中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。

ケラーが今回依頼されたターゲットは、メジャーリーグの野球選手。

デビュー後、編集部の要請で送られていた習作短篇3篇とデビュー当時の様子を友人に書き送った「ハサミ男の秘密の日記」を収録。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

花咲き乱れるオーブランの庭に眠る、少女たちの秘密。

驚異のミリオンセラー。 日本で一番愛される文庫ミステリ、待望の最新刊 静かにあたためてきた想い。

陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。

渡辺探偵事務所の沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてくれという。

私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。

エスタ。この、出生の謎をもつ美少女の語りを軸として展開する多彩な物語。

家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

『わたしを離さないで』から十年。

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。

残月の郎次―昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部。

一九三九年十一月二日、ワシントンDCの森で、娼婦の死体が発見された。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

『薔薇の名前』で世界の読者を魅了したウンベルト・エーコが、ふたたび中世を舞台に放つ物語。

「復刊ドットコム」で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化！ 1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。

ホステス殺害事件を追う合田雄一郎は、電車飛び込み事故に遭遇、轢死した女とホームで掴み合っていた男の妻・佐野美保子に一目惚れする。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散臭い男だった。

黄昏の東京――。鞠谷雛子は、周防馨は、電柱の陰の、交差点の向こうの、ふとした廃墟の様相に“死者"を見る。

独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。