天使
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文春文庫版で読んだのだが全然面白くならないので豊崎由美の解説を読んだら、美少年が貴族的美青年に成長してゆくさまを女性読者が読んで淫するというそういう少女漫画的小説らしい。それでは私が何も感じないのは当然だと思った。解説はありがたい。 | ||||
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第一次大戦前夜、天賦の「感覚」を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する顧問官に拾われ、その配下となる。混迷の欧州で繰り広げられる、選ばれし者たちの闘いの結果は!? 堕天使たちのサイキック・ウォーズ。 | ||||
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佐藤亜紀の小説をよんでしまったら自ら小説など書こうと志すことは ためらってしまうだろう。 畸形的な想像力という面だけみれば、大江やその他もろもろ個性的な 作家はいるかもしれない。 しかし、文字をおうというただそれだけの快楽に忠実になれ、かつ、 エンターテイメントの極限へ導いてくれるこんな妙ちきりんな作家はまれだ。 「バルタザールの遍歴」でもそうだったが、ライトノベルばりの超能 力てんこもりの意匠も描写の多重性や纏いつくような感覚描写をなすための 方便かと思えるほどだ。 村上某も井坂某も彼女の作品の前では、色褪せてしか見えず、どうでも いい作家にしか思えなくなってしまう。 今時の存命作家の小説の中で、暇つぶし以外の理由で読む価値がもし あるとするなら、山尾悠子と佐藤亜紀のもの位だろう。 芥川賞はさておき、直木賞も本屋大賞もこのライトノベルがすごい!も いったい何をみているのだろうか。類稀なる作家、感嘆。☆×10個。 不遜な言い方をすれば、この作品がメジャーにならないような日本の 小説界など、紙ゴミを消費する読書とともに消滅してしまってもなんら 惜しくないと思う。ホイホイと映像やほかのメディアに変換可能な物語 などに存在価値なんかもうほとんどないのだから。 参考資料としてでもなく、貴重な時間を割いて小説として文字を追う行為 にまだ何かの価値があるとすれば、この作品を読むようなところにしかな いだろう。 | ||||
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同じ著者の「1809」に対し、その舞台である19世紀初頭のウィーンにおいてウストリツキ公爵は20世紀的人物であるという趣旨の評がありました.それに倣ってこじつけると「1809」からおよそ100年経ち、そうした20世紀的人物がうようよしている本作のなかで、主人公ジェルジュの最強の敵メザーリこそがいわゆる21世紀的人物ではないでしょうか?メザーリの気持ち悪さの描写は凄まじく、本作の登場人物たちが備える「感覚」は、彼を描写したいが為に設定されたのではないかと穿ってしまうほどです(公爵なら内面を独白しもするでしょうがメザーリが自身の内面を他人にしゃべるとは考えられませんから).個人的にはフリッツラング監督の映画「M」の殺人犯と少しイメージが重なりますが、メザーリの方がかなり強そうです.21世紀の現在、世間にはメザーリ的人物がうようよしている。。というのは言い過ぎかもしれませんが、一定数が生息しているのは確実と思います。図式的な誤読ついでにいえば、本作でのジェルジュ、ダーフィット、フローラの関係は、「バルタザールの遍歴」におけるメルヒオール、バルタザール、マグダの三角形と相似を成しているように思え、著者のいちファンとしてなんだか嬉しいです. | ||||
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なんて緊張を強いられる小説だろう。 正直なところ、読むのはとてつもなく疲れる。脳の運動神経をフル稼働させることを要求されているようだった。 ジェルジュ・エスケルスは「一世代に精々一人か二人だ」という程、天賦に恵まれた“感覚”と呼ばれる能力を持っている。果たして“感覚”とは何か。それを超能力のように明らかに表現することは佐藤亜紀にとって屈辱でしかないだろう。佐藤亜紀は“感覚”をリズミカルな文体で感覚的に、艶かしい筆致で表現する。読者は努力さえ怠らなければ、ジェルジュや他の人物の“感覚”を共有することができる。感情の飛躍や揺れを小説という形式で、これ程までに映像的・音楽的に現すことに成功した作品があっただろうか。 三島由紀夫は「私には音楽が色に見える」という風な言葉を遺した。 「天使」では、紙というややもすれば乏しいメディアの上に印刷された黒い文字の羅列が最上の音楽や映画になるのだ。愉しみに溢れている。 しかし、気軽に天使を友人・知人に勧められるだろうか。結論否だ。「よくわからなかったから途中で読むのを止めた」と云われたらどれ程悲しいか。 だが、この作品をみんなに教えたい、“感覚”について皆と語り合いたい。けど、否定されたくない。私の独りよがりな我儘とはいえ、なんとも悲しいジレンマを私に感じさせる佐藤亜紀はとても罪深い小説家だ。 | ||||
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