深夜、東京の閑静な住宅街に一台のトラックが突っ込んだ。やがて起きる二つの殺人事件。

設計士の板垣貞夫は地元の有志から、石見銀山跡を観光地にしたいと、設計の構想、工費の見積もりの依頼を受ける。

雨の港で海中へ転落した車。妻は助かり、夫は死んだ―。

白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

北海道の北浦市市長春田は、陳情上京中に失踪、数日後に武蔵野林で絞死体となって発見される。

会社員の青年・梅木隆介はある夜、夫婦と名乗るヒッチハイクの男女を車に乗せた。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

もう耐えられない―画家の矢沢辰生は、異常なほど嫉妬深い妻の暴力に苦悩していた。ときには死の恐怖すら感じるほどだった。

不動産ブローカーの粕谷為三は、すし屋で元愛人の霜井登代子と再会する。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

選挙に出馬する義弟の不透明な資金三千万円を持ち逃げした木谷省吾。

銀行員安田信吾は行金五百万円を持ってキャバレーのホステスと共に逃走した。取引先の隠し預金を裏付ける極秘メモが決め手だ。

銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。

推理小説の傑作短編第1集。

会社更生法という大企業優先の悪法を逆手にとり、擬装倒産で私腹を肥やす弱電器機の大手メーカー、イコマ電気社長。

7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。

大学で法制史を教える山根辰雄は、古書店で集めた本に、同じ蔵書印があることに気付く。

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。

水尾市の市会議員である鐘崎義介は酒造会社と市政に批判的な新聞社を経営するやり手。

東京近郊に広大な敷地と白亜の近代校舎をもつ私立女子大学・若葉学園。

エリートコースの販売課長が社員旅行の晩に行方不明となり、惨殺死体で発見された。

殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。

浦島・羽衣伝説をめぐる取材旅行の先々で起る奇径な事件。民俗説話や古代史と今日的犯罪を結びつけた長篇推理。

女性限定の25日間ヨーロッパ・ツアー旅行「ローズ・ツア」が企画された。

大和大学助教授の稲木は、バーのマダム啓子との情事の帰途、入試問題草案を紛失した。

新進の考古学者・江村宗三は、元兄嫁の西田美奈子と十四年ぶりに再会し、情事を重ねていた。

二十年近く地道にある省の役人を勤めてきた川島留吉は、ふとしたきっかけで役人仲間と麻雀を始める。

大屋圭造は三流経済誌の記者。企業の提灯記事を書いては広告料を取る「トリ屋」である。

松本清張原作の傑作映画と、解説本を組み合わせたシリーズの第7巻。

あと43分で日本が滅亡する！

割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。

遠沢加須子は、夫の遺した中部光学というレンズ製造会社を諏訪で経営している。

前衛水墨画の旗手として、一躍脚光を浴びた久井ふみ子は、ライバル滝村可寿子を蹴落とし、画壇の頂点を目指す。

ミステリには「清張以前」と「清張以後」があるー。巨匠の凄みを凝縮した初期の傑作８編。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

悪徳岡っ引・梅三郎の罠にかかって、“破牢”の重罪を負った甲州無宿の源次。

古代史の造詣を巧みに駆使した表題作「火神被殺」、「神の里事件」。

救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。

八月十六日、京都・五山の送り火の夜。興奮にざわめくホテルの屋上から、情事の相手が姿を消した。

新進の考古学者・高須通子は、石造物の調査のために訪れた奈良で、殺傷事件に巻きこまれた海津信六を助ける。

南北の朝鮮に抹消された悲劇の詩人。彼が追い求めたものとは何だったのか。

新聞社の文化部で各界の著名人たちと交流し、活躍していた姉信子に憧れていた妹の笠原祥子。

数百作におよぶ松本清張の短編の中から、 ミステリ界の旗手二人が各々のベストを厳選! 二人をして「文句のつけようがない」と 唸【うな】らせた傑作ミステリや、 人間への鋭い洞察が深い余韻を残す名作、 編者のセンスが光る意外な逸品など、 大作家の魅力を存分に味わ

貧しく孤独な生い立ち、失意の青春時代、そして作家としてデビューするまでの苦闘の日々を、切々と告白した心うつ魂の記録。

昭和8年。東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。