きみが先祖から受け継いできたものの正体が知りたい―都内の小さなPR会社を経営する俵谷慎介のもとに、郷土史家を名乗る老人がふいに現れた。

ただひとりの肉親だった祖父を目の前で殺害された渋木祐介少年の生活は、その日を境に一変した。

定年を迎えたり、親しい友人が亡くなったり、親やきょうだいの法事に集まったりするとき、ふと胸をよぎるのは、幼かった頃のことや、最も輝いていた時期のことだ。

陶芸家・長倉英臣の父の一周忌で、石黒義彦は英臣の娘・智子と再会する。

これが最後の仕事と思い決めて、危険な犯罪に走った初老の男が辿ってきた人生(「トマト」)など、七本の短篇を収録。

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。

女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。

自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

42歳の課長さん、17歳年下のキャリアガールに恋をする。おたくの職場、どうよ?ユーモアとリアリティ。

海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。

悔いてはいないが、そろそろ残された旅を急がなければならない。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。

ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。怪しい男たちが訪れた時刻から。

生き急ぎ、駆け抜けてきた。

第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。

初老の介護士・三谷孝は、対人関係能力、調整力、空間認識力、記憶力に極めて秀でており、誰もが匙を投げた認知症患者の心を次々と開いてきた。

大阪府警薬物対策課の桐尾と上坂は覚醒剤密売捜査の最中、容疑者宅で想定外のブツを発見した。

空虚な日常、目を凝らせど見えぬ未来。五人の男は競馬場へと吹き寄せられた。

みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。

この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生。

ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。

その夜、「僕」は、奇妙な名前の強烈なカクテルを飲んだ。

かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。

「憶えてるよ」僕は正気を取り戻した。

刑務所帰りの旧友と再会し、執拗につきまとわれる滋郎。愛する家族を守るため、言うなりに金を払うのだが―(「再会」)。

真っ暗な穴のなかへ落ちてゆく夢を見た。青函トンネルを走る列車で目覚めた時、彼は自分自身を失っていた。

見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。

トンネルを抜けると緑濃い山を背景に美しい里が現れた。浅茅が原だ。

弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。

神山佐平は、やむなき事情から家中の者を斬り、無断で江戸へ帰ってきた。わずか二年前に仕官したばかりだった。

故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作―故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語った、第25回文芸賞受賞作『汝ふたたび故郷へ帰

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。

その誇りに、囚われるな―。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。

雪の札幌。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

湯原直子がある邸から持ち帰った稀覯本は、直子の勤める古書店の客磯部の蔵書から消えた品だった。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

アームストロングの店に彼女が入ってきた。

割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。

白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。

公訴時効の廃止を受けて再捜査となった15年前の老女殺人事件。

松本清張原作の傑作映画と、解説本を組み合わせたシリーズの第7巻。

東京近郊にある共同農場の農場長・尾関譲に、ベトナム人ロアンから電話があった。

幻の初期作品集!ミステリ、恋愛ホラーなど多彩な物語!容疑者を追い続ける老刑事、胸を打つ10の物語。

定年まであと十年のベテラン刑事岩倉剛。

かつてベトナムの逃亡米兵を国外脱出させた川久保は、極秘依頼を受けた。

バブル経済絶頂期、大学生の大江波流と鷹西仁は、政治家と小説家になる夢を語り合う親友同士。

元警部補の青野は仕事先でトラブルに巻き込まれ、殺人容疑者として追われる羽目に。