ジャンプ
- 失踪 (242)
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ジャンプの総合評価:
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全2件 1~2 1/1ページ
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一気に読めた。 | ||||
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読みやすい文章で面白かったけど、後半になり展開が読めてしまいます。 | ||||
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『ジャンプ』というタイトルの意味が何であるか、これが個人的にはこの作品を評価する上でものすごく大切な気がする。 本文のなかでジャンプという言葉が出てきたのは、横浜スタジアムで主人公が、南雲みはるの姉の夫、天笠郁夫とその息子とアメフトを観戦している時。子供がジャンプして父親とハイタッチする場面。p.262 ここのアメフトのゲーム進行、そして観客の反応と、天笠郁夫対主人公の会話がたぶん重なり合っているんだと思う。息子の反応や会話の流れ全てが。 ちょっと再読して分析する体力がないけれど、タイトルと重なる部分がここしか自分は見つけられなかった。 自分は小説を再読することがあまりないので、あるかないかで言えばかなり怪しいけれど、もし再読することがある時のためにメモを以下に。 ・「ジャンプ」の意味について考えること。 ・子供がジャンプする意味は? →子供がジャンプしたのは、味方チームのタッチダウンが成立した時。 ・彼ら親子が一緒に横浜スタジアムまで出向いて、アメフトの試合を観たのはなぜ? →息子はパソコンのゲームしか興味がなかったのに、「一度ここへ連れてきたことがきっかけになって。中学になったらアメフトをやりたいと言ってる。」 ・「一ヶ月の間に彼女に何かが起こったんだ」という主人公のセリフに対する郁夫の回答 → ・「つまり、私の言いたかったのは、その程度のことです。みはるちゃんの男関係とか、そんな大それたことじゃなくて」 何かに対する認識の差。 主人公は一カ月の間に「起こった」ことは「何か」重大なことだと考えているが、郁夫はその一カ月に起こった出来事は「たかが知れ」たことかもしれないが、その「たかが知れ」た出来事が重なり合って人生の分岐点で「何か」を選択するのに十分な時間だと捉えている。 ここは自分で書いていて面白いなと思った。 参考までにその前にあったセリフは以下 「しかし人の人生で、一カ月の間に起こる出来事なんてたかが知れてるでしょう」 「いや、そうじゃないかもしれないな。一カ月もあれば、人生には思わぬ変化が起こりうるかもしれない。ちょっとした出会いや出来事が重なって新しい展望が開ける、一カ月というのはそのくらいの時間かもしれない」 ここまで書いてわかったことだけど、自分は実はこの小説を読んでて、主人公の人格が軽くて造形がやや浅いなと思っていた。しかし、改めて考えると、周りの言動と主人公の考えのズレが絶妙に描写されている。 冒頭にも書かれている通り、主人公は「強烈なカクテルを飲んだことを『いまだに』後悔している」。 この物語を過去のものとして思い出として語りたいと言っておきながら、いまだに後悔しており、しかもそれは「強烈なカクテルを飲んだこと」。 山本文緒の解説にも書いてある通り、主人公の「鈍感さ」を非常に適切に表している一文。 もしかしたらストーリーを語るなかで、その行動自体の無神経さ(ガールフレンドは主人公にある程度心を開いて、彼女の中で大切だと思われるバーに誘った。なのに、彼氏の主人公は後先考えずに度数の強い酒を頼んでしまったこと)を後悔しているのかもしれないけれど、実際その行動ひとつではなくて、二股をしていたり、彼女のことを何にも知らない(親友のことや大学を辞めたことなど)ことなど、たくさん後悔すべき事はあると思う。もう少し彼女と二人で語り合う事もできたし、半年間という期間はそれを語り合うに十分な時間だと思われる。 その点、彼女は最初に主人公が毎朝規則的にリンゴを食べることを知っており、それを用意しようとしてくれた。人が人のことを知っている度合いで言えば、間違いなく彼女の方に旗が上がる。 運命的なストーリー展開には、作者の大風呂敷というか、大いなる意図が感じられるけど、それを上回る人物造形ができている小説だった。 サスペンスの形をとったエンタメのように見せながら、そういったことが後からじわじわと感想を書きながら理解できた作品。 話の拡げ方的にエンタメを無茶苦茶期待して読んでいたので、ラストシーンが結構あっけなく終わった印象あったんだけど、全然そんなことはなかった。良い小説だ。 あと巻末の編集者のエッセイがめちゃくちゃ面白い。文才の塊。オチは盛大に笑った。 | ||||
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佐藤正午氏の小説はどれを読んでもハズレということがない。「永遠の1/2」から始まって、立て続けに佐藤氏の本を読んで、この「ジャンプ」で6冊目(「鳩の撃退法」は上下2巻なので7冊目というべきか・・・)。 「ジャンプ」は佐藤氏の小説にしては時間の流れが一本道なので、わかりやすく、かつ登場人物も比較的少ないので、読みやすい。しかしこの小説は複数の物語が重層的に絡み合っている。具体的には その1は、失踪した「南雲みはる」はどこにいるんだという探索物語。 その2は、別れと再会の物語。 その3は、もしあのとき、という「Y」の別バーション物語。 その4は、ふとで出会い付き合った女性の身の上話的物語。 その5は、2人の女性と1人の男の三角関係物語。 その他に、様々な視点で読むことができる。 自分としては、1回目は別れと再会の物語として読んで、再会の場面で読書のクライマックスを迎えたが、「ジャンプ」とついたタイトルから考えて作者は、ジャンプしたヒロインとジャンプしなかった主人公の2人の差を描こうとしたと、読み取った。 この本も、再読が楽しみだ。 | ||||
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<ネタバレ注意> この物語には致命的な欠点があると思います。 それは、失踪した恋人(=南雲みはるさん)が携帯電話を持っており、しかも主人公の男性(三谷氏)はその携帯電話番号を知っているということです。 著者は「彼女(=南雲みはるさん)の携帯電話の充電器は自宅にあり、彼女の携帯電話の電池は切れているので、絶対に充電できない」と記述していますが、今もそうですが、当時も携帯の全機種充電器は共通でF社、SO社、SH社、P社、N社、等など全部共通で充電できたということです。 つまり、例えば南雲みはるさんは途中で立ち寄ったことがわかっている女性友人宅等で充電器を借りて充電できるということです。(当時というのはこの物語が書き始められたであろう1998年か1999年ごろのことです。) (そもそも、1年も5年も携帯を充電しないので)連絡が取れないという展開に無理があります。 また、最後に主人公の三谷氏と南雲みはるさんがばったり駅であったとき、彼女(南雲みはるさん)は決して、主人公の三谷氏を避けるなどの行動をとることはありせんでした。むしろ、何があったか、詳しく親しげに話しています。 つまり、もし、主人公の男性が南雲みはるさんの携帯電話に電話しても、南雲みはるさんは電話に出ないということはなかったでしょう。 もちろん電話に出てくれないなら、南雲みはるさんの行きつけのバーである「あさひ」の電話からかけるという選択肢もありました。 それなのに著者は、携帯電話は電池が切れた設定をまったく改善せず、なんと1年後には、主人公が南雲みはるさんと話したいから東京から沖縄まで行って、しかもすれ違いで会えないという設定までしています。 こんなの、南雲みはるさんに携帯に電話をかければ一発です。東京から携帯に電話してもいいし、沖縄のホテルから彼女の携帯に電話してもいい話です。 私は、こういう、さすがに無理がある物語は「軽蔑」します。 「競輪が当たりまくる物語」等はSF的でまだ受け入れられますが、 南雲さんの携帯にまったく電話しないような無理がある物語は「軽蔑」するということです。 (最後まで読んだ理由は、最後は、携帯電話が解決のKeyになるんだろうな。さすがに、著者も携帯電話の存在は無視しないだろうなと期待していたからです。しかし最後まで携帯電話のことは触れずに物語はおわってしまいました。) | ||||
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佐藤正午さんがゲイナーという男性誌で連載してた頃から好きな小説。 次はどうなるんだろう?と毎月楽しみにしていた。 ちょっとあり得ないけどどこかリアルな佐藤正午マジックの逸品作。 人と人、人と時間の流れ、男女の移ろいなど「良くできてるなー」という作品。 低評価で「なぜジャンプという題名?」との意見が散見されるけどこれは物理的なジャンプでなく心理的なジャンプを表してるのに何できづかないかな。 清水の舞台からの心境で疾走した南雲。 それができなかった潤之輔。 非常によくできた表題だと思うけど心理描写を追えない読者は何を考えて本を読むのか。そっちの方が理解できません。 今でも読み返す素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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なんじゃ、こりゃ。これがどうしてミステリーの年間ベストテン入りするのよ! 敢えてジャンルに分ければ、青春小説ってなことになりそうな、やわやわなお話なのに。 主人公の彼女の失踪が唯一の謎なのだけれど、そんなのどうでもいいわい、ってな感じ。ダレます、かなり。 最初に出てくる彼女の姉ってのが不愉快極まりないのだけれど、どうして出てきたり引っ込んだりするの? 何の意味があるの? 「自分で道を切り開いたと思っても、実はそうじゃなかった」と気づくこと、なんてのが言いたいのなら、何もこんな回りくどい話にしなくても・・。時間の無駄。 | ||||
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