入院中、同室となった男に、雀荘を経営する妹の安否を確かめてほしいと頼まれた私は、戦後の焼け跡が広がる街を、彼女の影を追ってひたすらに彷徨う―国産ハードボイルドの原点となった記念碑的作品「X橋付近」をはじめ、運命の女・志賀由利の足跡を描いた「賭ける」ほか四編

江戸川乱歩に見いだされた「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎俳優・中村雅楽の推理譚。

貧乏学生鏑木明の借金返済の肩代わりに一度だけ体を売ってお金を稼いだ恋人土岐容子。

昭和六十年代の札幌・ススキノ。やがて消えゆくバブルの時代、かりそめの街で敏腕黒服・黒頭が邂逅する五つの物語。

“虚宴”に酔いしれる1989‐90年、サッポロ。

入院中、同室となった男に、雀荘を経営する妹の安否を確かめてほしいと頼まれた私は、戦後の焼け跡が広がる街を、彼女の影を追ってひたすらに彷徨う―国産ハードボイルドの原点となった記念碑的作品「X橋付近」をはじめ、運命の女・志賀由利の足跡を描いた「賭ける」ほか四編

明治二十四年の函館に発足した、小さな警察署。

明治24年の函館、街の平穏を守るべく、日夜奔走する刑事たちの活躍。

無実の罪で投獄された男は、十年ぶりにかつての仲間の前に現れた―メランコリックな詩情が横溢する「札幌に来た二人」ほか、非情な結末を乾いた文章で綴ったサスペンスフルな表題作など全14編を収録。

スパイとして国後島に潜入し、ソ連の警備隊に拘束された男。日本に帰還した彼を待っていた真実とは―(表題作)。

白堊館の建つ岬と、その下に広がる藍碧の海。

上から読んでも下から読んでも「きげきひきげき」―題名に始まり、章見出しや登場人物は回文ずくめ、言葉遊びが随所に鏤められた本書。

1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。現金11億を奪うためだ。

本の街、アウトドアの街、楽器の街…。いくつもの顔を持つ東京・神保町を震撼させる惨殺事件が発生した。

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。

ある女のひとを守ってほしい―沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。

エリザベス王女をナチスの手から守るため、表向きは数学教師としてウィンザー城に赴いた赤毛の才媛マギー。

渡辺探偵事務所の沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてくれという。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

日露戦争前夜、函館で生まれた元娼婦の“令嬢"がゆく浦潮(ウラジオ)の迷宮街路〈ミリオンカ〉――。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。

第二次大戦下、首相官邸でチャーチル首相の秘書として勤務することになったマギー・ホープ。

函館を訪れた美貌の女。彼女に秘められた切ない過去とは……。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

空が色をなくした冬の北海道・江別。

石油王が失踪した。失踪か? 誘拐か? 夫人の依頼により調査を開始した私立探偵リュー・アーチャー。

社運を賭け、巨大ビジネスとなる高純度人工水晶開発に取り組む藤岡は、インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。

アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

元デルタフォース隊員で、現在は空港の保安監督官として働くデイヴは、飛行機事故で最愛の妻子を失った。

私立探偵マーロウは、スターンウッド将軍の娘がゆすりにあっている件で、将軍家へ招かれた。

テリー・レノックスという酔っぱらい男と友人になった私立探偵フィリップ・マーロウは、頼まれて彼をメキシコに送り届けることになった。

唐後期、特異な建築「方壺園」で起きた漢詩の盗作をめぐる密室殺人の他、乱歩賞・直木賞・推理作家協会賞を受賞したミステリの名手による傑作集。

最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。

ボッシュはロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のリンカーン弁護士ミッキー・ハラーを代理人に立てロス市警への異議申し立ての訴訟をおこなっている。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

2014年、定年延長制度の最後の年をロス市警本部強盗殺人課未解決事件班で迎えようとしているボッシュは、あらたな相棒として、若き新米女性刑事ルシア・ソト(28歳)と組むことになった。

刑務所から出所したばかりの大男、ヘラ鹿(ムース)マロイは、 8年前に別れた恋人ヴェルマを探しに黒人街の酒場にやってきた。

深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

「行方不明の兄オリンを探してほしい」私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪れたオーファメイと名乗る若い娘は、二十ドルを握りしめてそう告げた。

ハーバード中退、ドストエフスキーの愛読者、そして元陸軍軍人のジョー・ブロディーは、ストリップクラブの凄腕用心棒だ。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

妻子と別居し、借金取りに追われる玉山は、現金強奪の話を持ちかけられ……。

１９４５年。B２９による空襲の翌朝、防空壕で女性の遺体が発見される。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

本書は沢崎シリーズの、第二期のスタートを告げる作品。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

殺人者は、いつの時代にも存在する。

私立探偵エルヴィス・コールは、最近妙に金回りがいい息子タイソンのことを調査して欲しいという、母親からの依頼を受ける。

元刑事のショーンに保安部が依頼したのは、IRAの大物テロリストにしてショーンの旧友であるダーモットの捜索だった。