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(短編集)
墓標なき墓場
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墓標なき墓場の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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昔の作品ですが情景描写が素晴らしい | ||||
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この作者の作品は初めて読んだ。北海道を舞台にした小説が読みたい一心からだ。期待は良い方に裏切られた。55年前、北海道東部で起きた不可解な輸送船の遭難に隠された陰謀が描かれている。そここにヒントはあるのだが、結末が露わになるまで、読書子の犯人探しは右往左往する。特に殺された被害者の周りに現れる者たちの様々な人物像が、否応なく推論を惑わせる。 インターネットも携帯電話も無い時代、情報収集や通信手段は全て人間の目、耳、口、手、足で集められる。現代に比べれば遅々として進まない調査が続く。それを補うのは人間が持って生まれた感性と、経験の蓄積による判断力である。便利な世の中に浸りきった我々にとって、昭和三十年代初めの全てが不自由な時代背景を知ることは大切なのではないだろうか。 | ||||
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正直、ぐんぐん読めるタイプの小説ではなく、読み切るまでに時間をかけてしまった作品ですが、今とはまったく異なる時代背景といわゆるマスコミのこの時代の裏側が興味深かったです。 なんとなく本当にありそうなストーリーだとも感じました。それだけリアリティがあったのかも。 | ||||
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確かに独特の雰囲気を持つ作品ですが,推理本として、見た場合は幼稚です。あまりに、ひとりよがり過ぎます。もう少し文が柔らかければ、優れた読みものになったのでは。確かに氏の若い頃の作品なので、差し引いて考えるべきかもしれませんがー。 | ||||
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かつて旧「宝石」からデビューし、大藪春彦、河野典生とともにハードボイルド三羽烏といわれた高城高の現在まで唯一の長編。 昭和30年代の釧路を舞台に、海難事故に秘められた謎を新聞記者が追求するストーリーは著者が謙遜するような、低い水準の出来ではなく、むしろこの錯綜したプロットを活かすにはこの倍の分量が欲しかったところだ。 それは登場人物の描写にもいえることで、スクープと引き替えに左遷された主人公の鬱屈と再生をより丹念に描けば、80年代の志水辰夫や北方謙三の同種の作品の先駆になり得たのにと惜しまれる。 しかし厚い霧が立ち込める港町の描写の硬質な詩情性や、簡潔できびきびした文体は過剰さが持て囃される現代作品の多くに閉口する者としては心地よい。 引き続き上梓される短編集が楽しみだ。 | ||||
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以前から高城高の名前だけは知っていましたが、作品を読んだことはありませんでした。わが国のハードボイルド・ミステリの先駆者が昭和37年に刊行したまま長らく埋もれていた幻の長編小説。これが初の復刊にして文庫化です。意義のある出版だとおもいます。 北海道で起きた海難事故の背後に隠された謎を地元の新聞記者が三年越しの執念で追っていくというストーリー。文章が格別に巧いというほどでもないけれど、釧路や根室といった港町の昭和30年代のレトロな光景と寒々とした自然描写が印象的でした。地方支局に勤務する新聞記者の日常生活も活写されていました。 淡々とした筆致と地味な展開からは、ハードボイルドというよりも同時代の松本清張や水上勉らの社会派推理小説にちかい雰囲気がただよっているようで興味深かった。作者はヘミングウェイを愛読していたらしいですが、ちょっとシムノンを連想させる作風という気がしたなあ。 読後感はあっさりし過ぎていて物足りないともいえるけれど、歴史的な価値を加味して評価すべき作品ではないかしら。あるいは読者を選ぶかもしれない。これはあくまでも私見ですが、たとえばテレビの二時間サスペンスドラマに脚色したら佳作になりそうな可能性を秘めているとおもいます。 | ||||
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