大川を生首が流れ、その首をのせた板には「獄門舟」と書かれていた。

展覧会場から、はたまた侯爵邸から、まんまと目当ての品物を盗み出す怪人が出没した。

美術商・稲垣平造が女事務員募集の広告を出した。その広告にひかれて稲垣のもとを訪れた里見芳枝は、その日から消息を絶った。

H製糖株式会社取締役・川手庄太郎は差し出し人不明の脅迫状に悩まされていた。

グラスが二つ載ったテーブルを挾み、対峙する二人の男。夏の末以来、塩の湯A旅館に居つづけの湯治客だ。

東に人の弱みを探してゆすり、西でネタを拾って小説を書き、南に薄倖の少女を救い、北では美女を侍らせての豪遊……やることなすこと図に当たり意気揚々の影男。

*収録作品 緑衣の鬼 幽霊塔 自作解説 解題 註釈 解説　　海外作品をもとにしながら手法の異なる二作／山前　譲 乱歩氏一流のお世辞／伊藤秀雄（黒岩涙香研究家） 「君は学校へ行っている頃、原稿を送ってきたことがあったね、あれは歳の割によくかけていたよ」などと

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。

D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。

オープンカーが車輪を石畳の外へと踏み外し、乗せられていた石膏像が投げ出された。

工学博士・五十嵐東三の大いなる夢は、東京・ニューヨーク間を5時間で飛ぶ超高速機の試作であった。

妖美幻想の世界を描く巨匠・江戸川乱歩の代表的名作! 名古屋市のある資産家の次男、青木愛之助は猟奇の徒であった。

実業家小山田六郎氏の夫人静子を脅迫する陰獣・大江春泥のナゾを追求するわたしのまえに展開していった驚嘆すべき真相は何であったか?昭和3年発表の傑作中編「陰獣」と、初期の名作3編を収めた乱歩傑作集!

わたし、野間五郎は青年時代から物忘れの大名であり、友人から、空気のようにたよりない男といわれ、そこから「空気男」というあだなが生まれていた。

九州の西岸にあるS市の旧家大牟田家のあるじ、子爵の敏清は、当時18歳の美女瑠璃子を妻とし、親友川村義雄と三人でしあわせな日をおくっていた。

蕗屋清一郎が下宿屋をいとなむ老婆を絞殺した。老婆がためていた大金をねらって…。

社交界の花形で、腕に黒いトカゲの刺青をしたその女は、実は「黒トカゲ」と呼ばれる暗黒街の女王、恐るべき女賊であった。

M県のI湾に浮かぶ沖の島に突如として出現したものはなんであったか?富豪菰田源三郎と瓜二つの小説家人見広介は、源三郎が死んだのを幸いに源三郎になりすまし、菰田家の莫大な財産をもって、おのが空想した夢のパノラマ島をつくりあげた。

悪魔の子と白鳥の騎士との虚々実々の戦い!巨匠・江戸川乱歩が練りに練った物語のおもしろさを十二分に発揮した傑作怪奇長編!親子二代にわたる因果物語の結末は?明治の末、台湾航路の客船・宮古丸が沈没し、有明友定男爵と親友の大曽根五郎、家扶の久留須左門の3人は果てし

築地に奇妙な西洋館が建っていた。正方形の敷地を対角線で半分に割り、建物も中央のエレベーターを境に分割されている。

シナリオ・ライター北村克彦は高利貸し股野重郎の妻あけみと通じ、股野を絞殺した。

『江戸川乱歩全集』は昭和三十六年十月十日~昭和三十八年七月二十日発行の桃源社版全集全十八巻を、外函と外カバーを付して限定覆刻したものです。

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

『算盤が恋を語る話』につづいて、大正十四年七月から十五年十月にかけて発表された十編「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」を収録、短編作家時代の掉尾を飾る作品集である。

見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(『石榴』)。

長いにらみ合いの後、全裸の2青年は恐ろしい勢いで突進した。

あらすじ 郷田三郎は引っ越したばかりの下宿で、偶然、屋根裏への入口を見つける。

大学を出たばかりの青年会社員・神谷芳雄がめぐりあったあそるべき怪事件。

『日本探偵小説全集2江戸川乱歩集』『D坂の殺人事件』につづく乱歩の短編集成。

本全集には、従来の著者の全集に見られない特徴がある。それは全作品にわたって、著者自身が校訂をしたことである。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

時子の夫は、奇跡的に命が助かった元軍人。

妖艶な美貌と大胆なふるまいで暗黒街の女王として君臨する「黒蜥蜴」。

秘密の文書の半分が盗まれた!それは、宮崎鉱造氏のおじいさんがのこした莫大な遺産、大判小判の「大金塊」のかくし場所をしめす暗号文だった。

推理小説とは何か？　そしてその作法とは？ 日常的な発想法のヒント、創作メモの取り方、プロット作り、ストーリイの構成……鮎川哲也とともに戦後の本格ミステリシーンを支えた巨匠による、超実践的創作指南。

ある春の夕暮、曲角に奇妙な印を書き残す老人が向う先には一軒の洋館。そこに捕らわれていたのは、手足を縛られた美少女だった。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。

大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。

売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、一九六〇年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル！　第四巻にはコッブ「信・望・愛」、ノックス「密室の行者」、バーク「オッターモール氏の手」、ハメット「スペードという男」、ダンセイニ「

何度つかまっても牢をぬけだす怪人二十面相。今度は名前を「四十面相」とあらため、どうどうと脱獄を宣言した。

幼い女子を次々と拐す「黒い魔物」が、団員・篠崎始の妹と小林少年を拉致。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル! 第3巻にはフィルポッツ「三死人」、クリスティ「夜鶯荘」、ワイルド「堕天使の冒険」、ユーステス「茶の葉」、ウイン「キプロスの蜂」、ロバーツ「イギリス

短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。

銀座の空に突然あらわれた銀色に光る空とぶ円盤。その後、次々と報告されるはねのある大トカゲの目撃談。

町はずれのこわれたレンガの建物に、一人の紳士がはいっていった。

そのからだはがんじょうな鉄のうろこにおおわれ、ワニのようなかたいしっぽを持っていた…海底の暗闇に、二つの青い目をひからせる魔物は、まるで黒い人魚のような姿。

密室に忍び込み、煙のように姿を消す―― 悪魔的トリックで天才・明智小五郎と小林少年を翻弄する魔人の正体は。