1944年6月、多くの民間人を抱えたままサイパン島は戦火に包まれた。

飢えとマラリア、過酷な山越えのための想像を絶する疲労の中、困難な道を進む兵隊たち。摩耗する心と体。

ペスト収束に奔走する敗戦間近の英国領ビルマ・メダンサ部落。

日本兵が陥った隘路とは?戦地の法則とは?つきつけられた選択とは?一兵士が抱く感情・判断・意志を、冷静な眼差しと丹念な描写で浮き彫りにする、体験記でも戦記でもない、古処誠二の戦争小説最新作。

インパール作戦前年のビルマ。新聞記者の美濃部は日本軍の英印軍討伐に同行する。

昭和20年夏、本土決戦に備えて中学生たちは陣地構築に動員された。

終戦間近のフィリピン戦線。

祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。

「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第2次世界大戦中のビルマ北部。

侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。

物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。

退路を断たれた北ビルマでの戦いで、独歩患者は分進隊として切り離される。

「あなたには、捕虜の処刑および民間人に対する虐待の容疑がかけられています」戦後まもなく、インパール作戦の日本人指揮官にかけられた嫌疑。

東シナ海に浮かぶ伊栗島に駐屯する自衛隊の基地で、訓練中に小銃が紛失した。

実務に追われる日赤救護看護婦を手伝っていた現地のビルマ人看護婦が全員解雇された。

東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。

銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

昭和二十年八月十四日、敗戦の噂がまことしやかに流れる沖縄の捕虜収容所で、血眼になって二人の人間を捜す男の姿があった。

黒川博行氏絶賛! 人生の切なさと輝きを描き上げた短編集。

生まれてから死ぬまで、運命のすべてが記されているという「アガスティアの葉」。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

一九九五年三月二十日、丸の内で起こった無差別乱射事件。

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

楽しさを追求したら、こういう小説になりました。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

2013年から1967年にかけて名刑事クワンの警察人生を遡りながら香港社会の変化も辿っていく、珠玉の連作短編集。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

攻撃を受けた時は、すぐに援軍を送るゆえ使を送れ―主君伊達政宗から白石城の留守を任された浜田治部介と五十一騎。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。

１９４５年。B２９による空襲の翌朝、防空壕で女性の遺体が発見される。

『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。

シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。

誘拐×時効、二度敗北した静岡県警。三度目の機会は、ないはずだった。

第54回江戸川乱歩賞受賞作 昭和21年、帰らなかった誘拐児。悲劇はそこから始まった――。

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。

日本から約一万二千キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では、盗難事件が相次いでいた。

置き去りにされた子供を捜して戦場を北上する。生きているはずがない赤子のために命を賭けたのは、なぜか。

テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。

「死にたくなったら電話して下さい。いつでも」。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。

悲哀にみちた人間ドラマ。温かな余韻が残るラスト。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

ゴールデンウィークの行楽地で、手品が趣味のチンピラ・大二郎が、大観覧車をジャックした。

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。

「あなたに、悪夢を」 ――火村英生シリーズ、最新長編登場! 「俺が撃つのは、人間だけだ」 彼は、犯罪を「狩る」男。

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。

連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。

PKOに派遣された陸上自衛官七名。一人は現地で死亡、一人は帰国後自殺。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。