私のからっぽに栓をしてほしかった。 幼なじみの兄弟に愛される一人の女、もどかしい三角関係の行方は。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。

赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。 夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。

東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

かつて母は、幼かった私を置いて出て行った。

堀川次郎は高校二年の図書委員。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

都心の古ぼけた団地で、姉と二人つましく暮らすみかげ。

低層の団地群を抱くその町は寂れていた。商店街にはシャッターが目立ち、若者は都会に去り、昔からある池には幽霊が出るという。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

自分で殺した女の子に恋をするなんて、どうかしている。 「私、死んじゃいました。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

数合わせで出たミスコンの順位は、八人中八位だった。無遠慮に自分の価値を決められた日、琴子は北川に声をかけられる。

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。

美術(アート)という名のタイムカプセルが、いま、開かれる――。

「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

舞台はなんと女子刑務所! 「後悔病棟」「希望病棟」に続くシリーズ第三弾! 神田川病院の“金髪女医”太田香織と看護師・松坂マリ江は、ひょんなことから女子刑務所に派遣される。

母と娘。二種類の女性。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

あなたと生きる、その痛みごと。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ 私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。

大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。

４７歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。

私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。 私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。

先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。

林ちひろは、中学3年生。

盲目の少女はなぜ二度も誘拐されたのか。

事故に遭って陸上競技をあきらめた圭祐は、ひょんなことから放送部に入部する。

突然変異の人類“クチチュ”らと共に旅を続けるアキラは、生への執着から解き放たれた人々が猿のように生きる村や、ロボット制御の病院で人間が管理される残酷な姿を見届け、遂に宇宙空間へと向かう。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ！　極道と梨園。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」―送信した相手は、かつての恋人。

ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

婚約者に結婚の延期を告げられた女、新しい恋を失ったシングルマザー、彼氏の代役をさせられた大学生、永遠を信じない実業家。

まじむの事業計画は南東東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。