19歳の綾乃は島での楽園生活を満喫し、大親友のオバァ、オージャーガンマーと遊び暮らす日日。

珊瑚礁王国の美少女・真鶴は性を偽り、宦官になる―。前人未踏のノンストップ人生劇場。

九十七歳の生年祝い「風車祭」を翌年に控えたオバァ・フジの楽しみは長生きと、迷惑をかえりみない他人いじり。

琉球王国の商都である那覇の街は、眩しい陽光と活気に満ち溢れている。

寓話と現代文学が美しく融合した作品「カジマイ」ほか、みずみずしい感性が紡ぐ、切ない八つの物語。著者初の短編集。

加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。

舞台は西暦二〇〇〇年の沖縄。米軍から返還された天久開放地の荒野に巨大な魔法陣が出現する。

水不足の村に現れた悪徳役人・伊舎堂。村人の窮状に追い打ちをかけ、強制労働の果てには、信仰や娯楽まで禁止してしまう。

島の豆腐屋で働く津奈美はシングルマザー。

今から六十年前に帝国陸軍が村に配備した九六式カノン砲。あの日村が滅びたことを子どもたちは知らない。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。

祭の島、竹富島では、女は踊り男は狂言を舞う。最南端の波照間島では、さらに南にあるという、伝説の楽園を目指す娘がいた。

「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第2次世界大戦中のビルマ北部。

まじむの事業計画は南東東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

没後50年、稀代の革命家チェ・ゲバラの生涯を描く大長編の第二部です。

20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。

「君を殺す」―大量殺戮の季節が生んだ、復讐の誓いとふたりの訣別から半世紀が経った。

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。

『のぼうの城』から六年。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

大家族の長女に生まれた柿生浩美=ヒロちゃんは、直情で有能な働きモノ。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の“共犯者”になる。望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。

鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

2011年、夏――ダム建設工事の掘削作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が同時に発見された。

レンタル家族派遣業というけったいなビジネスを営む花菱家は、元は大衆演劇の役者一家。

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。

北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

清朝末期、満州族に辮髪と纏足を強要されていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。

1937年、22歳の柴田彰は円谷英二の下で日独合作映画『新しき土』の特殊撮影を担当し見事に完成させた。

ライヘンバッハの滝でモリアーティ教授と戦ったシャーロック・ホームズは、兄マイクロフトの助けを借りて日本へ向かった。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

舞台は京都。新聞記者・恭平は捜査情報の中に、十二年前に失踪した学生時代の恋人・雪乃の名前を見つけ、驚愕する。

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。

一九〇〇年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。