星夜航行
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飯嶋和一の「星夜航行」を読み終えました。 ハードカバーの本をベッドで読むのは難しいですね。 でも、読み進めるうち、そんなこと言ってられないくらいひきづりこまれました。 会話部分も極端に少なく、硬い文章で森鷗外の読んでいるような気がしました。 舞台は戦国、徳川家康の長男・信康の小姓として側そばに仕えた沢瀬甚五郎は 罪無くして故郷を追われ、堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。 海商人として一家を成した頃、秀吉の朝鮮・明国への無謀な侵略に否応なく巻き込まれる。 この本ではかなりの部分をさいて小西行長、加藤清正ら秀吉軍の 傍若無人な侵略も様子が丁寧に描かれている。 『この戦乱で最も苦しんでいるのは、衆生、下々の民である。この朝鮮でも、日本でも、 恐らく明国でも、最も厄災をこうむるのは、いずこによらず民草なのだ。 この秀吉が起こした戦乱によって、親兄弟を殺され、夫や妻や子をうしない、 疫病は蔓延して皆飢餓に瀕している。』 九年の歳月を費やして書かれたこの小説は飯嶋和一の代表作になったことに間違いない。 近年の作家の中では出色の作家だと思う。 | ||||
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ディテールの描写が濃密でした。が、そのせいでほとんど歴史研究所か論文書のようになっており、読み進めるのに難儀しました。 小説的でおもしろかったのは、主人公周辺の物語でした。 | ||||
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これまで飯島和一の本をほぼ全て愛読してきました。 確かに他のレビューで言われるように、主人公の記述が少ない、戦争描写がくどい等あるかもしれませんが、それも含めて著者が表現したかった事であり、そのお陰でその時代に立ち会っているかの臨場感を堪能する事が出来ます。 どのような場面で、どのように決断するかという事を描くのが小説であるとするならば、本書は読書の悦びを味あわせて頂きました。 長編ですが、是非!おすすめです。 | ||||
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帯に書いてある通り、一生に一度、出逢えるか、出逢えないかの作品。 飯嶋和一さんは、小説家というよりは、もはや、思想家です。 彼の、眼差しは冴えている。 この、眼差しこそが、この作品の重層低音である。 一度は読んでみる作品だと思います。 | ||||
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上巻に続いて下巻を読んだが、まだ朝鮮出兵に関して筆を費やしているのには呆れた。何でもかんでも子細に書けば良いというものではない。甚五郎が物資を運ぶために種子島船で朝鮮半島に行くが、戦況に見切りを付けて、マニラを目指したという事だけで充分である。ただでさえ、大長編小説なのだから、焦点を絞らないと物語が発散してしまう。一方、甚五郎がマニラ(呂宋)→長崎→伊豆下田の航路を思い付いたという発想は良い。伊豆下田からなら浜松・岡崎を奇襲出来るから、家康への甚五郎の復讐譚という本作のテーマと合致している。と思ったら、またしても朝鮮出兵の話でウンザリするし、秀吉の愚を強調している点にも違和感がある。検地、交易独占や宗教弾圧は(良くも悪くも)天下人の特権であり(結局、家康も秀吉の施策を踏襲した)、例えば、エジプト王がピラミッドを建設させたので民衆の怨嗟を生んだ、という事が果たして小説のテーマになり得るだろうか ? この他、ポルトガルとスペインの布教(実は侵略)合戦など、当時の時代模様を映すだけでは求心力を持った小説にはなるまい。 スペイン人宣教師の追放後、またしても朝鮮出兵である。これが史実(文禄・慶長の役)だとしても、ワザワザ本作で子細に採り上げる必要があるのだろうか ? 甚五郎が主人公ではなく、作者の代弁者になっている点も奇異な印象を受ける。肝心の家康が暫く登場しない点も奇異。加藤清正(秀吉の子飼いであると同時に正室"ねね"の養子)が秀吉の利権を犯す筈はないのに、それを匂わせている点も奇異。行長・三成への憎悪は分かるが。時代は遡るが、足利義満が流行り病で死去した、という記述があるが、これが朝廷による毒殺である事は常識。権力者の誇大妄想が民衆の苦しみを生む、というテーマなら本作は完全な失敗作である。真田幸村ではないが、「甚五郎が家康に一太刀浴びせる」、位の結末でないと本作は小説として練れていないという事になり、子細な記述は全て徒労である。「出星前夜」や「狗賓童子の島」レベルの作品を期待すると裏切られる駄作だと思った。 | ||||
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