ヒストリア



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    初公開日(参考)2017年08月
    分類

    長編小説

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    ヒストリア

    2017年08月25日 ヒストリア

    第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。移民たちに与えられた土地は未開拓で、伝染病で息絶える者もいた。沖縄からも忘れ去られてしまう中、数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう…。果たして煉の魂の行方は?著者が20年の構想を経て描破した最高傑作!(「BOOK」データベースより)




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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.13:
    (3pt)

    漫画/アニメのような冒険譚だが、棘のように刺さるラストは沖縄文学

    他のレビュアーの方がご指摘してるように、登場人物達が漫画/アニメ・キャラのようで現実味が余りなく、主人公が不自然なまでにモノを知り過ぎている箇所が多い。そのあたりに不自然さを感じた点が減点理由である。(例えば、第二次大戦後まもないタイミングで、プロレスを知らないはずの主人公が女子プロレスラーを投げとばす技の名前を「ジャーマン・スープレックス」とはっきり自覚している点には苦笑させられた。)

     上記の点は残念だが、精霊信仰、被侵略地としての歴史が共通する沖縄とラテンアメリカを重ねながら展開するストーリーはスケールが大きくお見事だ。アニメっぽさから現実に引き戻されるようなラストの切れ味も良い。
    ヒストリアAmazon書評・レビュー:ヒストリアより
    4041034655
    No.12:
    (1pt)

    やってしまった

    恩田陸著「蜜蜂と遠雷」で懲りた筈なのに、またやってしまった。
    先日惜しまれながら放送終了となったJ-WAVEのブックバーで、ナビゲーターの
    大野眞一郎が「2018年No.1」と紹介したのが本書。
    あれだけ本を読んでいる人がNo.1と豪語するならと、内容を全く知らずに購入。

    評価や人の勧めだけで本を買うとやってしまう可能性が高いのは、「蜜蜂と遠雷」で
    学習した筈なのに・・・
    やはりボンヤリでも内容を知った上で、自分の琴線に触れそうな本を買わないと。

    以下、肝心の本書レビュー。

    スケールが大きいのも、ジェットコースターの様な展開も、全く否定はしない。
    むしろ歓迎。
    しかし兎に角、「唐突」「極端」「説明不足」が甚だしい。
    昭和20年代に日本人女性が、いきなり大型バイクに乗って「トルクの調子もいいわ」と爆走。
    また、突如女子プロレスのリングに上がり、巨漢レスラーをジャーマンスープレックス。

    荒唐無稽でも、SFでもいい。
    スターウォーズなんて100%絵空事だし。
    でも、その世界観なりの整合性や必然性はやっぱり必要。
    現実味の乏しいアニメキャラのような主人公に、最後まで感情移入できなかった。
    ヒストリアAmazon書評・レビュー:ヒストリアより
    4041034655
    No.11:
    (5pt)

    ただ楽しむだけではない私の読み方

    池上氏の小説は全て読んだが、読み始めるといつもリアルな映像が浮かぶ。私が映画監督なら、すぐにでも実写版SF映画を製作している。本書冒頭で『風車祭』と同じバイブレーションが漂うことに気づいた。『風車祭』では96歳(1996年)のフジオバァが妖怪火を目撃してマブイ(魂)を落とし、本書 『ヒストリア(史書)』では沖縄戦(1945年)で家族を喪った少女の知花煉がマブイ(魂)を落としたうえ、しかもそのマブイがボリビアまで飛ばされていたという設定だ。「マブイが落ちる」ことが妖気の漂う原因かも知れない。本書に登場する「房指輪〔魚(食糧の恵み)、葉(衣服の恵み)、鳩(天下太平)、扇(将来の幸福)、亀(長寿)、桃(子孫繁栄)、蝶(琉球伝来のニライカナイからの使者)〕」(p.24)のように、沖縄の伝承では、人間には北斗七星の象徴とされる七つのマブイ(魂)があり、事故、怪我、強烈な心的刺激を受けた時にマブイが体から抜けて落ちると言われてきた。そんなときは出来るだけ早く落としたマブイを拾い、元あった体の中に戻す「マブイグミ」の儀式をするという。こうした背景を知ると、知花煉の世界観が少し分かる。

    本書を読み始めてすぐに「違和感」を感じた。主語が変なのである。主語は知花煉の筈だが、私には著者のように思えてしまう場面が何度かあった。そんな時、『小説丸』HPの著者のインタビュー記事を見つけて読んだ。すると、《 書き始めて暫くした頃、休憩して再び原稿に取り掛かった時、はっとしたことがあった。一人称で書いていることに気づいたんです。元々自分は三人称多視点が得意だと思っていたのに、無意識の内に、挑戦したことのない文体で書いていた。一人称だとどの場面にも煉を登場させないといけないが、このまま書き進めることにしました。それで考えたのが、煉がマブイを落として二つに分裂する、ということ ・・・ 》とある。視点の違和感に合点できた。

    さらに、小説を半分くらい読んだところで、ゲバラの影が薄いことに気づいたが、これも上記インタビューに《 ボリビア取材旅行で随分印象が変わったんです。行くまではゲバラを持ち上げる気満々でしたが、現地であちこち行くたびに、がっかりさせられるんですよ。この国の人は誰もゲバラを愛してないじゃん、って。ゲバラはボリビア人のために赤化革命を起こそうとしたわけでなく、手っ取り早く政権を倒せそうな国としてボリビアを選んだ節があるんですよ。だから人々の心に響いていない。それで結局残念なゲバラ像を書くことになりました。 》と答えている。大学生の時に、僕の友人の一人は革マル派リーダーでもう一人は民青派リーダーだったが、無関心の私の部屋で酒を飲みながら口論するのは禁じた。読書中に感じたゲバラの微妙なニュアンスは著者の心のさざ波に反応したようである。

    本書に登場する《 繋がりが強いのでコミュニティは小規模となる(p.529) 》から「公海」に匹敵する「公陸」というべき概念の提示は分かり易い。上記インタビューに登場する《 日系一世は“辛い思い出も含めて人生さ”と語り、日系二世は“途上国に移民した親にルサンチマン(怨み)がある”と言い、日系三世は“ボリビアも日本も愛している(だから中立)” 》という洞察を読んだ時、スタートレックに登場する進化した人類が作り上げた「地球政府」に私の思念が飛んだ。

    USAは大規模コミュニティである州で構成されるが、大規模コミュニティで重視される「法治主義」ではなく、小規模コミュニティで重視される「コモン・ロー(慣習法)」が優先する。「コモン・ロー」とは、ゲルマン法の「法の支配(Rule of Law)」の伝統を受け継ぐものであり、《人の支配を否定し(専断的権力の支配を排除)、制定された法律は国民にも政府にも平等に適用し、裁判所による判例の集積が正しい法となる》こと、すなわち《人権の最優先》が特徴である。一方、USA以外の国々はローマ法の「法治主義(rule by laws)」が優先させて、《人の支配を肯定し、制定された法律が適用されない特権階級を作り、裁判所による判例が集積されない》こと、すなわち《実定法の最優先》が特徴である。

    英国を脱出してUSAを作り上げた人々も、USA一世、USA二世、USA三世と見ていけば、著者がボリビアで見た日系の人々と同じだったのかも知れない。それなら、スマホ時代に誕生し、幼稚園の時からスマホを使いこなす未来の若者がネット時代の三世(パソコンネットの一世、スマホネットの二世に続くAIネットの三世)として「地球政府」実現に向かうかも知れない。

    本書は小説だから、ただ楽しむのも一つの方法である。しかし、私は<釈尊の教法の真義>の復元者として、欲界の人類の一部は純粋な色界の阿羅漢(第一段階のブッダ)に進化すると考えている。欲界の大部分の人間は「無知」から離れられない。純粋な色界の聖者である阿羅漢は「叡知」を拡大し、純粋な無色界における第二段階のブッダへと進化し、さらに進化の道程を歩む事になる。
    進化の過程で、マブイを落とした知花煉と落とされたマブイが造り出したもう一つの知花煉という多重人格を意識するようになる。その場合、欲界のマブイが純粋な色界のマブイに進化する過程をただ眺めて理解することが必要になる。進化できないマブイを斬り捨てることは出来ない。進化できないマブイの無知な振る舞いを事実として理解し、受け入れることである。それがマブイの進化を徐々に促すのである。

    最後に、知花煉が思い出した房指輪のモチーフは「蝶」(p.590)である。その意味は「琉球伝来のニライカナイからの使者」である。琉球神道における「ニライカナイ」をテレサは「死後の世界の幸福」(p.591)と説明するが、私は欲界の人類が進化して到達する純粋な色界のことだと考える。すなわち、「欲界の人間が死んで(すなわち進化する課程で無知が死んで)、純粋な色界の聖者となったことで獲得できる純粋な幸福」と解釈する。
    ヒストリアAmazon書評・レビュー:ヒストリアより
    4041034655
    No.10:
    (5pt)

    沖縄的思考法がおもしろい

    表紙にチェ・ゲバラの顔がある。ぼくの世代で京都にいた人は、京大時計台に描かれたこの顔を思い出すでしょう。

    この話は知花煉の沖縄戦から、本土復帰までの話。作者の要約では、苦労話、冒険譚、諜報戦、開拓話などと文中に書かれています。

    とは言っても、いつものマブイの話も出てくるし、ゲバラも登場します。
    まあはちゃめちゃですわ。

    だから、おもしろいです。

    この本は『琉球処分』のあとに読みました。沖縄的思考法があるとすれば、通じるものがあります。

    しかし、最初のほうの叙述はなぜかしっくりきませんでした。短い文章を重ね過ぎて、情景がつながらないからか?
    ヒストリアAmazon書評・レビュー:ヒストリアより
    4041034655
    No.9:
    (2pt)

    沖縄県人としての作者のイデオロギーだけが前面に出て、「読者の視点」への配慮を欠いた凡作

    一見、太平洋戦争時の沖縄空爆によって臨死体験(?)をしてマブイ(魂)が2つに分離してしまったヒロイン煉が、分身と共にボリビアに渡って逞しく生き抜いて行く姿を描いた大作という様相だが、実は大部の割には全体構成が練れていないというお粗末な作品。

    多分、作者が考えているテーマは、アイデンティティの追求(2つのマブイはその象徴)、ヤマトンチュには分らない沖縄人の苦しみと誇り、戦争の愚かさの糾弾、政治・軍部に翻弄される庶民の悲哀、沖縄からボリビアへと入植した人々の塗炭の苦しみとそれを乗り越えた煉達の逞しさ、東西冷戦を背景とした南米における米ソの代理戦争という国際情勢(に疎い日本人への警鐘)、消えないナチスの亡霊等だと思うが、これらに有機的な繋がりが皆無(第一、詰め込み過ぎだろう)で、安手の少女マンガを読んでいるかの様な印象を受けた。エンターテインメントの中にイデオロギーを中心とした作者の思惟を埋め込むのは結構な事だとは思うが、沖縄県人としての作者の視点だけでデタラメに書き散らかしているのではお話しにならない。「読者の視点」への配慮を欠いていて、素材の活かし方を知らないという感が否めない。特に、煉の造形が酷い。矜持の高い煉は次々と窮地に陥るのだが、冷静に見て、全て煉自身のミスが原因である。それを煉が持ち前の発想力とバイタリティ(及び一度死んだというヤケクソ)とで乗り切ったかの如く書いているが、何の事はない、煉が招いた窮地を"常"に救ったのは(悪運以外では)北中南米で人気No.1の女子プロレスラーのカルメン(器が大きい上に人柄も魅力的)その人である。どう見ても煉はただの軽薄な"勘違い"女に過ぎない。

    また、歴史上の著名人や史実を扱っている関係上、それなりの配慮が必要な筈だが、これに関して作者が無頓着な点も不可解である。煉の分身が"チェ・ゲバラ"と恋に落ちるのはまだ許せる(何しろマブイなのだから)としても、煉が「***」を救ったというエピソードは荒唐無稽の極みで、まさに少女マンガの世界そのものである。作者のイデオロギーだけが前面に出て、小説作法がなっていない凡作との印象を受けた。
    ヒストリアAmazon書評・レビュー:ヒストリアより
    4041034655



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