資産家の独身女性ベアトリスは、一通の心ない中傷の手紙を苦に自殺をはかった。

オルガン奏者が何者かに襲撃され、不穏な空気が漂うトールンブリッジの大聖堂で、巨大な石の墓碑に押し潰された聖歌隊長の死体が発見される。

人気作家エリオットが創造した義賊「スパイダー」が、本の中から抜け出したかの如き怪事件が続発。

「従妹のアンが行方不明になった。財産狙いで夫が殺して逃げたにちがいない」。

オックスフォードで催されるワーグナー歌劇の稽古中、歌手としては一流ながら人間的には最低の男ショートハウスが様々なトラブルを引き起こしていた。

「あたしがやるようにやってごらん、割れ足さん!」少女の声に応えてすばやく答えが返ってきた。トン…トン…トン…。

人間消失、アリバイ偽装、密室の謎。名探偵フェン教授が難事件に挑む。

スタンフォード校長は頭をかかえていた。

博物館から消えた古書、ペントハウスの密室殺人、古の詩どおりに現われては消える竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当て真相をあばくのは、日本人執事を従えた謎の紳士タラント氏である。

12月、雪のニューヨーク。その夜、一体の異様な死体が発見された。

クリスティ、セイヤーズらと並び、四大女流ミステリ作家のひとりに数えられるアリンガム。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。

年の瀬、ピーター卿は沼沢地方の雪深い小村に迷い込んだ。

六月半ばの日暮れどき、ダートムアの採石場で、スコットランド・ヤードの敏腕刑事ブレンドンは、絶世の美女とすれ違った。

十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。

第二次大戦初期、エドワーディック号は英国の某港へ軍需品を輸送すべくニューヨークの埠頭に碇泊していた。

目撃者の前で、少年が開けた荒野から忽然と消えた人間消失事件と、密室殺人――スコットランドを舞台に、名探偵ウィリング博士が不可能犯罪に挑む謎解きの傑作。

殺人の疑いのある死に際会した場合、検視審問を要求するべきか否か。

夫が殺人者であると知った若妻ヴィッキー。居候を決め込んでいる叔父もその件を嗅ぎつけた。

隠退した名探偵リングローズはイギリス海峡に面した旧領主邸ホテルに招待された。

騒々しかった休戦記念日の晩、ピーター卿はベローナ・クラブを訪れた。

心はいつも朗らかながら経済観念まるでなしのランプリイ家は、何度目かの深刻な財政危機に瀕していた。

アメリカ実業界の大立者がイギリスの別邸で殺害された。

事件の状況は、まるで小説のようだった。現場はロンドン郊外の高級住宅地、著名な実業家が自宅の書斎で殺害されたのだ。

数学の教授だったアレックは六十、年の離れた妻リタと村はずれで平穏に暮らしていたが、バリーという若造の出現で状況は一変する。

リー・スローカム閣下が検死官としてはじめて担当することになったのは、女流作家ミセス・ベネットの屋敷で起きた死亡事件だった。

不可解な連続帽子盗難事件と、盗まれたポオの未発表原稿──。ロンドンを震撼させる怪事件に挑む名探偵フェル博士。

曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。

戦争の傷痕が生々しく残るロンドン。戦争未亡人のメグは再婚を控えていた。

人気女優ジョージアをめぐる男たちの死。

ミステリの女王セイヤーズが創造したピーター・ウィムジイ卿は、従僕を連れた優雅な貴族探偵として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間として大きく成長し、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。

アメリカ随一の女流本格作家マクロイによる、趣向と技巧を凝らす短篇集が文庫化。

ピーター・ウィムジイ卿の兄ジェラルドが殺人容疑で逮捕された。しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。

ぼく、ノエル・ウェルズはソルトマーシュ村の副牧師をつとめている。

ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面面は、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。

――12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

アガサ・クリスティと並び称される、英国ミステリ界の女王アリンガム。その名作・傑作を日本オリジナル編集で贈る短編集第二弾。

濃霧に包まれたロンドンに暗躍するメフィスト殺人犯と警視庁きっての知恵者マクドナルド主席警部の対決。

劇的な出会いを果たしたハリエットとピーター卿はようやく結婚にこぎつけた。

英国黄金時代を担ったミステリの女王セイヤーズ。

裁判官による説示。被告人ハリエット・ヴェインは恋人の態度に激昂、袂を分かった。

ドアも窓も鍵のおりた一室で射殺体が発見された。

英国紳士の社交場―クラブ。憩いを求めて三々五々、会員たちは足を運ぶ。

医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。

メロディーは休暇で訪れたある村で、たまたま競売に出ていた家をアダムという男性と競り合った末に獲得した。