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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
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鏑木シリーズ二作目。良い点も悪い点も大きく有る作品では有った。不可思議な謎が次々出て来るのはワクワクしますが、分かり易い謎でも回りくどい、独白意外には推理出来ない部分が多い、とか。刑事キャラが個性的で魅力的な部分ですが、言動が極端過ぎて違和感に繋がり、悲惨で哀しい事件の重さとは合わないかな、とか。長短両極で色々気にはなりましたが、個人的には良かったと思います。全て話せばよかったのか?、いや言えない事は言えない。でも嘘では無い。だって、真実なんて、ないから。子供達も大人になる。すれ違った気持ちが切なかった。
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上巻ではゆったりしていた物語は、下巻に入り展開のスピードを上げて行く。島民の対立の様子や、犯人捜しが丹念に描かれるが、あくまでも主題は主人公荒巻の若さである。情熱、正義感、後先考えない暴走…若気の至りと言えば、正にその通り。この周りを滅茶苦茶に巻き込む新米警官に共感出来るか、それとも事なかれ主義の先輩警官に共感するか、途中までは読んでいて複雑な心境でした。しかし、犯人が分かってからクライマックスまでの圧倒的な迫力、ラスト数行からエピローグに至る情感には、すっかり痺れた。私はこの作品、良いと思う。
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著者初の短編集。探偵役は森江春策で共通ですが、高校時代から弁護士事務所を開くまでの長い期間を通して起きた事件で、無理くり寄せ集められている感じは拭えません。総じて文章は読み辛く、トリックも微妙なオチで、解決後のカタルシスは乏しいかと。森江のキャラがハッキリしない性格で、グズグズ、モソモソしているせいも有るのかな?。良かったのは、著者のミステリィマニア振りが凄く伝わって来る所。めちゃくちゃ真面目に書いてるのも、ヒシヒシと感じます。最近書かれた物も読んでみたいですね、色々こなれてるでしょうから、きっと。
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このミス1988年版11位。ユーモアがあり軽く楽しめる短編集。解説が素晴らしく、著者の魅力を良く伝えているので、以下抜粋。「奇妙な論理は泡坂の持ち味」、「合理性やリアリティに囚われず、詭弁を軸にした構成」、「謎解きのプロセスを簡略化し、種明かしで読者を驚かす手つきは一貫している」等々。とにかく不思議な読み味なので、合わない方もいらっしゃるかと思いますが、おおらかな気持ちで、多くの方に読んで欲しいな、と思います。特に「狐の香典」は秀逸、ホントに良いですよ。
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第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。著者の出世作ですね(後に「教場」で大出世するんですが)。主人公の置かれた状況や背景の説明無しで物語が始まり、徐々に明らかになって行く構成は、著者の得意な作法でしょうか。短めでは有るが、今作は人情噺と言う感じで、余りブラックじゃ無いのも良かった。意地の悪い人ばっかりだと、読んでてウンザリするからね。おススメです。
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1995年度「このミス」第1位。それぞれ趣向は異なるが、皮肉の効いたブラックジョークが面白かった。そう言う意味では最後の2編は私には難しく、良く分からなかった。気に入ったのは「蒐集の鬼」。見つけた時が即、買い時なのである。正にその通り!。いやー、自分を見てる様で応援しましたねぇ、なので最後は…(涙)。本格推理では無く、広義のミステリーの、しかも結構マニアックな作風かと思います。本作が楽しめれば、ミステリーファン上級者認定試験合格、ハイセンスを名乗って良し!。
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夏目信人シリーズ1作目。複雑な家庭環境を持つ登場人物が多く、やるせない気持ちになる短編集。それぞれの事件は、主人公夏目刑事の鋭い洞察力で鮮やかに解決する訳ですが、勧善懲悪でスッキリ、とも行かず重い読後感となりました。引き付けられ、引き込まれる話を読み進めて行くと、本作だけで一応の決着が付いています。今後シリーズがどの様に続いて行くのか分かりませんが、続けて追いかけたいと思います。多分これでも薬丸作品にしてはライトな方じゃ無いんでしょうか?。でも「オムライス」はキツかったかなぁ、んー、やっぱり全話苦しいか。
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第31回吉川英治文学新人賞受賞作。ゼネコンにおける談合問題をテーマとした作品。今回も銀行員は出て来るが、感情移入出来ない悪役でしたね。談合が良いか悪いかは、立場に寄って見方は変わる物。犯罪には違いないのですが、雇用の維持に必要な「必要悪」の面も有る気はする。まあ、経費を究極まで削って無ければ、企業の怠慢なんでしょうけど。さて作品としてなのですが、主人公の彼女がねぇ…。共感出来ないのは、私が男だから仕方無いのかな?。そもそもテーマがテーマなので終わって完全にスッキリとはしませんが、十分読み応えが有りました。
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著者初読み。このミス2002年版第4位。「人間消失」、「密室に突然現れたアカムケの死体」、「列車ジャックと犯人のバカな要求」、そして「蒸気機関車消失」。バカミスと言う事になるでしょうが、これだけのネタを詰め込んで一応それぞれに決着を付けています。ふざけた様な奇妙なキャラとその言動に、笑えるか、イラつくか。沢山の謎とその真相に、そしてラストに用意された作品そのものに対する大仕掛けに、感心するか、怒るか、それとも呆れるか。私は、作者が非常に真面目に真剣に取り組んだと感じ、面白く読みました。個人的にこれは有り。
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余りにも意外な展開でしたが、クライマックスからラストは共感出来ず残念。上巻の時点では不幸な登場人物達に同情する部分が有りましたが、途中からはみんな自業自得に感じてきましたし。いずれにしても、グロくてハードな内容なのに引き込まれる力が凄く一気に読み終えました。途中まで感じていた「辛気臭い」は「狂気」へと変わり、主要登場人物それぞれが、自分の「OUT」へ向かって進んで行きます。その出口の先には何が有ったのか、それまでの閉塞感を吹き飛ばす開放感は大きかったのか…。凄かったけど、やはり読んでて辛かった。
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新本格リアルタイム世代なので、30年位前にノベルズで読了済み。内容の記憶は無いので、初読感覚で読みましたが…。当時は「バカミス」、「壁本」と言う言葉は無かったので、どう思ったのかな?。まああの頃は酷い物も多かったので、苦笑位だったかも(笑)。作者は若干22歳で本作を書き上げたそうですが、出版年を見ると私も若干22歳で読んだんですね。さて、中年になってから読んだ今回の感想ですが、時間の無駄だった、です。三段構えの叙述トリック?、が一応全部分かったからかなぁ、つまらなかったのは。高評価のファンの方すみません。
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分かり易いエンタメ作品が好きなくせに、たまに触れて見たくなる皆川作品。やはり読むのにぐったりと疲れてしまう、幻想怪奇小説集。生者か死者か、現実か夢の中か、境界が曖昧になり、今誰が何を話しているのか分からなくなる。現在の事か過去の事か、自分が今何を読んでいるのか分からなくなる。独特の表現は、集中して読まないと、難しすぎて全く理解出来なくなる。ただしお薦めしないと言う訳では無い、読んで後悔する事は無いと思うので。対象者は、平易なだけで作文みたいな文章に飽き足らなくなった方、物事に白黒付かなくても許容できる方。
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著者初読み。1929年のアメリカが舞台なので、時代が違う、国が違う、と言う事で、物語世界の基本的な常識が理解出来ずいささか戸惑った。タイトル通りに血と暴力に満ちているが、嘘や裏切りも満々に満ちている。碌な奴がいないこの街で、非情に暴れまわる主人公の行動原理は何なのか?。次々と増えて行く死体の山を掻き分けて話を読み進めるが、主人公を含め誰一人と感情移入出来なかった事に気付いた。なるほど、こうして突き放されて傍観するしか無いんだな。正義の無い物語は感傷を許さず、血の収穫物が何だったのかも私には分からなかった。
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法医昆虫学捜査官シリーズ第二弾。今作も面白かった。東京で起きた殺人事件と、福島の農村での青年の日常が交互に描かれています。どう繋がるのか?、そこは赤堀先生の活躍により、と言う訳です。読者が推理するのでは無く、探偵役と共に展開を追いかけて行くタイプの作品。隠された真相は想像出来ず、最後まで気が抜けなかった。少々強引だったり、偶然が過ぎる所も有りますが、目をつぶって気にしない様に。一番良いのは、人物が良く書けている事かな、と思う。主役も端役もどのキャラも印象に残る。だからまた次作も読みたくなる、ハマりました。
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作家アリスシリーズの長編で、クローズドサークル物です。殺人事件の犯人を推理するのはもちろんですが、ここに集まる人達の、その理由が最大の謎かも知れない。コレは最後まで分からず、結局分かっても理解しがたい物だと感じた。物語の展開は緩やかで事件も地味目。しかし流石の本格ミステリで、伏線を辿って行けば犯人が特定出来る所はフェアですねー、自分ではさっぱり分かりませんでしたが。ちょっと格好つけてる感じもしますが、火村&有栖コンビは何か品が有って良かった。長編読んだのは「マレー鉄道」以来8年振りか、ペース上げて読もう。
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タイトル通り「遊び」をテーマにした短編集。もう一つ「家族」も裏のテーマになっています。基本ホラーですが、ミステリーの要素もあり中々面白かったです。皮肉などんでん返し、と言う感じで、そんなにグロくも無く読み易かったのも良かった。「黄昏時に鬼たちは」が特に気に入ったかな、軽く読めておススメの作品。
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