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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数14件
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素晴らしい。すこぶる素晴らしい作品集でした。葉村シリーズは、タフでクール、シニカルでへこたれない、そして不運な探偵の物語であるが、イヤミス的な後味の悪さも特徴的で有った。本作も色々な事件に巻き込まれ葉村は心身ともにへとへとにはなるが、最後はスッキリしたりホッとしたりで、うんざりした気分で終わる物が少なかった。葉村と共に著者も歳を取ったのか(失礼)、丸くなったのかもね。ミステリーとしても、伏線から回収まできれいにオチが付き、非常に楽しめた。初出を見ると、半年余りでこれだけ書いてるんですね。これからも楽しみ。
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著者初読み。素晴らしかった。バタバタと記号的に人が死んで行くミステリーも良いが、こう言う人間がきちんと書かれている作品を読むと、余韻で暫く動けなくなる。作中に描かれた理不尽に憤りを感じ、またそれがどれも自身に起きないとは限らない、と言う事に慄然としてしまう。「最後の証人」が放った最後の一言に込めた想い、その覚悟には胸が詰まりました。作中のセリフに、「誰でも過ちは犯す。しかし、一度ならば過ちだが、二度は違う。二度目に犯した過ちはその人間の生き方だ」と言うのがあった。ああ、何とも心に深く刺さる作品。傑作です。
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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それにしても面白かった。10点満点。1ページ目から意識不明の子供が出て来て、「伊坂、またか!」と、げんなりしましたが、読み進めて行くと今回は何か違う雰囲気。王子の洗脳講座みたいな部分は無論最低ですが、全体を通して思ったのは、本作はミステリーでもサスペンスでも無く、実はブラックコメディーと言うこと。だから誰が死んでも深刻にならないし、ふざけた会話も気にならない。最後は何とかなるんだろう、とニヤニヤしながら楽しめました。コレは大団円でしょ?前作を読んだのが2年前で、内容を完璧に忘れていたのが残念、ここは再読か。
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これこそ名作。会話の面白さを含め、文章が素晴らしく美しいです。登場人物もみな愛すべきキャラクターで、嫌味が無い。悪人が出て来ないと退屈かと思いきや、それはそれで良いもんですね。
途中先が読めない展開も、それぞれ綺麗にはまって行き、良く出来ております。一つ文句を言えば、身代金受け取りの方法がやや強引か。これしかなかったのかも知れませんが。 しかし、全編に溢れるユーモアは楽しく、ラストへ至るまでのストーリーも非常に好感が持てました。古い作品ですが、未読の方は是非おススメ。10点満点。 |
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ハードボイルド、冒険小説の傑作。本当に面白い。古い作品ですが、格好いい男と良い女に時代は関係無いですね。すごく自分好みな世界観で、冒頭からラストまで楽しめました。
80年代、90年代と北方謙三、志水辰夫、藤原伊織、原尞たちの作品が大好きでした。その原点とも言える今作をやっと読む機会が出来良かった。古典なのに逆に既視感を覚えたのが、翻訳ものは敬遠して来たつけですね。先に上げた作家のファンの方には、是非おススメします。 |
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久しぶりに本を読んで感動した。初の山岳小説体験で、凄い物に出会ってしまった。10年以上前から気になりながら読めて無かった事を後悔です。
上巻はややスローな展開ですが、下巻に入ってからは1日で一気読みでした。 キャラクターも秀逸ですが、登山の描写がヤバいです。読んでると寒気がしてくる。 不器用で真っ直ぐな男達がまぶしい物語。是非多くの方に読んでいただきたい作品です。高評価納得の傑作でした。200冊目。 |
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これは相当面白いです。前半の北朝鮮での冒険、後半の詐欺師、ヤクザが入り乱れての金の奪い合い。ノンストップのジェットコースターなので少し疲れますが、疫病神コンビの二人は疲れを知りません。北朝鮮や詐欺、ヤクザの実情は分かりませんので、リアリティーはともかく、圧倒的な筆力でねじ伏せられました。軽妙な関西弁の会話で読み易く、大長編を感じさせません。ラストも最高です。
間違いなく傑作、あまり読まれていないのが本当に残念。滅多に付けない10点献上します、おススメです。 |
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タンカーのハイジャックから始まる海洋冒険小説。そしてその背後にある秘密をめぐる国際謀略小説でもあります。上巻の途中までは視点が再々変わり、なかなか話に入れない。しかし、下巻以降は続々と困難が襲ってくる展開に圧倒され、息が詰まる様な緊張感が続く。最後はどうなるのか、是非読んで欲しい。
とにかく出てくるのは男ばっかり。それも最高に格好いい男ばっかりです。このジャンルを初めて読んだので評価が甘いのかも知れない。出来れば少し話を整理して、序盤からもっとスピード感が欲しい気もする。でもこのエンディングを読了直後の今、満点以外は付けられない。 終盤は目が潤む感動作。男なら必読。間違いなく傑作。 |
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今回100本目のレビューなので高評価を付けたくて、藤原伊織を読みました。3編の短編集ですが、やはり非常に素晴らしかった。今回は、アクションや謎解きがメインのハードボイルドではありません。特に命をかける様な事件は起きない、大人の男達のただ静かな物語です。特に表題作は群を抜いており、これだけで十分価値のある作品集と言えるでしょう。とにかく中年以上の男性は必読です。間違いないですから。
作品のみの評価は8点、感動的な小池真理子の解説と作者生前最後の作品と言う事に哀悼の意を表して、合計10点です。ちょっと強引ですが、好きなんだからしょうがない。 |
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まず第一章の「アマゾン牢人」が素晴らしい。どの位史実に沿っているのか分からないが、余りに厳しい描写に圧倒された。第二章以降の現在部分は、一転して痛快な活劇へと変貌する。前半に比べ若干軽いが、その分スピーディーでスリリング。登場人物は皆魅力的で、警察側の人物も含め誰かへの感情移入は必至。どの様な作戦が実行され、そして結末はどうなるのか?なんとなく不穏な伏線が気になるが、全員の幸せを祈り一気に終盤へ。なんか賛否両論有る様だが、自分としてはこのラストは大満足。
とにかく綿密な取材の上でよく練られたストーリー、キャラクターだと感じた。簡単に書き飛ばして出来る作品では無い。正に著者のソウルを感じた一世一代入魂の傑作。 こんなに面白い本を今まで素通りしていた事がすごく残念。未読の方に是非オススメしたいのは、もちろん休日の一気読みです。 |
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妻が自殺した後ひっそりと何もせず暮らしていた男。突然昔の知り合いが訪ねて来た事から事件が始まると言う、典型的な巻き込まれ型のハードボイルドです。主人公はストイックでセンチメンタル、他の人物達も非常に魅力的で、大変面白い作品でした。話の流れはほぼ予想出来た結末へ進み、あまり意外性は有りませんでしたが、これで良いんです。こう言う文体、世界観、物語が自分は好きなのだな、と再確認させられた文句なしの名作。ホントに格好良い話ですよ、オススメします。
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次々と自殺する人々、いったい何があったのか、を明らかにして行くと言うのがメインの謎であります。ジャンルとしては、ホラーでありSFでもあり、ミステリーとは少しイメージは違うかもしれません。専門的な説明文が多い為くどくも感じますが、文章が読み易いので意外とさくさく読めます。とにかく最高に面白い。極上のエンターテイメントであるのは間違いありません。結構グロイ描写が多いので、余程ホラーが嫌いな方は避けた方が良いでしょうが、その他のみなさんは必読です。最後まで続く恐怖、おぞましさ、そして悲しみに震えて下さい。
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文句なしに面白い。どの話も最後に意外な真相が明かされ、何とも言えない余韻を残して鮮やかに解決します。濃密な本格ミステリーと言う点でも楽しめますが、この作品をここまで高めているのは、主人公達の強烈なキャラクターでしょう。みんなどこかが壊れている、そんな感じがあり、捜査にかける執念は物凄いのですが、同じくらい警察内での手柄争いにも必死です。その凄まじく暑苦しい状況を、冷静な視線で淡々と描いている。1話読み終わる度、心にグッと来ます。単に謎解きがすごいだけでは無い。満点です、これこそ傑作。
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