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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数47

全47件 1~20 1/3ページ
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No.47: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説の感想

昭和ミステリシリーズ二作目。2020年の年末ミステリーランキング3冠に輝く作品。昭和24年を舞台とした物語は、主人公が高校三年生と作者と同年齢に設定されており、ある種自伝的青春ミステリーの側面も有る。しかし本作のどこが素晴らしいのか?、それは作者自身が知る当時の社会風俗や人々の考え方が非常にリアルに感じられ、近過去時代小説として優れているからだと思う。また、伏線と回収、構成の妙、心情描写には読み所があり、トリックや犯人の意外性のみで評価をするべきでは無いのだ。推理小説は推理クイズでは無い。良い小説だった。
たかが殺人じゃないか: 昭和24年の推理小説 (創元推理文庫)
No.46: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

皇帝のかぎ煙草入れの感想

古典ミステリーとして超有名作ですが、幸い何もネタバレを知らずに読めました。かなり面白かったです。序盤はイヴの言動にイライラして感情移入出来ずストレスでしたが、段々と可哀そうになって来て(男を見る目が無い、と言う意味では自業自得ですが…)最後は応援していました。そして真相が明らかになった後、数々の伏線が張って有った事に気付き素直に感心、アンフェアとは思わなかったです。メロドラマ、家族のドラマとして面白く読め、シンプルかつ大胆に仕掛けられたトリックに驚く事も間違い無し。訳文も読み易く、絶賛でおススメします。
皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)
No.45: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

後妻業の感想

「後妻業」と言う言葉を世間に知らしめた作品。強烈な内容でとても面白かった。とにかく金、金、金、の人物ばかりが出て来ますが、大悪党も小悪党もそれぞれ必死で圧が凄い。お金持ちで独り身の老人男性が、子供や孫では無く、最期を共に過ごしてくれる女性に財産を残す。金を持っては死ねないので、使いきれない分どうするか、は自分が好きに決める事だ。人間だれしも、志半ばで突然最後の日を迎える。この被害者の爺さん達が、多少でも幸せな気持ちで最期の日々を過ごしていたなら、まあ有りかも知れない、と思わんでも無い。ンな訳無いか(笑)。

後妻業 (文春文庫)
黒川博行後妻業 についてのレビュー
No.44:
(9pt)

ロスジェネの逆襲の感想

半沢直樹シリーズ第三弾。めちゃくちゃ面白かった、一気に読了。かなり多い登場人物なので、人物相関図を確認しながら読み進めました。古き良き時代劇ドラマの様な勧善懲悪の話ですが、むいてもむいても中身がまだ出て来ない様な練られたプロットで、最後まで楽しめました。しかし、こんな人は組織で上手くやって行くのは難しいよなぁ、なのに成功する。そこにサラリーマンの夢や憧れが向けられるんだろうな。同じなのはバブル世代と言うだけの私ですが、仕事は何のためにやるのか、この歳になってもまた教えられた気がする。

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)
池井戸潤ロスジェネの逆襲 についてのレビュー
No.43: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ジェリーフィッシュは凍らないの感想


▼以下、ネタバレ感想
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ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)
市川憂人ジェリーフィッシュは凍らない についてのレビュー
No.42:
(9pt)

七つの会議の感想

各章毎に主人公が入れ替わり、複数の視点で物語は綴られるが、そこに一本貫かれたストーリーが隠されている。それは、仕事とは、会社とは、また生活とは、家族とは、そして正義とは、と読者に対してずんずんと突き付けられる太い刃でした。どうすべきなのか、は分かっています。しかし、それが出来るのか?、重い選択を迫られ深くため息をつきました。読む方の置かれた立場に寄って、感想は様々じゃ無いでしょうか。商売の基本はお客様に喜んでいただく事、私にはそれが一番刺さったかな。物語として非常に良く出来ていると思います、これぞ傑作。

七つの会議 (集英社文庫)
池井戸潤七つの会議 についてのレビュー
No.41:
(9pt)

なめくじに聞いてみろの感想


▼以下、ネタバレ感想
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なめくじに聞いてみろ 新装版 (講談社文庫)
都筑道夫なめくじに聞いてみろ についてのレビュー
No.40: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

恩讐の鎮魂曲の感想


▼以下、ネタバレ感想
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恩讐の鎮魂曲 (講談社文庫)
中山七里恩讐の鎮魂曲 についてのレビュー
No.39: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

追憶の夜想曲の感想


▼以下、ネタバレ感想
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追憶の夜想曲 (講談社文庫)
中山七里追憶の夜想曲 についてのレビュー
No.38:
(9pt)

暗い越流の感想

葉村シリーズ「悪いうさぎ」と「さよならの手口」の間の時期を繋ぐ作品2点を含む短編集。30代後半から40代に入り体も少々お疲れ気味の様子ですねぇ、とは言ってもまだまだ若いけど。そして表題作は、日本推理作家協会賞短編部門受賞作となっております。どの作品も悪意に満ちていて(まあ犯罪小説なんで当たり前かも知れんが)、結構読後感が悪い。しかしながら、すこぶる面白かった。葉村シリーズしか読んでいなかったので、シリーズ物の予定調和の中での安心感が有ったが、単発作品でこんなに良く書けるとは失礼ながらビックリした、凄い!。

暗い越流 (光文社文庫)
若竹七海暗い越流 についてのレビュー
No.37: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

夏への扉の感想

著者初読み。1956年に発表された、コールドスリーブ、タイムマシンにより時空を超えて行き来するSF物語。舞台は1970年と2000年なので、書かれた時点からはどちらも未来の話だった訳ですね。とにかく面白かった。熱い主人公が逆境に負けず、知恵と行動力を駆使してハッピーエンドへ向けて突っ走る。科学的な整合性とか、ご都合主義に過ぎる展開などはどうでも良い。応援したくなる、上手く切り抜けて欲しい、と強く思う、最後まで一気に読んで幸せな気持ちになる。それ以上に何か必要ですか?ただ読めば良いのです。猫好きで良かった。
夏への扉 [新版] (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・A・ハインライン夏への扉 についてのレビュー
No.36:
(9pt)

無伴奏の感想

地味な話、しかし私にとっては物凄く面白かった。主人公は47歳の介護士。自分の父親の過去を調べるエピソードと、高校時代の恋人の旦那さんを探すエピソードで物語は進む。ハードボイルドタッチの文章も読み易く好感が持てるが、何より出て来る人物たちが作品の中で皆生きていた。介護の現状のやるせなさと主人公の頑なな性格のせいも有り、全体的に重苦しい雰囲気では有る。そしてまた、ミステリーとしての驚きは主眼では無い。が、人間ドラマとして素晴らしいと感じた。余り苛烈な設定だと引いてしまうんで、この位が良い塩梅です。おススメ。

無伴奏 (創元推理文庫)
太田忠司無伴奏 についてのレビュー
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(9pt)

孤狼の血の感想


▼以下、ネタバレ感想
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孤狼の血 (角川文庫)
柚月裕子孤狼の血 についてのレビュー
No.34: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

検事の本懐の感想

佐方シリーズ第二弾であり、若き検事時代のエピソードを描く短編集。ミステリー要素も有りますが、人間ドラマに重点が置かれている感じがします。横山秀夫を彷彿とさせる世界観ではありますが、謎と推理の部分、人間関係の逃れられない濃密さの部分で、少し及ばないかも知れません。しかしながら、読み易い文章の中で印象に残るフレーズが連発され、小説を読む楽しさを本当に感じる作品です。いや作家と言うべきか。「借りを返せば、恩が返せるわけじゃない」、「人間性に年齢は関係ない」。痺れるなぁ、もっと読みたいなぁ、人に勧めたくなるなぁ。
検事の本懐 (角川文庫)
柚月裕子検事の本懐 についてのレビュー
No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

アイネクライネナハトムジークの感想

自分にとっての、伊坂作品ランキング第1位が更新されました。先日読んだ「砂漠」も気に入ったのですが、本作が断然良かったですね。まあ、後書きで本人も書いてますが、普段の著者の本に抵抗がある人にも楽しんでもらい易い作品、正にそう言う感じでとても読後感が良かった。爽やかな話も書けるんじゃないか。登場人物が多く、作品ごとに時間があっちこっち行くんで、少々混乱するかも知れないです、今回は一気に読めたのでまだ良かったけど。連作短編集としての全体の構成も良かったですが、何より各話がそれぞれに凄く楽しかった、おススメです。

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
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(9pt)

時計館の殺人の感想

第45回日本推理作家協会賞受賞作。二十数年振りの再読、初読時の記憶は全く無しです。時計館の中と外の二元中継でストーリーは進みますが、誰もかれも怪しくて良い雰囲気ですねぇ。驚愕のトリックを楽しみに、後はネタバレにて。

▼以下、ネタバレ感想
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時計館の殺人<新装改訂版>(上) (講談社文庫)
綾辻行人時計館の殺人 についてのレビュー
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(9pt)

十角館の殺人の感想

30年振りの再読は大変楽しめました。覚えていたのは犯人だけだったので、改めて展開を確認しながら読みましたが、あの1行には分かっていながら鳥肌が立ちました。当時「新本格」の作品はかなり読みましたが、内容を少しでも覚えているのは本作のみです。それだけインパクトが有ったんですねぇ。余りに名作として名が通っているので、期待外れとの感想も見かけますが、それでも初読の方が羨ましい。こんなに衝撃的、かつ読み易い作品は無いですよ。ミステリー初心者の方、お若い方のレビューも多いですね、昔からのファンとしては嬉しい限りです。
十角館の殺人 (講談社文庫)
綾辻行人十角館の殺人 についてのレビュー
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(9pt)

飢えて狼の感想

本書初読は30年位前でしょうか。当時はハードボイルド、冒険小説がブームでした。日本冒険小説協会も解散し、志水辰夫も時代小説、恋愛小説等昔とは題材が変わってしまいました。北方謙三は中国行っちゃったし、佐々木譲は警察行っちゃったし、船戸与一は死んじゃったし。本作もソ連のスパイがどうとか言う話ですから、時代が違うんでしょうけどね。ただハッキリ言い切りますが、無双に面白いですよ!三部構成ですが、特に第二部は秀逸。みんな知らないのかなぁ、読まずに死ねるか!
飢えて狼 (新潮文庫)
志水辰夫飢えて狼 についてのレビュー
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(9pt)

怒りの感想

著者初読み。ミステリー要素は薄く、社会派ヒューマンドラマでした。刑事の恋人含めて、4人の不審人物が現れます。それぞれ、信じたいけれど信じきれない、切なく、哀しい関係が続きます。冒頭の殺人事件の犯人は誰なのか?他の人達にはハッピーエンドは待っているのか?そして「怒」の文字が残された理由は、タイトル「怒り」の意味は?様々な謎に引っ張られてラストまで一気に読みました。皆さんどう感じるんでしょうか?、私は重いテーマの割に凄く楽しめて、面白かったです。ラストはしばらく余韻に浸りました。おススメしたい作品です。
怒り(上) (中公文庫)
吉田修一怒り についてのレビュー
No.28:
(9pt)

追想五断章の感想

かなり面白かったです。前半は特に登場人物達の背景や心情が書かれておらず、何とも言えない不安感を覚えた。それに作中作も不気味で不穏な設定が多く、短い話ながらもキリっとしてる。バブル崩壊直後の時代設定になっているのも、閉塞感がありユーモアを全く感じ無い主人公には合っていたと思います。そして作者らしい皮肉の効いた結末、後味の悪さはいつも通り。ミステリーとしての仕掛けも良く出来ていたんで、読んで損は無いと断言します。300冊目。
追想五断章 (集英社文庫)
米澤穂信追想五断章 についてのレビュー


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