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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数318

全318件 1~20 1/16ページ

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No.318: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

六人の嘘つきな大学生の感想

著者初読み。2部構成になっており、就活生の最終試験となるグループディスカッションと、その8年後が描かれている。学生側だけでは無く選ぶ側の視点も有り、採用試験とは何なのか?、人の本質は見抜けるのか?、がテーマでした。ミスリードの連続で、その人の見え方がコロコロ変わる所は良く書けているとは思いましたが、感情が振り回されて疲れた(笑)。自分はバブル入社世代だったので就活の苦労は特に無く(忘れただけか?)、今は大変だなー、としみじみ思った。しかし近年は入社後結構すぐ退職する子も多く、選ぶ側も大変なんだろうけどね。
六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)
浅倉秋成六人の嘘つきな大学生 についてのレビュー
No.317:
(7pt)

Y駅発深夜バスの感想

著者初読み。裏表紙に有る「ミステリ・ショーケース」の通りバラエティーに富んだ短編集。基本的には本格物ですが、テイストとしてはスリラー、サスペンス寄りか?。どれもホントに面白く読めたが、「特急富士」のスラップスティックかつ皮肉な感じが好みだったかな。「猫矢来」はシリーズでも書けそうなキャラが微笑ましく、「九人病」はこの方向で一冊別に仕上げて見ては?、とも思う異色作。トリックと言うか、謎重視の作風、動機だ何だは置いといて楽しんで読んで欲しい。おススメします。
Y駅発深夜バス (ミステリ・フロンティア)
青木知己Y駅発深夜バス についてのレビュー
No.316:
(8pt)

松谷警部と三鷹の石の感想


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松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)
平石貴樹松谷警部と三鷹の石 についてのレビュー
No.315:
(7pt)

残奏の感想

音喜多&鳴海シリーズ三作目。前作から一年後三度コンビを組んだ事件は、飛び降り?、突き落とし?、と言う物で、殺人事件では有るがやや地味な感じ。二人がコツコツと聞き込みを続け犯人に迫るタイプで、背景に社会的なテーマが有るのがこのシリーズの作風でしょうか。そこに鳴海のキャラが浮くかハマるか、と言う所ですが、本作は非常に面白かったです。帯にある、慟哭のミステリーと言う程では無かったですが、社会派ミステリーとしてやり切れない動機が切なかったですね。何故この表紙?、と思いましたが、そう来るか!、シリーズ続編にも期待。
残奏 (中公文庫, さ83-3)
佐藤青南残奏 についてのレビュー
No.314:
(7pt)

交渉人・遠野麻衣子 籠城の感想

決定版・交渉人シリーズ三作目。本作に置いて遂に遠野は交渉人となった!、と言う感じでネゴシエーションしてました。一作目からずっと、タイトルが交渉人なんだから交渉しなよ、と思ってましたので。今回の犯人は人質を取って籠城した喫茶店経営者。なんでそんな事したのかは早めに明らかになりますが、なんとも悲惨な境遇で有り、少年犯罪、少年法がテーマとなる社会派サスペンスだった事が分かります。これに関しては、立場が変われば意見が変わる物でも有り、永遠の課題としか言えませんが。本作がシリーズ中一番交渉人らしくて良かったですね。
交渉人・遠野麻衣子 籠城 (河出文庫)
五十嵐貴久交渉人・遠野麻衣子 籠城 についてのレビュー
No.313: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

夜歩くの感想


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夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史夜歩く についてのレビュー
No.312:
(7pt)

蒼き山嶺の感想


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蒼き山嶺 (光文社文庫)
馳星周蒼き山嶺 についてのレビュー
No.311:
(7pt)

交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔(遠野麻衣子・最後の事件)の感想


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交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔 (河出文庫)
No.310:
(7pt)

猫は知っていた 仁木兄妹の事件簿の感想

著者初読み。第3回江戸川乱歩賞受賞作。昭和32年の作品と言う事は66年前、流石に社会風俗や科学的捜査はクラシカルな雰囲気です。ただミステリーとして伏線の張り方や推理のロジックは、現代でも十分に楽しめる物だったと思います。古臭くて違和感が有る、と捉えずに、作中に名前の上がっていた英米の古典ミステリーを読むような感覚で接すれば良いかと。文章も読み易く、とても面白かった。上記の点にご留意の上、是非大らかな気持ちで読んで見て下さい、おススメです。
猫は知っていた 新装版 (講談社文庫)
No.309: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

波濤の城の感想

消防士・神谷夏美シリーズ。舞台は乗員乗客二千名の豪華クルーズ船。乗客として乗り込んだ二人の消防士がこの規模の事故に置いて何が出来るのか?、非常に興味深く読みました。やはり内容としては、消火活動よりは人命救助に比重が有ったかとは思います。いずれにしても、絶望的な状況の中諦めずに何とかしようと戦う姿勢は感動的で、読んでいて力が入る。良い人、悪い人、巻き込まれる人、改心する人、様々に描かれた人物達の運命と、映像が浮かぶ様な船内の描写、そして序盤から張られた伏線の回収されて行く様をぜひ楽しんで欲しい。面白かった。
波濤の城 (祥伝社文庫)
五十嵐貴久波濤の城 についてのレビュー
No.308: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

鋼鉄都市の感想

著者初読み。70年前に書かれた古典SFミステリー。かなりの未来が舞台になっており、現在から見ても想像の付かない時代の話です。なので、逆に古く感じると言う事でも無くストーリーを楽しめました。今流行の特殊設定ミステリーとはすなわちSFな訳で、そう言う意味では非常に現代に合った作品なのかも知れませんね。人間とロボットのバディ物として、また推理が二転三転する正統派ミステリーとして、そして閉塞感漂うディストピア物として、色々な面から楽しめる傑作。
鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)
アイザック・アシモフ鋼鉄都市 についてのレビュー
No.307: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

鍵の掛かった男の感想

作家アリスシリーズ。今作は本格ミステリーと言うよりも、ヒューマンミステリー。物語の半ばを過ぎるまで火村はほぼ登場せず、アリスの単独捜査が続く。この間は推理の材料を集めている期間になるが、ここが正直長かった。中之島の情景描写やホテルに関するうんちく、登場人物達の背景の説明等。じりじりと進んで行き火村登場から一気に加速、が本作の醍醐味で有るとは思うが、少々疲れました。とは言っても内容としては十分満足、とても面白かった。文章が良く読み易いし、このコンビは品が有って好き。シリーズとしては異色作ですけど、おススメ。
鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)
有栖川有栖鍵の掛かった男 についてのレビュー
No.306:
(8pt)

最悪の感想


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最悪 (講談社文庫)
奥田英朗最悪 についてのレビュー
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(7pt)

シャイロックの子供たちの感想

銀行を舞台にした短編集、かと思いきや物語を貫く一つの事件が有り、多視点の長編小説だったのか、と言う感じの作品。銀行勤めでは無くても営業職をやっていれば、読んでいて苦しくなるばかりで、無邪気には楽しめないとも思った。著者初期の作品でミステリー色が強い、色々試行錯誤している頃だったのかな?。少々分かり辛くスッキリしない所も有るが、一人一人の背景をじっくり書き込むのは読みごたえが有りました。勧善懲悪のヒーロー物では無いが、やはり池井戸潤作品は面白い。ただ、現実の銀行はもう少し顧客ファーストで有って欲しいけどね。
シャイロックの子供たち (文春文庫)
池井戸潤シャイロックの子供たち についてのレビュー
No.304: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

午後の脅迫者の感想

1960年代半ばから80年代半ばに発表された作品が収録された短編集。皮肉な捻りが効いたオチになっており、ブラックユーモアを感じる作品が多かった。もちろん今読めば時代の違いは有るものの、面白い事は間違い無い。若い方にはおススメしませんが、初老の私以上の世代の皆さんにはおススメです。十津川警部は出ませんが、西村京太郎ファン以外の方にも読んで欲しい佳作。
午後の脅迫者 新装版 (講談社文庫)
西村京太郎午後の脅迫者 についてのレビュー
No.303:
(7pt)

心のなかの冷たい何かの感想

著者長編デビュー作、でありながら文庫化まで15年を要し、その後重版が掛かっている様でも無い。それが市場の評価かも知れませんが、読む価値は有ると思う。ダークでヘビーなストーリーと登場人物の狂気には、ウンザリして気が滅入る。その上、作中作(手記)物なので、複雑で長くなり分かり辛い。それでもおススメするのは、明らかにその後の葉村シリーズに直結する作品で有るから。気分が悪くなる共感出来ない醜悪な事件を、誰にも頼まれていないのに、決して諦めずとことん追及する。しつこいです、騙されます、殴られます、ね、葉村でしょ?。

心のなかの冷たい何か (創元推理文庫)
若竹七海心のなかの冷たい何か についてのレビュー
No.302:
(7pt)

ドラゴンフライの感想

鏑木シリーズ二作目。良い点も悪い点も大きく有る作品では有った。不可思議な謎が次々出て来るのはワクワクしますが、分かり易い謎でも回りくどい、独白意外には推理出来ない部分が多い、とか。刑事キャラが個性的で魅力的な部分ですが、言動が極端過ぎて違和感に繋がり、悲惨で哀しい事件の重さとは合わないかな、とか。長短両極で色々気にはなりましたが、個人的には良かったと思います。全て話せばよかったのか?、いや言えない事は言えない。でも嘘では無い。だって、真実なんて、ないから。子供達も大人になる。すれ違った気持ちが切なかった。

ドラゴンフライ (角川文庫)
河合莞爾ドラゴンフライ についてのレビュー
No.301:
(8pt)

海と月の迷路の感想

上巻ではゆったりしていた物語は、下巻に入り展開のスピードを上げて行く。島民の対立の様子や、犯人捜しが丹念に描かれるが、あくまでも主題は主人公荒巻の若さである。情熱、正義感、後先考えない暴走…若気の至りと言えば、正にその通り。この周りを滅茶苦茶に巻き込む新米警官に共感出来るか、それとも事なかれ主義の先輩警官に共感するか、途中までは読んでいて複雑な心境でした。しかし、犯人が分かってからクライマックスまでの圧倒的な迫力、ラスト数行からエピローグに至る情感には、すっかり痺れた。私はこの作品、良いと思う。
海と月の迷路
大沢在昌海と月の迷路 についてのレビュー
No.300: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

奇跡の男の感想

このミス1988年版11位。ユーモアがあり軽く楽しめる短編集。解説が素晴らしく、著者の魅力を良く伝えているので、以下抜粋。「奇妙な論理は泡坂の持ち味」、「合理性やリアリティに囚われず、詭弁を軸にした構成」、「謎解きのプロセスを簡略化し、種明かしで読者を驚かす手つきは一貫している」等々。とにかく不思議な読み味なので、合わない方もいらっしゃるかと思いますが、おおらかな気持ちで、多くの方に読んで欲しいな、と思います。特に「狐の香典」は秀逸、ホントに良いですよ。

奇跡の男 (光文社文庫)
泡坂妻夫奇跡の男 についてのレビュー
No.299:
(7pt)

傍聞きの感想

第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。著者の出世作ですね(後に「教場」で大出世するんですが)。主人公の置かれた状況や背景の説明無しで物語が始まり、徐々に明らかになって行く構成は、著者の得意な作法でしょうか。短めでは有るが、今作は人情噺と言う感じで、余りブラックじゃ無いのも良かった。意地の悪い人ばっかりだと、読んでてウンザリするからね。おススメです。

傍聞き (双葉文庫)
長岡弘樹傍聞き についてのレビュー