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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数618件
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銀行を舞台にした短編集、かと思いきや物語を貫く一つの事件が有り、多視点の長編小説だったのか、と言う感じの作品。銀行勤めでは無くても営業職をやっていれば、読んでいて苦しくなるばかりで、無邪気には楽しめないとも思った。著者初期の作品でミステリー色が強い、色々試行錯誤している頃だったのかな?。少々分かり辛くスッキリしない所も有るが、一人一人の背景をじっくり書き込むのは読みごたえが有りました。勧善懲悪のヒーロー物では無いが、やはり池井戸潤作品は面白い。ただ、現実の銀行はもう少し顧客ファーストで有って欲しいけどね。
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1960年代半ばから80年代半ばに発表された作品が収録された短編集。皮肉な捻りが効いたオチになっており、ブラックユーモアを感じる作品が多かった。もちろん今読めば時代の違いは有るものの、面白い事は間違い無い。若い方にはおススメしませんが、初老の私以上の世代の皆さんにはおススメです。十津川警部は出ませんが、西村京太郎ファン以外の方にも読んで欲しい佳作。
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「後妻業」と言う言葉を世間に知らしめた作品。強烈な内容でとても面白かった。とにかく金、金、金、の人物ばかりが出て来ますが、大悪党も小悪党もそれぞれ必死で圧が凄い。お金持ちで独り身の老人男性が、子供や孫では無く、最期を共に過ごしてくれる女性に財産を残す。金を持っては死ねないので、使いきれない分どうするか、は自分が好きに決める事だ。人間だれしも、志半ばで突然最後の日を迎える。この被害者の爺さん達が、多少でも幸せな気持ちで最期の日々を過ごしていたなら、まあ有りかも知れない、と思わんでも無い。ンな訳無いか(笑)。
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下巻読了。上巻よりはマシで有ったが、やはり好みの作品では無かった。登場人物に感情移入出来るキャラが居なかったのが大きいが、セリフや比喩が下品過ぎてね…。そもそもの物語の設定や、終盤の展開やラストは悪くないです。キャラや世界観が違えば楽しめるかも、他の作品を読んで見たいと思いました。
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著者長編デビュー作、でありながら文庫化まで15年を要し、その後重版が掛かっている様でも無い。それが市場の評価かも知れませんが、読む価値は有ると思う。ダークでヘビーなストーリーと登場人物の狂気には、ウンザリして気が滅入る。その上、作中作(手記)物なので、複雑で長くなり分かり辛い。それでもおススメするのは、明らかにその後の葉村シリーズに直結する作品で有るから。気分が悪くなる共感出来ない醜悪な事件を、誰にも頼まれていないのに、決して諦めずとことん追及する。しつこいです、騙されます、殴られます、ね、葉村でしょ?。
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著者デビュー十周年記念作品。クローズドサークル物ですが、どうでしょう出来栄えは微妙かと…。終盤に犯人が分かり、動機が分かれば、多少納得出来る部分はありますが、ちょっと「トラップ」がショボいと言うか何と言うか。もうちょっと良く探せよな。犯行動機も余り共感出来ず、置いてきぼり感が有るなぁ。次々重ねられる推理は楽しめる所もあり、卒業間際の大学生たちを描く、と言うのが裏テーマなら、それなりに成功しているのかも知れません。軽く短時間で読めるのは良かったですが、クローズドサークルの閉そく感、緊張感は少々弱かったです。
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鏑木シリーズ二作目。良い点も悪い点も大きく有る作品では有った。不可思議な謎が次々出て来るのはワクワクしますが、分かり易い謎でも回りくどい、独白意外には推理出来ない部分が多い、とか。刑事キャラが個性的で魅力的な部分ですが、言動が極端過ぎて違和感に繋がり、悲惨で哀しい事件の重さとは合わないかな、とか。長短両極で色々気にはなりましたが、個人的には良かったと思います。全て話せばよかったのか?、いや言えない事は言えない。でも嘘では無い。だって、真実なんて、ないから。子供達も大人になる。すれ違った気持ちが切なかった。
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上巻ではゆったりしていた物語は、下巻に入り展開のスピードを上げて行く。島民の対立の様子や、犯人捜しが丹念に描かれるが、あくまでも主題は主人公荒巻の若さである。情熱、正義感、後先考えない暴走…若気の至りと言えば、正にその通り。この周りを滅茶苦茶に巻き込む新米警官に共感出来るか、それとも事なかれ主義の先輩警官に共感するか、途中までは読んでいて複雑な心境でした。しかし、犯人が分かってからクライマックスまでの圧倒的な迫力、ラスト数行からエピローグに至る情感には、すっかり痺れた。私はこの作品、良いと思う。
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著者初の短編集。探偵役は森江春策で共通ですが、高校時代から弁護士事務所を開くまでの長い期間を通して起きた事件で、無理くり寄せ集められている感じは拭えません。総じて文章は読み辛く、トリックも微妙なオチで、解決後のカタルシスは乏しいかと。森江のキャラがハッキリしない性格で、グズグズ、モソモソしているせいも有るのかな?。良かったのは、著者のミステリィマニア振りが凄く伝わって来る所。めちゃくちゃ真面目に書いてるのも、ヒシヒシと感じます。最近書かれた物も読んでみたいですね、色々こなれてるでしょうから、きっと。
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このミス1988年版11位。ユーモアがあり軽く楽しめる短編集。解説が素晴らしく、著者の魅力を良く伝えているので、以下抜粋。「奇妙な論理は泡坂の持ち味」、「合理性やリアリティに囚われず、詭弁を軸にした構成」、「謎解きのプロセスを簡略化し、種明かしで読者を驚かす手つきは一貫している」等々。とにかく不思議な読み味なので、合わない方もいらっしゃるかと思いますが、おおらかな気持ちで、多くの方に読んで欲しいな、と思います。特に「狐の香典」は秀逸、ホントに良いですよ。
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第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。著者の出世作ですね(後に「教場」で大出世するんですが)。主人公の置かれた状況や背景の説明無しで物語が始まり、徐々に明らかになって行く構成は、著者の得意な作法でしょうか。短めでは有るが、今作は人情噺と言う感じで、余りブラックじゃ無いのも良かった。意地の悪い人ばっかりだと、読んでてウンザリするからね。おススメです。
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1995年度「このミス」第1位。それぞれ趣向は異なるが、皮肉の効いたブラックジョークが面白かった。そう言う意味では最後の2編は私には難しく、良く分からなかった。気に入ったのは「蒐集の鬼」。見つけた時が即、買い時なのである。正にその通り!。いやー、自分を見てる様で応援しましたねぇ、なので最後は…(涙)。本格推理では無く、広義のミステリーの、しかも結構マニアックな作風かと思います。本作が楽しめれば、ミステリーファン上級者認定試験合格、ハイセンスを名乗って良し!。
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夏目信人シリーズ1作目。複雑な家庭環境を持つ登場人物が多く、やるせない気持ちになる短編集。それぞれの事件は、主人公夏目刑事の鋭い洞察力で鮮やかに解決する訳ですが、勧善懲悪でスッキリ、とも行かず重い読後感となりました。引き付けられ、引き込まれる話を読み進めて行くと、本作だけで一応の決着が付いています。今後シリーズがどの様に続いて行くのか分かりませんが、続けて追いかけたいと思います。多分これでも薬丸作品にしてはライトな方じゃ無いんでしょうか?。でも「オムライス」はキツかったかなぁ、んー、やっぱり全話苦しいか。
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第31回吉川英治文学新人賞受賞作。ゼネコンにおける談合問題をテーマとした作品。今回も銀行員は出て来るが、感情移入出来ない悪役でしたね。談合が良いか悪いかは、立場に寄って見方は変わる物。犯罪には違いないのですが、雇用の維持に必要な「必要悪」の面も有る気はする。まあ、経費を究極まで削って無ければ、企業の怠慢なんでしょうけど。さて作品としてなのですが、主人公の彼女がねぇ…。共感出来ないのは、私が男だから仕方無いのかな?。そもそもテーマがテーマなので終わって完全にスッキリとはしませんが、十分読み応えが有りました。
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著者初読み。このミス2002年版第4位。「人間消失」、「密室に突然現れたアカムケの死体」、「列車ジャックと犯人のバカな要求」、そして「蒸気機関車消失」。バカミスと言う事になるでしょうが、これだけのネタを詰め込んで一応それぞれに決着を付けています。ふざけた様な奇妙なキャラとその言動に、笑えるか、イラつくか。沢山の謎とその真相に、そしてラストに用意された作品そのものに対する大仕掛けに、感心するか、怒るか、それとも呆れるか。私は、作者が非常に真面目に真剣に取り組んだと感じ、面白く読みました。個人的にこれは有り。
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余りにも意外な展開でしたが、クライマックスからラストは共感出来ず残念。上巻の時点では不幸な登場人物達に同情する部分が有りましたが、途中からはみんな自業自得に感じてきましたし。いずれにしても、グロくてハードな内容なのに引き込まれる力が凄く一気に読み終えました。途中まで感じていた「辛気臭い」は「狂気」へと変わり、主要登場人物それぞれが、自分の「OUT」へ向かって進んで行きます。その出口の先には何が有ったのか、それまでの閉塞感を吹き飛ばす開放感は大きかったのか…。凄かったけど、やはり読んでて辛かった。
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新本格リアルタイム世代なので、30年位前にノベルズで読了済み。内容の記憶は無いので、初読感覚で読みましたが…。当時は「バカミス」、「壁本」と言う言葉は無かったので、どう思ったのかな?。まああの頃は酷い物も多かったので、苦笑位だったかも(笑)。作者は若干22歳で本作を書き上げたそうですが、出版年を見ると私も若干22歳で読んだんですね。さて、中年になってから読んだ今回の感想ですが、時間の無駄だった、です。三段構えの叙述トリック?、が一応全部分かったからかなぁ、つまらなかったのは。高評価のファンの方すみません。
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分かり易いエンタメ作品が好きなくせに、たまに触れて見たくなる皆川作品。やはり読むのにぐったりと疲れてしまう、幻想怪奇小説集。生者か死者か、現実か夢の中か、境界が曖昧になり、今誰が何を話しているのか分からなくなる。現在の事か過去の事か、自分が今何を読んでいるのか分からなくなる。独特の表現は、集中して読まないと、難しすぎて全く理解出来なくなる。ただしお薦めしないと言う訳では無い、読んで後悔する事は無いと思うので。対象者は、平易なだけで作文みたいな文章に飽き足らなくなった方、物事に白黒付かなくても許容できる方。
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