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六の宮の姫君
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六の宮の姫君の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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元々この『私』シリーズは短編連作で始まりました。 この『六の宮の姫君』は長編で、かつ「私」が大学卒業のための論文を書く話です。 しかも論文の内容は「芥川龍之介と菊池寛」。 はるか明治から続く日本の近代文学史で活躍していた二人の若い頃から晩年までを、丁寧に描いていきます。 そして、驚くべきことですが、この作品、小説を書くための教科書といってもよいぐらいなのです。 前期北村薫作品の最高峰、それがこの『六の宮の姫君』です。 | ||||
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家にあるけれど古い本なので、孫用に買いました。綺麗な本なので、読んでもらえそうです。 | ||||
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日常のミステリを期待しましたが、書かれているのは日常生活からは離れた芥川や菊池寛の文学史のウンチクの話で、期待外れでした。 これなら小説という形ではなく、論文や評論として書いた方がずっとよかっただろうと思います。小説としての面白さはほとんどなく、がっかりしました。 | ||||
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私は基本的に読書は娯楽だと思っている。 もちろん仕事関係や勉強などで実用書を読むことはあるが、小説に関して言えば暇つぶしの娯楽として読んでいる。映画を観たり、音楽を聴いたりするのと同じ。 しかし、本書は娯楽としての読書ができなかった。 文学部でもない人間にとっては退屈極まりない内容であり読んでいて苦痛だった。 作者のペダンチックな文章も鼻につく。 日本文学を専攻してる人間でもない限り、芥川龍之介や菊池寛の作品同士のつながりだとか、出典がどうだとか、発表された時期がどうだとかは全く興味がない。 ひたすら作者の衒学的な自己満足の文章を読まされるだけで全く面白くなかった。 娯楽としてのミステリーを期待していたのだが肩透かしを食らわされた。 前作の「秋の花」がかなり良かっただけに残念。 この内容を「円紫さんと私」シリーズ」でやらなくてもよかったと思う。 | ||||
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『米澤屋書店』(米澤穂信著、文藝春秋)の中で、米澤穂信の作家人生を決定づけた本として紹介されている『六の宮の姫君』(北村薫著、創元推理文庫)を手にした。結論を先に言ってしまうと、これは文学史の謎に挑んだ大傑作である。 文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。 芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。 【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。 キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。 遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。 米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。 | ||||
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私は本が大好きだけれど、本が好きだからこそ合わなかった。文学者を神聖視し作家がその作品を生み出した背景を掘り下げるのは重要だけれど、その人物の「心情そのもの」を時代、周辺資料や手紙、対談記録などで追っていくのはどうにも違和感が残った。作品の背後に作者がいなくても作品が好きな私には合わない。 | ||||
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芥川龍之介が「六の宮の姫君」を執筆するにいたった機縁・状況を解き明かしていく本。 作品群の流れ、作家間の交流状況などを詳細に紹介しつつ話しを進めおり、著者の説が正しいかどうかは知らないが、興味深い内容だった。 本書の副次的な効果として、芥川や菊池寛の作品を読み直したくなった。本書を読まれる方はそのように感ずる方が多いのではないかと思う。私は岩波文庫を久々に購入した。 一方、小説としての評価はあまり芳しくない。登場人物がね。良い人、「さわやかさ」などが強調されすぎてぺらぺらな感じがする。そうそう、「神様のカルテ」みたいな、きらきら感で気持ち悪い。題材の重さと釣り合ってないこと。 なお、「六の宮の姫君」は解釈の難しい小説であり、本書は確かに執筆の動機に迫る物であるが、これをもって理解しきったとは言えないであろう。例えば、「内記の上人」が何故登場するのかなどという点には本書はふれていない。 こうした興味もあり、インターネットを検索していたら、神冴香という大学生の卒論に行き当たった。PDFがネットに掲載されているので、一読をお薦めしたい。本書とは違う角度から分析をしている。 | ||||
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とある作家のインタビューから本書を知った。 参考までに読んでみたら、驚くほどの情報量に圧倒された。 本当の読書家は確かにいろいろ読んでいて、且つ、よく覚えているものだ。 芥川氏の本は、それほど読んでいないので 内容的なものについては、引用に頼るしかないのだが、 好きな分野にのめり込んで謎を解決していくのは、それだけで楽しい事だと 読んでいるこちらも躍動感を感じる。 更にそれが本になるのは作家冥利というものか。 シリーズ一式を揃えたので最初のシリーズから読んでいく予定。 | ||||
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芥川が書いた経緯が興味深く読め推理による展開が面白かった。こういう書き方があるのかと新発見でもありました。 | ||||
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はじめて北村薫氏の本を読みましたが、とても良かったです。文豪をめぐるミステリーということで、どんどん引き込まれていきました。実は、芥川龍之介も、菊池寛も、とっつきにくく暗い印象で読んだことありませんでした。この謎解きを読んで、断然読んでみたくなりました。こんなに深く、ひとつの本、または作家を探求していくいわば研究を、読者の興味をひくように、身近なストーリーで書いてくれて居て、読みやすかったです。すでにシリーズ4作目とのことで、人気があるのですね。他の作品も読んでみます。とても勉強になりました。 | ||||
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最終学年を迎えた〈私〉は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていくかたわら、出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、円紫師匠の教えを乞いつつ、浩瀚な書物を旅する〈私〉なりの探偵行が始まった。 | ||||
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こんな作品、芥川など周辺に興味ある読書マニアなら常識、小説にもならないレベル。登場人物同様、作者の学識は女子大生レベル。唯女子大生もどきの軽快な軽さのみが取り柄。よくこんな人が多くの本を出して作家として通用しているね。もっと学識をじっくり今のうちに磨きなさい。 | ||||
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「日常の謎」ムーブメントを巻き起こした「円紫師匠と〈私〉」シリーズ中の一作。 これまた「日常の謎」モノの連作短編だと思い込んで読んでみたところ……ぜんぜん違うやん! 卒業論文を書くため、芥川龍之介作『六の宮の姫君』の成立の経緯について調べることになる〈私〉。ホントにただひたすら調べるだけ! それも奇矯なアイデアはいっさいなし。がっつりと濃い、ガチの文学論。 いったい本書を小説で書くような必要があったのか? という気がしないでもないのですが、おそらく、小説の形で書かないことには読者に読んでもらえないという判断なのでしょうね。おなじみの円紫師匠や正ちゃんも登場しますが、ファンサービスの顔出し程度の出番。「日常の謎」だと思って手に取ると痛い目を見る、読者を選ぶ一冊であります。 | ||||
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読む人を選ぶ作品、芥川龍之介、菊池寛などに興味がないので読むのが苦痛でした。 シリーズものでこういう読み手を選ぶ内容なのはどうなんだろうか? | ||||
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凄く面白かったです。内容が内容なので、芥川を中心としたあの時代を彩った才能豊かな人々のやり取り含め文学というものの奥深さを感じ取れました。作者さんは本当に博識です。ラストには、ううっと唸らされました。芥川の時代、文学の時代は素敵ですね。二回、三回と繰り返し読みたいお話。自信を持って人に勧めたいです。 | ||||
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主人公である大学生の「私」が、 探偵役である噺家・春桜亭円紫と 日常の謎を解き明かす人気シリーズ。 人が死なない推理小説として有名でもあります。 今回の謎は、芥川龍之介はなぜ、 短編 『六の宮の姫君』を書かずにいられなかったのか? 「あれは玉突きだね。...いや、というよりはキャッチボールだ」という 芥川のセリフを発端に始まる主人公の文学的探索は、まさに思索と発見の繰り返し。 盟友・菊池寛との関係や『今昔物語』、『沙石集』との結びつきなど、 ひとつの短編の背景には思いもよらなかった世界が広がっていました。 本編中、「何ごとかを追求するのは、人である証に違いない」とありますが、正に。 面白いのはもとより、本を読むことが何より好きな僕にとって 「本という海」の深さに目が眩む思いがした1冊です。 この秋、何を読もうかな...と思っている人、 そしてちょっと文学好きな人はぜひぜひおすすめです。 読後、目の前の世界が少しだけ美しく見えますから。 | ||||
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読み始めるまでここまで込み入った話とは思いませんでした。 「六の宮の姫君」をめぐる探求は、勉強が楽しい時のような、読んでいる側も知的エネルギーを消費する、不思議な本でした。 普段の読書とは違う体験ができましたが、苦手な人もいるかもしれませんね。 本書は卒論と絡んでいますが、卒論としては情熱的で格段によく調べてあるけれども、学術的な価値はそれほど無いのかもしれないと思います。 でも、そんなこと気にしないで、主人公と一緒に本の虫になりましょう♪ 作者の異色のたくらみに、感心しきりです。 | ||||
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『空飛ぶ馬』『夜の蝉』『秋の花』に続く「円紫師匠と私」シリーズの4作目。 北村薫のミステリーは、殺人事件など起こらないのに本格的な推理仕立てになっているからこそ人気があると思っています。 国文学専攻という「私」の探究心には感心します。大学の先輩、円紫師匠の博識ぶりにも驚かされますが、芥川を真正面から取り上げてミステリーにした北村薫の勇気を買いたいと思います。 本書は3回目の通読になります。初出直後は文学評論や文学史の解説という風変わりな展開にいささかついていけなかったわけですが、その後時をおいて再読するとこれほど凝った展開を構築した作者の手腕と知識を評価しないわけにいかないでしょう。 芥川を取り巻く大正時代の文学界の交友関係から浮かび上がる「あれは玉突き・・・いや、キャッチボール」という言葉の意味の面白さ。 往生絵巻から題材を得た「六の宮の姫君」執筆の経緯は、大正時代の文学界の潮流も浮かび上がらせました。北村薫の早稲田大学第一文学部での卒論のテーマが芥川と菊池ですので、本書のベースは作者の卒論の執筆過程からすでにあったということになります。 芥川を取り巻く人々の作品も含めて、丁寧に原作を探し、交友関係の確認のため、往復書簡を全集で確認する作業など論文作成の鏡ともいえます。 この文学の謎を掘り下げていく過程が知的好奇心を満たすわけですが、一方で文学史の論文のように感じられると離れていく読者もあるでしょう。読み手を選ぶ作品でした。 | ||||
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芥川の「六の宮の姫君」についての解釈の仕方が斬新だった。こんな読み方もあるのか、という本当に新鮮な驚き。読書好きの「私」を主人公にした設定が最高に生かされていて、読んだ後はしばらく呆然とした。で、芥川はほとんど読んでいるが、なぜか菊池寛は読んでいないという、目をそらし続けいてた厄介な事実を、改めて突きつけられたんだよね。実は、いまだに目をそらし続けている。何だか踏み込んではいけない領域のような気がするんだなー、何でだろう。 | ||||
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殺人事件など起こらない。探偵も刑事も登場しない。だが、この作品は 立派なミステリーだ。ただし、異色中の異色だが。「六の宮の姫君」の 作品に対して遺した芥川の言葉の真意は何か?交友関係のあった菊池寛 らの作品や書簡、日記などから探られる真実。さまざまな資料が読まれ、 検討され、芥川が関わりを持った人たちが浮かび上がってくる。その数々の 事実は、本好きの人たちの心を間違いなくワクワクさせることだろう。 同時に、作者の緻密な調査やその推理力に驚かされることだろう。本を 好きな人にはぜひ一度は読んでもらいたい。文学の持つ魅力をあらためて 感じることができる作品だった。 | ||||
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