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綺想宮殺人事件
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綺想宮殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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衒学満載で読みにくいです。それでもガマンして読了しました。結果、不完全燃焼でした。そもそもの犯人の動機も、どうしてそんな犯行に及んだのかも分かりません。いえ、大筋のストーリーは分かるんですよ。その大胆な発想も新鮮です。だけど、犯人の立場に立って考えると、とても納得できないことだらけです。ペダントリー満載の理由も不明ですね。有体に言えば必要性のない密室殺人みたいな。まだ「黒死館殺人事件」の方が分かり易いと思いました。ガチガチの本格モノ愛好者には不向きの一冊です。 | ||||
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やり過ぎなくらい装飾過多な一作。 作中、菊園検事も突っ込みをいれていますが、ペダントリーやトリビアを割愛し、ついでに仰々しい文章も自制したら、ボリュームは半分になったのではないでしょうか。 森江・菊園以外の登場人物がどんなキャラクターなのかがさっぱりつかめず、何が起こっているかもまるで分からないため、その場その場の雰囲気と森江・菊園のマンザイ的応酬を楽しむしかないかな、というのが素直な印象。 | ||||
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小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は、読了するのにだいぶ時間が掛かったのです。…まあ、途中で挫折しかかって暫く放って置いたんですけど。 正直『黒死館』の難解さは、戦前の作品ということで、現代社会の我々には取っ付き難い文体、というのが大きな要因のひとつだと思うのですが。 で、こちら『綺想宮殺人事件』は、当然ながらそこは無問題でありまして、奔流のようなペダントリィが、抵抗なく這入って来てくれます。 無論、理解なんかしてませんが。 最大のキモは多分、終盤にいきなりやって来る、大袈裟にいえば(?)パラダイム・シフトのような転回だと思うのですが(不要論もある)。 でもそこに至るまでの薀蓄博覧会も、フリとして活きているというか。 初めて目にするタイプの「死体の理由」には驚きましたし。 後期クイーン問題、或いは所謂「新本格」以降にも幾度となく言及されてきた「原理の問題」。 思えば久々に読んだテーゼでした。懐かしい、というか寧ろ新鮮。 まあ――あとがきにあるように、現代ミステリのひとつの主題的名作、なのかも。 そんなに青筋立てないで読んでみて。 | ||||
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まるで小栗「黒死館〜」に挑戦したかのようなペダントリーの洪水。これは著者のカラーじゃない、と思っていると、案の定という作品である。 著者の意図は分からないでもない。だが、そこは小説という虚構の世界のこと、お約束というものがあるはず。それに疑問を呈するような作品がアンチ・ミステリを標榜するというのは、ちょっと違うんじゃないかな、と思う。 著者の先品は概ね好感を持っているのだが、本作はどうにもいただけない。読んでいる途中は面白いのだが、ネタが分かったとたんに、本を放り投げたくなった。本好きの私にしては、珍しいことだ。それほど、本作は私の好みではなかった。 だが、そのくらい本作の持つインパクトは大きいということだ。 | ||||
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ヴァン・ダインの衒学趣味を基調に、更にそれを醜悪指向にデフォルメして館物に仕立て上げ、単に「奇を衒う」事だけに意を払った空疎な印象を与える作品。澁澤龍彦氏の影響が随所に見られると感じた。何処にオリジナリティがあるのか皆目不明で、最後まで読み通すには忍耐力が必要だと思う。だが、途中で投げ出すには惜しい点がある。 全体の4/5程度は上述の感じで進むのだが、結末に近づくに連れ意外と骨のある作品である事が分かって来る。現代ミステリのあり方に一石を投じようとしたものなのだ。カー「三つの棺」中のフェル博士の言葉を思い出す方も多いであろう。作者の力みが目立ち過ぎていて未熟な印象は免れず、作品として成功しているか否かは疑問だが、意欲は買えるのでないか。今後、作者自身の言葉を乗り越える作品の登場を期待したい。 | ||||
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一気に読みました。この作者は昔から批判精神旺盛で、『和時計の館』でも『時計館の殺人』を批判したり、『堕天使殺人事件』でも他の作家のパートを小馬鹿にしています。今作は押し寄せる衒学は面白いのですが、ミステリとしては欠陥品ともいえる展開(不可能犯罪が出てこない、容疑者たちの造形がくだらなくて甘いので、犯人としての資格がない、など)。そして終盤に押し寄せる嵐のような批判に次ぐ批判。何が面白くてこんなにひねくれているのか。100点満点で言えば…6.00071点…くらいかな。 | ||||
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地球は空洞であり、我々はその内側にへばりついているという説−−− 地球は曲面ではなく平面であることを「実証」した世界ゼテティック協会−−− もちろんそんなプロローグは本当に文字通りただの序曲に過ぎず、 万乗氏の居館であった「綺想宮」にたどりついたのちには「イヤ」というほどの膨大な無駄な知識が押し寄せてきます。 世界と日本の相似から見た歴史論、自動的に詩を紡ぐ機械「大発見」から奏でられるファウストの呪文、「世界誕生における調和」として選ばれた7曲が奏でられる中あらわれる惨殺死体に施された過剰な見立て・・・ これは明らか(これは明らかとして良いでしょう??)に「黒死館」を意識したスタイルですが、「黒死館」のソレが衒学的ながらも蠱惑的な響きを持って熊城検事や私たちを翻弄したのにたいして、「綺想宮」ではむしろ不快と思えるレベルにまで至っています。 このままでは「黒死館」のパロディになり損ねた残念作になる??いやいやそんなことはないはずだ、何があるんだ??と読み進めていきましたが、もちろん最後に痛恨の一撃が加わり途中感じた不安は(いい意味で)裏切られることになりました。 ただ読後のこの感じをなんと表現すればよいのか苦しみました。 「良作であり問題作であり、高揚感であり嫌悪感」 それらがごちゃ混ぜになったような感じでした。 あくまでも「作者」の主張があるのならそれは作品外、または作品中に技法を以て織り込んで欲しい、と思います。 またミステリはあくまでも娯楽の一部である、あって欲しいので、妙に現実の方にすり寄って欲しくはないこともあります。 これらが嫌悪感として噴出したのには、従来のミステリを読み込んでいたからこその、作品からのある種の絶縁状を叩きつけられてしまった感があるからなのかも知りません。 ただそうはいったものの、傑作には違いありません。明かされた真相(Why?への回答)は類を見ない壮絶なものですし、上の主張も含め今年のミステリの話題になることは違いありません。それらを踏まえても「今年刊行されたなかで読みたい一冊」のうちのひとつです。 あと帯に書いてあることですが、本作を「奇書」と呼ぶのには抵抗があります(同じく4つ目の「匣〜」も)。 傑作ですし、問題作でもありますが、、、 | ||||
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( ゚д゚) ( ゚д゚) ( ゚д゚) 意味が分からん。 元になった黒死館は読んだことが無いし、読みたいとも思わない。 とにかく酷い。久しぶりに探偵の活躍する推理小説でも読むか と思い借りてみたのだが9割がたは意味不明な薀蓄。 残りも推理小説いや、ミステリーともいえないお粗末な作品。 物語を読ませるのが作家の仕事だと思っていたが 作者は一体なにがしたかったのだろう。 あと中二病の意味を取り違えていないか? | ||||
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あらすじ 綺想宮を訪れた森江春策を待ち受けていたのは、 美しき案内人と七人の奇怪な滞在客だった。 森江の到着を待っていたかのように豪華絢爛な殺人劇が幕を開け… 感想 曲者・芦辺拓がありきたりな館モノを書くはずありません。 ミステリーを転覆させんとする企てがたっぷり込められています。 なんて言ったて、探偵小説の最期らしいですから。 その試みが上手くいったかどうかの判断は 人によって大きく左右しそうです。 事件の解決はバカミスに片足を突っ込んでいる気がしますし、 その後に語られる探偵小説論も人によって賛否が分かれそうです。 満を持して語られますが、個人的には 他の小説や漫画などでも使い古された論ですし、 なにを今更と言う気がしないでもありません。 ですが、そういったことを語らずにはいられなかった作者の 悲壮感にも似た想いがヒシヒシと伝わってきます。 たぶん、ミステリーを読みこんだ人であればあるほど 色々と考えさせられるものがある作品です。 読んでからの一言 セルフ突っ込みの連続! | ||||
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