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月の骨
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月の骨の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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| 先日からふと思い立ってキャロル作品を最初から読み返しています。何十年も前に読んだきりだったのですが、情けないことにストーリーをおぼえていたのはデビュー作の「死者の書」だけ、あとはイメージ程度しか記憶にありませんでした。 この「月の骨」はインパクトは強かったですし名作だと思った・・という記憶があったのですが、今回読んでみたらベストではありませんでした。20代の頃とは感じ方が変わったのかもしれません。 主人公カレンの現実の生活と夜に見る夢が交互に描かれますが、比重としては夢の方がやや多いでしょうか。 続き物の夢はロンデュアといういかにもファンタジーのような別世界、どこか「オズの魔法使い」を思わせるような、しゃべる動物やピンク色の海などが出てくる色彩豊かでサイケデリックな世界です。 キャロルは自分自身のことはファンタジー作家とみなしていなくて、ずっと恋愛小説を書きたいと思っていたそうですが、キャロルの小説で、ロマンスが大きな割合を占めているのはそのためかと思います。ここでもヒロインのカレンがバスケットボールのプロ選手と出会って結婚、彼がイタリアのチームに参加したためミラノへ移住、そして愛しい娘が生まれ、海外生活を楽しみ、女性にとって理想的なダンナ様と幸せな結婚生活を送るさまがほのぼのと描かれます。 現実世界での展開はそんなに複雑なものではありません。アパート階下に住んでいる少年が猟奇殺人を犯すという事件はありますが、カレンの幸せな生活はただ淡々と続いていきます。 夢に出てくる現実にはいない息子は彼女に「ママが僕を殺したの、おぼえてないの?」と素直に尋ねます。それまで彼女は夢のことをそのまま受け止めていただけで中絶のことは思い出しもしませんでした。そこで初めて罪悪感をおぼえてるのですが、相手の男性は妊娠を知ったとたんに冷たくなり堕ろしてくれと言うような男、手術を決めた時、彼女が感じていたのはむしろ怒りでした。 彼女は思います。「奇妙なことに、中絶が他の女の人にも悪いことだとはいまだに思ってなかった。あたしたちの行動や責任はあたしたちだけのもの。後で何がたたるか、何が喝采したりしに戻ってくるか、そんなことは予告も不可能なら、いつも完全に理解できるとも限らない」と。 子供にはすまないと思うけれど、中絶したこと自体を彼女は後悔していません。なので中絶と後悔はこの小説のテーマではないと思います。やはりキャロルですから、彼が描きたかったのは奇妙な夢の世界、それが現実に侵食してくる様だったのではないか、と感じました。 もうひとつの世界は現実での不可能を補っている関係にも見えて、このあたりはキリスト教的なものがいつも強く感じられるキャロル独特の世界観があるのかもしれません。そして、まさかこの人がと思うような人物があっさり殺されてしまうのは「死者の書」と同じでびっくりしました。 セックス・シーンや猟奇殺人の話もあるので子供向けではありませんが、夢の部分は子供が読んだら入り込んで夢中になるのではと思いました。 強烈なインパクトとサイケな色彩感満載の作品です。これをすばらしい想像力と取るか、わけがわからないと取るか、そしてファンタジーとみなすか、それとも猟奇サスペンスと思うか、そのあたりで評価が分かれるのではないでしょうか。個人的にはスリリングなラストも含めて楽しめました。 | ||||
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| まず指摘したいのはこの本の「あらすじ」には間違いがあることです。「おなかには二人の赤ちゃんも」と出ていて、これでは主人公は双子を妊娠しているようですが、実際は違います(単胎妊娠です)。 作品本体は、妊娠・中絶の経験の物語と読みました。主人公の中絶の話は、すでに一ページ目の中表紙(?)に出ている事なので、ネタバレではないと思いますし、作中でも全然秘密ではなく淡々と語られる事なのですが、作中では重要な出来事です。中絶経験は頻繁に罪悪感を伴う経験と見られているためかあまり語られることではないですし、ましてそれをファンタジーの題材として扱った作品はあまりないのでその点でおすすめしたいと思います。 | ||||
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| ホラーよりもロマンス色が強い作品でした(と思いました)。両方キャロルの持ち味だと思います。 女性には受けがよいのかもしれません。・・・が自分的にはロマンスが少しくどく感じました。 それでも、独特のファンタジー世界が有り、キャロルファンには楽しめる本です。 | ||||
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| ファンタジーというよりも、一人の女性の心の傷が、癒えるまでの話。ファンタジーとして期待して読むと、面白くないかも。傷ついた女性の心理とかも多少学べると思う。 | ||||
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