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森に眠る魚



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【この小説が収録されている参考書籍】
森に眠る魚

森に眠る魚の評価: 3.87/5点 レビュー 107件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.87pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全77件 61~77 4/4ページ
No.17:
(4pt)

面白かったです!

この小説はノンフィクションではないかと言うくらい、リアルでした。
登場人物は自分の周りにも、うじゃうじゃいる様な人ばかりです。
全く空気を読めずお金や物をむしり取る事ばかり望む人、いつも人の動向ばかり気にして足を引っ張ろうと企む人、
私が今までに出会った最悪の人3人にあまりにもそっくりで、びっくりした程です。
私は、今ある幸せを日々感じながら生きて行きたいとつくづく思いました。
それにしても今回の角田光代さんの人物描写は凄まじい物がありました。
タイトルが小説の内容を象徴していて素晴らしい。
森に眠る魚Amazon書評・レビュー:森に眠る魚より
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No.16:
(4pt)

精神的に弱いと自覚がある人は読まない方が賢明

母親になるってなんでしょう。子どもの人生を考えるってなんでしょう。家庭の問題ってなんでしょう。母も子も、歩む人生は一度きり。親は、子の道を容易く曲げたりする権利なんてないんです。神様じゃないから。だけど、子どものために何がしてあげられるのかな。所々に10年前の「お受験殺人」で知られるあの事件→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E4%BA%AC%E5%8C%BA%E5%B9%BC%E5%A5%B3%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6のモチーフが使われていて既視感を抱く人もいるかもしれません。5人の子持ち主婦の輪が少しずつ捻れ、ひずんで、1ミリずつちぎれていく。そして書かれているのは、誰にも覚えのあるような。そんな心の闇との葛藤。精神的に弱いと自覚がある人は読まない方が賢明です。
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No.15:
(4pt)

ママ友同士の怖ーい関係

この中に出てくる登場人物達は、たしかにどこにでもいそうですね。公園デビューとかいう言葉が一時流行りましたが、子育て中の若いお母さんには少々きつい内容です。
昔の自分を思い返して、自分は誰に近いのかな?と考えたりもしました。
ただ、みんな冷静に見ると、幸せな環境の中で過ごしているんです。子供はお母さんが好きだし、旦那さんも優しくて子供との関係を大事にしてくれている。
ただ、それに気付かない。ママ友同士の付き合いと、子供の教育(受験)のことで頭はいっぱいなんです。それしか見えてないんでしょうね。
こういうのって、子供が大きくなって振り返った時に後悔するんですよね。私も多少あてはまるのかも、です。
あまり人間関係に悩んでしまうような方には、お薦めしないほうがいいかな?
私は引き込まれて一気に読み切ってしまいましたけど。
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No.14:
(4pt)

父親たちへの警鐘でもある

最初は、母親とその子供を把握するのに苦労したが、だんだんと
5人の女性像がはっきりしてくるあたりから不穏な空気が生じ始める。
読み終わった今では名前とともに性格まで思い出すことができるぐらい
5人の女性がよく描かれている。
好印象に思っていた人物がこの世で一番関わりたくない相手になってしまう
過程には無理がなく、共感はしないが理解はできる気がした。
どの母親も最後には自分が何をしたかったのか、何を求めていたのか
わからなくなり、いつのまにか子供の幸せから程遠い場所へきて
迷子になってしまう。
現代の母親は、なんと多くのストレスや問題を抱えながらも
たくましく子育てしているんだろうかと、思わざるを得ない。
女性特有の痛々しいまでの心理状況で、独身者には分かりづらい感情も
あるかもしれないが、夫にとっては普段口には出さない妻の気持ちを
少しでも知るには適した作品ではないかと思う。
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No.13:
(5pt)

本当のサスペンスとは・・・

最初、読みづらかったのですが、あれよあれよと一気に読み上げてしまいました。
殺人もなく、血なまぐさいものでもなく、大事件が起こるわけでもない。
とにかく、どこにでもある日常生活。
その、日常生活の中にある「女」という媒体を通して見える「サスペンス」。
こういう普通の生活の方が、どんな大事件よりも悪質で質が悪く怖いものなんだと思う。
人の心ほど、怖いものはない・・・と深く考えさせられました。
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No.12:
(5pt)

相変わらずうまい

角田光代さんは、「八日目の蝉」がとても印象的で大好きになりました。
王様のブランチのおすすめで気になり購入。都心の住宅地で知り合う5人の子育て世代の女性たち。いわゆるママ友。
初めは「子育ての悩みを打ち明けられる大切な人」だったのに、お受験をめぐって次第に関係が変化していく。。。。
実際に幼稚園児の女の子を同級生の母親が殺害してしまった事件をベースに書かれているようで、とてもリアルで、心理描写も丁寧で、最後へ向けてドキドキが止まりませんでした。
たいしたことない、些細なことで追い込まれてしまう、「あの人さえ、あの子さえいなければ」と。
読み終わった後もしばらく動悸が止まりませんでした。
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No.11:
(4pt)

女性ならではの心理・・・怖かったです

同世代の子供を持つママという共通点で結びついていた5人の母親たちは
嫉妬したり出し抜いたりを繰り返し、しだいにその仲に亀裂が生じてくる。
その心理や行動のリアルさには脱帽しました。
孤独、焦燥感、嫉妬、猜疑心、コンプレックス・・・。
女性の友人関係の間で起こった感情だからこそ根も深い。
自分のことだけならそうでもないんだろうけど、これが子供の将来にかかわってくる話なもんだから負の感情はヒートアップする。
でも、それでも一人になるのは絶対に嫌で、つるまずにはいられないママ友の友情の恐怖!!!
読んでいて気分のいいものだはなかったけど、ドロドロとねじれた感情に飲み込まれて一気に読んでしまいました。
誰にでも、彼女たちのようになってしまう要素はありそうで怖いなぁ。
いま、まさに幼稚園ぐらいの子供を育てているお母さんにはインパクトが強すぎるかも。
男性はこれをどう読むのかも気になるところです。
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No.10:
(5pt)

自分の中で抑えこんでいたものが浮上してくる怖さ

「対岸の彼女」以来一番読みごたえがある角田光代の作品と思います。会話への渇望、共感という幻、笑い合っているのに最後には突き放される不信感、抑え込めていたはずの過去(まだ母親になる前の)の自分と再会すること。事件をベースにしていますが、登場人物の特定の一人を事件の加害者と重ねるのではなく、登場するすべての女性が追い込まれ、絶望し、傷ついていないフリをし続け、危うい一線を超えそうになっていく。ある意味全員が加害者と薄い膜一枚の距離です。怖い小説です。知らず知らずに踏み込みたくない自分の中の森に歩を進め、迷います。
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No.9:
(4pt)

5人が疑心暗鬼になって行く描写が見事

このようなママさんたちが公園で子供を遊ばせながら談笑している風景は、どこででも見られるものだと思います。彼女らは同年代の子供を持つ母親として、そして主婦として女性として、さらには不安や悩みを打ち明けられる仲間として、自然発生的に集うものだと思います。
その“仲良しグループ”のお互いの距離感が微妙に狂い始めたら…。
登場する5人のママさんたちのキャラクターが、ごく自然な感じで描かれているのが見事です。
それぞれにキャラが立っており、見事なメリハリを醸し出していて面白い。
子供の成長とともに「お受験」という巨大な壁や日常生活の諸問題にブチ当たる事により、それぞれが疑心暗鬼になって行く描写が素晴しかった。
これは案外身近にも起こりうる物語かも知れません。
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No.8:
(5pt)

女特有の心理ホラー

女同士のこういう心理戦というか腹の探り合いは
いくつになってもあるある、とうなづけるものがあります。
特に私はリアルタイムで今6歳になる娘がいるので
田舎住みでお受験無縁で良かったなぁ・・としみじみ。
でも環境が違って、当たり前に受験するような地域だったら
わたしも間違いなく踊らされ翻弄されていた一人だったかも・・と
恐ろしくなりました。
専業主婦たちが麗しきママ友付き合いを始める過程もやけにリアルで
それが簡単に崩れていく過程もすごく自然。
些細なことなのに腹の中探って落ち込んだり
疑心暗鬼になったりする女に、いるいるこういう女!と納得したり
また、反対になにコイツーってイライラさせられたり。
最初は5人のママと子どもの組み合わせがゴチャゴチャになって
面倒だったけど、気がつくとあっというまに本の世界へ引き込まれていました。
身近な世界をテーマにしただけに
どこにでも起こりえそうな恐怖、という感じで
間違いなく女特有の心理ホラーと言えるのではないでしょうか。
角田さんはこういうの本当にうまい!
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No.7:
(4pt)

男にとってやや難解な実験作

 実験的なところがある小説である。中心的な視点人物が多すぎて、読み手が混乱しがちである。5人というのは決して多くないが、それぞれが中心視点人物として描かれ、それぞれに子供がいて、家族があるということになると、男の私にはきつかった。これは、女性の思考回路に合った小説である。
 親戚とかその家族とか、近所の誰それとその血縁とか、女性はびっくりするほどよく覚えている。だが、おおむね男はだめだ。特に近所の子供の名前なんて、全然覚えられない。多分、優先順位の相当低いところに位置づけているため、何べん聞いても覚えられないのだ。
 おそらく女性にとって、身辺情報のすべてに優先順位があまりないのだ。どの情報も大切なのだ。そういうごたごた感と情報に振り回されて自分を見失ってゆく感じが実感できた。
 何べんも言っているのにどうして知らんぷりなの、と作中人物の誰からも言われているような気がした。でもやっぱり少し困った顔で生返事するか、急に大声で「くだらないことは聞きたくない」とか言うんだろうなあ。
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No.6:
(4pt)

くらくらするような心理劇

時代の趨勢というか、子育ても経験ではなくまず情報に頼るようになってしまった今、
この本のようなことは大なり小なり付いて回ることだ。
ホラーだ、ミステリーだと思いながらこの恐ろしい心理劇を堪能した。
五人のママ友の関係が、どこで歪み始めるのか。
五人を描き分けるために使われている、カメラが瞬時に切り替わるかのような
描写が、緊張感をいや増す。
人間関係の空疎さ。希薄なアイデンティティー。年齢も家庭環境も、経済的な境遇も
違う五人が踏み込んでいく隘路。
どちらを向いても猜疑心と不信感と取り残される孤独感で、動けない彼女たち。
女同士の横一列の感覚は恐ろしい。誰かが頭ひとつ分、先に出ればもう許せない。
愚かだが、どんな人にも思い当たる感情だろう。
そして、読み手は女性ならなおさらの同族嫌悪を感じるはずだ。
だからこそ、ぞくぞくする気持ちに煽られて先を急ぐ。
成熟した大人になるのは、難しいな。
ざわざわとした胸騒ぎ。大団円があるはずもなく、ただただ負のオーラの満ちる
物語に圧されるように本を読むのも、ひとつの愉しみだと改めて知る。
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No.5:
(4pt)

怖いお話です。

角田光代さんの本は、「八日目の蝉」に続き2冊目です。いやー、どきどきして、一気に読んでしまいました。夫から何を話しかけられても生返事で。。。(汗)5人の主婦の人物像が丹念に描き込まれていて、誰かに自分を、または自分の知り合いを当てはめることができそうでした。
(自分はきっと容子さんに近いなあ、、、とかね。)
話の展開はうまくできすぎている気もしますが、それぞれの登場人物の、何かが起こった時の感情の動き、行動はその都度もっともだな、と思えるのです。ちょっとずつ、困ったエピソードが重なって、だんだん、強固と思われていたつながりが崩れていく過程がとても丁寧に描かれていて、読み進むうちにどんどん怖くなりました。
自分がこれから子供をもったら、ママ友ができたらどうなるだろう、、、お受験にはとんと興味なしでも、扇動されて、容子さんみたいになるのかなあ、、怖いな、、とも考えましたね。(ニュースで、ちょうど中学受験者過去最多とかやってました。少子化なのに受験者数最多とは、お受験組の割合がものすごく増えたってことですよね)
終盤、それぞれの母親のその後が描かれますが、描きかたが角田光代さんらしくて、個人的には好きです。曖昧ですっきりしないと思う向きもあるかもしれないですが、現実の世の中もきっと、あまり勝ち組とか負け組とかに簡単には分けられないと思えるので。
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No.4:
(4pt)

子持ち専業主婦5人の、ママ友蜜月期から決裂まで

題材となるあのお受験殺人事件から10年もたった今日も、
この問題は水面下で現在進行形かと思わせる一冊。
子供関係と家庭のみという閉じた居場所で、
各自の価値観の違いでしかない事が疑心暗鬼を生み
憎悪へと凝縮されていく過程が読み応えあり。
誰もが当事者になり得る怖さ。
しかも、女の友情、育児、お受験、経済格差。
ネット掲示板や人生相談で出尽くした悩みだけに、
いかに小説としてできているかも見どころ。
育児経験者や専業主婦は自分や知人と重ね、
男性・独身・働く母は第三者の視点で、
読者の立場ごとの感想差がありそう。
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No.3:
(5pt)

第一級サスペンス

最初の数ページ、五人の女性登場人物が矢継ぎ早に登場するので、混乱しましたが、すぐに慣れました。やはり一人一人のキャラクターがしっかりと立っているからなのでしょうね。
振るまいも、心理もとてもリアルです。それぞれが抱えている孤独感・不安感が、ざらざらした手触りで伝わってきます。
終盤にかけては、第一級のサスペンス小説のようですね。人間心理の微妙なやりとりは、ひりひりするような緊迫感でした。人が死んだりしなくても、一級サスペンスは描けることの見本のような本です。人間そのものの恐ろしさを、しっかり見抜いて描いているからでしょうね。人間関係・それぞれの生活が、わずかなところから一コマ一コマずれていく、その感じが息苦しいほどに伝わってきました。
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No.2:
(5pt)

面白かった!!

角田光代さんの作品を読むのはまだ3冊目(『Presents』『対岸の彼女』『森に眠る魚』)ですが、『対岸の彼女』に続き、この作品でも 知りたくなかった自分の中にもある汚い部分…”心の闇”や”弱さ”に気づかされてしまいました(笑)
題材となる事件を知っていたので、「事件を起こすのは登場人物の中の誰なんだろう???」と興味深くて、一気に読み進んでいきました。ところが、最後の最後まで全くわからない!!
登場人物達の全員が心の中に大きな闇や猜疑心・嫉妬心を持ち、その誰が事件を起こしたとしても不思議ではないのです。
タイミングが違えば誰でもが事件の犯人になり得る。本当に恐ろしい本でした。
心の揺れやすい人(私もそうです)に、是非読んで欲しいです。これから先、深い闇に陥ることがあるかもしれません。そんな時(葛藤しているのは自分だけじゃない)(誰だって皆同じなんだ)それに気が付けば、自分が苦しい時にも他人を思い遣ることができたり・踏みとどまれたりするのかもしれません。
嫌な事からは目をそらしにくいものですが、「撤退も勇気」です。
今いるステージで輝けない人でも、ステージを変えれば輝く事ができる。そういうことって多々あります。登場人物の全女性達の泣いている背中を抱きしめてあげたくなりました。
これから角田さんの作品を読破しようと思ってます。
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No.1:
(4pt)

「わかりあえる」という幻想

女性は特に、「自分と似ている」「わかりあえそう」と思った時に、心を開く。
しかし、それはある意味幻想なのだ。
自分と全く同じ経験をしてきた人はいない。
自分と全く同じ感じ方をし、また同じ考え方をする人はいない。
それなのに、ほんの少しの違和感を許さない、徹底的に同質化しようとするところに、女性同士の友情にありがちな「閉塞感」が生まれるのではないだろうか。
子供が同じ年で、近所に住んでいる、それだけの共通項しかないのに、「自分たちは似ている。きっと自分の全てをわかってもらえる」と思い込んでしまったところに、彼女たちの悲劇の入り口がぽっかりと開いていたのではないだろうか。
角田光代さんの筆は、登場人物それぞれの女性の心の闇を、恐ろしい力量で書き込んでいく。
終盤、本が手放せなくなり、悪夢にうなされた。やはり、恐ろしい作家だと、つくづく思う。
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