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空中庭園
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空中庭園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 61~80 4/5ページ
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郊外の町、団地、ショッピンセンター、家族ごっこへの 冷めた視線に惹かれました。家族はこのまま崩壊してゆくのか・・半分期待してました。 でも崩壊には至らず、ぎりぎりセーフってとこか、それともこれが普通の家族なのか、 わからない。人生の薄暗さを感じます。 | ||||
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何処にでもある一般家庭を題材にした普通のお話。 しかし、それはあくまで外見上の話であり、実の所、 家族それぞれが、家族にすら明かせない秘密を抱えている。 人間の裏側を描いた点では、今年公開された映画 『ある、スキャンダルの覚書』とテーマは似ている。 相違点は、サラッと描いたか、ドロッと描いたか、だけ。 今作は前者、映画は後者。 フィクションとして捕えれば他人の家庭を覗く気持ちで ドキドキしつつも楽しく読めるのですが、もし、自分の 家族にも、こんなことがあったらどうしよう、と思うと いても立ってもいられなくなる、そんな作品ですね。 解説に書かれてあったとおり、 『対岸の彼女』も読んでみようと思います。 | ||||
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対岸の彼女にいきつくまでの準備作品にも思えるような佳作で良作です。 家族ひとりひとりの目線から書かれた、団地を舞台にした物語。 一見平和で、でもそれぞれ秘密をかかえてる。 複雑な思いがからまって、でも最後は幸せな気持ちになるのがいいですね。 | ||||
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”秘密を作らない”というモットーのもと営まれているが、 実際はそれぞれが秘密を抱えている家族を、登場人物6人の視点から描いている。 物語の舞台に注目したい。 一家が住む団地、「ディスカバ」ことディスカバリーセンターという 名のショッピングモール、ラブホテル野猿。 マイカーでこそ出てこないが、バス(車)で移動するシーンが多く登場する。 内実は崩壊している――しかし一方では仲良し家族をやっている家族の風景として、 このような典型的な郊外(たぶん地方都市)は誠にふさわしいと思う。 作中の以下のような箇所が印象に残る。 「ディスカバリー・センターの出現は、(略)この町に住む多くの人間を救ったと、 あたしは信じている。便利になったことはもちろんだが、 もっと精神的な意味合いにおいて、だ。」 「ディスカバリー・センターは、この町のトウキョウであり、 この町のディズニーランドであり、この町の飛行場であり外国であり、 更正施設であり職業安定所である。」 最後の章からは、曖昧にしか示されてはいないが、 かすかな希望のようなものを感じることができる。 | ||||
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面白かった!ひとりひとりの心情なんかが、すごく共感できるように書き込んであって、一気に読めた。角田光代の本で、一番面白いかも!?私的には、おばあちゃんの章が一番面白かった。おすすめ! | ||||
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違う事を考えている。ひろく考えると家族とはそーいうものなのかもしれない。軽いタッチで重い事を書いてるので読みやすく一気に読んだ。一話ずつが短編かと思う程ちゃんと作ってあってだけど最後の章でちゃんとおとす。おもしろかった。 | ||||
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表題作「空中庭園」を含む全6編の短編集。 「ダンチ」に住む家族に焦点を合わせ、彼らと彼らをとりまく人々による、各章ごとに一人称話し手の変わる連作短編。 「家族内に秘密を作らない」というモットーの家族の元、彼らの持つ秘密を各自の視点で、本音で、その光と影の部分を映し出していく。 正直言って、胸くそ悪い小説だった。もっと言うと落ち着かない小説だっと思う。バッドエンドではなく、完全にオープンエンドな小説だが、作者が何を言いたいのか、この話に何を託して求めたのかがさっぱり分からなかった。 角田光代は素晴らしい作家だと思う。表現技法も展開も、何もかも巧いと思う。 今作においてもだ。各自の独白による描写は見事の一言だった。話し手の変わる、その順番なども完璧だった。時間軸やゆるやかに流れる物語や構成の点からも、娘の視点から始まる構成はアレしか無いと思う。 だからこそ残念で仕方ない。もっとやり方があっただろうとか考えてしまう。 前述した「落ち着かなさ」は忍び寄る絶望や崩壊のイメージや、のっぺりとした同じような人物像(それを家族というなら仕方ない)からも来ている。 サブタイトルを付けるなら「パンドラ」だと思う。まだ、希望はある。 映画版では母親の一視点のみだったが、そこにも原作後半に表現された「希望」がクローズアップされての事だろう。 「頑丈な鍵のかかったおそろいのドア。5つのドアそれぞれの向こう側に、きっとグロテスクでみっともない、しかしはたから見たらずいぶんみみっちい秘密がわんさかひしめいて――これから先ずっと繁殖しつつひしめき続けるのだろう」 223ページより | ||||
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家族だからこその、透明なドア それがあるからこその、「明るい我が家」 それぞれが、大きな秘密を抱えつつ、「明るい我が家」 嘘も方便のうちと言いますが・・・ 現実問題として、ここまでではなくとも、これに近い「明るい我が家」はたくさんあるのでは? この本を読んで、「ありえない」と思うか、「ありがち」と思うか。 みんなの意見が聞きたいです。 読んで損はない本と思います。 | ||||
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東京郊外の「ダンチ」で暮らす一家を6人の視点から描いた連作小説。こういった形式は、力量のある人が書かないとつまらない作品になりかねませんが、多少誇張的な感じを受ける箇所はあるものの、それぞれによく書き分けられていておもしろく読みました。人の内側と外側(人の内面と他人の目にうつるその人)はこうも違うのかと興味をそそられます。 各章においても小説全体でも明らかな結論めいたものはないのですが、無理に物語をまとめないことが拡散していくイメージを形成し、行き詰まった一家の状況に救いを与えているような印象を受けました。壊れた家族を描きつつも、どこか開放的な後味が残るのです。 壊れたものを壊れたように描くのではなく、違うアプローチをしているところを好ましく感じました。 解説は石田衣良氏が執筆していますが、著者の感受性の鋭さを伝えるエピソード、作品評もよくて、得した気持ちになります。 | ||||
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はたから見たら幸せそうに見える「家族」は 実は形にこだわっただけの幻に過ぎないという 家族の「個」の立場と心理を見事に抉り出した作品。 私はこれで家族を形成したくなくなりました。 しかし同時に家族に対する違和感というのは自分だけが 抱えてる感情ではないと知り、安心感も覚えました。 角田さんの人間の微妙な心の闇をすがすがしく 描ける技術力に感服させられました。 | ||||
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読み終わって、あらためてタイトルの意味を実感した。 「隠し事のない」美しい家庭を夢見るオンナの怖さ。 女性作家ならではの鋭い視点が、母と娘の逃れられない呪縛をあぶりだしている。 エピソード一つ一つはどこにでもあるようなことで、 それほどヘビーな母娘関係じゃないけど、読みながらけっこうイタイ。 家庭教師(父親の愛人でもある)の女性からの視点で書かれた章が印象的。 | ||||
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お見事、としかいいようがないです。音として聞こえるのではないかというほどの人間関係のきしみといい、凝縮された一個人として振る舞う人物像といい、まずもって作者の技術が半端ではない。 人間関係の暗闇にスポットを当てる作品は、えてして三流ゴシップ紛いや「本当にあったヒサンな家庭!」みたいなレディース・コミックじみたものになりやすいものです。しかしそうはならず、著者は見事に崩壊しかかっている(あるいはもう壊れている)家庭を一つの作品として結晶化させています。石田衣良さんの言う、著者の鋭敏な「感受性」のたまものと言えるでしょう。 この話を、現代のニュータウン、あるいは家族が抱える問題を描ききった秀作として捉えることも、もちろん不可欠なことであります。ですが今からこの作品読む人には、作中に見られる、人物描写の鋭すぎるほどの巧みさもまた、同時に感じて欲しいです。しばらく前まで吹き荒れていた「感動」ブームに苦い思いをしていた人などには、ピッタリの作品ではないでしょうか。 | ||||
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一見幸せそうな家族の話。 秘密ごとはナシにしようねって、娘の初潮とか息子の夢精とかを祝っちゃうような仲良し家族なんだけど、実はみんなそれぞれに絶対表には出さない秘密を抱えてて・・・。 一話毎に語り手(視点)が変わって家族一人ひとりの本音が見える。 何となく救いがない終わりのような気もするけど、キレイごとだけじゃない人間の中身が見える。 ドロドロした話が好きな私には、ワクワクモノでしたね。 お母さんとおばあさんの関係は泣けます。 | ||||
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小説は、郊外のダンチに住む「京橋家」を舞台に展開します。 構成としては、この「京橋家」の家族、或は、その周辺にいる人6人の物語として出来ており、短編集と言っていいと思います。 「ラブリー・ホーム」(娘) 「チョロQ」(父親) 「空中庭園」(母親) 「キルト」(祖母) 「鍵つきドア」(息子の家庭教師=父親の愛人) 「光の、闇の」(息子) この家のモットーは「何ごともつつみかくさず」で、全員がそれを信じています。その癖、自分だけが秘密を持っていると思っています。 そうした「京橋家」を「家族キューブ」として、それぞれの面から見るような形で描かれています。外から見れば何の問題もないような「京橋家」も、その構成員それぞれから見れば、非健康的な家庭であることが暴かれます。 こうした問題は、多かれ少なかれ、それぞれの家庭が抱えており、そこにある愛情関係の複雑さもどこにでもあることでしょう。そこにこそ、この小説の普遍性があるように思います。 | ||||
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娘のエピソードから始まり、徐々に父親、母親、祖母、弟、愛人の気持ちが語られます。はじめは父親に愛人がいてそれをうまくごまかしているところやそれを気づかないふりをしている娘や母親に嫌気がさしました(秘密はつくらないといったのに誠実さもやさしさもないじゃないか)が、母親が自分の母との確執や引きこもっていたことを隠そうとしているところあたりで、そういうこともあるよなと思い始めました。秘密をつくらいないというのは親密な関係をアピールするのに魅力的な約束だと思う反面、人にはみてほしくない弱さも汚さを誰もが持っているわけで、自分と他人の弱さ汚さと折り合いをつけながら生きているというのが本当なのだろうなと思いました。 | ||||
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同一の物理的世界の人による見え方は違う。 では、他者の世界をどう想像するべきか? 私にとっての本作品のテーマである。 現実世界に住む理性ある複数人の見た主観的世界の大きな特徴は、その主観的世界の間の論理的整合性にある。他方で、フィクションシナリオにおいては、作家がその論理的整合性を確保しなければならない。本作品は、6人の主観的世界が私の理解の範囲では美しく整合している。このレベルの長さでほとんど論理破綻をきたさないだけでも、角田が一流作家の頭脳を持っていることが分かると思う。 しかし、当然ながら、整合しているというのは最低限の必要条件であり、複数視点から眺めるという表現手法をとるからには、視点間の関係性が興味深いものでなければならない。そして、私にとってもっとも興味深かったのは、「他者が自分が考えているより、よほど深い世界をもっている」ということが描かれている点である。 各章がそれぞれの登場人物の視点に相当するのだが、後の章で主人公となる人物がその世界に登場し、かつ必ずといって良いほど当該章では単純な人物であると解釈されて描かれている。しかし、後の章で、その人物が前章の単純解釈部分についてきわめて豊かな世界・情動を持っていることが明らかになる。 確かに、本作品にはエンディングへ向けての盛り上がりはない。読む前と読後で本質的には変わらない生活が続く静的な世界の描写という感じ。これが角田の見るノンフィクション的セッティングだろう。よって、なにがドラマ・フィクションか?といえば、「読者の視点」である。現実には、他者の心の中は見えない。それが見える。読者には、なんの変哲のない世界を「神様の視点」で見ることを楽しんでほしい。 ちゃちかもしれないけど、本作品から得られる教訓。 「他人はそんなにバカじゃないよ!」 | ||||
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家族間では隠し事をしない.この約束こそが,皆に安心感を与え,健全な家庭を築く.表面的には問題ないように見える仲良し家族.だが現実は・・・ 家族とその周囲をめぐり6人の人物の視点から描かれているリレー形式の物語.面白いのは,人は変わっても物語の時間は止まらない点. 一人の視点から物語りは綴られ,当人の問題が解決しないうちに次の人に話は移る.けれど時間は進んでゆく.問題は未消化のままに. 全ての物語が終わっても何も解決していない,そうまるで現実のように.安易な解決など起きはしない.蓄積される問題,根はあまりにも深い・・・ | ||||
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各章がそれぞれの主人公からの立場から見た世界が描かれているが、全体のストーリーからは感動は沸いてこない。映画化するにしても何にポイントを置いたのだろうかと考える作品です。事実は1つでも見方によれば大きく歪んでおり、今の世の中はこんなものかと嘆きたくなる作品ではないでしょうか。石田氏の解説も、作家仲間?からか、かなり甘めだったような気がする。 | ||||
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テーマは家庭の崩壊です。みんなが独立した部屋と世界を持ち、リビングで「幸せな家族」が表面的に演じられる。各章は視点が異なり、人物の描き分けには大きな成功を収めてる。老若男女すべてが違和感なく表現され、その語り口もごく自然。読書体験として非常に興味深い。 | ||||
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これを読んで、誰にも大なり小なり家族にも言えない秘密があるものなのだと納得させられました。またそういう秘密があるからこそ、家族に対して優しく出来るというのも皮肉です。 ダンチに住む家族一人ひとりの視点から見た6章の物語で構成されていて、最後まで飽きさせません。映画化されるのが楽しみです。 | ||||
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