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薔薇の女
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薔薇の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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矢吹シリーズを順に読んでいってるのですが これはかなり駄作。 推理小説というのは探偵の推理が示された時に腑に落ちて「なるほど」と納得できるだけの それなりに説得力のある推理でないと駄目だと思うんですが これはまったく納得できないというか登場人物の行動全般がおかしな行動をしていて 作者の示す難解な精神分析や哲学にあわせて作られたリアリティ(現実的でなくとも説得力のある)のない キャラクターが薄っぺらすぎて最後に強引に屁理屈で誤魔化された感じが強いです。 | ||||
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笠井氏の駆シリーズの初期の3部作の3作目。 難解な内容で初心者にはあまりお勧めできない笠井氏のミステリー作品としては比較的娯楽性が高く初心者にも楽しめる作品となっている。 本格ミステリーとしてはトリック等は特に突出しているという訳ではないが、フランスを舞台にした舞台設定と後半の衒学的薀蓄のやり取りが氏ならではの魅力を醸し出している。 | ||||
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火曜日ごとに繰り返される猟奇殺人。<火曜日の謎><切断の謎><薔薇の謎><被害者の謎><アンドロギュヌスという署名の謎>から非業の死を遂げた女優ドミニクとの関連が浮上。事件の情報提供者とドミニクの妹ベアトリスがホテルで殺される事件が発生。15年前に起こった<ブレストの切り裂き魔>との関連。肉の両性具有人形の発見。 スピーディーな事件の展開と提示される謎は、読み応え十分。特に、ベアトリスが自宅とホテルの間を何度も移動した謎、「不在証明が不必要な人間がなぜ不在証明工作をやらなければならなかったのか」という謎が面白い。 しかし、矢吹駆が説明した真相は肩透かし気味。解答に切れや鮮やかさは感じられない。犯人の正体は二重に意外だし、矢吹駆が警察にある人物を監視するように依頼した本当の意味、肉の両性具有人形の現場で胸部が持ち去られていた理由などは面白いが、アリバイトリックで使われた方法がイマイチ。また、矢吹駆の語った内容は、事件の状況はうまく説明できてはいるが、必然性に乏しいと感じる。犯人が犯行に至った心理の説明も、難解で理解しがたい。 文庫本の解説を見ると、本書で取り扱っている思想は、バタイユという人物のものらしい。浅学の私は初めて聞く名前。バタイユを模したルノワールと矢吹駆との対話は難解だ。 この後の「哲学者の密室」と「オイディプス症候群」では重厚さが増して、ページ数も大幅に増えるが、不可解な事件の状況に対する論理的解釈の議論の比重が増す一方で、真相自体は地味で意外性に乏しいものに変貌していく。 | ||||
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1983年発表の本作品は、矢吹駆シリーズの第3作。 この文庫は、1987年に発刊で、発刊時に購入し、一度読んでいるので、今回の読書は、30年近く経ってからの再読となります。 再読のきっかけは、シリーズ第2作「アポカリプス殺人事件」と第3作の本作品を読んでいながら、肝心の第1作「バイバイ、エンジェル」が永らく未読であったところ、最近、第1作を読んで、その面白さに感動し、既読の第2作と第3作を読んでみようということになった次第。 先日再読した、第2作同様、本作品も、内容をほとんど忘れているという状態でしたが、今回の読書では十分楽しめました。 この矢吹駆シリーズは、「哲学探偵」とも呼べる矢吹駆が、作品中で、哲学的論争を繰り広げるシーンがあり、この哲学的な装いに、30年前の私はついていけず、あまり印象に残らなかったのだと思います。 しかし、別に哲学書を読み漁ったわけではないけれど、幅広く読書を続けていたおかげで、今回はそうした哲学的論争も楽しみながら読むことができました。 また、そうすることで、本作品が、しっかりと本格ミステリの骨格を持った作品であることにも気づき、工夫されたトリックにも納得しながら読了できたものです。 この「哲学」+「本格ミステリ」の趣向は第1作からのもので、本作品ではここに、「死体の一部を切り取って持ち去る」という猟奇的殺人事件の趣向が加わります。 サイコ・ミステリが多く書かれている現在では、それほど新味のあるものではありませんが、先述のとおり、本格ミステリとしての構成がしっかりしているので、単なる悪趣味な小説で終わっていないのが、本作品の秀逸な点でしょう。 なお、この矢吹駆シリーズの第4作目「哲学者の密室」は、本作品発表後、10年以上の時を経て発表されているので、本作品までの3作は、矢吹駆シリーズの初期3部作といってよいのではないかと思います。 私は今回、コミック本を1冊挟みましたが、小説本としては、3冊を立て続けに読みました。 このような読み方、是非ともオススメです。 著者は、20世紀の日本ミステリ界の異才と言ってよいでしょう。 その初期3部作を一気に読むことで、著者の魅力を存分に味わうことができるのではないかと思います。 | ||||
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著者の矢吹もの初期三部作の中では、最も読者を意識したと思われる作品。 その分、さきの二作よりエンタテインメント度は高いが、ミステリとして、マニアックとしては不満があるかもしれない。 しかし、ストーリーの馴染みやすさ、というのは、世に出るためには必要なことでもある。 あの島田御大も、「寝台特急はやぶさ〜」でメジャーになった。 あの当時、御手洗ものだけだったら、マイナー作家として埋もれてしまっていただろう。 著者も「バイバイ〜」と「サマー〜」のテンションとクオリティのままだったら、マイナー作家の仲間入りだったはずだ。 本作は、そんな著者の名前が、ある程度マニアック度が低い読者に知られるきっかけとなった。 そして、著者は不本意にも伝奇SF「ヴァンパイヤ〜」でメジャーになってしまう。 しかし、著者が本作を書くことで得たエンタテインメント性は、「哲学者〜」では今ひとつだったが、「オイディプス〜」以降の矢吹ものと、その他の非矢吹もので生きることになる。 著者の思索が、徹底的な内向きから、外に向けてのものに変わっていく、まさにそのきっかけとなったのが本作である。 何より、事件のとっつきやすさと、セリフの理解度の高さが良い。 一般的には、初期三部作の中での評価は高くない。 しかし、私は好きだ。 | ||||
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他のレビュアーの方も書かれているように、ミステリーとしての面白さは 前作『サマーアポカリプス』にかなり劣っているように思われる。 そしてこの矢吹駆シリーズのウリである思想対決であるが、今作ではVSジョルジュ・バタイユ。主に彼の著作『呪われた部分』と『エロティシズム』についての思想を取り扱っている。 確かにバタイユの思想のまとめ方は上手だと思うし、わかりやすくで面白いのだが、 この思想対決の部分は本当の本当に必要だったの??と思ってしまう。 つまり、ストーリーとのリンクのさせ方が、『サマーアポカリプス』に比べて下手なのではないかなあと。 ただしそうは言ってもこの矢吹駆シリーズ。 色々と文句はつけてしまったが、面白くない訳ではない。 いや、面白くない訳が無い。 | ||||
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ミステリとしてのできは非常に悪いあからさまで長いだけの次作の方がまだ内容を深く突っ込んでいると思えるくらいだでも、矢吹シリーズはミステリを考えるのではなく事件を通して哲学を学ぶもんだと思えばそれほど悪くもありませんが | ||||
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矢吹シリーズの第三作。本作は他の矢吹シリーズと比べてミステリーとしての完成度はいまいちかもしれません。しかしこの作品の目玉はジョルジュ・バタイユとの思想対決でしょう。作中のバタイユの思想のまとめは非常にわかり易く、これを読んでからバタイユの『エロティシズム』と『呪われた部分』を読むとすらすら読めるようになります。 | ||||
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