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(短編集)
踊るジョーカー
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踊るジョーカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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キャラクターの役割も明確で、トリックも(実際に実行できるか?という疑問が強く残るものの)アイデア豊富で、なかなか面白く読めました。 あえて、不満に思った部分を挙げれば - 連作短編集として、全体に関わる大きな仕掛けがありそうで、いろいろと期待しましたが、期待はずれでした。殊能将之氏や綾辻行人氏あたりなら、面白いアイデアを示してくれそうな書きっぷりでしたが。 - 設定ありきで、物語を語るための小説というよりも、設定を説明するための小説という印象を受ける。類似の作品を続けて読んだからだと思いますが、極端な設定/キャラクターを設定して、それを前面に出して物語を進める作品は、その前提にある極端さを外してしまったとき、どの程度物語に魅力が残るでしょうか。設定も大事だと思いますが、”出落ち”にならない物語自体の面白さを求めたいと思います | ||||
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2008年に出た単行本の文庫化。 名探偵・音野順が活躍する5本の物語を収めた短編集。 名探偵がものすごい気弱な男として描かれているのが楽しい。ワトソン役の推理作家、口は悪いが協力的態度を惜しまない警部、嫌味で敵対的な警視など、脇役陣のキャラクターもいきいきしている。 どちらかというと、キャラクターと掛け合いで読ませるタイプのミステリだ。事件そのものやトリックはイマイチ。新味がない。とはいうものの、一部にきらりと光るアイデアがあり、読んで損はないと思う。 密室ものがあったり、暗号があったり。またマイクロフトっぽい人物が出てきたりと、ミステリ・ファンにはサービス満点。 | ||||
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類まれな観察眼や推理力を持ちながら、引きこもり(がち)で 人間が苦手な名探偵・音野順と、音野の大学時代の知り合いで、 今は音野が解決した事件を脚色することで小説を書いている 作家・白瀬白夜。この2人が主人公のミステリー作品であり、 本作では5つの事件が描かれています。 白瀬は作家としてのネタのために協力しているというよりは、 音野の一番のファンであり、放っておくと引きこもってしまう 音野を叱咤激励しつつ、事件を解決していきます。 つまり2人の関係は、(力関係は異なりますが、)シャーロック・ ホームズのホームズとワトソンであり、ホームズ同様、 書き手はワトソン役の白瀬です。 5作の事件設定やトリックは、かなり漫画チックな内容であり、 また、横暴だけど憎めない顔見知りの警部がいたりと、 かなりベタな展開を見せます。しかし、この”ベタ”こそが 本作の魅力なのだと思います。 怖くもなくサラッと読める推理小説であり、あまり深いことを 考えたくない通勤・通学のお供に最適だと感じました。 | ||||
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この作者のトリッキーな作風にずっと興味をもって読んできました。特に『「ギロチン城」殺人事件』でのバイオメトリクス認証を逆手にとったトリックには、声もありませんでした。どれもすべて、ありえそうもないシチュエーション、ありえそうもない殺人。 しかし、そのトリックが、論理のみを追求した結果、数学的(な整然たる)メタ現実、とでもいうようなものに昇華されているのは、それだけで感動に値しました。回りの人物配置は忘れても、そのトリックだけは、シュールな映像として脳裏にやきついています。 この作品では、気弱な名探偵音野とワトソン役白瀬というミステリを支える枠構造を、以前の作品よりは強化し、生身の人間の努力を描こうとしているようでもあります。確かにふたりのキャラの対比や、事務所にいろいろなインテリアが導入されてゆくくだりなどは面白く読めます。けれどもやはり強烈に印象に残るのは、ふたりを含めての人間ドラマ以上に、「ハウダニット」、トリックです。(フーダニットにはほとんど!比重はかかっていません)。そしてそれでいいのだ、という気がします。 そして音野の推理の道筋は読者には説明されず、彼は天才として最初からひらめくのみです。 作者はモノを見つめながら、それがどんなふうに、現実の枠組みと違う使われかたをするか、違う素材だったら、またはとんでもない用途だったらどうなるのか、などなど凄まじいブレインストーミングを繰り返したのではないでしょうか。 たとえば三話目。ポラロイドカメラでダイイングメッセージがとられていた場合、本当にダイイングメッセージだったのは何か? あっ・・・としか言いようのないトリックでした。自分のいた枠がこわれて、広い世界へ出た快感を味わえます。 ミステリを突き抜けて、アリス的なシュールなメルヘン世界にまで到達してしまう、これは文学なのか、悟りなのか。一読をお勧めします。 | ||||
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正直最初の「踊るジョーカー」には驚いた。一番最初からこんなギリギリなトリックを使ってもよろしいんでしょうか?(笑) トリック以外ではキャラクターがすごくいいですね。音野のキャラクターもいいのですが、やっぱ素晴らしいのは岩飛警部。名探偵をイジメながらも(笑)ちゃんと情報提供してくれるこの警部はかなりイイ。シリーズ化しても、自分は音野、白瀬を差し置いてこの警部を応援します!! | ||||
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全体を包み込むあたたかい雰囲気が心地いい。ミステリとしてまったく無駄のない、シンプルな構成も素敵。名探偵は、偶然事件に巻き込まれてこそ一流です。それにしても…表題作の密室トリックは…もう素敵の一言。『密室トリックの原理はもう出尽くした。これからはアレンジの時代』とよく聞くけども、その通りだと思うけども、この作品を読むと、アレンジの仕方は無限にあると思わされます。まだまだ密室トリックという洞窟には宝が眠っています。こんなにキュートな密室トリックは久々です。踊れ、ジョーカー! | ||||
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極度の気弱で引きこもりの名探偵・音野順と、その音野の才能に惚れこみ、何かと世話を焼く 名探偵萌えの推理作家・白瀬白夜というユニークな名探偵&ワトソン役の造形が特長の本作。 『少年検閲官』とは対照的な、明るいコージー・ミステリ風の連作短篇集です。 ■「踊るジョーカー」 ■「時間泥棒」 ■「見えないダイイング・メッセージ」 ■「毒入りバレンタイン・チョコ」 ■「ゆきだるまが殺しにやってくる」 雪の山道で迷った音野と白瀬は、無数のゆき だるまに囲まれた、とある豪邸にたどり着く。 なんでも、その家では、一人娘の婿を決めるために、 候補者にゆきだるまを作らせ、競わせているらしい。 成り行きで音野も花婿候補にさせられてしまうのだが、 その後、花婿候補の一人が殺害される事件が起きる。 現場にあったゆきだるまの腕として刺さっていたバールが凶器で、 アリバイのなかったもう一人の花婿候補が容疑者にされるのだが……。 殺害現場に誰の足跡も残されていなかったという《雪密室》もの。 ××のトリックを彷彿とさせるアリバイ工作はよく出来ていると思いますが、 終盤で明らかになる犯人のとんでもない“勘違い”は脱力必至の破壊力ですw | ||||
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