猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条
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猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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龍姫伝説に彩られた連続殺人・・・を止めるべくお馴染み気弱で頼りなげ、でも事件に対する熱い想いは誰にも負けない女探偵猫柳十一弦と探偵助手を目指す大学生のクンクンが奮闘する待望のシリーズ第2弾!今作は「これから起こるはずの事件」を猫柳が推理し、そのトリックを事前にクンクンと一緒に無効化しいくというものでこれはこれで実験的本格ミステリ趣向として結構楽しめたんですが、タイトルに「失敗」とついてるにしては前回の「後悔」ほど大きなミスでもなかったですし次回はもっと凄い事件が起きて猫柳先生にへこんでもらいたいです(笑) | ||||
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『猫柳十一弦の後悔』に続くシリーズ第2弾。 事件の発生を未然に防ぐという珍しいコンセプトの名探偵だ。ただ、それが効果的なのかどうか。なんだか、どのトリックもパッとしない。 また、ラブコメ要素を前面に押し出したところが失敗だと思う。あまりにぎこちなく、正直、途中で何度か読書を中断しようか迷ったほどだ。 道具立てはおどろおどろしく、魅力的な物語のはずなのだが……。 | ||||
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なんか妄想探偵って感じに。 さすがに頭良いとか通り越して、ご都合主義に見えてしまった。ラブコメ調が強まって、探偵がかわいいのは嫌いじゃ無いけど。 終わり方とか、ちょい微妙だった。 | ||||
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シリーズ第二作。「ミステリって別に人死ななくてもよくね?」と放言している向きにはmustな逸品と言えるでしょう。 わ た し で す ( ^・^ ) まあなんというか、思い知らされます。盛り上がりに欠けるところに意義がある。いわゆるひとつの黙って読め。 以下、第一作『後悔』のネタバレを不可避的に含むため、未読の方は退避の程を。『後悔』は面白いので是非このレビュー読まずにどうぞ。また本作『失敗』のトリックは明かしませんが展開・趣向に触れますので、既に読む予定がおありであれば、避けて頂いた方が十全に楽しめるかと思います。 女教授探偵猫柳ですが、クンクン助手へのアプローチが今回えも言われぬキモさです。これはドラマ化狙いの恋愛成分増量なのであろうか…。男女逆ならパワハラ・セクハラで済まないレベルっていうか、逆でなくても済まない。もっと控えめでも萌ゆるし、もっと二次元チックに突き抜けてもそれはそれでありなんですが、なんだか微妙に現実的な不気味の谷に落ちた感が。タイトルの失敗ってクンクン攻略失敗のことなのか。 ネタバレ回避の埋草はこの辺にしまして。 『後悔』で、猫柳は事件を未然に防ぐから名探偵かつ無名なのだと説明されました。これが『後悔』最大の仕掛け。とは言いつつも『後悔』では犠牲者を出し、未然に防ぐんじゃなかったのかというツッコミが当然読者の内心などで湧き上がりました。その批判、というより軽い気持ちで口にされた言葉に、真面目に取り組んで出た答がこの『失敗』です。 第一に、殺人事件に遭遇した探偵がどう心の折り合いをつけているのか。 大抵の名探偵は身内を殺されようが毎月いそいそと孤島や山荘に出かけます。そして現場でも「いや、不十分な推論で本格ミステリとしては穴がある」と口ごもり、犯人がターゲットを殺し尽くして十分な手掛かりを用意してくれるまで待ってあげるのが一般的な名探偵像です。 猫柳は前回の犠牲のショックで前半ずっと引きこもり、こういった名探偵への揶揄をクリアしています。猫柳が引きこもりゲーマーと化し、猫柳放置のまま二人の探偵助手が話を回して探偵的でないアプローチで一旦の解決まで持ち込み、その後どうしても猫柳が動かないと犠牲が出る段になって立ち上がる構成。おかげで前半が味気ないんですが、その味気なさが「お前らのご希望通り名探偵が凹むとこうなるけど?」「名探偵も病んだ心に鞭打って頑張ってるけど?」とアンサーになっているという。 事件を呼ぶ探偵というパロディならよくありますが、真面目に取り組むものは、有栖川有栖作品などで作中の探偵論としては見かけても、長編実作は貴重な気がします。個人的には冗談の種と思っていたので、安全地帯からお約束に茶々を入れていたら逆襲されてウオッと、という気分を味わえました。探偵論を真剣にやりたい向きにも実作例として興味深いのではないでしょうか。脇役として顔を出す対照的な二人の探偵も、探偵という生き方の業をチラ見せしてくれます。 第二に、未然に防いでしまって面白いのか。 未然に防ぐ探偵という設定が仕掛けだった『後悔』と違い、続編では既知のものである設定自体に面白みは望めません。本当に犯罪を未然に防いでいく話になります。うん、つまらん。なぜ事件を未然に防ぐ名探偵猫柳が無名なのかを、心底、感覚的に思い知らされます。 理論上、人が死のうが死ななかろうが同じトリックやロジックの魅力は変わりません。人が死ぬ所まで行っても手前で止めても、殺人犯を突き止めても準備完了した未遂犯を突き止めても、同じこと。どんな手法が企まれているか推察する楽しみが増える分、実際に事件が起きるより面白いまであるはず。 にも関わらず、未然に防止されるとどうも消化不良感が拭えない。また、今殺されることはない状態でのトリック解明より、今にも殺されるかも殺されたかもと逸る状態でのトリック解明の方が楽しめてしまう。理論上は同じなのに! やはり、キャラの死に心を動かされ弔い合戦に燃えるキャラ萌え心理、ハラハラドキドキ手に汗握るサスペンス心理から逃れられないのだなあと痛感します。話を盛り上げるには、犯人が殺していくに任せて毎回「しまったあッ!」と悔しがり、人が死ねば死ぬほど豊富になる手掛かりで隙のない本格論証を組み立て、最後の最後だけ完遂させてあげずにドヤ顔で看破するのが最善手なのですね。それを取り除いてトリック・ロジックに純化すると、理屈の上では完全に面白いのにいまいち盛り上がらないのだな、と見せつけられます。 第三に、これは『後悔』とは無関係に、動機なるものに対する問い。 ミステリが辿ったかもしれないもうひとつの歴史を示唆する、常人に到底推し量れない動機が北山猛邦作品の魅力。それは『後悔』でも健在だったのですが、今回はミステリに頻出するありきたりな動機で肩透かしです。この点には落胆を禁じ得ません。 しかし待て。その動機で人を殺すのって当たり前か? この疑問は作中でモロに口に出されます。ミステリではごく当然の動機が、殺人の動機として異常なものではないか、と改めて問い掛けられるのです。そこから問うのか。ツマンネと感じた所から、お前ミステリ脳じゃねえのと転回して突き付けられる。これにはしてやられたと脱帽する他ありません。 なお、伝説の見立てやサブタイトルと章題との対応もちょっと「?」です。ただこちらについては意図的に外した仕掛けと読む根拠がなく、ここだけは純粋に今ひとつなのかもしれません。 大体において、読んでいて退屈になる所が『後悔』や本格ミステリに対する批判・疑問に対応したらこうなるという回答になっているわけです。お約束的なツッコミを真面目にブーメランとして読者に突き付け返して、ミステリを問い直す諧謔遊戯。ミステリを照らし出すカウンターとして読む意義のある、興味深いものではありました。まあ、シリーズが続くなら未犯人との駆け引きなどで盛り上げた素直に面白いものが読みたいですけどね。 | ||||
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シリーズ第二作。第一作『後悔』の致命的ネタバレになるので詳細なレビューはできません。いわゆるひとつの黙って読め。 絶対に『後悔』を先に読まないといけません。『後悔』の結末を継いで始まるからという理由に加え、『後悔』へいくつか挙がったお約束的なツッコミに真面目に取り合い、ブーメランとして読者に突き付け返して、ミステリを問い直す諧謔遊戯がこの『失敗』だからです。ミステリを照らし出すカウンターとして読む意義のある、興味深いものではありました。意義を見せるために前半退屈になっている面はあるので、シリーズが続くなら素直に面白いものが読みたいですけど。 | ||||
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山村にかろうじて伝わる因習や,村なり立ちから始まる物語は,シリーズの2作目となります. 事件が起こる前に推理を立て,起きる前に防いでしまうというのはおもしろいと思うのですが, なにぶん,先に摘み取っていくわけですから,見せ場があまりなく,流れのメリハリも弱めです. その上,行動が制限される展開のため,うまく効いてはいますが,地味目の主人公たちがさらに…. 大小,いくつかのトリックも,実際には発動しないため,こちらもやはり『見栄え』には乏しいです. また,サブタイトルにもある『五箇条』が,五章立ての各タイトルにも当てられているのですが, それらを連想させる話や演出が見えづらく,強いて言えば…というのが一つ二つしかないのは残念. ある人物の使われどころも,登場自体は予想がつくものの,いささか唐突で都合が良過ぎに感じます. あと,猫柳探偵のキャラクタや,彼女と助手のラブコメは,前巻よりもその『濃度』が高いようで, 『本編』が物足りないぶん,甘々なやり取りへの好き嫌いも含め,何とも言いがたいものが残ります. | ||||
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