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ふたたび赤い悪夢
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ふたたび赤い悪夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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★★★★☆ | ||||
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期待を裏切らない読み応えでした。 長年探していたものの書籍ではてにはいらず諦めていた商品のため、ネットブックの利便性に気づくキッカケとなりました。 | ||||
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600ページ超えの長編ミステリー。本作は三部作の最終巻で、「頼子のために」ともう1冊のあとに読むべき本らしい。知らなかった。こういうことがあるからナンバリングつけてほしいんだ私は。「頼子のために」のみ既読だったので初っ端から主人公が落ち込んでる理由は辛うじて理解できました。うっすら前二作のネタバレが挟まれるので初見の人はやはり「頼子のために」から順番に見た方がいいでしょう。 ページ数が多いので嫌な予感はしていたのですがやはり中だるみがひどくてダルダルです。文章自体は読みやすいのですが、それを補って余りあるダルさ。進行が遅く100ページくらいまでは我慢して読みましたがそこから飛ばし読み。経験則ですがページ数が多い小説は9割中だるみしているので悪い予感が当たった形になります。100ページ程度しか読んでいないのであれですが心情面をかなり丁寧に書いていました。感情の機微は大切にしたい方ですがミステリー小説であまりにそこにページ数を割かれるのも考えもの。人間の厚みをトリックと同じくらい重視している方なら気にならない…のかな。とりあえず道のりが長いので腰を据えて付き合える方向けですね。 「頼子のために」はテンポよく進んで面白かっただけに序盤で躓いた本作は残念でした。我慢して最後まで真面目に読めば面白いのかもしれませんが序盤がダルくて無理。飛ばし読みしたので正当な評価とは言えませんが、まあ☆2にしておきます。 | ||||
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使うのやめてくれよ。これは飛行機が堕ちる悪夢の曲なんだから。 | ||||
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法月探偵長編シリーズの「頼子のために」、「一の悲劇」と続く3部作の一編。3部作と言っても他の2編は独立した作品として読めるが、本作だけは過去の法月長編と内容が密接に絡んでいたり、一部内容を割っている部分があるため、この「ふたたび赤い悪夢」だけは最低限、前作の「頼子のために」を読んでからでないと魅力は半減してしまう。さらに登場人物が続投している「雪密室」も読んでいると尚作品の理解がしやすい。何故か3部作のうちの「一の悲劇」とは何の関連もないのだが・・・・。 文庫版で600ページ超えと非常にボリュームがある作品だが、引用やアイドルの文化史などの蘊蓄にもかなりページが割かれているが、これ事件のトリックと何か関係あるのかなと思っていると何の関係もなかったりするなど、ややこの事件とトリックにしては長すぎる感がしないでもない。正直3部作の中では一番評価は低いが、質は十分高いので最後まで興味を失うことなく読めるだろう。 前作「頼子のために」からすると本作は法月探偵の再生と救済の物語と位置付けられるが、本作の後の長編「生首に聞いて見ろ」が出るまで10年ほどかかっているので何やら象徴的な作品ではある。 重厚な作品だが、劇中出てくる映画監督がどう見てもモデルが大林宣彦だったり、原作作家の名前が吉本ばぎなだったりと細かいところで変なギャグが織り込まれていたり、洋楽の歌詞引用がやたら多いのも特徴。 | ||||
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法月綸太郎のもとに『雪密室』事件の際に知り合った アイドル歌手・畠中有里奈から電話が掛かってくる。 彼女は、不審者に刺されたにもかかわらず、意識が戻ると、無傷だったという。 しかし、のちに彼女を刺した男が死体で発見され……。 山口百恵主演の《赤い》シリーズに代表される大映ドラマをモチーフに、 アイドルを襲う過酷な運命を描くことと並行して、名探偵の存在理由を 問い直そうとした作品。 上記の殺人にまつわる不可能状況は、有里奈を追い落とそうとする者達の 策略に端を発するものですが、偶然や錯誤が連鎖されることで、彼ら自身、 思いもしなかったメビウスの帯のような事態を生み出してしまいます。 しかも、このねじれた事件が、過去に有里奈の親世代に起きた 悲劇を反復したものであることが、のちに明らかになります。 加えて本作には、そうした本筋の他に、八〇年代アイドル論が挿入されています。 山口百恵的なスターを〈神〉とあがめた七〇年代から、自らが虚構であることを 隠さず、むしろ、その虚構性を売り物とした、シミュラクルとしての八〇年代の おニャン子クラブに至る変遷――。 一見、物語とは無関係に思えるこのパートは、作者が 直面した〈名探偵〉の問題のアナロジーだといえます。 〈名探偵〉のシミュラクルにすぎない綸太郎が、アイドルの、そして西山頼子の シミュラクルである有里奈を救うことで、自らの再生をはかろうとする構図を 本作から、見て取ることができるからです。 そして、『九尾の猫』で引用され、本作においても何度も言及される聖書の言葉、 〈神はひとりであって、そのほかに神はいない〉 これをミステリの文脈で捉えれば、探偵は神にはなれない、ということです。 作中で、この言葉について散々悩んだ綸太郎は、 苦悶の果てに、一つの啓示を得ることができます。 「砂漠に出よ」 しかし今度は、この内実を巡り、再び作者は悩むことになるのです。 | ||||
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法月綸太郎のもとに『雪密室』事件の際に知り合った アイドル歌手・畠中有里奈から電話が掛かってくる。 彼女は、不審者に刺されたにもかかわらず、意識が戻ると、無傷だったという。 しかし、のちに彼女を刺した男が死体で発見され……。 山口百恵主演の《赤い》シリーズに代表される大映ドラマをモチーフに、 アイドルを襲う過酷な運命を描くことと並行して、名探偵の存在理由を 問い直そうとした作品。 上記の殺人にまつわる不可能状況は、有里奈を追い落とそうとする者達の 策略に端を発するものですが、偶然や錯誤が連鎖されることで、彼ら自身、 思いもしなかったメビウスの帯のような事態を生み出してしまいます。 しかも、このねじれた事件が、過去に有里奈の親世代に起きた 悲劇を反復したものであることが、のちに明らかになります。 加えて本作には、そうした本筋の他に、八〇年代アイドル論が挿入されています。 山口百恵的なスターを〈神〉とあがめた七〇年代から、自らが虚構であることを 隠さず、むしろ、その虚構性を売り物とした、シミュラクルとしての八〇年代の おニャン子クラブに至る変遷――。 一見、物語とは無関係に思えるこのパートは、作者が 直面した〈名探偵〉の問題のアナロジーだといえます。 〈名探偵〉のシミュラクルにすぎない綸太郎が、アイドルの、そして西山頼子の シミュラクルである有里奈を救うことで、自らの再生をはかろうとする構図を 本作から、見て取ることができるからです。 そして、『九尾の猫』で引用され、本作においても何度も言及される聖書の言葉、 〈神はひとりであって、そのほかに神はいない〉 これをミステリの文脈で捉えれば、探偵は神にはなれない、ということです。 作中で、この言葉について散々悩んだ綸太郎は、 苦悶の果てに、一つの啓示を得ることができます。 「砂漠に出よ」 しかし今度は、この内実を巡り、再び作者は悩むことになるのです。 | ||||
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冒頭に『西村頼子の霊前に捧げる』とあったので、『頼子のために』の続編かと思って読み進めて行ったのですが、実は『雪密室』からの続きと考えた方が良さそうな内容でした。 とにかく長い推理小説です。600ページ以上あります。私は日本で読み始めて、ニュージーランドに戻った後に読み終えましたので、時々話の筋を忘れてしまいそうになりました。まとまった時間を作って一気に読み終えた方がいいかと思います。 内容は『雪密室』で出生の秘密で脅されていたアイドルがライバルのプロダクションの陰謀に巻き込まれて、殺人の疑いがかかってしまうのを、法月綸太郎が推理で助けようとするお話しなのですが、小説の長さに比例する複雑さです。気合い入れて読む必要のある推理小説です。 | ||||
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1992年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 『雪密室』の続編であり、『頼子のために』の完結編。名探偵であることに悩む法月綸太郎に、一応の答えが与えられる。そのため、著者の最大の持ち味である「後味の悪さ」が本書にはない。それを不服とするか、納得するかは読者次第。私としては、物足りない印象が残った。 トリック自体は、複雑だが平板。「名探偵とは何か」という問いに重点が置かれているからだろう。しかし、この厚さを退屈させないのはさすが。 『雪密室』と『頼子のために』を先に読んでおくべき。 | ||||
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1992年4月発表。このミスで2005年第1位を獲得した『生首に聞いてみろ』が2004年9月30日発表だから、なんと12年間もスパンがあったことになる。。このミスで2005年第1位にもかかわらずこの本は新書・文庫とも廃版らしく、オークション市場では5,000円くらいの値がついている。(●^o^●) 筆者はこの本を『頼子のために』・『一の悲劇』とあわせて三部作として捉えている。本作にも『頼子のために』とシンクロする場面が登場してくる。もう一つのシンクロがエラリー・クイーンとのシンクロで、『九尾の猫』以降の自信喪失・自己存在不明・純実存主義的な綸太郎となっている点だろう。エラリーのように綸太郎は『探偵自身の存在』について悩み、ついに本作で打破することになる。三部作を共通して貫くテーマは(個人的には『ニの悲劇』もだと思うが)家族とはどういうものであるのかということである。『家族』と言う名の構成物を綸太郎はいつも考えさせられることになる。 12年間のスパンがあいた最新作『生首に聞いてみろ』においてもそれは綿々として連鎖し依然として法月綸太郎の中心テーマである。ジョン・レノンの『God』やユダヤ教的思想を根底に持つクイーンの主張も全てが同じベクトルを示していることに筆者はこの段階で気がついている。つまり、 God is a concept by which we measure our pain. そして 神はひとりであって、そのほかに神はいない。 である。最終章『安息日を憶えてこれを聖潔くすべし』は作者の終結点の解説にほかならない。言ってみれば本作は法月綸太郎のプライマル・スクリームであると言えるだろう。かくて復帰には12年の月日を要したのである。人間らしく悩み続ける心弱きこの探偵をそれ故に僕は愛してやまないのだ(●^o^●)。 | ||||
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「雪密室」の関係者が登場し、「頼子のために」「一の悲劇」と三部作をなす作品。 「赤い〜」シリーズなどの大映ドラマを意識した構成の中、「頼子のために」事件で心に傷を負った探偵法月綸太郎が救いを求めて苦悩する。 「雪密室」と「頼子のために」が必読。 できれば、クイーンの「十日間の不思議」も読んでおけばベストという、文章構成は困った物ですが、 大映ドラマらしくスピーディーに流れる展開は、長い小説を長く感じさせません | ||||
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「頼子のために」から続く3部作の3作目だという。前2作を読んでいないので、全体としての評価ができないこと、「頼子…」に関する記述が少し多すぎるのではないか(=この作品単体として読んだときに少々理解しにくい、前作の内容がわかってしまう)ということから★一つ減点。内容はすばらしく、事件に関わることで、傍観者ではなく主体者となり得てしまう探偵という立場に主人公が苦悩する内的な物語と、探偵小説としては王道といってもよい、血縁関係や過去のしがらみ、複雑な人間関係、トリックといった要素がバランス良く盛り込まれている。トリックがあまり複雑でない分、謎解きに物足りなさを感じなくもないが、全体的なバランスがすばらしい。ただ、冒頭にも書いたが、あまりに前作との関わりが強く描かれているのが難点といえば難点。 | ||||
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