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幽体離脱殺人事件



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幽体離脱殺人事件の評価: 3.00/5点 レビュー 7件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

この実験的な構成は後の『アトポス』を連想させる

この作品を発表した時期、島田荘司は、作品構成で様々なチャレンジをしていた事がわかるのだが、この『幽体離脱殺人事件』は、その典型のような作品だ。カンタンに言うと、

・吉敷は、最初と最後しか出てこない
・中間部がミステリー的でない
・コラージュ的な構成が最後に一点に集まり、帰結する

と言った感じで、かなり実験的な構成なのが興味深かった。

この実験的な構成は後の『アトポス』を連想させる。『アトポス』は、ミタライシリーズ971ページの長編だが、並列して発動するストーリーに伝説や過去の重要な事象それ自体をひとつの物語として組み込む手法が加えられ、それらが最後に一つに連環し、一挙にリンクする素晴らしいプロットが完成するという仕立てだ。そして、ミタライの登場はなんと754ページ目となる。登場の仕方も驚いた。

『幽体離脱殺人事件』の吉敷の登場のさせ方は、『アトポス』の御手洗の登場のさせ方を連想させた。『なるほど』と唸ってしまった。

それ以外にも、この作品は、日本の女性の描き方が秀逸だと思う。チャレンジ精神満載な作品だ。
幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)より
4334028128
No.2:
(4pt)

その時代の社会状況を反映する小説だと評価する。

その当時の女性の置かれた立場とか、親との関係とかを、よくとらえている。細かく見れば、吉敷が主人公とはなってないし、、男からすると女性の立場ばかりが主題になっていることなどの不満はあるが、よくよく読めば、飲み屋での吉敷と酔っぱらいの会話の内容からすれば、その当時の匂いがよくわかる。やはり、当時を少しでも知っているという経験からすると、そうそうと頷ける。
幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)より
4334028128
No.1:
(4pt)

トリックがあれと同じ・・・・

島田荘司の作品では私は御手洗ものより吉敷刑事ものの方が好きなのだが、数多い吉敷刑事もののなかではあまり人気がないだろうというマイナーな作品。タイトルにあるように主婦の幽体離脱体験が本書の一番の肝だが、このトリック、はっきり言って以前出ている島田氏の同じくマイナー作品の高山殺人行1/2の女と一緒である。吉敷刑事の視点は最初と最後だけで全編ほぼ主婦の視点から描かれているため最初戸惑うが、まあこういう趣向も凝り性の島田氏なのでありなのかなとは思う。島田氏の作品群のなかではあまり出来がいいとは言えないが、退屈させないのはさすがということか。
幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:幽体離脱殺人事件 (カッパ・ノベルズ)より
4334028128

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