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邪魅の雫



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邪魅の雫の評価: 3.79/5点 レビュー 98件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.79pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全98件 81~98 5/5ページ
No.18:
(5pt)

スッキリはしないかも

スッキリはしないかもと書いておいて評価は5なんですが。ストーリー上、榎木津がほとんど出てきません。京極堂自身も…いつものように沢山出てきてはくれない。スパッと気持ち良く切ってくれない。仕方ないです。今回の話がそういう話ですから。キャラのファンとして言うなら、榎木津と京極堂が話す場面で(1回しかナイけれど)互いの信頼度の高さが良く分かって、とても嬉しかった…かな。あまり色々書くと、ネタバレになってしまいそう(皆さん上手に書きますね) スッキリはしないと言うのは、話がそういう話だからで、決して面白くないとかでは無いです。あのストーリーで、スッキリさせる必要はナイと思うので。ただ、爽快感を求めている人には不満はあるかと(榎木津でなく京極堂シリーズにそれを求めるのはどうかと思いますが) 京極作品は、推理しながら読んで最後にまさかの超どんでん返し!…のようには書かれていないので、途中で犯人が判る推理小説は不満だ!と思われる方には面白くないかと。私も多少は推理しながら読みますが、京極作品は“小説自体が面白くないと意味が無いから、普通に読んでいけば自ずと見えてくる”ように書かれてあるんだと思います。無理やりミスリードさせたりはしないので、元々、トリックも犯人も、途中で判ってしまっても仕方がない!という書き方がされているように思います。まだシリーズを一つも読んでいないという方は、そう思って読まれた方がより楽しめるかと。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.17:
(4pt)

次回作、楽しみに待ちます。

本作はかなりプロットが複雑。
また、今まで以上に多くの人物の視点で物語が進行するので中禅寺が最終最後に語る真相まで混乱しまくり。
読了後スッキリというよりも再読しないといかんな〜と言った感じになります。
前作よりもシュチュエーションに特異性が無いので盛り上がりに欠ける印象を持つと思いまが、従前の作品に比べ関口視点もしくはキーパーソンの視点で進行してきた構成から作者が新たな取り組みに臨んだ作品であると評価をすべきではないかと思います。
しかし、ストーリー上仕方ないとはい榎木津の出番の少なさ(3シーン程)等、今までの主要メンバーの登場場面の少なさには残念な思いが残ります。次回期待します。
但し、青木刑事ってこんなに気骨ある人物だったっけ?と感心するシーンなどもあり相応に愉しむ事も出来ます。
矢張り及第点はあげられる内容ですが、通読して来たファンにとっては星は若干減にて評価。
多くの方はシリーズを通読されていると思いますが、未読の方は過去作品を読んでから臨む事をお勧めします。(事件の関連性は有りませんが、今回に於いては「塗仏」を事前に読んでおく事をお勧めします。)
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.16:
(5pt)

また一つ世界が続いていく!

待望の京極シリーズ最新刊! 文庫版やらなんやらと出ていましたがファンとして待ち望んでいたのはこの「邪魅の雫」。圧巻の800P。読ませる作家の力の本領発揮というところでしょうか。
小節の冒頭は死ぬか殺すかで始まるのですが、殺伐とした世界ながら魅力あふれるキャラクターが縦横無尽に活躍し、物語は展開していく。すべてが京極夏彦の手の中にあるような、そんな世界観が楽しめます。
連続シリーズで物語が連綿と続き一つの世界を構築しているので、是非とも一作目からすべてを読んで楽しんでほしい一冊。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.15:
(4pt)

シリーズ最新作

何やら今回、シリーズの事件年表という
とても親切なものが間に挟まっていて(笑)
へぇ〜、と関心してしまいました。
凄い普通の感想で申し訳無いのですが、面白かった(笑)
各自の視点から徐々に集まって、最後に読者の中に起きる
「こうでしょ?」「こういうことなんでしょ?!」
という疑問を解くラストが、この長いストーリーを読み切る
原動力になっているんじゃないかと思います。
今作では、榎木津のいつもとは違う面や
バカオロカ事、益田くんの内面が丁寧に書かれていました。
また、不思議な事なんてない…、というのが一番良く分かる作品でした。
只、物事は起こっているだけであって
事件というのはそこから人間が連想し、妄想し構築してしまった世界
そんな風に考えさせられました。
人間ってしょうもない生き物なんだよなぁ〜、とか思わすにはいられませんでした。
そういえば今回は木場の旦那がメインで登場しません。鳥口くんも。
まぁたまには二人には穏やかな日常を…と思いながらも
次回作でこいつらが巻き込まれるんだろうなぁ〜とか想像中です(笑)
京極作品は事件に関わった人物が、後々も絡んでくるので
シリーズファンとしてはこれも楽しみの一つになっています。
是非「新書」で買って読んでこの「本の重み」を体感してほしいです(笑)
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.14:
(3pt)

榎木津が…。

う〜ん。普通だ! 
 正直に言うと、『塗仏の宴』までの不可思議性、非現実性、幻想性、謎、そして、それを最終的に綺麗に収束させる京極堂を期待していた向きには、期待外れだろう。
 前作と同様可能性としての現実味が増し、つまりは、人や世間、社会に焦点が当てられていて、身近な事件と言える。だからといって、悪いわけではない。この作品はこの作品でそれなりに面白い。「人」や「世間」「社会」を考える上では有益かもしれない。しかし、前作と同様、「動き」が少ない。登場人物が本を突き破ってこちらになだれ込む勢いが感じられない。(期待の裏返しかもしれないが…。)こじんまりと纏まっている感じだ。 この作品の不満は、二つ。一つは、京極堂が今までのように、事件を最後にスパッと斬っていないこと。そして、何よりも最大の不満は、「榎木津」がほとんど活躍しないどころか、出番がほとんど無い。なぜ…。
 「京極堂と榎木津」が活躍しない京極作品は、やはり盛り上がりに欠ける。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.13:
(4pt)

真の主役は――。

いやあ、今回の錯綜振りは中々っス(多分)。『狂骨の夢』以来かも知れません。
最終盤、「探偵(役)に拠る証明」の段階に至っても、実はよく解らないまま進んでたりして…。
主題は――社会学、とか?(私の無知と拙い語彙では説明不能です)。『妖怪大談義』とか、太平洋戦争に関するある方面の資料とかを参照しながら読むと、尚一層楽しめるかも、なんて。
はい。
「真犯人」に見当を付けるのはそれ程難しくない、と思います。でも兎に角プロットがややこしいので、全体の構図を把握するには、矢張り、「あの男」の登場を待ちましょう。
で、最後には矢張り――落ちます。そして――。
青木君が格好良いっス。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.12:
(2pt)

なんかなぁ。

前作に引き続き、起伏の少ない展開。
私は京極作品のだいご味は最後のどんでん返しにあると思っている人間なので、我慢して読み終えたが結局最後まで平坦だったことに不満を感じました。
また、京極堂の詭弁の切れ味の悪さもなんとも言えません。
「あのな」を連発する京極堂は、正直がっかりしました。
また、作品に対する著者の姿勢を語る部分がありましたが、私には「鉄鼠の檻」のマチコの親父の考え方を詳しくしただけのもののように思えますし、京極夏彦自身が既にどこかのサイトでこの考えをそっくりそのまま言っていたので新鮮味がありませんでした。
この作品は、「リアリズム」という観点からしか楽しめないような気がします。
他に楽しみ方があったらどなたか教えてください。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.11:
(5pt)

世界とは?

今回は定番の妖怪話はありませんでしたが、世界について考えさせられました。自分の考えている自分と他人から見た自分は違う、世界は人の数だけ存在する。皆が自分の物語を生き、他人によって虚構の自分像が作られていく。ある意味で怖いと思います。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.10:
(4pt)

一線を越えるか否かは、きっとチャンスがあるかないかだけ

気が進まないまま、榎木津がらみの依頼を
本人に内緒で調査する益田と、
行動をともにするいつになく雄弁な関口。
毒によって次々に死んで行く人、人、人。
江戸川、大磯、平塚。
転がる死体は、なぜ増えていくのか…。
毒が使われたということ以外、一見繋がりのない
その事件は迷走を重ね、警察は翻弄される。
八方塞かと思ったとき、黒衣の男の憑物落としがはじまった…。
それは推量なのか、事実なのか。
主観なのか、そうではないのか…。
人々は自分の世界で物ごとを捉え、
だから何かを見失う。
それが世界中で通用するのだと勘違いして。
残念ながら、今回は、定番の妖怪話や、
思想・宗教講和は、ほとんど聞くことができない。
けれども、もっと身近で無意識の思考についての
見解や有り様の解説も、楽しく読めた。
定番メンバーでは、益田、関口、青木が活躍。
箱根の事件以来、人が変わった山下も必見だ。
ちなみに、初回限定版についてる特典の小冊子は
なかなかおもしろい!!
何しろ作品ごとの解説だけじゃなく、色んな事件の年表とかついてます。
事件自体の年月だけじゃなくて、布石となった出来事まで
書かれているのだ。
大正11年秋、円覚丹、危篤状態の父と再会とか。
関口くん作家デビューとか、京極堂開店とか。
かなり細かくて、こちらも入手する価値あり。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.9:
(4pt)

真実のバカオロカ(笑)

「繰り返される「死」の連鎖。いったい誰が、何のために? そして”あの男”との関係は・・・。
今度の事件は一言でいうと”自分の知っている「リンゴ」と他人の知っている「リンゴ」は、同じ「リンゴ」ではない”ということかなぁ?
一応「京極堂本編」ということになっている本作ですが、一寸出番が少ないんじゃぁ?その割に最後は、しっかりと目立ってますけどね・・・。
本編にはあんまり関係ない(ですよね?)場面で、京極堂が関口に「世間」と「作品」と「書評(評価)」について、諭す場面が大変、興味深かったです。
「小説如きに自分の主義主張なんぞを籠(こ)めようなんてことは、海の水に食塩を入れるようなもの云々」
こういうことを自分の作品に書くってことは???
うーん。今回の榎木津は、ちょっとカッコ良すぎじゃないかなぁ:笑、つーことで星4っ。
PS”ロイヤルバカオロカデリシャス”には笑ロタ。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.8:
(4pt)

ちょっとご存知に過ぎるのが難点

次々と破談となる榎木津礼次郎の婚約話に何か裏を感じた榎木津の伯父今出川からの真相調査を命じられ、薔薇十字探偵社の探偵見習い益田は成り行きで調査活動をはじめる。
一方、木場ともども降格左遷されていた青木刑事は、本庁・公安・県警本部の合同捜査本部が設置される、不可解な毒殺事件を追っていた。公式的には単独の事件とされながら、上層部は何かを隠蔽しつつ、連続殺人事件として捜査指針を下される二件の殺人事件。しごく真っ当な操作手順を敢えて飛ばす本部の指示と、警察内部の三つ巴の縄張り意識の軋轢の中で、青木は所轄の若手捜査員とともに独自の捜査を進めていく。
そして、長野県警を退職した胡乱な男大鷹は、謎の女から、一人の女の身辺警護を依頼される。
ご存知の面々がそれぞれの思惑の元に集う先は平塚。そして、海沿いの寂れた町にまた新たな毒殺事件が沸き起こる。
大まかな構成はシリーズ通してのフォーマットに則っているものの、京極堂の妖怪講釈が無かったりなど、ちょっと趣向が変わっている。メインで活躍するレギュラーメンバーが地味な2ndリーグの顔ぶれである。が、元あるいは現役の警察関係者で〆られているため、ちょっとした警察小説めいた展開で物語が進むところも、目先の変わったところだ。
事件そのものはそれほど複雑ではなくテーマ性も明解。が故に、ちょっと食い足りない感があるかもしれない。特に、勘のいい人間なら、割合はやばやと実在の事件や「あのヒト」の匂いを感じ取る事だろう。ただし、良くも悪くもその予断は裏切られるので、シリーズ最長編の某作に否定的なファンは途中で投げ出す必要は無いと思う。
というわけで本作、一見さんにはちょっと辛いかもしれない。せめて、『魍魎の匣』、『鉄鼠の檻』、『陰摩羅鬼の瑕』のいずれかは読んでいたほうが良いかもだ。無論理想は、『姑獲鳥の夏』から順番が一番だけれど。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.7:
(5pt)

自分と世界との関わりとは?

毎回京極堂シリーズではテーマにしているものは変えてくるけれども
今回のテーマは、ストーキングやニートといった
人とのコミュニケーションが取れない人というか、
自分と世界との関わりについてかと感じた。
人には自分の世界というものがあって
それは必ずしも他人が見ている世界とは大きく違う。
だから、自分からは非常にイヤな奴だったりしても
他人からすると、とても良い人だと思われてたりする。
つまり、自分が見ている、信じているものが
必ずしも本当の姿とは限らない、ということである。
また同時に、自分の内面に邪な部分があったりもして、
それを普通は理性が働いたりして、世間に出したりしないけれども
だが、背中を押す何かが足りないだけなのかもしれない。
それがあったら、邪な部分が周りの世界に対して
表面化してしまうかもしれない。
今回は、自分と周りの世界、自分と自分の邪な内面
との関わり方が手を変え、品を変えて語られていきます。
出てくるキャラクター達もある意味らしいないし、
また別の意味ではらしくもある、という感じでうまく描かれていて
展開としては読めてしまうところもなくはないけれども、
やっぱり京極夏彦はこのシリーズが一番だなぁ、と感じました。
最高とまでは言わないけれども、
久々に楽しく一気に読めたんで、
まぁ、ちょっと評価はオマケということで。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.6:
(4pt)

あれれれれ???

久々の京極作品!ということでかなり期待してたんです。前作がアレだったし。
読み手を煙に巻くかのような世界観や登場人物の、謎だらけの相関関係は例によって
「うまいなあ」という感じです。そして!!「カマオロカ」益田&「コケシ」青木が
大活躍するのが本書最大の見所?って感じもしてます。
ただなあ…途中から、なんとなく真犯人の目星がつきはじめちゃって。目星がつくのは
まあいいとして、動機がうっすらわかってしまうのは微妙かも。
なんか読後、すっきりしない残尿感のようなキモチ。
というわけで、ここまでのシリーズ全部読んでることもあり、☆3つにファンとしての
ご祝儀☆1個つけて、トータルで☆4個です。
次回作に期待します。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.5:
(4pt)

重なる迷路で人は思い思いに動き更なる混乱を呼ぶ

探偵 礼二郎の従兄弟 今出川欣一から 益田への命令というか依頼は
―何故続けて 礼二郎の縁談が壊れるか 妨害工作をしている者がいないか調べろ―
というもの
黙っていれば眉目秀麗 学歴優秀 元子爵の家柄で財閥
それが相手側が望んだ縁談なのに 会う前に断ってくる
おかしいだろう―と言うのだ
事が事だけに 調べあぐねた益田は 京極堂こと中禅寺秋彦や 小説家 関口に 礼二郎の過去を尋ねるのだが
いっぽう 先の事件で降格処分を受けた 刑事 青木は ひっかかる事件を 先輩 木場に相談する
犯人も動機も 分からぬ 連続殺人
毒殺された誰か分からぬ女性
彼女につきまとっていたらしい男
常にない言動の礼二郎
捜査は迷走する 死体は増える
そして拝み屋 京極堂の 憑き物落としが 始まる
ひと雫 そのひと雫持ちて・・・
ゆえに 愚かな心は罰を受ける
「ぼくは きみが きらいだ」
平成十八年度版 講談社ノベルス 京極夏彦全作品解説書 つきです
817頁なり はんぱでない厚さです 屁理屈の山を読み進めば・・・現れた姿はねじれた事件
個々の思い込みが 重なるようで異なる
苦悩する探偵は 空腹になり 魚が食べたくなる
それでも・・・彼女にとっては 忘れられない人
余程のメンクイ もしくは 変わった趣味であったのか
かなりはた迷惑な想いだが 恋物語 と言えなくもないかな
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.4:
(5pt)

久々のシリーズ本編

久しぶりの妖怪シリーズ本編で、一気に読むことができました。
多少、ダレてくる場面もありますが、最後は一つの物語としてまとまっていく。
そこに行きつくまでが、今までとは雰囲気が違う感じがしました。
自分は自分、世間なんて関係ない…と思ってるはずが
気がつくと世間の真ん中に出てしまってる。
真ん中に出るはずがないと思っていたのに「そこにいて」しまっている。
世間なんてことないと辺りを見渡してみたら
広がる世界はなんだか悲しくなって見えてくる。
読後に「井の中の蛙、大海を知らず」のことわざが思いだされてきました。
そして今回、相変わらずな関口さんをちょっとだけ見直しました。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.3:
(4pt)

やや消化不満ながら……

待ちに待った京極堂本編ということで、実に面白かったです。
やや冗長な面は否めないし、カラクリもある程度想定できます。
魍魎や鉄鼠のような、「いかにもな」憑き物落としは拝めませんでしたが、
そこは今回の“邪魅”という妖の性格上、仕方の無いことなのでしょう。
個人的にはキャラクターのデフォルメ化を抑えた描写が嬉しかったです。
関口は陰鬱ながら筋を通し
京極堂は辛口ながら正論を述べ
榎木津は奇矯ながら真実を著し……
感染する憑き物。解決を語らぬ探偵。
連鎖して、かつ決して交わらない別叉連続毒殺事件。
その真相と思惑は一体どの世界へ辿りつくのか、これは誰の事件なのか―――
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.2:
(4pt)

テーマは「自己責任とは何か」

私は個人的に、関口視点の作品が好きなので、星4つ。う〜ん、でもこれは白樺湖事件ともつながりが深いから、やっぱり関口視点は難しいかな?
あ、この人は・・・!と思い出した時って嬉しいものです(ここで「君はいつかの何とかいう人!」と叫んでしまったら榎木津ですが)。
今回の作品は、随所に「自己責任」がでてくる作品だなと思いました。だから全体としてとても厳しい、突き放した感じを受けました。が、やっぱり、自己責任を自分だけで完結するということは本当に難しい。人間て基本的に寂しがりやだから。だから、なんだかんだいって・・・人に頼ってしまうんだろう、と、ちょっと寂しく思いました。それにしても・・・エノさんにあんなにいっぱい縁談があったとは。和寅ファンの私としては、彼をお払い箱にしないためにもエノさんには独身を貫いて欲しいです。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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No.1:
(5pt)

男・榎木津に翻弄される

2日かけて読了したばかりです。前作『陰摩羅鬼の瑕』が私にとっては少々不満が残るものだった為に、今回は期待していました。過去のシリーズの登場人物の再登場や、犯人を示唆するようなモノローグは他の作品同様なのですが、ややこしさ復活!概ね京極堂シリーズは連続殺人事件ですが、今回は読み進むにつれ各事件の関連性が解らなくなってきて、コレだ、コレが京極堂だ!と興奮も急上昇した次第です。前作は、私がアヤシイと目星を付けた人物が通常と違って一人だけ、然もそれが的中したばかりか最後に怒涛の如く語られる京極堂の「憑き物落とし」が事態を収束(終息)させても、うーん、想定内、と感じてしまって今一つだったのです。舞台が一ヶ所で登場人物も少ない所為かも知れませんが。そういった意味では、今回は役者も多く、疑わしきも多く、また読者に想像・思考を促す京極堂の周辺世界への中毒性を強めた感があります。膨大な情報量や構成の難解さは相変わらずだし、人物が入れ替わり立ち替わり、あちこちを動き回っていて読者が混乱しそうでも、必ず私達にも世界を共有しようとする働きかけがあり、丁寧に読めば見えるひっかかりドコロは作ってある。そのバランスとタイミングの良さを、改めて感じました。また読みたい、そこに京極堂があるからだ。そうとしか言い様の無い気分です。然し結局の所、今回も華麗なる探偵の事件なのでしょうか。榎木津は、萌えキャラにもなるのか…いつもと違う探偵も必見です。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:邪魅の雫 (講談社ノベルス)より
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