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家守綺譚



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【この小説が収録されている参考書籍】
家守綺譚
家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚の評価: 4.52/5点 レビュー 148件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.52pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全134件 101~120 6/7ページ
No.34:
(5pt)

ゆっくり読みたい気分

本屋大賞ノミネート作品にはいっていたので、手にとりました。
登場人物(河童や植物なども含む)達の不思議なやりとり、
それこそが、すごく自然なことであるように描かれています。
知らない漢字や慣用句、言い回し、植物の名前等をその都度
辞書で調べ、ゆっくりと読み進めていきました。普段なら決して
しないだろうというこんなことを、やりたくさせる魅力が
このお話にはあると思います。
夏の夕暮れに、早めのお風呂からでて、ゆっくりビールを飲みながら、
この本を読みたかったな。次回、読むときにはそうします。
家守綺譚Amazon書評・レビュー:家守綺譚より
4104299030
No.33:
(4pt)

極めて独創的な連作「綺譚」

表題だけ見て、藤原家守とかいう名前の平安貴族の話かな?ぐらいのつもりで読み始めた。
まさか家守=家の管理人だとは。
何か懐かしさのある、不思議な掌編連作集だが、私の知る限り、「あの本に似ている」というところのない、極めて独創的な作品である。
旧家の庭の植物や、床の間の掛け軸の鳥との「交流」。河童も出れば、鬼も出る。
とにかく突然出る、前触れも必然もない。まるで居て当たり前という描き方である。
作者は、そういう「異界のもの」とも共存していた、少し前の日本の風情を描いている。懐かしさは、そこから来るのだろう。
加えて、全く無駄のない見事な文章にも感服する。「静物」の描写には、この作者の、文体・文章力は、まことによく合う。
梨木香歩ファンならずとも、体験してみる価値はある作品だと思う。
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4104299030
No.32:
(5pt)

愛すべき異形のもの達

大正時代前後を背景に、近代から現代へと移り変わる空間の歪みから垣間見える、幻想や異形のもの達への憧憬と郷愁の思いが、和紙の絵巻紙に薄墨で淡々と描かれてゆく様な物語の展開。作者の居住地、滋賀は琵琶湖周辺の疎水が流れる一帯、「かばた」と呼ばれる家の土間に引き込まれた井戸があるような家々が現在も点在している地域での物語だろう。
主人公が家守をすることになった友人の霊が、いかにもふらりと尋ねて登場したり、ムカデやヤスデのような異形のものを取り扱う「長虫屋」が呼吸し、疎水の周辺ではカッパやかわうそが困惑し、それを仲裁する犬が居る。周囲の山々には当然のごとく狐狸の類が生息している。そんなチョットひずんだ世界の中に、植物たちの美しさや華やかさや儚さが、時に妖しく時に優雅にアクセントを添えている。
植物の名を冠した、各々の短い章立てで一章読み切り形式で物語は紡がれている。
閉塞感のある現代のアクセントとしての息抜きに、この世界の中で泳ぐことは楽しいだろう。
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No.31:
(5pt)

泉鏡花、波津彬子、宮沢賢治、漆原友紀…が好きな方は必読です!

この作品は日本がどれだけ美しい国であったかを示す記録であり、また日本が美しさを取り戻すための指南書でもある。まだあらゆる情報が人づてと書物で成り立っていたいた時代に、なんだか足早に文明を吸収していこうという日本。そんな流れに何となく足踏みしている物書き綿貫氏と四季折々の生命との交歓が鮮やかに描かれている。亡き友人の家に家守として入居した氏は、草木を愛で、愛ですぎて百日紅に懸想され、近所のおばちゃんと話し、自分の手にしているのが河童の衣だと知ったり、犬と連れだって散歩に出て、あらゆる魂魄を背負い込んで苦しんでる尼僧姿の狸を助けたり、小鬼のふきのとう摘みを手伝ったり、床の間の掛け軸から前触れなしに現れる亡友にからかわれたり…と、とにかく日々盛りだくさんの珍事を経験する。でも決して慌てず、騒がず、その出来事を美しい日本語で綴る。鮮やかな色彩をもって綴る。なんと心洗われる事か…こんなに豊かな記録を私は他にしらない。異界との扉が少しだけ開いていた時代の日本は、こんなにも、エキセントリックだったのだ。
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No.30:
(4pt)

一服の清涼剤として、ビジネスマンへおすすすめします。

のんびりとした時間・・・・こんな生活も悪くない♪ 植物に恋煩いされたり、犬に食い扶持を分けてもらったり、河童の抜け殻を発見したり、時々気まぐれに掛け軸から舟を漕いでやってくる“死んだ友達”と酒を酌み交わしながら不思議な世界を漂い、飄々と暮らす毎日。30~40代の男性への質問アンケート『将来の夢は??』に対して9割の回答が「南の島でのんびり暮らしたい」または「田舎で自然と戯れて暮らしたい」とのこと。女性に人気高い 梨木さん作品ですが、この作品はギリギリの世界でがんばって働く男性への“一服の清涼剤”としてぜひおすすめいたします。
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No.29:
(5pt)

再読のとき

梨木香歩さんの本を読むたびに思う。彼女の本は、一度目よりも二度目、二度目より三度目の方が得るものが多い。行間に隠されたもの、言葉の使い方、登場人物の思い、彼らの住まう空気。この本を読むのが二回目になる今回も、そういったものが以前よりもすんなりと自分の体に入り込み、自分は姿を消して、本の世界へといざなわれて行きます。亡き友人の生家に住まうことになった主人公が、家とその庭と、そこにある植物や掛け軸などを介してさまざまなものに出会い、交歓する様子が描かれています。日本のどこかに、いまもこんな空間が存在するのかもしれない。それは案外すぐそばにあるのかも、自分だって同じ時代に生きているのかもしれない。夫や子どもたちが、義父母たちの手入れする庭に入り込み、木のそばでじっとたたずんだり、葉を触ったり、幹に触れたりしているのは、私にはわからないそういう瞬間なのかもね。
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No.28:
(5pt)

寂しい程に美しい

梨木さんはサラリとした文章で、まるでそれが当たり前であるかのように此処と異次元を繋ぐ人だ。日本の風土だとか古き神々の世界から諸外国の文化や文学までを1冊の本で何の引っ掛かりも無く、そう、まさにサルスベリのようにつるりと書いてしまわれている。かといってまったくの異世界では無い。むしろ、この話は繋がった異世界と人の世の交わっても交わりきらない所を描いている。季節の折々にほんの少し、気持ちが遠出したい時にオススメしたい本です。
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No.27:
(5pt)

物語が始まる

この本を手に取り、最も注目したのは独創的な文章でした。たださらりと読むだけではこの本の内容は掴めません。それだけ面白みに溢れているのです。純粋に「世界」を感じることを教えてくれる本だと思います。最終的な終わり方がどちらかといえばはっきりとはしていず、今からまた何かが始まりそうな予感を感じさせてくれるところも魅力の一つだと思います。
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No.26:
(5pt)

さるすべりに代えようと思った。

この著者の作品は始めてである。今まで名前も知らない。とあるいつもの書店で放つ気を感じた。本の名そのもの、百年云々という帯。そして見返しの影絵に。高堂はその用があって彼岸との行き来をする。ボートに乗せたのはうまいところである。これで市民権を得る。草木の精の出没は fairy tale である。雨月物語の執着はない。聊斉志異の世界である。自身十坪の庭に小宇宙を見ようとしている。春に土山をつくりヘパテイカの遺伝子をいっぱい播いた。この本を読みながらここを高岳親王ノ丘と名づけた。そうすると実のなる木は不相応である。柿の木をさるすべりに代えようと思った。
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No.25:
(4pt)

おふねでどんぶらこ。

ほのぼのとしました。ちょっとマンガ「百鬼夜行抄」や小説「しゃばけ」を思い出しましたが、この二作よりもほのぼのとファンタジーです。私もこんな家に住んでみたい。そしてボートでどかんと現れて欲しい!現在私の中で是非続きを読みたい、書いていただきたい本です!
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No.24:
(4pt)

寝転がって読みたい本

恋愛もサスペンスも冒険もない。ないけれど、どこかワクワクするような感じがある。今度は誰が尋ねてくるのだろう?どんなことが起こるのだろう?もしかしたら、ほんの100年ほど前にはこんな風だったのかもしれないな、と夏なら、風通しのいい部屋で木々の葉を揺らす風を感じながら、団扇片手に寝転がって読むのもいいと思った。冬なら、こたつで丸くなるのも悪くない。もしかしたら、木々が話しかけてくれるかも知れないから。繰り返し読むわけじゃないけど、疲れた時にはふと手にとってしまうようなそんな気がする一冊です。
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No.23:
(4pt)

満月のそぞろ歩きのようです

ここに出てくる情景は見知った土地の情景に似ているせいでしょうか、祖母の家に植わっているざくろや金木犀など思い出します。ふと、月明かりのよい晩など散歩に出かけるのですがそのときの心地に似た読書感。
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No.22:
(4pt)

不思議ななつかしさ

梨木香歩さんのいろんな引き出しの中のひとつからまた楽しい世界が出現しました。こんなことを体験しているはずもないのに、不思議ななつかしさがあります。子供のころの夢のなかで出会っているのかもしれませんね。著者の温かいまなざしを感じます。読んでみてください。
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No.21:
(5pt)

家守綺譚

波津彬子さんの「雨柳堂夢咄」を彷彿とさせる物語でした。なんとなく雨が似合うというか、雨の夜更けに読むのが合うというか。舞台が古い時代(明治とか大正とか?)の日本なので、文体も古めかしく、出てくる漢字も古めかしく(読めなくて辞書を引くこと多数あり。)、不思議な雰囲気の作品です。こういう「不思議な」ものが、身の回りにごく普通にあって、人も皆それをごく普通に受け入れていた時代が確かにあったんだろうなぁ…。ちょっとうらやましくもなってしまいました。本棚において、気が向いたときにいつでも読みたい、そんな本です。ゴロー。飼いたいです。
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4104299030
No.20:
(4pt)

読んでいると不思議な感じ

主人公が行方不明になった友人の家で起こった不思議な日々。ごく短い話がいくつもかかれています。たまに妖怪とか、お化けも出てくるんだけど、そこにおどろおどろしさはまったくないです。むしろほほえましくかわいらしく描かれていて好感が持てます。たまに出てくる人間の方がちょっと不気味だったりいい味出してたりします。夢か現実か、あいまいなところが好きです。山あり谷あり、というお話ではないのだけどなんとなく好きです。
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No.19:
(4pt)

素直にノスタルジー

四季折々の自然の「気」たちと、文明の進歩に今ひとつ乗り切れない新米精神労働者の「私」との、のびやかな交歓を綴った1冊。植物に好かれたり、狸に化かされたりと、ほんの少し昔の日本ならば、あったかもしれない不思議な話で溢れています。死んだはずの友人が訪れたり、拾った犬がなんだか尋常でなかったりしても、大して驚くこともなく日々を送る主人公。派手ではないですが、おかしくもあり、切なくもある、心和む一冊です。和布のような紺の表紙と帯の文句も内容と合っていて素敵でした。素直に、あっ、日本ていいな…とそんなノスタルジックな気分になれます。
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No.18:
(5pt)

ゆるゆると

時間の流れをゆったりしたものに変えてしまう一冊河童やら狸やらが出てきても、この間河童が遊びに来てね~と何でも無いことの様に会話が出来てしまう世界ちょっと不思議な空間に紛れ込んだ感じで季節の移り変わりがゆっくり堪能出来るそんな時代があったのよね、と感じられるただ恐ろしく漢字が難しいルビを最初だけでもふってください
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No.17:
(4pt)

みんなひとつなんだ

まだ日本人が、移り変わる季節を感じつつ、自然と対等なおつきあいをしていた頃のノスタルジックな雰囲気がとてもよく描かれている。タッチは単調な線で書いた淡いペン画といった風(倉田江美のマンガみたいな感じ、私が思うに)、だから初めは「なんか、いつもの梨木香歩の迫力がないな」と思っていたけど、じわりじわりとその世界に引っ張り込まれてしまった。読んでいるうちにだんだん、植物や妖怪が妙に人間ぽく、逆に人間が妖怪ぽく思えてきて、ああそうかも知れない、みんな一つのものなんだ、という気持ちになる。そして、生と死、夢と現実の境さえもあやふやなものなんだと気付く。何か、夏目漱石の「夢十夜」や「永日小品」に連なっているとさえ感じる。
家守綺譚Amazon書評・レビュー:家守綺譚より
4104299030
No.16:
(5pt)

淡々とした描写が秀逸

この作者の作品は、初めて読みました。全体に淡々とあっさりしていて、河童だの幽霊だの小鬼だのが出てくるのに、しっとりしているのが好感持てました。心穏やかに読み終えることができます。各章ごとにタイトルの植物が絡んでいるストーリーなのも面白いと思いました。他の作品も読んでみようと思います。
家守綺譚Amazon書評・レビュー:家守綺譚より
4104299030
No.15:
(5pt)

ふっしぎぃ~でキュートな物語。

今年の収穫の一冊でしょうね。行方不明の親友が掛け軸の中からボートに乗って尋ねてきたり、庭の百日紅から思いを寄せられたりする主人公の日々の営みがつづられております。などと聞くとファンタジーなのね。と言われそうですが、ちと、違う気がしました。確かに描かれている世界は現実や日常から逸脱したものであるにはあるのだが不思議と「ファンタジー」として構える必要もなく染み込んでくる。このさりげなさこそこの物語の最大の魅力だと思いました。淡々とすすむ物語は「面白い」というより「心地良い」というのが実感。好き嫌いが分かれる作品かも知れませんが、これは是非続きを読みたいです。
家守綺譚Amazon書評・レビュー:家守綺譚より
4104299030

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