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犬の力
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犬の力の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 61~75 4/4ページ
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作家名を知らずに読んでいたら、決して「ニールケアリー」シリーズを書いた人の作品だとはわからないでしょうね。 ちょっとうれしい驚きでした。 「これが名訳か?」なんてけなす人がいるようですが、まあこのレベルの本を原書で読めるんなら最初っから原書で読むべき。 「ニールケアリー」シリーズならなんとか原書で読めそうですが、この本はキツイなあ〜。東江さんの翻訳のほうが楽しめます。 | ||||
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オリジナルは2005年リリース。邦訳は2009年8月25日リリース。2010年版海外編『このミス』第1位。『週刊文春ミステリーベスト10 2009』第2位。事実上2009年の海外ミステリーは『ミレニアム』とこの『犬の力』の一騎打ちだった。間違いなくドン・ウィンズロウの最高傑作だ。 自身がニューヨークをはじめ全米・全英で私立探偵をし、一方で法律事務所や保険コンサルタントをしていたというキャリアが実に作品に生きている。つまりここでのストーリーが極めて『現実に近い』のだ。それ故、ストーリーの登場人物も極めてリアルで、実在している(あるいは実在していた)としか思えなくなる。他作品例えば『ボビーZの気怠く優雅な人生』でもここに登場するDEAは登場してくる。ただそのリアルさが極限に近くなっている。 まるで現代版『ゴッド・ファーザー』を眼で見ているような映像性はすばらしい。この作品は是非とも映画で観てみたい。そう思った。 | ||||
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2010年版の「このミステリーがすごい」で、 堂々の1位に輝いた作品です。 メキシコでの麻薬戦争を描いた本作品は、 多くの登場人物が物語を彩ります。 巻頭の「主な登場人物」欄には、見開き2ページに名前がずらり。 その中でも主要な登場人物といえば、次の5人が挙げられます。 アメリカ麻薬取締局(DEA)の捜査官、アート・ケラー。 メキシコ麻薬カルテルの後継者、アダン・バレーラ。 ニューヨークのヘルズ・キッチンから殺し屋へと育っていく アイルランド人、ショーン・カラン。 <白の館(ホワイト・ハウス)>の高級娼婦、ノーラ・ヘイデン。 彼らと不思議なつながりを持つ司祭、フアン・パラーダ。 物語は、彼らが国際的な麻薬戦争に巻き込まれ、 翻弄されていくというもので、とにかく人がやたら死にます。 上巻の「主な登場人物」欄で 見開き2ページにびっしり書かれていた人物が、 下巻になると、明らかに人数が減っているのが分かります。 麻薬を巡る駆け引きと、裏切り、そして殺戮。 すさまじいまでの描写に 読者はぐいぐいと引き込まれてしまうことでしょう。 ただ、私の場合、残念だったのは、 下巻になると、だんだんに彼らの行動についていけなくなってしまったこと。 上巻では、彼らの運命を知りたくて、 ページを繰る手ももどかしかったのですが、 次第に感情移入がしづらくなってしまいました。 彼らの背後に潜むもの。 それが題名にもなっている「犬の力」(邪悪なものの象徴とのことです) なのではないかと思いますが、 私にはこの「犬の力」の魔力が肌に合わなかったのかもしれません。 このミス第1位ということで、 実力のある作品であることは間違いないのですが、 私的には後半、物語にのめり込めなくなってしまい、★3つです。 うまく波長が合った人には大変に面白い小説であろうという感想を持ちました。 | ||||
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『ストリート・キッズ』から始まるニール・ケアリーシリーズ同様、作者ドン・ウィンズロウの構想力が光る。一場面一場面に長い筆を割かず、端的に時間の流れを追っていく作品なので、非常にスリルのある編年体の物語(クロニクル)になりえている。 惜しむらくは、訳文が読みにくいこと。下巻での若干の誤字脱字や、主語と述語の非対応には目をつぶるとしても、一貫して文末が直訳で現在形なのはいただけない。叙述のトリックを用いる場合などを除けば、日本語の文では、現在のことでも過去の助動詞などを用いていかないと単調な文体になる。『ボビーZの気怠く優雅な人生』でも同様のことを感じたので、訳者のこだわりなのはよくわかる。しかし本作の場合、特に作品の語りだしから比較すると過去のことを述べている場面が多いので、原文どおりの時制で直訳するのではなく、時制の点では多少意訳してもらってもよかっただろう。 とはいえ、長編を読ませる力のあるミステリーに乏しい昨今、読んでいて飽きさせない作品なのは間違いない。文体が気にならない、あるいは好みにあう方なら、★5つ分の価値は十二分にあるだろう。 | ||||
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ウィンズロウの訳本は全て読んでいると思います。 最新刊が出て、評価もすこぶる高いので期待して購入しました。 結果、私の知らなかった「影のアメリカ史」が多少なりと理解できたことは収穫でしたが「一冊の本として好きか?」と問われれば複雑な気がします。 この手の作風、テーマ、表現をされる書き手の方は、沢山いらっしゃると思います。 面白いのは間違いないのですが、個人的にこの作家に期待している部分があまり見えませんでした。 次作も決定していますし、今度は「私の好きな」ウィンズロウを読める事を期待しています。 | ||||
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こちらの評判がとても良いので、購入してみました。 が、、、なんとも読みづらく、しばらくねばった挙句、読み進めるのを断念しました。 どこが、名訳なのでしょうか。翻訳独特の回りくどい表現がいくつもあり、 読むのがめんどくさくなりました。すみません。 初めから、原書を読めばよかったです。 みなさんがおっしゃる通り、きっとストーリー自体は面白いんだろうから、願いを込めて星ひとつ。 | ||||
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米国の大沢在昌、マイケル・スレイドばりの血みどろ。この作者はこんな作風?下巻が楽しみ。 | ||||
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昨年、渡米した折り、書店で偶然見つけ、ウィンズローの名前に懐かしさを思いだし購入してまさに一気読みでした。原書でもそれ程難解な表現は有りませんので読み易いかと思います。今回、翻訳されたのを再読しましたが、また、あの時の興奮が甦りましたね。訳が素晴らしい。とてもテンポよく分かり易い。最近、フィクションものに疲れて、エッセイやノンフィクションものに逃げていましたが、こういう作品がでてくると、止められませんねー。ジェームスエルロイが激賞したのも唸づけます。次回作にも期待したいものです。 | ||||
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タイトルの『犬の力』。 本文内で明確な説明はされないものの、非常に印象的にこの言葉が使われています。 それは、人間の心奥深くにある狂気に似た感情を暗示していると私は感じました。 麻薬捜査官であるケラー、権力に取りつかれたバレーラ兄弟、 ささいなきっかけから暗殺者となったカラン。 十数人にも及ぶ登場人物たちは、初めこそ自分の信念に基づいた生き方をしていますが、 年を経るにつれ、自分の過去と自分の中の狂気に支配された人生をいつしか歩み始めています。 アメリカ、南米の麻薬戦争に絡む史実は事実に基づき、 その裏で暗躍するフィクションの登場人物たち。 リアリズムとフィクションが見事に融和し、その世界観にどっぷりとはまらせてくれます。 「ミレニアム」やトム・ロブ・スミスの「チャイルド44」なども読み応え十分でしたが、 当初はそれを凌駕する出来のハードボイルド小説でした。 | ||||
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その作風から“アメリカ文学界の狂犬”とも呼ばれているLA4部作で有名な暗黒小説の大家ジェイムズ・エルロイにして「この30年で最高の犯罪小説だ」と言わしめた、ドン・ウィンズロウの、30年にわたる麻薬戦争を描いた入魂の大長編。 血みどろの麻薬戦争に巻き込まれたDEA(麻薬取締局)のエージェント、ドラッグの密売人たち、高級コールガール、殺し屋、そして司祭。戦火は南米のジャングルからカリフォルニアとメキシコの国境地帯へと達し、’75年から’04年までの約30年にわたって苛烈な地獄絵図を描く。 本書は、麻薬カルテルの密輸の実態、組織化、陰謀、暴力抗争、政治的暗躍と権力との癒着、それにともなう政治・官憲の腐敗と、復讐、暗殺、そしてそれらに立ち向かう正義、人々の愛憎、何よりもまして裏切りにつぐ裏切りの構図のそれぞれを余すところなく、史実をまぶしながらもあぶりだしている。 それにしても激しい小説である。私はウィンズロウの作品を読んだのはこれが初めてだが、巻頭の「主な登場人物」が次々と殺されてゆき、血塗られた抗争の果てに生き残って微笑むのは誰か・・・、ウィンズロウの現在形・言い切り型のハードな文章に臨場感をあおられて、文庫上・下巻にして1041ページの厚さにもかかわらず、最後の最後まで目が離せず一気読みしてしまった。 本書はまさに、ウィンズロウが渾身をこめた、読み応え満点の一大サーガである。 | ||||
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ドン・ウィンズロウをご存知の方はどのくらいいるのでしょうか?私は15年前ニール・ケアリーシリーズが好きだったのでが、必ずしも多作の作家とはいえないウィンズロウの作品がもっと読みたい!と地団太を踏んだものでした。今回は偶然書店で本書を発見、作者名を見て即買いしました。上下巻、約1000頁まさに徹夜本です。舞台は、メキシコ麻薬戦争の30年間なのですが、頁数と風呂敷の大きさを全く感じさせないウィンズロウの筆力は15年前から全く衰えていませんでした。知らないうちに何冊か邦訳されているようなのでそちらの方もチェックしておきたいところです。 | ||||
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メキシコの麻薬カルテル撲滅に執念を燃やすDEAの特別捜査官 アート・ケラー、ボクシングのマネージャで、麻薬カルテルの親玉の甥 アダン・バレーラ、友の命をすくったためにマフィアの一員となったニューヨークヘルズキッチン出身 ショーン・カラン、高級娼婦としてスカウトされたカリフォルニア娘 ノーラ・ヘイデン 本作品は、麻薬犯罪を核とした、彼らの1975年から30年にわたる戦いの歴史だ。彼らがあるときは、敵になり、あるときは味方になり、血で血を洗う抗争劇、復讐劇を演じる。めくるめく膨大な情報量の提示によって、フィクションとは思えない真実味を出してる。が、個性的、魅力的な登場人物(これがとても多い!)が縦糸、横糸のようにからまって、彼らの愛憎劇がおりこまれているため、殺伐とだけはしてはいない。 それぞれの視点で、あちこちに、クライマックスが用意されており、誰に肩入れすることなく、そのときの視点から手に汗握ることができるのも嬉しい。なにか得した気分。 個人的には、ニール・ケアリーシリーズ(もちろんこれも良いが)より、「ボビーZの気怠く優雅な人生」、「カリフォルニアの炎」が好きなので、大満足。読む本が沢山つんであっても、ついつい優先順位をあげてしまう、ウインズロウはそんな作家なんだなぁ | ||||
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一気に読みました。正確に言うと、途中、家人の世話に手が離せなくなり、かといって、先が気になるのでちびちび読み進められず。意を決して一時中断し、一週間後に再開。最後のページまで一気に読みました。はあっ。すごいスピード感。裏切りに継ぐ裏切り。登場人物のみならず読者も何度も裏切られ、そこまでやるかと己の甘さに気付き、それが快感に。それなのになぜか、すべての登場人物たちに(悪党ですら)憎みきれないものがある。そして、ああ、この人だけは最後まで生き延びて、と思わず祈ってしまうほど感情移入。わが国でも、この夏薬物汚染が巷を騒がせたせいもあって、作品の世界がリアルに思えてくる。計算されつくした展開と、磨きぬかれた訳。ほんとに元は英語なの?と思うほど見事な日本語です。シルヴァーウィークにふさわしいゴールデンコンビの世界。 | ||||
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今まで、この作家の本は一冊も読んでいない。 題名も変な題名だし、単に裏表紙の粗筋に引かれて購入。 今、上巻を読み終えたばかり。通常は面白い本だと、3〜4日で読了するのだが、 本作に関しては、今すぐ、下巻に取り掛かるべきか、悩んでいる。 何故か? 面白すぎて、読み終わるのが勿体無くて、読み終わってしまったら、何時また同等の 作品に出会えるのか、不安さえ覚える! 共産主義を食い止めるための、麻薬と武器のバーターのカラクリのくだり、麻薬捜査官の 拉致殺害を巡る暗闘のくだり、なんかページをめくる手が止まりませんでした。 マフィアの殺し屋カランの話も、これだけで別に一作書いて欲しいくらい。 まだ、上巻を読了しただけだが、読感としては、昔むさぼり読んだ<ゴッドファーザー>の 近代版、あるいは傑作<警察署長>の趣きか... 今年読んだ中では[ミレニアム]に並ぶ、興奮本! あっちは北欧のバイオレンス、こっちはメキシコを含む北米のバイオレンス。 今年のミステリー賞レースは難しくなった。(でもミレニアムは全部で6冊、 おまけに作家がすでに死去ゆえ、一位はしょうがないか...) 翻訳も素晴らしいというか、流石というか、入り組んだ話で、登場人物も多数なんだが、 誰が喋っているのか、的確に分かる。 雑誌の評論なんかを書いている人は、締め切りに追われて、どんなに面白い本でも 速読せねばならないらしいが、本書をそうせざるを得ないとしたら、悲劇だな。 | ||||
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ウィンズロウは「ニール・ケアリー」シリーズしか読んだことがなかったのですが、鳴り物入りな帯に惹かれて手に取ってみました。 あまり血なまぐさい系は得意じゃないので、読み進めるのがつらくなるような場面もありましたが、それより何より、先がどうなるのかのほうが気になって引きずられるように読了(生活ペースがだいぶ乱されました・・・)。 あちこちに迷走しているようで、最後の一点に向かって集約していく筆力、やっぱりウィンズロウはスゴイ。最後の章を読み終わったら、ばーっと鳥肌が。 話題作でも、話を広げておいて、最後が肩すかしに終わってガッカリさせられるものが多い中、これは満足度大です。 | ||||
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