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1Q84
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1Q84の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全986件 341~360 18/50ページ
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Book1,2,3とも発売当初に読んでしまっていたのだが、今般ゆっくりと再読。 初読時にはBook1,2が同時発売で、Book2で終結すると思っていたので 本書の後半はストーリーを追いたくて、だいぶ読み飛ばしてしまっていた。 時を置いて再読することにより改めて、本作品は章立ての文字通り 「青豆」と「天吾」の物語として再読でき、また映画の画面構成のように 二つの物語が並行する緊張感と、異世界のスリリングさを体験できている。 この大著のメインキーワードはもちろんリトル・ピープルであり、 「リトル・ピープルが何ものかを正確に知るものは、おそらく どこにもいない(p241)」と書いてはあるものの、この中盤、 そのヒントがないわけではない。青豆の決断のシーンはおそらく 本作品を貫くクライマックスであるが、その場に「暗い獣たちと精霊が その入り口を囲んでいた(p292)」とある。明確なビッグ・ブラザーに 対峙する存在としてのリトル・ピープルの解釈に、これからも 私たちは(作者のイスラエルでの講演内容も足掛かりとして) 真摯に向き合うべき対象として頭を悩ませていくのだろう。 前に述べたように、異世界を舞台にした作品ではある。 しかしその世界は単なるヴァーチャルな疑似世界ではない。 その世界でも人は傷つき、死に至る。 前にいた本来の「その世界はもうない(p292)」のだ。 その世界の中で、作者の分身は「これからこの世界で生きていくのだ (p500)」と心に決める。これはおそらく「私の作った言葉(p249)」が 世界の写し絵のみならず、まぎれもなくその一部であることの自覚と その主張を我がものとして受け入れる覚悟である。まさに「心から一歩も 外に出ないものごとなんて、この世界には存在しない(P250)」のだ。 | ||||
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面白いと言われている話題の本なので、期待しながら3冊あっという間に読んだのだが… 途中から面倒臭くなってきて… 「なんだ、このつまらない終わり方。読んで損した。」そんな気分になった。 どうしてこんなに評価が高いのか?どうしてこんなに売れているのか? 理解し難い…。 | ||||
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BOOK1,2,3とも発売当初に読んでしまっていたのだが今般ゆっくりと再読。 最初に読んだ時には、あまりにそれとわかる宗教団体の描写に、 社会的に大丈夫か?と無駄な心配をしたりしていたが、 時を置いて再読することにより、ようやく文字通り 「青豆」と「天吾」の物語として読むことができている。 BOOK3までもう一度読み終えてから、この部分は語りたい。 この大著のメインキーワードはもちろんリトル・ピープルなのだが 本書BOOK 1にて既にその答えは一部明かされている。 「リトル・ピープルは目に見えない存在だ。(中略)しかしそいつは 着実に我々の足元を掘り崩していくようだ。(P422)」 3/11とその後のごたごたを見る限り、日本にはまるで 1Q84の世界の如くリトル・ピープルが跳梁跋扈しているようだ。 それがイコール○○だ、と紋切り型に喝破できるのであれば、 氏はこんな大著を記したりはしない。それを判りにくい、 答えが出ていないという声を上げるのはお門違いというものであろう。 冒頭から相変わらずの村上節で、決して取っ付き易い作品ではない。 しかし今、日本の外で暮らし分かったことは、書店にまともに 何作品も並ぶ日本の作家は氏だけだということだ。 長い作家生活の中で、少しずつその作品世界は広がっている。 それを心地よく思わない昔からの読者も多いであろう。しかし 「何はともあれ、私はこの人生を生きていくしかない(p443)」 という地に足をつけた決意は、世界の人たちも待ち続ける、 確かな歩みが続いていることの何よりの証だ。 | ||||
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こんなに、読んだ後に内容がどうだったか覚えていない小説も数少ない。面白く読み終わるんですけど、なあんにも残りません。良かったよではなく、まあその時間つぶしには悪くないというかなんなんでしょう。これだけの長編を読ませておいて、なあんにもないというのはあんまりじゃありませんか。村上マジックに手玉にされてる嫌な感じです。 | ||||
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子供は親を選べないし、牛河さんの容姿が醜いのは、運が悪かったとしか言えない。確かに、作家の牛河さんの描写はいささか残酷だけど、牛河本人は、はたして、自分を「残念な人」と見ていたのであろうか?牛河本人が劣等感を持っていたであろうか?劣等感を持っている人間に、読者がひきつけられるであろうか?彼は自分の醜い容姿をそのまま受け入れているように思う。ただ、彼は、好奇心が強すぎる。森の奥に入りすぎたため、殺されてしまった。タマルによって殺されてしまったが、タマルが殺さなくても牛河は死ぬべき人間だったように思う。 牛河を「死」へ導いたものは彼自身の「好奇心」であろう。 事実、牛河は、天吾の母親の秘密を知ってしまった。天吾の父が墓場まで持って行った”秘密”を。 しかし、牛河はその秘密を誰にも言わず、死ぬ。 BOOK3終わりでは、とりあえず青豆と天吾のハッピーエンド。 でも、 ・天吾が書いている小説 ・青豆のお腹の子ども が気になる とりあえず月がひとつの世界に戻ってきたが、作者はしかるべきときに4を出版する? 私は、最近3冊いっき読みしたが、BOOK2でとりあえず終了した作品に続編3が出たとのこと。 いや、2や3で終わるはずがない。 これは作者の読者に対する計画的犯罪のような気がする。 それとも、好奇心はこの辺でおしまいってこと?! | ||||
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最近実用書しか読まないので久しぶりに文学的なものを期待して 尚且つベストセラーな気軽に読める本をと、かなり期待して手に取りました。 読み始めはヤナーチェックなど聞いたことが無い音楽の不思議な雰囲気の感じと少女が著した本の題名に 牽引されるかのように読み始めました。 でも出てくる登場人物がどの人物もまるでがっかりするような設定で思わず読むのを止めようかと思いましたが 後でどうしてなのか訳がわかってきてホッとしました。 中盤からは緩やかな坂がだんだん急になってきて目が離せなくなってきますので すらすら展開が開けて話しが面白くなってきます。 そしてあと数ページで読み終わるところで一瞬で怖くなるような数行の描写で 急に背筋が凍ったのは私だけでしょうか。 性描写については読んでてかいつまんだように出てきてかなり不快感は否めませんが、けだるい感じは良く伝わってきます。 帯紙に異世界、現代的エロスとかそのあたりの記載があれば最初から読むときにギャップは防げたのかも。 | ||||
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村上春樹の熱心な読者とは言えない自分だが、この1Q84はのめり込むように読んでしまった。BOOK 2は、BOOK 1の前提や世界観の説明臭さも影を潜め、より率直にストーリーが展開し、引きずり込まれた。 特にこのBOOK 2は、BOOK 1で多用された性描写(まぁ、他の小説に比べてみればたいしたことないけど...)も少なくなり、よりストレートな展開だったので集中して読めた。 ふかえりが象徴する不可思議な出来事が、10歳の時に運命的な出会いをしながら、決して交わることのないように思えた天吾と青豆の人生を再び交えようとするところなんて、最後のページまでドキドキして読み進めてしまった。 この作品は、近年稀に見るような圧倒的なベストセラーでありながら、他の村上春樹作品ほど評価を受けていないように感じられるが、久しぶりに村上春樹の単行本を読む私には、改めて、村上春樹のストーリーテリングや描写の巧者ぶりを再認識させられる作品だった。 次は、BOOK 3。久しぶりに徹夜してでも読みたい本だ。 | ||||
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実は、村上春樹自体はあまり読んでいない。というのも私が80年代に学生時代を過ごしていた時から、ネコも杓子も村上春樹ばっかりだったので、天邪鬼な私はいつしか離れてしまっていた。でも、やっぱりスゴイ。 『ノルウェイの森』以降、単行本を買って読むのを止めてしまった自分だけど、彼が翻訳した本とか雑誌に掲載された文章は読んでいる。結構、好みの文章を書くとは思っていたけど、今回も良かったなぁ。やっぱり食わず嫌いはダメだね。ベストセラーでも、いいものはいいんだ、と改めて反省した。 小説の中身も、実は私好み。まだ、この第1巻ではパラレルワールドっぽい設定やメタ・フィクションっぽい話も垣間見えるだけで、全てが明らかにされているわけではないし、天吾、青豆、ふかえりといった主人公たちの関係がどうなるかも分からないけど、読むのが止められないぐらい面白かった。 どこか、ピンチョンの小説を思わすところも私好み。第2巻、第3巻も続けて読もう。 | ||||
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どうしようもないレビューばかりに呆れて、書かざるえません。 売れると、どうしても叩かれやすい。 結論から言うと、私は、長編短編、全ての村上作品を読みましたが、この作品は、集大成と言ってもよいくらい素晴らしい出来だと思います。 これが村上春樹の世界なのです。 もしも、この本のレビューで星1つだとすれば、はっきり言ってどうしようもない人間です。 ただのアンチか、本気で言っているんだとすれば、病気でしょうね。 その人には、評価する能力がないと思う。じゃあ、逆にどんな本が、どんな文章が素晴らしいのか質問したくなります。 プロ野球の「イチロー」を否定するようなものです。 ボール球でも手を出すとか、足が速いだけだとか…。 ひいき目に見ないでも、最低でも星3つにするべき本であることは間違いありません。 | ||||
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今この瞬間に読了を終えました。 完璧な読了感。 この本に出会えた事 村上春樹氏はもちろん いろんな人や出来事に感謝したい気持ちで溢れています。 ミステリーのように 三者(あるいは二者)が追い追われて 物語が巡り会うまでの心地よいスピード感。 ぐっと引き込んでくれます。 かつての「僕」一人称の作風とはちがって 明快でシンプルな印象を受けました。 その作品は 時に謎を多く残したまま物語が終わってしまうことも多々ありました。 今回は 思うにそれぞれの物語を余す事無く書く事で ちゃんと収束に向うように構成したのかとも思います。 すべてを読み終えた後では既に遅いのですが 仮に 天吾の章だけを読み進めていけば 青豆は ミステリアスだけれど説得力のあるヒロインとして浮かび上がってきたのじゃないかと思います。 往年の名作たちのように。 | ||||
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村上春樹さんのファンです。既刊の小説は全て読んでいます。 村上さんの小説には答えが書いておらず、村上春樹のみぞ知るその答えを読者がおのおの想像していくのも醍醐味のひとつです。 しかし、カフカ辺りから、なんとなく思うようになりました。 『あれ?村上春樹って実はなんにも考えてないんじゃね?ただ思いついたままに不思議っぽい作り話だけ書きつらねて雰囲気つくれば、辻褄合わせなくても裏も意味もなんにもなくても、あとは勝手に読者があれやこれや想像してくれるからそれでいっか…みたいな。そんな感じじゃね?』 …と。 今回の作品はそれが顕著にあらわれているように感じました。 | ||||
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村上春樹が1Q84のBook4があり得るかもしれないとコメントした、というニュースを聞いて愕然としました。 書かないつもりだったのか...と。 今までの村上作品から考えても、私にはこれで完結しているとは思えません。 謎が残っているとか、人物の活躍が不十分だとか言っているのではありません。全部が解決し大団円になる作品なんてこれまでもなかったのだし。 けれど、これまでの主人公は皆、おかしな現象や周りのたくらみや自らの冒険から出る想いを深く沈殿させ、その上澄みを丁寧にすくって、清明なのか白濁しているのかわからない独特の世界を見せてくれていた。でもBook4の主人公2人が、そこまでの深み、軽みを見せてくれているようには思えません。言うなればまだ世界を攪拌中ではないか。 何年かたったら、たぶんこの作品は作家にとって重要な転換点だったと考えている自分がいるような気がするのですが... ただ、今の時点、Book4でなくても、別の長編であってもいいから「村上春樹のこの先」が見えない時点では、過去の作品との比較だけで劣ると考えざるを得ません。 早く「転換点だった」と振り返ることのできる「この先」を見せてください。未読の方は、それを待ってから読んでも十分だと思います。 | ||||
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主人公の二人の純愛を描くために、このようなグロテスクかつ大げさな世界観が必要なのか?と疑問に思う。むしろ、そのようなテーマではここまでしないかぎり、ベストセラーという商業的成功をおさめることができない、とみるべきだろう。 唯一まともな精神を持っているように感じたのはBOOK3で主役の一人に抜擢される牛河である。その彼にしてみても、容姿が醜いというだけで酷い扱われようで、唖然とした。天呉が不倫相手と連絡が取れなくなった理由を、妄想によって、牛河(組織)のせいだと思い込み、彼に詰め寄るシーンは、哀れでしょうがない。まともに考えれば旦那にばれただけなに。また、その牛河が迎える結末は特に酷い。 また、小説としても破綻している箇所があるように思います。ふかえりの父である深田保とさきがけのリーダーは同一人物のはずだが、どうも一致しない。確かセンセイと同じ大学・学部の学者だったはずなのに、暗殺のシーンでは異形の者として描写されています。いつのまにそうなったのでしょうか?そういう記述が見当たらない気がするのですけど、、、。 ただし、色んな視点で読めそうな小説なので、自分が気づいていない可能性にかけて☆二つです。 | ||||
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主人公の二人の純愛を描くために、このようなグロテスクかつ大げさな世界観が必要なのか?と疑問に思う。むしろ、そのようなテーマではここまでしないかぎり、ベストセラーという商業的成功をおさめることができない、とみるべきだろう。 唯一まともな精神を持っているように感じたのはBOOK3で主役の一人に抜擢される牛河である。その彼にしてみても、容姿が醜いというだけで酷い扱われようで、唖然とした。天呉が不倫相手と連絡が取れなくなった理由を、妄想によって、牛河(組織)のせいだと思い込み、彼に詰め寄るシーンは、哀れでしょうがない。まともに考えれば旦那にばれただけなに。また、その牛河が迎える結末は特に酷い。 また、小説としても破綻している箇所があるように思います。ふかえりの父である深田保とさきがけのリーダーは同一人物のはずだが、どうも一致しない。確かセンセイと同じ大学・学部の学者だったはずなのに、暗殺のシーンでは異形の者として描写されています。いつのまにそうなったのでしょうか?そういう記述が見当たらない気がするのですけど、、、。 ただし、色んな視点で読めそうな小説なので、自分が気づいていない可能性にかけて☆二つです。 | ||||
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主人公の二人の純愛を描くために、このようなグロテスクかつ大げさな世界観が必要なのか?と疑問に思う。むしろ、そのようなテーマではここまでしないかぎり、ベストセラーという商業的成功をおさめることができない、とみるべきだろう。 唯一まともな精神を持っているように感じたのはBOOK3で主役の一人に抜擢される牛河である。その彼にしてみても、容姿が醜いというだけで酷い扱われようで、唖然とした。天呉が不倫相手と連絡が取れなくなった理由を、妄想によって、牛河(組織)のせいだと思い込み、彼に詰め寄るシーンは、哀れでしょうがない。まともに考えれば旦那にばれただけなに。また、その牛河が迎える結末は特に酷い。 また、小説としても破綻している箇所があるように思います。ふかえりの父である深田保とさきがけのリーダーは同一人物のはずだが、どうも一致しない。確かセンセイと同じ大学・学部の学者だったはずなのに、暗殺のシーンでは異形の者として描写されています。いつのまにそうなったのでしょうか?そういう記述が見当たらない気がするのですけど、、、。 ただし、色んな視点で読めそうな小説なので、自分が気づいていない可能性にかけて☆二つです。 | ||||
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それで・・・どうなるの?って感じ。 BOOK4が出るの? 「ノルウェーの森」で初めて村上春樹を体験して、とてもおもしろく読ませてもらったので、その勢いで読んだけど、長かった割には展開が乏しい気がします。 頭の中で音楽が鳴らないし、残念な感じでした。 | ||||
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理科の実験のとき天悟が青豆に助けの手を差し伸べたことがきっかけだった。 ほかには誰もいない教室で天悟の手を握りしめながら、その少女は天悟の顔をまっすぐ見ていた。 そう、そこには月があった。まだ夕暮れには間があったが、そこには月がぽっかりと浮かんでいた。 三日目の夜に、山羊が大きく口を開けた。そしてそこから小さな人々がぞろぞろと出てきた。 『白雪姫と七人のコビトたち』みたいだ、と少女は思った。 私はたぶん、ふかえりと天悟がこしらえた「反リトル・ピープル的モーメント」の通路に引き込まれてしまったのだ。 そのモーメントが私をこちら側に運んできた。 青豆はまわりを見回した。つまり、私は天悟の立ち上げた物語の中にいることになる、と青豆は思う。 1984年も1Q84年も、原理的には同じ成り立ちのものだ。君が世界を信じなければ、またそこに愛がなければ、 すべてはまがい物に過ぎない。 天悟くんは今に至るまで君以外の女性を誰一人、心から愛したことはない。それは疑う余地のない事実だ。 | ||||
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ここにいることは私自身の主体的な意思でもあるのだ。 彼女はそう確信する。 そして私がここにいる理由ははっきりしている。理由はたったひとつしかない。 天悟と巡り合い、結びつくこと、それが私がこの世界に存在する理由だ。いや、逆の見方をすれば、 それがこの世界が私の中に存在している唯一の理由だ。あるいはそれは合わせ鏡のようにどもまでも反復 されていくパラドックスなのかもしれない。この世界に私が含まれ、私自身の中にこの世界が含まれている。 私たち二人の意思がひとつになり、この入り組んだ物語を立ち上げ、進行させている。 それはおそらくどこか深い見えないところで行われている作業なのだろう。 だから顔を合わすことがなくても、私たちはひとつに結びついていられる。私たちが物語をつくり、その一方で物語が私たちを 動かしていく。 あれ以来、おれが彼女のことをずっと思い続けていたのと同じように、彼女もおれのことを考えていた。 それは天悟には信じがたいことに思えた。この動きの激しい迷宮にも似た世界にあって、一度も 顔を合わせることもなく、人と人の心が変わることなくひとつに結びあわされてきたということが。 ここを去ることにとくに心残りはない。・・・青豆が一緒にどこかに移動したいというのであれば、 迷いなく行動を共にすることができる。 何があっても、どんなことをしても、私の力でそれを本物にしなくてはならない。いや、私と天悟くんとの二人の力で、 それを本物にしなくてはならない。 | ||||
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まだbook2、book3は読んでいません。 このbook1のみの感想です。 かなり有名な本なのでさぞ面白いのだろうと期待して 読みました。 そしてがっかりしました。 話がなかなか進まず、物語の展開に関係のない (もしかしたらこれから関係が出てくるのかもしれませんが) 描写や比喩、情景の説明、セックスシーンなどがだらだら 描かれていて退屈だと思ったからです。 さくさく進む話が好きなので、 この著者の方の書き方が私にはなじまないんだと思います。 途中で読むのをやめようと思いましたが、 ここまで人気なのだからもったいないと思い読み続け、 そしてbook1の最後の方でやっと物語の続きが気になり始めました。 2と3は読まないでいいかと思っていましたが、 1を読み終えて続きを気になる気持ちがますます強くなったので この物語最後まで読もうと思います。 ということで評価は後半にさしかかるまで☆1でしたが 読み終えた今は、続きがかなり気になるので☆3にします。 | ||||
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今更ながらbook3を読了。 別な世界に迷い込んで、 現実には起こりえないと思えるようなことが自分の身に降りかかり、 それが起きた理由は説明できない。むしろ、意味などはじめから存在していない。 人の身に降りかかることすべてに、意味があるのが当り前のように思いがちだけど、 そんなわけないじゃない。 個人的には他の村上春樹さんの作品を読んで感じるのはそんなことが多いが、 これもまさにそう。 むしろbook2で終わっていてもそれは作品としてありだと思っていた。 しかしあえてbook3を出され、少しでも読者に対して謎を残さないように配慮されたのではないかと思えるほどでした。 これはネタバレになってしまうのかもしれないけど、 個人的にはハッピーエンドで話が完結しているようにみえて、 少々驚いています。 もっと何か、すっきりしたのかしないのかわからないような感じになるのかと思っていたので、意外に思っています。 明るい未来がイメージできるような結末は私は好きなので、 ★5つにしました。 長編ですが、どの作品もそうですが、これも読み込む価値はあると思う。 | ||||
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