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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全470件 301~320 16/24ページ
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初期の作品のような、輝きや疾走感はない。しかし年齢に応じてスタイルが変わって行くのは当然のことだろう。若いときには若いときにしか書けない作品があり、25年目には25年目なりの作品がある、それでいいと思う。たしかに、かつて、夢中になってむさぼり読んだ、悲しく、美しく、ユーモアにあふれ、時に泣きたくなるような、愛すべき「僕」の繰り広げる世界観のインパクトの強さから、抜け出すのは容易なことでないが…。 | ||||
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深夜から夜明けまでを舞台設定とした着想は確かに面白い。終電から始発までの東京の街はある意味では「異界」だ。「海辺のカフカ」で図書館がそうであったように、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」で壁で囲まれた世界がそうであり「羊をめぐる冒険」で北海道の別荘がそうであり「ノルウェイの森」で阿美寮がそうであったかのように。。しかし深夜から夜明けまでという短時間の時間設定をしてしまったことで、確かに物語は重層的には流れるが、この小説は何か読み足りなさを後に残す。登場人物の絡み・深みといった味わいを読者は手に入れることが結局出来ない。高橋の語り口調だけが昔の村上春樹の主人公の語りを留めている。しかしそれも深夜の「異界」の風景にはなぜか馴染まない。帯には「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹・・・とあるが、村上春樹はこれからどこかへ向かって行けるのだろうか、とふと思ってしまう。 | ||||
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舞台は東京、深夜。ジャズをBGMにマリの世界を中心としていくつかの世界が交差していく。ここまできても、なお、新しい方向に挑戦しようという著者の姿勢には感服します。謎の投げっぱなし、豊富な知識、人生観など著者の持つ世界の構築方法、村上春樹流をそのままに新しい視点、新しい感覚で世界を見せてくれました。並列に物語が進行するストーリーは海辺のカフカ、世界の終わり~、でもありましたが、より自由に、より軽快に世界を行き来し、交差する感覚が非常に新鮮に感じられました。ストーリーも著者の哲学が表現されていて十分に読み応えのあるものになっています。 | ||||
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いままでいろんな春樹作品を読んできましたが、これほど読後感の悪さと言ったらありませんでした。ただ、読後感が悪いのではなく、とても不愉快に感じる読後感でした。ですが、カメラ視点の私達などの部分はやっぱり春樹さんかな、ってとこもありました。 | ||||
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かなり楽しみで本を開くとき緊張すらしてしまったんですけど、読み終えると「なんかな~」という感じでした。今回は最後のほうになっても、読むスピードをゆるめて「あ~もっと読んでいたい!」とも思わず。なにより僕が村上 春樹を愛読している理由の一つである、「もっかい読みたい!」という気持ちが湧いてこなかったのです。 でも他の方が書いているとおり、さすがは村上 春樹。読み疲れすることなくお茶ずけのように、さらさらいってしまいました。 それに、新しいことに挑戦する人は尊敬しちゃいます。今回一番効果的で感心したのアナログ時計の絵でしたね。 | ||||
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当然というか突然に変わって「湿度と密度の会話」が変わってしまったという感じです。作者が感じたあのとき「時代」の夜というイメージは伝わったけれども「村上マニアの方々」には納得行かないかもと思いました。でも今の子供たち=80年代以降の若者に向け青春教訓ともなる教科書というか転ばぬ先の「知的会話ナンパ本」かも、ほんとに繰り返す。。人生本当につまらないということが繰り返されているということが本当に分かる傑作かも。 | ||||
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サスペンスじこみかと読み始めました。最後までマスクの男性は誰だったか、何を意味しているかは明かされずそれぞれいろいろな見方ができるのでしょうが、結局それぞれのソースにあまり関連性がなく、全体として都市に住む悩める人間の「きょうの出来事」で終わってしまった感があります。 | ||||
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主人公姉妹は「眠り」を通じて何を示しているのか。眠りの姉は「死」を眠れぬ妹は「生」を映し出しているようにみえる。それは村上氏の「ノルウェイの森」を彷彿とさせることでしょう。直子の「死」、緑の「生」。直子は緑の茂る森で「死に」緑は生きている。「アフターダーク」では暗闇の中に同じく目を凝らして見える人間のもつ「生」と「死」が隠されているように感じます。 | ||||
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村上春樹さんの作品は大好きで、翻訳ものは全く読んでいませんが、[約束された場所で]以外の作品はすべて読んできました。村上さんのファンなら当たり前だと思いますが、今までに同じ作品を何度も読み返しています。今年になってもノルウェーの森、ダンスダンスダンス、羊をめぐる冒険を読み返しました。最も好きな作家であり、尊敬する作家です。新作が出るととにかく真っ先に買ってしまいます。・・ただ読み方が悪いせいか、今回の作品は面白いことは面白かったですが何か物足りなさを感じました。村上さんの切れは随所に見られるような気がしましたがストレスがたまったまま終わりました。・・・でも、村上さんの作品は次回も必ず買いますが、今回の作品はあえて読み返したくはないかなって言う感じでした。すみません。 | ||||
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ハルキさんの新刊だ!と喜んで読んだものの・・・。姉に、人間関係に、少しコンプレックスを持つ女の子と、眠り続ける姉。そして姉妹を知る青年と、深夜のラブホテルで起こった事件…。たった一晩の物語を、読んでいる私たちは、映画のカメラが撮影するような感じで追っていきます。お話はテンポがよくて、読みやすくて、わかりやすいんだけど、ハルキさん独特の情緒的で説明的な長い文ではなくて、一文、一文がとても短い感じ。ハルキさんの小説を読み終わった後の、なんともいえない達成感が今回は感じられず残念でした。ハルキさんの本だと思わなければそれなりに面白かったかも…。 | ||||
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ひとことでいって「唖然」ストーリーはどの人物からしても中途半端。「落ち」がない。「ヤマ」もない。相変わらずちょっとズレを感じる固有名詞の羅列。村上風の舞台道具、登場人物、彼らの言い回し。少し不自然な電子辞書が書き上げたような文体。「眠り」「TV」「記憶」‥そして極めつけの「こちらがわと向こうがわ」それでも村上流のブラックボックスから何かを紡ぎ出して輝かせることはもはや不可能。でも一番気になるのは、そういうところを彼が「狙って」書いているのか、ホントにマジメに書いているのか、よくわからなくなってしまったこと。村上を全く読んでいないヒトはこの本を読んでどんな感想を持つのだろうか。馳星周ばりのチャイニーズマフィアの物語か19歳の少女の自立までの物語か、「リング」の二番煎じか、若者の風俗はこんなに乱れとるという警告か、眠り続ける姉の心理分析か。村上さんーあなたは本当は何を感じ、何を伝えたいのですか。僕にはまったくわからなくなってしまいました。で「唖然」デビュー以来、村上春樹はリアルタイムで「僕の作家」でした。だから彼が何を伝えたいのかーなんて考えながら読むのなんてしたことはなかった。素直にすんなり、すべて受け入れられた。でもこれはもしかすると「踏み絵」になるかもしれない。ちょっと悲しい気がします。 | ||||
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デヴィッド・フィンチャーばりのカメラワークを思わせる文体にまずびっくり。馴染みのない文体はぎこちなく細切れのエピソードを繋いで行くが、エピソード自体は今までの村上春樹らしく魅力的な会話と文章で成り立っている。全体のトーンは「神の子供達はみな踊る」に近い。同じように現実の社会に対するコミットメントと圧倒的な暴力の匂いがある。しかし、読了した後の気分は短編集とは対照的に明るく、救いがあるように感じられた。小説の内容は現代都市のスケッチのようなものである。それはそこに生活する人間の姿を通して語られ、時にその内面にまで踏み込むものになっている。特徴的なカメラ目線で客観的に語られるスケッチは幾重にも重ねられ、最終的にある世界観を浮かび上がらせている。それは小説の冒頭で描写される得体の知れない生き物としての「都市」であり、高橋の話に出て来る深海の巨大なタコのような「社会」の姿である。これまで綿谷ノボルやジョニー・ウォーカーという形で繰り返し語られてきたものが、今回はキャラクターではなく小説全体で語られる概念として提示されている。当然のごとく物語には起承転結も勧善懲悪もない。読者サービスという点からは物足りないかもしれないが、自分としては結構面白く読むことが出来た。「語り口」で語る氏の面目躍如とでも言うべき問題作である。 | ||||
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まるである種のオムニパス映画をみているかのような感覚にすらなる(やはり春樹さんの意欲的な挑戦と見るべきでしょうね)文体。あまり読者としての視点を文章によって固定されてしまうと、私個人としては少々窮屈さを覚えます。そして「世界の終わり…」「ダンス…」などの古典的(!)春樹節を懐かしんでしまうのです。一方で、誰しもの心の中に潜む等身大の悪や暴力に対する警鐘は、強いメッセージ性と説得力をもって伝わってきます。これは近年の春樹作品にみられる特徴ですよね。ひとつのところにとどまらないからこそ、村上春樹は同時代的にそして世界的に支持されつづけるのでしょう。次回作が待たれます。しかし同時代的とはいいつつも、最近の21歳は例えにワム!の片割れを出すんでしょうかね。それともまた今日本でブレーク中か…? まさかね。 | ||||
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ぐっと引き込まれて読みました。ストーリーとか題材がどうのとか、そういうものが気にならないくらい読み始めて、ぱっと物語の世界に読者を引き込む力は健在だしそれについてはますます強くなっている感じを受けました。ストーリー性のある話が好きな人には「何じゃこりゃあ!」的な印象を残すかもしれませんが物語の空気そのものを楽しみたいという人にはオススメです。 | ||||
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村上春樹という作家は、好きな人は極端に好きで、好きじゃない人は全く嫌いという作家だと思う。好きな人は、2つの世界を行き来する「訳の判らなさ」が大好きで、「どんな世界に連れて行かれるんだろう」という期待感で本を手に取り、また嫌いな人は、その「訳の判らなさ」によって不安に陥り、落ち着かなくなるから、読むのを止める。 僕もハルキストで全ての著作を読んできたが、今回は「訳が判らなさそうで、判る」お話だったと思う。だから「訳の判らなさ」を求めるハルキストにとっては、物足りなくなる訳で、もしかしたら、これまで村上春樹が嫌いだった人は、読める作品なのかな、と読後にそう思った。 物足りなかったのだが、やはり描き方は緻密で、読者を引きつける力はあった。「私たち」の視線も新鮮だった。でも、ハルキスト達は、「訳の判らない」世界に置いてけぼりされないように、読む方も緻密に、丁寧に読んでいる、つまり読者もその世界に「引きつこう」と読んでいる。そうやって気合を入れて読んでいるんだから…ってやっぱり言いたくなるんだよね、今回は。 | ||||
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私は、村上作品を読むのは、これが初めてですが、凄くいい作品だと思いました。文章表現の美しさもさる事ながら、人に対する視線の優しさがいいと思いました。エリの部屋での視点の置き方も面白いとおもったし、今後をただ予感させるだけのような終わり方も余韻があってよかったと思うけどなあ…。 | ||||
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表面的になでるように読んだだけでは、こういうのもありでいいかなって思うけど。何度か読んでいくと、短すぎてもっと肉付けして欲しいなと、思うところが結構あった。主人公とはあまり関係なかったけど、テレビの中の男の意味や、中立を保つ”視点”など、何でお姉さんはおきないんだ、、、2倍くらいの長編にしても良かったんじゃないかなと思いました。でも、文章は簡潔で洗練されていて、サクサクと読めた。もしかしたら、村上さんは読者自身で自由に文章を解読して、自分なりに意味づけをしてくれ~、と思ってるのかな。ストーリーに出てくるいくつかの曲を聴きながら、文章を読むとさらに引き込まれるかも。村上さん得意の、料理上手な主人公がいなかったのが物足りなかったな。 | ||||
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数年前の現代、ちょっと不思議ちゃんたちのお話。ありきたりのようでいて、普通じゃあない。現実とフィクションの狭間に浮遊する空間に生きる登場人物たちに、自然に感情移入していく。ストーリーが無理なく読者を引込んでゆく。読後はなんとも言いようのない、ゆるーい温かな気持ちになる。 | ||||
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読む価値ありません。もう彼の感覚は現代からは取り残された遺物となっています。歳をとりすぎたってことでしょう。 | ||||
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わたしたちは現代社会という集合体のなかで、役割としてのペルソナ(仮面)をつけて生きています。ファミレスやコンビニに象徴されるような無機質で均一化された「場」では、各自の「個」は抑圧されてしまいます。マリは眠りのなかにいます。その妹で主人公の1人、エリは成人になる直前であり、彼女もまた孤立した暗い窓のない部屋という自己をもてあましています。ただしエリはまだ19歳という社会参画の手前にいる存在です。無表情だった彼女が、笑い、やがて最後に涙を流すということの意義は大きいと思いました。この小説は全体が寓話的で、メタファや配線が複雑に張りめぐらされていますが、整合性がとれていて巧みだなぁと感じました。「私たち」というの俯瞰する視点から語られるこの物語は、読みながら、ふと わたし自身もこの合わせ鏡のような劇中劇のなかの登場人物の一人ではないのか、ということを感じさせらて怖くなりました。暴力的で不条理に満ちたこの「アルファヴィル」から「逃げられない」のは、わたしもそして作者自身も もしかしたら同じなのかも知れません。巨大なこのちからから逃れ、ほんとうの自己回復が出来たのか、出来なかったのか・・・。闇のあとの薄明のかすかな光が、わずかな希望をあたえてくれますがまた夜はやってくるのです。意識と無意識という薄明。溶解していく空ろなトワイライトゾーン。孤立と絶望感のなかで、一種の福音書のように わたしはわたし個人の物語として、この小説を読み終えました。 | ||||
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