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アフターダーク



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【この小説が収録されている参考書籍】
アフターダーク
アフターダーク (講談社文庫)

アフターダークの評価: 3.47/5点 レビュー 470件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全470件 181~200 10/24ページ
No.290:
(3pt)

ちょっとだけハルキスト気分

え?どうして?
春樹にしたら、かなりストーリー性が弱い。
舞台が平面的で空間性が乏しい。
あえて、それを狙ったのか?
芝居で演じたら、面白い芝居ができそう。
落語でもいいけど。
アレンジしたら、おもしろそう。。。
とはいえ。
こちらとあちら。
春樹氏の異次元的世界観の表現。
やはり春樹は天才だ。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.289:
(4pt)

人は、他人の記憶の中にこそ生きている

 普通、人間には“眠り”と“死”はあるが、その中間の“休眠”とでも言うべき状態は存在しない。この小説は“休眠(=長い「眠り」もしくは短い「死」)”という概念を導入することで、「死」と「生」について、より意識的に考えさせてくれる小説だ。自ら休眠状態に入った、あるいは入らざるをえなかった姉エリの思い出を語る、妹マリと姉の友人高橋の会話は、故人を偲ぶ通夜の席の会話を想い起こさせる。通夜の席は、そこに本人が居ないにもかかわらず(だからこそ)、本人の存在を強く感じさせる場だ。日常は、通夜の席ほど、その人のことを深く考えることはない。そして、そのことによって、この世における存在感の希薄を感じてしまう人も数多く存在しているのだ。姉エリの人生は、周りからは一見とてもうまくいっているように見えていたが果たしてどうだったのだろうか?人は、他人の記憶の中にこそ生きているのだとしたら、姉エリの人生は、うまくいっていないどころか、続けることさえ難しかったのだ。姉の休眠を目の当たりにして不眠状態となってしまった妹マリは必死で姉との過去の記憶を手繰り寄せようとする。
 この小説が単純に読めないのは、姉エリが休眠状態に入ってしまった原因をエリ自身だけには求められないこと、そして、休眠状態に入ってしまったのが今回は“たまたま”エリだったのであり、おはちが回ってくる可能性は誰にでもある、という点だ。小説は、午前0時からたった7時間の、どこにでもありそうな都会の夜の風景を描いている。でも、そこには人を呑み込んでしまう深い裂け目、暗黒の入り口、不可抗力の闇が存在していることを、著者は客観的に切り取って我々に提示してくれる。闇の存在は深く大きいが、小説が夜明けで終わっていることは救いだろう。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.288:
(5pt)

観念的な世界を美しい日本語と斬新な構成で見事に描写。

先ほど読み終わった。
作者のテーマ(私が勝手にそう思っている)というものが、一貫してこの作品でも貫かれている。それは自者と他者、内界と下界との行き来とその断絶である。テーマとは・・ある地点における「きっかけ」からいつしか取り返しのつかない距離まで離れてしまうことへの恐怖、とでも言うのだろうか。
ファンタスティックでありながらフワフワ感はなく、構成的にも技術的にも非常にしっかりしている。他のレビュワーさんも書いているが、特筆すべきは中立的な「視点」が物語の推進者のような役割として、文章中に組み込まれていることだ。この「視点」が主体的な動きをすることにより、見事な情景描写の効果があり、このような観念的な世界をよくここまで分かりやすく立体的に表現できるものだと感心した。
また、日本語の美しさは深く印象に残った。淡々とした情景描写にこそ、日本語の美しさの真価が発揮されるのだろうか。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.287:
(4pt)

相変わらずのおもしろさ

村上春樹さんの小説は、今のところはずれがありません。
本当にすばらしい作家さんです。ノーベル文学賞受賞してほしいくらいです。
本作は、村上作品の中でも奇異だとされています。
一人称「僕」が出てこないということは珍しいことですが、
本作も間違いなく誰にも真似のできない村上作品の味がします。
色々な登場人物が出てきますが、どの人も魅力的です。
私が本作で一番好きなキャラクターは、高橋です。
彼は、頭のよい大学生で、バンドもやっていて、人並み以上の演奏ができて、その上話題が豊富で自分の言葉で会話をすることができる人で、とてもいいやつなんです。
そして、顔には傷があって、耳がちぎれています。
外見は、ともかくとして、彼のような人生に憧れます。
彼との出会いが、本書からの大きな収穫でした。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.286:
(5pt)

奇策?

私は村上春樹さんの昔の作品をある程度読んでからこの作品を読ませて頂いたのですが、この作品からは過去の作品の雰囲気とは違った印象を受けました。けれどそれが今までと違った種類だとしてもこの作品自体とても素晴らしいものであると思いましたし、文章も比較的読みやすく、また時間で区切られているなどの面白さがあり、一気に読んでしまいたくなるような作品だと思います。嫌いな方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはとても好きな作品の1つです。高校の友達に是非薦めたいと思いました。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.285:
(5pt)

奇作だが新しい

本著はとにかく議論のつきない本である。ゲーム化をすることを前提に作品を独自に解釈していくというHPの企画があったが、その時も「村上春樹という名前が無ければ、購入したかどうか疑問だ」と言わせた。最高傑作という人もいれば、駄作という人も居る。ただ、後の前述のHP企画においては前発言者はやはり何か惹きつけるといった印象を語っている。実際本書は捉えどころがない。私は最初の印象が戯曲に近いという感じだった。脚本のようである。今回の作品は東京の都市の一部分の一つの時間を切り出した。これは抽象的な意味ではなく、本書の構成が時間区切りである。場面もよく切り替わるが、この切り替わり方も独特で映画でたまに使われる編集の方法ともまた一風変わった方針である。この本は同じ時間を本とすごすつもりで、つまり深夜の始まりから夜明けまでじっくりと読んでみることができる人にすすめたい。忙しい人や、プロットや構成や意図がしっかりした本を好む人間には難しいところが多い。ところで私は本書で一番感じたのは著者の新しい切り口である。今まで"村上春樹調"と呼ばれるなにかが同質にどの本にも存在していた。今回は、それらをすべて踏まえて何かが始まったような新しさを感じることが出来た。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.284:
(5pt)

春樹ワールド

たった1晩の出来事を、得意の作風で現実と不思議世界のはざまを漂わせている作品です。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.283:
(4pt)

ねじまき鳥クロニクル

この作品には「ねじまき鳥クロニクル」をアウトラインとして書かれている箇所はいくつも見つかる。文學界にて、村上春樹がインタビューで答えているように、「ねじまき鳥クロニクル」や「国境の南、太陽の西」中に見られる、共通点も含んでいると本人もコメントしていた。その中で、人称における新しい試みも行った点も、非常に興味深い。氏曰く、彼の作品は大まかに3つに分けられるということで、短編・短めの長編・大作と呼ばれる長編、「アフターダーク」は、それによると 短めの長編 であるらしい。そのように見ると、この本は村上氏得意のトリックを読み解くよりも、彼の今までの作品における観念などの共通項を読み取り、そのアウトラインを探るくらいが調度いいのかもしれない。「アフターダーク」と「ねじまき鳥クロニクル」は、是非合わせて読んで頂きたいと思う。それによって、両方の作品の意図なども立ち上がるとともに、「アフターダーク」を読んで物足りなさを感じた人も、きっと、ねじまき鳥を読めば深く思考し、モヤモヤしていたものも、読み解けると思う。おすすめの読み方としては、深夜から明け方にかけて、一人でこっそり読むのがいいと思う。ある一晩に起きた出来事を、一晩かけて読むのも一興であると思う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.282:
(5pt)

衰えない静けさ

 一夜の人間模様を描いた村上春樹の新作長編。 静かでいて、静謐な文体は健在であり、登場人物達の造詣もこい。 そして、新たな視点を入れ、さらに奥深い面もある。 視点の解釈は人それぞれだ。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.281:
(3pt)

浅い夢

不思議な世界である。さらっとして、深みがない。最近の村上氏の作品は、「忘れらない摩訶不思議な夢」のような作品が多いが、これは「一夜の浅い夢」のようで、目が覚めたらすべてそれは消滅してしまう世界に近い。個性豊かな登場人物も出てこないし、読みながらもスクリーンに映された幻影を、漠然と見ているようだった。他の村上作品とはかなり違う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.280:
(5pt)

語られないものに息吹を与える精緻な言語選択!

・普段何気ない人間の仕草,空気感,風景や心理描写が秀逸だった。語られないモノたちが村上さんに文字で表現されることによって秩序を与えられ現実世界に姿を現す・・・そういった印象を受けました
・現代の東京の若者を主人公にしつつ,あいかわらず十八番のjazzが隠し味として巧みに挟まれており、フィクションでありながらノンフィクションのようなモチーフが感じられます.
・物語は曖昧のまま終結を迎えます.いわば読者が自由に解釈できる空間を用意してくれていますので,「その後」に関して自由に解釈できるでしょう。
そっと胸にしまっておきたいような大切な一冊となりました,ということです.
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.279:
(3pt)

5年後、10年後に期待したい!!!

夜の都心を舞台に,孤独な人々が,ひょんなきっかけから親交を交わしていくと言った,とりわけ特徴のないストーリー。一晩の間に複数の物語が同時進行していくところに,従来の作品にはない緊迫感・臨場感があるものの,「ねじまき鳥」のような読者をぐいぐい引き込む展開がなく,残念。ただ近年の氏は3人称を取り入れたりして意図的に作風を変えようとしているような印象を受ける。インタビューで「『カラマーゾフの兄弟』ような総合小説を書きたい」と言っていたが、最近の作品が大作への過渡期だと思って期待したい。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.278:
(3pt)

良くも悪くも

良くも悪くも普通、といった感想。人ではない「何か」が視点というのは、なかなか面白かったですけどね。でも、それが活かされていたかどうかは疑問。この作者の「鏡」という短編小説を高校生の頃に読んだ時、衝撃を受けました。その時の印象が強いせいか、村上先生には過剰な期待をしてしまうのです・・・。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.277:
(4pt)

「ふむ・・・」というカンジ

村上春樹さんの著作を読んだのはこれで3作目。最初に『海辺のカフカ』を読んで、物語の吸引力にはまりました。その後に読んだ著作も中々でした(^〇^)/だから、今回も期待しながら読んだのですが、結果は微妙・・・・いまいち話の真意がつかめませんでした。ある都会の一夜が明けるまでの話。都会の中でうごめく私達の生とは、死とは?普段の生活からは気づくことのない人の心の中を夜を通して描いているのだと、勝手に解釈した。だから、面白いのかといわれると、そうだともそうでもないとも言えない。一つ言えることは、決定的な言い方はしていない。要するに、話の頂点がなく平坦なのだ。一定のリズムで話が進むので、読後の感触は静かだ。静かさを望む方には、よい一冊だろうと思う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.276:
(5pt)

うっ やばい

なぜかというと。これまでの村上ワールドを期待して読んでしまった読者は???の世界なのであります。では、私の考えはと云いますと、ノルウェーの森を最初に読んだ時に感じたものを思い出していたという事です。それまでの著者の作風を裏切るような感のあるこのお話に着いていけなかった。けど何回も読み進むうちにこれはなくてはならないという確信を抱いた。アフターダークは怠けもの読者の横っ面をひっぱたくだろう。わかる、わからないは別問題。村上はここにも存在しているではないか?
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.275:
(3pt)

読まなくても良い本

村上春樹という方が、今までにどういう小説を書いてきただとか、そういうものは一切なくしてのレビューを書こうと思う。まず、個人の意見としては、本を読む労力(あえて言い切ってしまおう)に対する付加価値というものが、読んだ後の気持ちを作用する。「ハッピーエンドで良かった」だとか、そういうものではなくて、人生において教訓になる事柄(=付加価値)などが本への気持ちを作用する。この作品は、その事柄において、それを読者に与えていない。呼んで何かを学ぶと考えて読むんだとしたら、この本は読まなくても良い本である。逆に、本を読むこと自体が娯楽であり、趣味である方にはもってこいの作品かもしれない。文章は簡潔で読みやすく、喉の通りはいいはずだ。しかし、やっぱり読み応えはあまり感じられなかった。本の厚さとは裏腹に、内容は薄い。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.274:
(4pt)

村上春樹としては、標準的な作品

 村上春樹としては、標準的な作品じゃないですか?  なんか、無理に今風に背伸びしてるのかよって、感もありますけど、やっぱり、村上さんの文章はいいですよね。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.273:
(4pt)

さすが!!

うまいなぁ、の一言です。私たちの世界とは違うところに存在する何かによって語られ話が進みます。その不思議で捕らえがたいものの不気味さが、場面をリアルに想像できるストーリーと合っています。いるかわからないけど、いるだろう何かの存在と、それに気付かずそれぞれを生きる登場人物達のつくるながれにすっかり引き込まれてしまいました。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.272:
(5pt)

ソフトウェアとしてのアフターダーク

アフターダークについては否定的な意見が多いようですが、私は割りと肯定的な立場でいます。海辺のカフカに続いて出されたのも私には良かった。ただアフターダークを読み進むごとに苦しくなったことを覚えています。割愛しますが、それは私の個人的な経験が絡んでいるのかもしれません。だから、あの小説は簡単に言ってしまうと読み手次第なのではないのでしょうか。村上春樹氏はあくまでソフトを作って、それを読むということで利用するのは読者の勝手です。とにかく私にとっては素晴らしい一冊です。一読者として満足できたから、私にとっては素晴らしい小説なのです。シンプルにそれだけ。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.271:
(2pt)

降りてきた村上春樹

 村上春樹の作品にしてはえらくほっそりとした感がある。俯瞰的に見るという意味ではわかるような気もするが、映画には映画の特徴が、小説には小説の利点があるはずである。ロブ・グリエも嘗て視線で見続ける者を描くということをやってみせたが、アフターダークにはあまり新しさを感じない。                                                         作者が敢えてその全てを現在進行形で書いたことの意義はわかるが、私の感性からは遠く離れつつある。何も解決されず、日常という一枠の中で私たちも置き去りにされる。現在進行形なのでこの作品の中においては問題が終わることはない。謎が解き明かされることもない。嘗てのような鋭角に突き放しつつ、その一方で同化をはかってきた村上春樹の姿はない。その試みは評価しますが、それが+かーかはここでは論じないでおきます。緩やかにつつみ込む彼女たちの姿はどこかもの悲しい。であるならば、なおさら救済だけではすまないはず。                                         倫理的な作家であった村上春樹がさっと降りてきたが、込み入る境地はない。降りてきた村上春樹はもう少し自分の足で探す必要があるように思える。なだれゆく時の中で模索してゆくのであれば自分の足で探す以外にはない。私の中で村上春樹は比較的好きな作家の部類に入るが、現実に追いやられ、そこで悩みゆく氏の姿が仄かに垣間見えるようだ。一時代を築いた村上春樹は少し後退した印象を受けた。                                        長くなってすみません。忙しすぎて読む暇がなかったので今頃読むはめになりました。感想遅くなってすみません。ちなみに「グランド・フィナーレ」すらまだ読めていません。けど、ここ数日は読書三昧なるやもしれません。マイナーなものも、ビッグなものも区別なく。                                     最後に「アフターダーク」をこのお眼鏡がどう見たかお知らせします。このお眼鏡が少し曇ってきました。村上春樹氏へ、この眼鏡をシンチョウできることを期待します。   
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366

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