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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全470件 61~80 4/24ページ
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地の文が現在時制で統一され、読者の視点をカメラワークと見立てたような表現もあり、会話文に対しシナリオにおける台詞のように発話者名が冠されている箇所もあり、シナリオ風の小説と言える。レーゼシナリオに強い関心を抱いてきた私としては、このような作品が春樹のような(好き嫌いは別としても)超有名な作家によって書かれたことを嬉しく思ってしまう。ヒロインや法学生が活躍する俗世間のパートと姉等が出てくる静的なパートが交互に進行するのは「世界の終わりとハードボイルド〜」を思い出させるが、後者が表したい無意識界の描写は、その豊饒さにおいて「世界の終わり〜」に劣る。かといって、あっちが特に好きというわけじゃないんだけど。レーゼシナリオとシナリオライク・ノベルのボーダーラインと言えそうな作品。 | ||||
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面白くないです。 最初はストーリー性があるのかと思い、読みだしてみましたが、結果は全くの意味不明なものでした。 著者は意味不明な事に、さも意味があるような書き方をし、また、村上春樹ファンはその意味を無理やり汲み取り悦に浸る。 こうして村上春樹の世界が出来上がるのだろうと思いました。 自分は村上春樹ファンでもないので、まったく意味もわからなかったし、意味を探ろうとも思いませんでした。 | ||||
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ある一晩の夜が更けて、朝を迎えるまでの人間模様をどこか客観的な視点で場面を切り替えながら描いていく作品。 ストーリーは時間の経過と共に進んでいくが、 何がわかるわけでもなく、ある種淡々と進んでいく。 どこか皆孤独な登場人物達。 その孤独は、人に囲まれていようがそうでなかろうが、 誰しもが感じる孤独。 はたから見れば何も問題の無いように思える人も、 深夜の都会によって暗喩される心の闇の入り口は、すぐ近くにある。 誰しもがいつその闇に突然堕ちてしまうかはわからない。 そんな誰しもが孤独なこの世界で、 関わり合う距離感を計りながら皆生きている。 孤独な闇の世界でもがいて苦しんで、 それでもまた何食わぬ顔で朝がやってくるのが、 この世界への希望なのだと思う。 読後感は力が抜けて、 なんとなくすっとする。 少しずつ春の気配が漂ってくる2月の夜に読むのがお勧め。 | ||||
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この小説を半分くらい読んだところで、僕はカーティス・フラーの『ファイヴスポット・アフターダーク』を聴いてみた。かすれた感じの独特のトロンボーンのリズムではじまるこの名曲をあらためて素晴らしいと思う。それは、どことなく殺伐とした孤独な都会の情景を想起させる。本著『アフターダーク』のイメージにぴったりだ。 ストーリーは同一時間軸が設定され、いくつかの場面が同時進行する形式となっている。深夜のファミレスで熱心に本を読んでいる一人の女性マリ、マリの姉浅井エリと同級生だったトロンボーン奏者のバンドマン大学生高橋との出会い、一人眠り続けているマリの姉エリ、ラヴホテル「アルファヴィル」でおきた中国人娼婦のトラブル、そのホテルの支配人カオルや娼婦を殴打した白川の日常等々、大都会のイメージと重なるようにそのつど場面に応じて数々の音楽が挿入されている。物語は深夜の時間の流れとともにそれぞれの場面の全貌を統括的にみつめることが許された純粋な視点“私たち”によって語られ示唆されているようにも感じられる。 マリとエリ姉妹の間に存在する闇、大都会に生きているそれぞれの人々が抱えている闇、いや大都会そのもののメタファーとしての在り方が実は主題となっているのかもしれない。だが、村上春樹がこの小説で何を表現したかったのかは誰にも分からないと思う。 最終章では同じベッドに眠り続ける美しい姉エリと中国留学を目前に控えた妹マリをみつめる純粋視点の私たちはある“予兆”を感じる。“マリは長い闇の時刻をくぐり抜け、そこで出会った夜の人々と多くの言葉を交わし、今ようやく自分の場所に戻ってきた。” し、何かに反応したように微かに動いたエリの小さな唇に“意識の微かな間隙を抜けて、何かがこちら側にしるしを送ろうとしている。”として、それが時間をかけて膨らんでいることを告げてもいる。 本著『アフターダーク』は、個々の人々が抱えている闇の部分を大都会のメタファーとクロスさせながら音楽とともに時間を刻んでいくように重層的に描かれている。ここでは同一時間軸の中で唯一統括的に語りを許された純粋視点(私たち)の設定がおもしろい。この作品を単に自己を見失った困難(闇)からの脱出を予兆させる文学と云ってしまえばそれまでだが、僕にはどこか重層的な問題を孕んでいるようにも思われる。 最後にもう一度、カーティス・フラーの『ファイヴスポット・アフターダーク』を聴いてこの本を閉じることにしよう。 | ||||
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ジャズの『ファイブスポット・アフターダーク』からタイトルがとられているようです。 村上春樹さんの小説の中では、珍しいタイプ、異質な感じのする作品に該当するでしょう。 他の作家でしたらそれ程でもないと思うのですが、冒頭の書き出しがこれまでとかなり距離のある文体で、妙にスリルがありました。 実験的な面が感じられる小説と言えます。 始まりが23時55分。お終いが6時57分で、時刻が章の見出しに使われ、一夜の出来事が時間経過とともに描かれてゆきます。 無論、村上ワールドで。 時間の経過と物語の進行を一致させた映画ゲ、ーリー・クーパー出演の『ハイ・ヌーン』をふと連想してしまいました。 舞台設定はまるっきりちがっていますが・・・。 読後感としては、ポジティブな印象を持っています。 素直に受け止めました。 大都会の真夜中の情景が面白いですね。 | ||||
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今までの春樹には、「僕」という視点に我々がインボルブすることで物語に乗ることができた。それには、若干、功罪があったように思える。 社会やイデオロギのあれこれから、ディタッチで内面的かつ幻想的な世界に密閉されるところが、功にも罪にもなりえていた。 たんに、そんな僕の視点で、個人的な苦悩と闘っていればよかったものの、現実的な社会的敵に対せなければならないというとき、春樹はどうしてもその理由から文体の改造に取り掛からねばならなかった。それは、ディタッチからコミットという春樹の言葉となり、内面的な殻を破り、春樹なりのリアリズムを獲得し、足掻こうという過渡期なのであった。 もともと、青春三部作〜羊〜世界の終わり〜ノルウェイという春樹の破竹の全盛期があり、そこには内面的で春樹の真骨頂があった。そのラインは未だに人気が高い。 だが、職業作家として、さらに悪化する現代社会にも対応して、春樹は肉体改造に取り掛からねばならかかった。 そして、新たな局面には、必ず洗礼がある。まさに、このレビューが物語るように、ズタズタの通過儀礼が春樹には必要だったようである。 春樹のコミットの時期の到来で、アンダーグラウンドではオウム、地震からは一連の短編、ねじまき鳥では戦争〜カフカ〜最新作では宗教と春樹は、精彩を欠くようになる。 普段なれないクールで個人的な人間が、なにを思ったかボランティア活動に熱心になり空回る様子にやや似てはいないか。 アナイスニンというかつて作家がいたが、同じく春樹の尊敬するカポーティが内面のオブセッションから冷血、つまり春樹もカポーティを意識していたであろう、アンダーグラウンドについても言えるが、アナイスニンは、それを痛々しいという。それはとても正しい。 カポーティと春樹のような観念に走りすぎず内面のオブセッションの洗礼された作品が、春樹の最後であった。 | ||||
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日本の普通の街を舞台にしてるのに全くの異世界の話のような雰囲気がある それが一番の魅力 現実から離れたい日に夜更かしをしたくなる | ||||
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途中まで読んだが、ぞくぞくする内容の本だ。おもしろそうだから、読み進めていこうと思います。 | ||||
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村上さんは一人称の人だと思っていた。それが今回は三人称で、私達を巻き込もうとした。が、まだハマらない。新しい試みとは、こんなに大変なことか。だからグレートギャッツビーとか、最近古典の部類に入りつつあるアメリカ文学を訳してみたりするのだろうか? 村上さんはアメリカ文学的だが、それはダンスダンスダンスに書かれているような翻訳の売文でもやっていたのだろうか? 文章を書く、が仕事にもなりつつある私にとって、小林秀雄が述べた売文の感覚、村上さんが述べた使い捨ての感覚、よく理解できる反面、直接本にしてくださいと熱烈に求められる場合もあるので、これはじかに読者と会話する機会の少なさが原因なのではないかという気もする。 作家は主に内向的で、あまり人と接しないので、巻き込もうとして独り善がりになりがちな気がする。世界が狭い。もっと一般人と会話すれば、もっと解りやすい感覚や文字を使いこなせるようになるのではないか? しかし、またここに矛盾があるのだが、いくら解りやすく解りやすくと買いても、言語能力のない人間にはどうしても届かない。『生』という字、ひとつとっても、奥行の広い言葉だ。だから、生を使った『人生』とか『生活』とか『生命』とかの単語のもつ力強さとか豊かさが、どれだけ伝わっているのか苦しむときがある。 作家は単語一つのチョイスに物凄く気を遣う。それにたいして読者はどれだけ、その言葉のチョイスに感激したり畏怖したりできるのだろう? 作家と読者の隔たりは、永遠に埋まることのない隔たりのように深いのかもしれない | ||||
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村上春樹さんによる作品。 深夜にファミレスにいた少女。眠り続けている姉。 取り巻く周りの人たちとの交流を描いた作品。 正直なところミステリー小説でもないし、何か大きな事件が起こるわけでもない。 何だか難しい。この作品の良さと言ったものがいまいちつかめなかった。 字面だけを追う読み方が問題であったのか・・ お姉さんは結局起きたのだろうか。 途中であったTV画面内の世界は何だったのか。 内面を描いただけの存在だったのだろうか。 白川はその後何もなかったのだろうか。 とある深夜から夜明けまでの一コマを描いた作品以上になってないと思う。 | ||||
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村上春樹さんの作品はノルウェイ以外は読んだ事がありませんでした。たまたま図書館で本書を手にし、ワクワクしながらじっくり味わおうと思い読み始めましたが、よく解らないままです。 一夜に起こる出来事を細かい時間で区切って展開していってますが、結論が解決しないまま終わります。 何か、消化不慮のような感じで後味悪いです。期待してただけにガックリでした。 | ||||
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村上作品を全部読んだわけじゃないけど、ワーストじゃないですか? 読んでいてずっと思っていたのは、これは桐野夏生『グロテスク』への オマージュ? あまりにも似ている要素が多い。 『グロテスク』ほどグロテスクには描かない(描けない?)のは 村上春樹だからだろうか。 自分の作風をなぞりながらも抜け出したいと思ってもがいているのか。 なんとも中途半端。 中国人の闇社会、性風俗業界、暴力、セックスなどを村上春樹っぽく 知的に、都会的に、比喩的に、若者の目を通して…しか書けないのかな〜 自分の模倣を始めたらもうおしまいじゃないですか? それがスタイルと言えばそうなんだけど。 暴力的なシーンもあるけど、ジャズが流れる洒落た都会のロードムービー てか? なんも心に残らなかった。 『グロテスク』の一滴という感じ。 | ||||
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読めば読むほどおもしろくて惹かれていったが、最後の所で気になる場面が描写されずに終わっていたのが少し残念だった。 ただ、色んな視点から描かれている物語としては純粋におもしろかったし、そこまで長くもなかったので読みやすかった。 | ||||
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仮面を被った人間がいる部屋で、美女がベッドで寝ている。その美女の周辺で様々な事件が起こる。― うーん。 作品のテーマは何であり、読者に何を伝えたいのか? 作者は意図的に、テーマを明確に定めなかったのか。それだと文章をただ書き連ねただけの小説となる。 「ノルウェイの森」と一緒で、伝わってくるものは何も無い。 ただその文章には、作者が持つ純文学特有の味わいがあり惰性で読んでしまう。 不思議と、無為に時間を過ごしたとは感じなかった。 | ||||
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アフターダーク という、マッキントッシュのスクリーンセーバーがあるんですが その世界をモチーフにした感じの小説でした | ||||
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何も収束させないで終わる。アフターダークもそういった類の作品。 読者としてはやり切れない。 村上春樹作品に対しては期待度もかなり高いので、放り投げられてしまうとどうして良いのか分からない。 理解できない自分に責任があるような気さえしてくる。 | ||||
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深夜から明け方にかけ、マリというキャラクターを軸に、物語は展開していきます。 マリは文科系でS気のある少女で、ものすごく魅力的な人物でした。 また、日常的な会話がごく自然盛り込まれており、あまり一つの話は展開させないので話はくどくはなかったです。 タコの説明は何言ってるのかさっぱりでしたが、どれも尺伸ばしという風には感じませんでした。 展開は私の予想を綺麗にかわしすぎていて、後半の展開としては少し不消化でした。 マリの行動と気持ちが対称的で、悲壮感が私にはあまり伝わってこなかったです。 物語の展開の仕方、舞台は成田良悟さんの『デュラララ』の構成に似ていた感じがしました。 | ||||
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最悪。ちょっと待て、村上春樹はこんな程度の低い作品を書く作家だったのか。失望した。まずなにより問題呈示だ。完全に投げっぱなし、気取りっぱなしで理解できない。読者の想像を掻き立てるような補完もない。さて、これは小説としていかがなものか。ひとつ問いたい。本作はファンタジーか? 現代文学、と言われたら絶対に納得いかない。これを読んで高尚というのは、いささかお門違いでないだろうか。本作は“傲慢”に他ならない。 ただ、文章の独特さは楽しませてもらった。くどくどとした比喩表現は味があり、興味深かった。 レビューを書いて、ようやく分かった。本作のテーマは“傲慢”でもあるのか。 | ||||
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村上春樹さんの作品を全て読もうとしています。 これで、25作品目です。 私は、とても気に入りました。 ”ある、ちゅっとだけ不思議な一晩を切り取りました。大事件のある前後の日々については想像して下さい”と言われているように感じました。私を疲れさせたり、深く悩ませたりしないまま、村上春樹さんの不思議な世界を楽しませて下さったと感じました。 大作を読んでいて、”くどい””深すぎる”と感じる事がありました。この作品には、良い意味で、そのような”しつこさ”を感じませんでした。その意味で、”疲れた時に帰って来たくなる”という雰囲気を感じました。私にとって、イージーリスニングの音楽のような作品でした。 同時に、この作品の後や、前には深く大きな事件が起きた、起きそう、という感じも持ちました。その意味で、”何んの面白みも無い日常”とは思えませんでした。 一つ、他の方では書けない、とてもユニークな作品を生み出して下さったと思います。 | ||||
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作品を発表すれば賛否の嵐。文学は本来時代を超えて批判される事に価値があるとすれば、 村上春樹は現役作家の中でそれに耐えうる一人であることは間違いないと思います。 本作は空中から都会の一面を切り取って眺める視点という語り手が今までの作品と異なり新鮮ではあります。 ですが彼独特のメタファーは健在で、福田和也氏曰く「誰も救われないが、希望はある」という変わらないテーマを 流れるように、闇夜の静けさを伴って語ってくれています。 以前の作品に比べてマイルドになってきている感はありますが、常にパンドラの箱を開け今日に希望を問いかける、 村上春樹健在を示してくれる一冊です。 | ||||
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