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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全470件 81~100 5/24ページ
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まず、論理が絶対であることが大前提である人には理解できる筈がない。 「世界は間断なく、連続的に進んでいく。論理と作用は隙間なく連動している。少なくとも今のところは。」(P.226〜P.227) その上で、便宜上幾つか論理めいたものを使うが、勘違いはするな。 事象の役割、背景の役割、人物の役割、時系列の役割、その他構成要素となる幾多のものが果たす役割を、何故視ない。視ようとしない。 現代社会の陥穽、そんなものではない。 今この世界を回している何か(それは制度、システムなどと措くことはできるが、断定は出来ない)、それに相対する時の恐怖、絶望、その他諸々の感情、それが引き起こす現象。 高橋が話す。「一人の人間が、たとえどのような人間であれ、巨大なタコのような動物にからめとられ、暗闇の中に吸い込まれていく。どんな理屈をつけたところで、それはやりきれない光景なんだ」(P.145) 彼が何故このことを言及するか。この一節にどんな効果があるのか。 一つ一つの要素を精査せずに、自分勝手な物差しで汚し、貶め、無関心の的へと仕向ける。 そんな読者はもううんざりだ。 彼岸と此岸の距離を測ろうともせず、いや、彼岸があることさえ知らず、知ろうともせず、使い捨てる。 そんな奴が、何かを語ろうとするな。誰かに助けてもらえると思うな。 誰かを助けられると思うな。 一つの作品が、そこに受け手が期待する全てを周く包摂しているなどと思うな。商品として、消費するな。貶めるな。歪めるな。白蟻の如く喰らうな。 作者の手から離れるものは、離れた所で数多のものと繋がる。 そこから様々なものが派生する。 それに対して、作者たちは無防備に過ぎる。糞を塗りたくられても、精液をかけられても、作者たちは何も出来ることがない。 賢い者たちは、強い者たちは、ずっと昔から、状況に倦んでいる。 弱い者が、愚かな者が、勝手気儘に往来するこの状況に倦んでいる。 もうそろそろ、そんな状況は変革されてもいいのではないだろうか。 夜明けはもう近い。自分の重心が今どちら側の世界にあるのか。少なくとも、それを考えられる奴だけがいればいい。 | ||||
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私が「アフターダーク」を読んでまず感じたことは“あまり村上春樹らしくないな”ということ。なんとなく読了後には村上龍の作品のような後味が残った。妻に夜食を尋ねられて「中華料理」と返す男の返答にはいつもの村上春樹のジョークが感じられた。村上春樹らしくはないがおもしろい作品だったので星は4つにしました。 | ||||
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0時あたりから読み始めることをオススメします。 その方が3倍この作品を楽しめます。 元来の村上春樹ファンからは厳しい評価を受けているようですが、私個人としてはそんなに嫌いな作品ではない。 ただ、読んで良かったと思える作品でもありませんでした。 村上作品を知らなかったので、最後「え?死んじゃうの?」っとドキドキしましたがそういう話じゃなかったようです。 私的には最後から6、7ページ目はないほうが終わり方として好きでした。 | ||||
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村上春樹の本はどう読んだらよいか、未だによくわからない。たった一晩の小さな出来事を、ファンタスティックに書いていく。そこには悪意も善意も織り交ぜて、解けきらない謎は人生そのもののよう。私たちは何度も目覚める。目覚めなくなるまで。そんな一夜の物語。 | ||||
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起承転結がはっきりと感じ取れる内容でもなければ趣旨もはっきりとせず曖昧なんだと思います。第3者の視点から客観的に話が進んでゆくんですが、それぞれの瞬間をリアルタイムで覗いているようななんともいえない感じがたまらない作品です。とても心地よいテンポで、これといって面白みがあるわけでもないんですが、夢の中を泳いでいるような神秘的な空間にいるような心地よさを感じさせられます。 | ||||
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最初はとっつきにくいのだ、視点が節ごとに代わったりするから。 ダンダンなれてくるとそれも楽しめるようになる。 文章が、展開が、面白いからでしょう。 最終的には、不可解な部分も大いに残りますが それはそれとして、この世の中を反映しているような気がして そのまんま飲み込むことにします。 心理や、会話の細かさの所為で、とても登場人物達が身近に 感じられて、言葉も会話も、耳元で囁かれてるよう。 それぞれの連続するシーンが映像として見えてきます。 主人公の女の子の性質、性格が今ひとつ読めない。 その姉の気持ちは全く分からないままだ。 しかし、印象にも残る部類の小説です。 結構、レストランやコンビニの舞台が楽しめます。 | ||||
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街は夜も眠らない、と知ったのはいつ頃だろう‥ この作品を読んでふと思った。 村上春樹の円熟した筆致が、都会の夜のダークな部分を 静かに呼吸するように伝えている。空を飛ぶ鳥の目を通して。 実体をあとに残し、質量をもたない観念的な視点となって、 鏡やTV画面を通り抜け、登場人物を、あちら側とこちら側の世界に 自在に行き来させながら、サラサラと小説は進んでいきます。 副音声的な描写が、読み手の感情移入をあえてかわすよう施されています。 宇宙船の内部を見ているような錯覚にとらわれる不思議な作品。 不可解さといくつかの暗示の中で、作中に出てくる映画『ある愛の詩』を 「ハッピーエンド」としていることが、春樹さん独特の伏線なのだろか? 数ある村上春樹作品の中でも、個人的にはとても落ち着いて読めた作品。 作家としての熟成を感じます。 | ||||
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これは「こちら側」と「あちら側」をはっきりと打ち出した村上春樹の金字塔的作品であるといってよい。村上春樹に「こちら側」と「あちら側」を書かせるきっかけとなったのが、1995年3月のあのオウム・サリン事件であり、「アンダーグラウンド」としてインタビュー作品となって結実した。 被害者たる「こちら側」と加害者たる「あちら側」のオウムとして。 自ら「あちら側」に行ってしまった姉エリと、これを悩む「こちら側」の妹マリが体験する一夜の夢ドラマ! 夜明けまでの数時間にくりひろぱれるあちら世界とこちら世界のせめぎ合い。 村上の初期作品は「翻訳調」として嫌われ芥川賞を逸したといわれているが、本作は短いセンテンスの繰り返しで、これこそまさしく翻訳調子! 単純極まりない文章回しで、読み手に快感を与える。 海辺のカフカとか1Q84の世界を漂流するわれわれ読者からすれば、このアフターダークの世界はまだまだ単純な世界でる。理解しやすい世界である。 | ||||
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ノルウェーの森以外はこれが初めての村上さん作品。 実はあまり期待していなかったが、やっぱりさすがだなと思わずにいられなかった。 会話やストーリー運びに一味違う才能が感じられる。 | ||||
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今回初めて村上春樹氏の作品を読みました。 冒頭の独特な情景描写からとても好印象で、そこから一気に引き込まれました。 登場人物の人間関係が、意外とシンプルに描かれていて、それでいてリアル。 カメラからの視点、リアルな時間の流れ、すべてが私にとって新鮮なものとして映し出されました。 これから、村上氏の他の作品を読むのが楽しみです。 | ||||
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深夜零時を指し示すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。そんな彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声を掛ける。氏の実験的な作品という位置づけがなされているものであるのですが、この世界を受け入れるのには時間が掛かりそうです…。 「ねえ、僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ。そのあいだには陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。そして健全な知性を獲得するには、それなりの時間と労力が必要とされる」 | ||||
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渋谷での夜(11:56PM)から朝(6:57AM)までの、ある少女と家で寝ているその姉を取り巻く物語。 この本は村上春樹のやや実験的な試みを読み取ることができる。 物語を語るのは、特定された誰でもない。 空から、空間から、壁から人々を見つめる、実体のない「視点」が物語る。 その視点の推移によって、読者は場面を同じように転換させる。 いつものように、はっきりとした結末はない。 彼の作品は今までだって明確な結末はなかった。 ファミレス、ラブホテル、売春、暴力、引きこもり、ドロップアウト、家庭。 こうして、この物語のキーワードを抜き出すと、現代の縮図が浮かび上がるようでもあり、見えにくかった物語のテーマも明らかになるような気がする。 実は今日だって、この物語と同じ様な事態が渋谷では展開していてもおかしくない。 いや、きっと似た様な状況が展開しているんだろう。 外見からは想像出来ないような暴力を働いたあとで、早朝にエリートらしき男はセブンイレブンで牛乳を手にする。 朝までバンドの練習をし続けた若者が、朝飯を仕入れるためにセブンイレブンで牛乳を手にする。 まったく異質なものが、とある一点で無意味に交わる。 二本に交錯した線は、その後も交わることはない。 都会には様々な線が入り乱れている。 そこ(渋谷)で朝まで過ごすことがあれば、まれにいろいろな線に交わることがある。 太い線、細い線、赤い線、グレーの線、歪んだ線。 深夜(アフターダーク)には、明るい光で見え難くなっている線が、それぞれ鈍い光を放ってうごめいている。 この本を読むとカーティス・フラーの「ファイブスポット・アフターダーク」を無性に聞きたくなる。 これが「ひしひしと」いいんだ。 | ||||
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真夜中の街が内包する無数の出来事のうち、さほど特別でない一つのエピソードが実験的な三人称で描かれた小説。この作品は、次の下りで始まる。<目にしているのは都市の姿だ。空を高く飛ぶ夜の鳥の目を通して、私たちはその光景を上空からとらえている。広い視野の中では、都市はひとつの巨大な生き物に見える>そこでの「私たち」というのは作中の誰かのことではなく、物語に一切影響を与えない客体としてのストーリー・テラーと、それに同行する読者自身のことである。そこでは「私たち」の眼はまるで無限の性能をもったカメラのように、対象を間近にズームアップしたり、部屋のすみずみを隈なく映し出したりすることができる。ときには目いっぱいバックし、宇宙空間から望遠レンズで街全体を俯瞰することもできる。そういう「ハリウッド的なカメラワーク」で書かれた小説だと言ってもいい。これが映画的な没頭を作り出し、地味な展開のわりにダイナミックな読み応えを生み出す。ストーリー・テリングにはこんな方法論があったんだなあ。 | ||||
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2004年刊行なので「海辺のカフカ」の後の作品だ。 たぶん、村上春樹氏の実験作ではなかろうか。 小難しい解釈は一切除けて、面白かった。 いきなり、浮遊する魂ような視点が登場して、 東京の上空から降りてきて、眠り続ける姉を、 本を読み続ける妹を、見続ける。あるいはその視点が 姉とともにテレビの向こう側にワープする。 もうひとつの実験は章の初めに時計があること。 それにより読者は二つの物語が同時に並行して 進行するのを知る。 最終章で二物語が合一する。 そして夜明けとともにささやかな胎動が始まる。 | ||||
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村上春樹作品の中では一位二位を争う「駄作」だと思います。 文体も彼特有の読者をグイグイと引き込む感じが全くなく、本当に村上春樹が書いた作品かい?と疑いたくなる程です。彼の才能の枯渇を感じずにはいられませんでした。 でも1Q84で挽回してくれたので良しとします。 | ||||
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中国行きのスロウ・ボートであれだけ異質な手触りを覚えていたかの国に対して、作者が大きなシンパシーを寄せている本作品に、膨大な時間の流れと進展を感じました。 作品についていえば、このタイプの同時進行型の群像劇は、断片を積み重ねることで総体としての大きなドラマを描くのに適していますが、作者自身は巨大なドラマを描く気はなく、むしろ登場人物たちの個人的な絆の深淵を描きたかったようです。 しかし第三者的視点で描かれているため、かつてねじまきにおいて我々が井戸の底で垣間見た、ヴィヴィッドな深淵にたどり着くことはできず、結局、表面的な傍観者の観察と考察で終わってしまった感が否めません。 目的地も曖昧にしか定めず、飛び乗った電車は結局目的地には着かなかった。 そんな印象を受ける一本でした。 でもそのような空振りは日常よくあること。一個人の心の中で起こる事象としては、限りなくリアルです。 村上春樹が徹夜で居座り観察して成果あろう、東京の深夜のファミレスの雰囲気を体感したい人にはお勧めです。 | ||||
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実は1Q84があまりに話題になっているので、村上春樹を全く知らないことが少し恥ずかしくて、まずはこの本を読んでみました。もともと小説はあまり読まないので、これが村上春樹の世界なのかという特徴がわかりませんでした。感想としては、村上龍がハードなら、春樹はソフト。そんな印象を受けた。 | ||||
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読み終わった瞬間にゴミ箱に投げ捨てました。 態度があまりに卑怯。現代文学に迎合し過ぎ。 果たしてこれを出版する必要があったのでしょうか? | ||||
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プロの姿(技)を見ていると「簡単そうだな」と思ってしまうことがある。 野球やサッカー、スケートやゴルフなどのスポーツから、 楽器の演奏や、漫才などのお笑いまで。 しかし、それら全てを実際に行ってみると、 ほとんどのものが、驚くほどに出来ない。 頭の中のイメージとは全く異なり、できなさ加減に唖然とすることもある。 「アフターダーク」は、読みやすく、シンプルなストーリーだった。 そして、つい、思わず自分にも書けそうな、ある意味単調な話だなとも思った。 都市に暮らす人々、その中の出来事。それぞれの想い。 エリの深い眠りも、ただの夢の中のこと。 出会い、音楽、売春、暴力、夢、過去・・・。 どれも特別なものはない。 夜は徐々に深くなり、やがて朝を迎える。 人の数だけ物語があり、それがたまに交差する。 日常は、その繰り返しである。 しかし、小説においても、自分にもできそうという想いは、 見事に砕かれるのだろう。 | ||||
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著者の考えを登場人物に語らせるのだが、饒舌すぎてリアリティに欠ける。 もっとシンプルに伝える方法もあるような気がする。 読者側の思考の選択肢が少ないのがちょっと嫌だ。 物語そのものはとても平坦なのでそれぞれの思考が軸となる。 不思議なカメラの視点があったりで、楽しめる。 何の盛り上がりも無いのに、気づいたら終わっていたのでやはり著者の筆力は凄いんだろう。 | ||||
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