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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全470件 421~440 22/24ページ
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読後「もやもや」「ふーん、」「なんだったんだろう」という感覚が残りました。登場人物の誰にも感情移入できませんでした。私の読解力が足りないだけかもしれませんが、少なくとも分かりやすいとは言えないんじゃないかしら?にもかかわらず、一気に読んでしまいました。のめり込むとか、興奮するとか、考えさせられるとか、感動するとか、そういう楽しみ方ではない、読書の楽しみ方を発掘してくれた本です。今はきちんと言葉で説明できないけれど、日をおいてもう一度読んだらまた違う印象を与えてくれそうな作品です。 | ||||
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25年前の風の歌が聞こえてくるようだ。勝手な想像をしてみるなら、特にこのお話にはモチーフはない。主人公さえいない。そういうものとしてこれは産み落とされた。アフターダーク。背景に静かに流れているのはそれだけ。渋谷と少女。それだけであとは静かに情景が過ぎていく。暗くなって静かにフィルムが回り始める。音もなく。幻想もなく、現実もなく。 | ||||
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読み始めて数十ページ、違和感を覚えた。この作品が名の知れぬ新人のデビュー作だったとしたら、すごい作家が出てきたと喜んだであろう。しかし村上春樹を愛読してきた私にとって、初めのうちは受け入れられなかった。しかし、彼の描きたいことを公正に理解しようと試みるならば、そこに確かに村上春樹が存在することが感じられると思う。時代の流れの中で、これから春樹作品がどう変化してゆくか楽しみだ。 | ||||
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待ちに待った村上春樹の新刊!今朝届き、ぱらっと読んでみたのだが、章ごとに時間が示してあり、その流れで話は進んでいるようだ。文章中に『デニーズ」とかの特定固有名詞が出てきている。吉田修一好きの私としては、今回の作品はそれと同様、テンポ良く読み進められそうだ。 | ||||
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この作品は今までの村上さんの作品の雰囲気とちょっと違います。誰も死なない。それから、これまで「悪」の存在が作品中もぞもぞしていることが多かったのに、今回は「ちょっとしたジョーク」みたいに感じられました。会話もいつもより多いみたい。「アフターダーク」には、いつもより人間のぬくもりが感じられます。 | ||||
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文量的には「スプートニクの恋人」や「国境の南、太陽の西」と同じくらいの中編小説だった。 村上春樹さんの作品の特徴は「会話」にあると思う。「会話」によって人と人との距離感というようなものを浮き彫りにしている。そして、物語のエッセンスもこの「会話」に含まれているような気がする。「結局、人間は孤独なんだよ」と言われているような、それでも「人と繋がっていることによって生きていけるんだよ」と言われているように思う。 さて、この「アフターダーク」は夜というのが大きな存在となっている。視点がとても面白い。僕にはこの視点が夜なのではないだろうかと思える。「私たち」という複数の一人称を使っているのも面白い。カメラという言葉を使ってあるところもある。映画のような感じもする。映画の脚本のような会話文まであった。したがって、夜を視点(カメラ)とした映画的な小説である。 浅井エリが行ってしまった何もない部屋。この存在を僕は常に感じている。「自分の殻に閉じこもる」ということではない。もっと強くて、弱くて、優しいものだ。でも他人にとってはわけが分らないものだろう。「僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ」ということ。 | ||||
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新たな雰囲気です。スムーズに一気に読み進めてしまいました。(『海辺のカフカ』はすんなり読めなかったのですが)作品全体から、すっかり紳士になられた村上さん、といった印象を受けました。初期作品は、何度も読み返してきましたが、ここ最近の村上作品は、読み返すことは殆どありませんでした。しかし、今回の『アフターダーク』、久々に何度も読んで、もっと深く味わいたいと思いました。早速今晩から、読み返します。昔のゴリゴリした文章も好きですが、今回のつるんとした文章も、なかなかいいものです。 | ||||
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全体的に「神の子供たちはみな踊る」に近い雰囲気を感じた。テーマ的にも理由無き暴力やコミットメントなど最近の村上春樹の小説によく見られるものが主体となっている。しかし舞台は渋谷のような繁華街であり村上作品のなかでは異質である。繁華街が舞台と聞くと俗っぽい印象をうけるが良くも悪くも俗っぽさ、下品さは感じられずリアリティーはあまりない。逆に都市を舞台にしながらも村上春樹的世界を構築するところはさすがである。表現も観念的なものは減りとっつきやすく、身近なものとして感じることができる。比較的短く、淡々とした小説だが逆にいくらでも深読みできるところが恐ろしい。文章から漂う真夜中の香りを感じるため是非深夜に読んでほしい。読み終わる朝方にはいつもとは違った朝が訪れるはずである。早く次の作品が読みたい。ちょっと短すぎるのが不満だけど完成度からいったら最高だと思う。 | ||||
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著者の作品に「神の子どもたちは皆踊る」というのがある。その英訳版のタイトルが「アフター・ザ・クエイク」である。今作のタイトルが「アフターダーク」とされているのを見てどうしてもそのことを考えないわけにはいかなかった。もしや今作は「神の子どもたち~」の続編なのでは、とも思っていたのだが、それは少し飛躍しすぎの考え方だったようである。しかし続編ではなくとも、氏がしばしば用いる「向こう側の世界」というモチーフが有無を言わせない事象によって表現されているところでは通じるものがあると言える。それが「神の子どもたち~」では地震であり、今作では夜になればそこかしこに生まれる暗闇なのである。この物語は明らかにその「向こう側」の物語だ。タイトルの示すとおり、物語は夜が十二分に深まり終えた深夜十二時の少し前から始まる。さて、本作品は前作「海辺のカフカ」と同様に数字によって各章に分けられている。構成も似ていて、一人称での文体で語られる章と三人称でつづられる章にわかれている。だがもちろん、そこにひねりがないわけがなく、一人称は一人称でも一人称複数で語られるのだ。さらに、数字で分けられた章とは別に時刻ででも章が分けられている。時に一つの数字の章の中で何度も時刻が代わり、それに伴って場面が変わる。そういった構成上のことから考えると、この作品には非常に前衛的な印象を感じる。正直な話、前作とは大分赴きの違う話であるし、「ねじまき鳥」以前の話とも随分違う。完成度は「ノルウェイの森」には遠く及ばない。だが産みの苦しみが感じられる作品だ。ポスト「海辺のカフカ」とでも言えばいいのだろうか?おそらく我々が村上春樹氏の次の作品を目にするとき、今作のポジションがよりはっきりするだろう。その時を心待ちにしながら本作を何度も読み直すこととしよう。 | ||||
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まず、映画撮影的手法を今までのどの作品よりも濃く利用していると思った。いわゆる脚本の「ト書き」でできた会話まであるし。『海辺のカフカ』もそうだったが、登場人物が直接クロスしないのもいっそう顕著になった。どの登場人物の味方もほとんどせず、あるのはただひたすら状況説明のみ。つまり、村上春樹は「夜の闇の中にあるもの」それ自身を描くために登場人物を配置し、それをあぶり出したのだと思う。描写はものすごくシャープだし、今回村上春樹のしたかったことは(読者がそうだと感じるかどうかは別として)全てあの中に収め切ったのだろう。私は登場人物たちの描き方のドライさが物足りなくさみしく感じてしまったが、25年たった村上春樹は『風の歌を聴け』から『ねじまき鳥クロニクル』を経てここまで到達し、また進んでいくのだと思う。やはりすごい作家である。自分の目で確かめてみて欲しい。 | ||||
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とても「ノルウェーの森」を書いた作者の作品とは思えない。控えめにいうならば、本作品はより難解な文学への挑戦だったのかもしれないが、だとすれば完全に失敗している。体現止めのオンパレード、視点不明な状況描写、非現実的なできごと、意味不明な行動は、作者の意図や伏線としてはある程度許容されるべきものである。しかし、それらが読者に喚起されぬ場合は、ただ単に意味不明なものとして受け取られるだろう。本書の印象は、「異教徒が見た、(キリスト教の)宗教画」のようなものである。映画「2001年宇宙の旅」のラスト、や、カフカの小説を思い出させる内容である。 | ||||
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私たちは真夜中から夜明けまで或る姉妹と出会い、彼女たちと行動を共にすることになる。また私たちはそこに新しい村上春樹のスタイルを見ることもできるだろう。三人称小説であり、現在形で語られる物語。姉妹を取り巻く夜の人物たちは、記号でもメタファーとしての存在でもなくて、「海辺のカフカ」(新潮社)で登場したホシノちゃんのように肉があり血が通っていることに気づく。闇の向こうに待っている新しい世界は、真っ白でそこにまだ答えはない。だが私たちはホッと胸をなでおろすような安心感を抱きながら本を静かに閉じるはずだ。「アフターダーク」とは、「海辺のカフカ」を通過したことで産み落とされた中篇小説である。 | ||||
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『スプートニクの恋人』と『神の子どもたちはみな踊る』を合わせたような作品。真夜中から朝までの出来事を時系列順に追った話。村上さんの長編小説では珍しく、ほぼ完全な三人称形式で書かれてます。 そういう意味で、文体もストーリーも今までの作品とはすこし印象がちがいます。絵画に例えると、たくさんの絵の具を使った複雑で豪華な絵ではなく、少ない絵の具で筆をおくように描いた感じでしょうか。しっかりした「おはなし」があるわけではなく、いくつかのエピソードが提起され、それが余韻のように周りに漂っているような感じです。個人的には「こういう村上春樹の小説もいいな」と思いました。 具体的には言いませんが、読後感もなかなか爽やかです。 たぶん村上さんは、さらに新しい境地へ進むための準備(悪い意味ではなく)としてこの小説を書いたんではないでしょうか。気は早いですが、次の作品への期待も膨らみます。 | ||||
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この作品は、登場人物でもなく、状況説明だけでもなく、「純粋な視点としての私」(=読者?)によってストーリーが進んでいきます。ときに映画のシナリオやト書きを読んでいるように思わせるところもありました。しかし、ストーリー展開は、村上春樹さんのいつもの力で、ぐっとひきこまれていきました。作品の流れ自体は「海辺のカフカ」のように同じ出来事にシンクロしていく人たちを章ごとに追っていっています。「繋がり」です。村上春樹さんの作品については、答えのようなものは読者自身に委ねられているように思いますので、評価は大変難しいですが、村上春樹さんの作品が好きな人ならば、裏切られることはないと思います。 | ||||
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本書は,いくつかの物語が同時進行的に語られ,その語られた物語のある部分は互いに繋がり合い,またある部分は全く触れ合うことはないという,ハードボイルドワンダーランド,海辺のカフカに共通する手法でつづられている.本書を含め,著者が描き出そうとする各作品共通の世界,人間の持つ闇,こちら側とあちら側,獣のすむ世界と壁の向こう,そして夜明けまでの夜をさまよう妹と眠り続ける姉,を魅力的な文章で,そして非常にリアルに,その暗闇を手の平に感じ,こちらとあちらの壁を皮膚で感じられるようなほどリアルに描きだされている.月並みだけど,面白い,と思える一冊でした. | ||||
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村上春樹さんのような方でも文章に迷われるんですね。文体に対して、いろいろと試行錯誤をされていたという話を聞きました。これはその試行錯誤の結果生み出された、新しい文章のように感じられます。なんというか、物語がリアルに息づいている、それが第一印象です。今まではムラカミハルキを読むとき、どこか現実感が希薄なフェアリーテイルを手にしている、という感じがあったのですが、これは正にリアルとしか言いようがなくて、物語の途中で現実にはあるはずのない出来事が描かれている部分がありましたが、その描写の生々しさとかリアリティに少しぞっとしてしまって、もう参りましたとしか言いようがありませんでした。どこかで誰かが夜眠っているときに、ひっそりとそんな入り口が口を開けていてもおかしくないよなと思わせるような…。 | ||||
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村上春樹さんの待望の新刊です。まず今までの作品との<描写の視点>の違いに驚きました。内容は、主人公がある意味危険な夜の世界に生きる人々との交流によって内面的な成長を得られるという話だと思います。主人公と闇の世界に生きざるを得ない人々との核心をついた対話には、村上春樹さんの小説に対して期待していた人生観などが描かれていて、面白く読めました。☆が四つの理由ですが、私自身ねじまき鳥や海辺のカフカなど、全体的に観念的な小説を望んでいたからです。これらの小説に比べ、今回の小説はそのような話題は少ないように思えます。 | ||||
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シンプルで村上春樹を初めて読む方も十分楽しめる物語ですが、なかなか含蓄深くもありじっくりと味わえる作品であると思います。春樹ワールドがひとまわり成長し、集結したという印象を受けました。19さいの女の子が主人公なので若い女の子には特におすすめです。 | ||||
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感想を一言でいうと、無理をしすぎているという感じだった。村上春樹は以前『海辺のカフカ』について、「登場人物にあまりリアリティを求めすぎてはいけない。細部ではなく物語全体を見て欲しい」というようなこと語っていたことがあったが、セリフや行動などあまりにも現実の若者とかけ離れてすぎていて、自分にはこの作品に対する入り口を見つけることができなかった。そこまで現実から乖離した人物像を無理をして描いてまで訴えようとするものは一体何なのだろうか。彼がいう「ボイスの獲得」はいまだ不十分なままであるような気がする。演劇のスクリプト風の描写や第三者的な語り、硬い心理描写と柔らかい情景描写の織り交ぜなど手法には意欲的な面が見られるものの全体としては詰めが甘くまとまっていないような印象を受ける。私は思うのだが、なぜ村上春樹は等身大の自分をモチーフに描こうとしなくなったのだろうか。私は少なくとも彼が描く「50代の男の物語」が見たいと思っている。それともそこには語るべき物語はもうないのだろうか。 | ||||
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今までの村上春樹の小説とは少し違った印象を受ける。非常に映画的であり、ドキュメント的でもある小説という印象を受けました。それぞれの登場人物がそれぞれに生きている。誰が中心で誰が主役でもかまわない。それぞれの人生が闇であり、読後にその闇の後にくるものは何か考えてしまう。しかし、人生といっても一晩の話である。それでも人生と言ってかまわないと思いました。 | ||||
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