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弁護側の証人



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弁護側の証人の評価: 3.26/5点 レビュー 69件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.26pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 21~34 2/2ページ
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No.14:
(4pt)

まず「検察側の証人」(映画版 情婦)を見てから読むことをお勧めします

なぜか、このミステリーのメイントリックに全く気付かず読み終えてしまう方が多いようですが、その方たちは、アガサ・クリスティーの「検察側の証人」の内容を知らずに、いきなりこちらを読み始めてしまった方が多いのではないでしょうか。そうすると、「え、このミステリーどこが面白いの?」ということになってしまいます。この「弁護側の証人」という題名が示すとおり、このミステリーはあえて「検察側の証人」を意識して題名を付けています。と言うより「検察側の証人」を知っている人を対象に書かれたミステリーなのです。少し推理小説をかじった方や、ミステリー映画の好きな方はこの題名で「おっ、こんどは 弁護側の証人 ときたか。」ということになります。(マレーネ・ディートリッヒ主演、映画「情婦」の原作です)つまり「検察側の証人」こそがこの「弁護側の証人」の最大のミスディレクションになっているのです。この両方を知ると、この2つの作品が表裏一体、になっていることがよくわかります。(クリスティーはちょっと?という方は、映画「情婦」をお勧めします)
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.13:
(5pt)

まるでフレンチ・ミステリのような

本書の面白さは、どれだけ作中人物に感情移入できるかで違ってくる。そして、あのどちらに感情移入しても、サプライズ・エンディングのカタルシスは訪れる。だから、感情移入できなかった人には残念だが、余り面白いとは感じないかもしれないし、サプライズも何ということなく過ぎてしまうだろう。

 そう、本作は間違いなく読者を選ぶ作品であり、誰もが手放しで傑作と称賛するようなものではないのだ。ストーリーにある‘しかけ’は大したことはない。ただ、それをどちら側と判断するかでもまた、評価は変わってくる。しかし、本当に評価すべきなのは、その‘しかけ’の仕掛け方であろう。

 いかにも都筑道夫好みの作品であり、たしか本作に対する都筑の評価はかなり高かったと思う。同様の設定の作品は、現在ではその出来不出来にかかわらず多数存在する。だから、今の読者にはそう珍しい‘しかけ’ではないだろう。だが、作品としての完成度とその歴史的なものを考慮すると、本作の価値は分かると思う。

 まぎれもなく傑作、それも‘しかけ’という著者の遊び心あふれる名作である。これが復刊された意義は大きい。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.12:
(4pt)

ちょっと、どういうこと?

本屋に平積みされていたので気付いた。「弁護側の証人」か、懐かしいなぁ。解説をみると、単行本での発売は昭和30年代なので随分古い本だ。それが文庫で復刊されている。値段が600円でお釣りがくるし、250頁の厚さは手頃だし、読んだとはいっても、梗概を読んでも完全に忘れていたので買う事にした。

ふーむ、これは、まいった。終盤辺りを読んで、「ちょっと、どういうこと?」と意想外の展開となるのだ。

手品のミスリードだ。右手のほうが怪しいと、ずっと見てきたが、本当は左手だった。騙された。

もういっぺん、最初から、怪しいと思われるところを読むと、周到な伏線が張られているのに気付く。なるほど、作家になるのは難しいけれど、しかし又、何と楽しい作業かなと、羨ましくも思った。

完敗(乾杯)である。ヒント:映画化は絶対無理だ。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.11:
(4pt)

上手い

面白いというより上手いと思った
初めて読み直してこの小説のすごさがわかる
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.10:
(4pt)

誰もがだまされる ”叙述ミステリー”の白眉

P・D・ジェイムズの『女には向かない職業』やジョセフィン・テイの『時の娘』などの翻訳でも知られる小泉喜美子の小説デビュー作。
’63年発表の伝説の名作が46年を経て復刊された。
ヌードダンサーのミミイ・ローイは財閥の御曹司に見初められてスピード結婚。だが玉の輿となるべき幸せな結婚生活はわずか2ヶ月で夫の父親の殺害によって打ち砕かれた。真犯人は一体誰? 一審の死刑判決をくつがえすべく、元同僚のダンサー・エダの紹介による新しい一見風采の上がらない弁護士とともに警察に働きかけ、ミミイは闘う。ストーリーは、ミミイの一人称の「現在」の章と三人称の「過去」の章が交錯して、‘わたし’ことミミイの心情や、富豪一家とそれを取り巻く人々、そして事件のあらましが語られる。大富豪のもとに嫁いだ分不相応な女性の苦労話のように、なんのわだかまりもなくスラスラ読み進んで、第十一章で、天地がひっくり返る。なるほど改めて序章から一人称の章を読み返してみても、真相に何の破綻もない。巧緻に張られた伏線の妙にただ恐れ入るばかりである。さらに、第十一章はそれだけでも異例な、現職の警部補が弁護側の証人に立つという迫真の法廷ミステリーの要素も併せ持っており、読み応え充分である。
それにしても“叙述ミステリー”は折原一のファンである私には慣れているはずだったが、これは正直言ってヤラれてしまった。
本書は、序章から第十章までがすべてトリックであり、衝撃の“どんでん返し”が待ち受ける、誰もが騙される“叙述ミステリー”の白眉である。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.9:
(4pt)

誰もがだまされる ”叙述ミステリー”の白眉

P・D・ジェイムズの『女には向かない職業』やジョセフィン・テイの『時の娘』などの翻訳でも知られる小泉喜美子の小説デビュー作。

ヌードダンサーのミミイ・ローイは財閥の御曹司に見初められてスピード結婚。だが玉の輿となるべき幸せな結婚生活はわずか2ヶ月で夫の父親の殺害によって打ち砕かれた。真犯人は一体誰? 一審の死刑判決をくつがえすべく、元同僚のダンサー・エダの紹介による新しい一見風采の上がらない弁護士とともに警察に働きかけ、ミミイは闘う。ストーリーは、ミミイの一人称の「現在」の章と三人称の「過去」の章が交錯して、‘わたし’ことミミイの心情や、富豪一家とそれを取り巻く人々、そして事件のあらましが語られる。大富豪のもとに嫁いだ分不相応な女性の苦労話のように、なんのわだかまりもなくスラスラ読み進んで、第十一章で、天地がひっくり返る。なるほど改めて序章から一人称の章を読み返してみても、真相に何の破綻もない。巧緻に張られた伏線の妙にただ恐れ入るばかりである。さらに、第十一章はそれだけでも異例な、現職の警部補が弁護側の証人に立つという迫真の法廷ミステリーの要素も併せ持っており、読み応え充分である。

それにしても“叙述ミステリー”は折原一のファンである私には慣れているはずだったが、これは正直言ってヤラれてしまった。
本書は、序章から第十章までがすべてトリックであり、衝撃の“どんでん返し”が待ち受ける、誰もが騙される“叙述ミステリー”の白眉である。
弁護側の証人 (1978年) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (1978年) (集英社文庫)より
B000J8PLMA
No.8:
(4pt)

現在でも楽しめる古典

この小説の関心の対象はタイトルにある弁護側の証人の正体と,
その証人がどんな証言で被告を無罪に導くかである,はずなのだが,
実はもう一つの仕掛けがある.
正攻法的な謎で引っ張っておいてラストにこんな真相を用意しておくとは!
この手の仕掛けに慣れた読者なら,序盤のある文章で気づいてしまうかもしれないが,
昭和30年代にこんなミステリーが登場していたことにびっくりしてしまう.
読み終わってから序章と終章を読み比べるとさらに味わい深い.
描写がわかりにくい部分や,冗長なセリフも目立つが,現在でも十分楽しめる作品.
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
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No.7:
(5pt)

ゆっくり味わってほしい名作だと思います

某掲示板で見かけてさほど期待せずに読んだ一冊ですが、・・・、やられました!
だまし屋、道夫秀介氏が解説で「大好きな一冊」と書いているくらいなので、それはもう、やっぱりそれ相応の作品でした。
実は相当に古い作品で、昭和30年代の著書です。著者は、翻訳等の仕事もしていたらしく、言葉遣いや表現に古い外国作品風の色合いが強く残る点が嫌みで気になりますが、それを補って余りあるリーダビリティと秀逸なプロットに負けました。既に亡くなられている著者は、プライベートでは色々と波瀾万丈の人生を歩まれたらしいですが、もっと作品を残しておいてほしかったと残念でなりません。
薄くて、文字が大きくて、正直大作ではありませんが、ゆっくりと堪能してほしい一冊です。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
4087464296
No.6:
(5pt)

洗練された騙しの手並み

叙述ミステリの古典的名作ということで、読む前の期待値は、いやが上にも高まる
わけですが、今回読んでみて、その期待を裏切らない、傑作であると感じました。
とはいえ、とりたてて意外性満点の真相というわけでもありません。むしろ、
その真相が開示されるまでの過程で、作者が魅せる、さまざまなテクニック
――読者を誤導する構成、巧緻な伏線、騙りの技巧が施された会話――こそ
が読みどころであるといえます(さすがに、1963年に発表された作品なので、
風俗や会話などは古めかしいですが、それはそれで味わい深いですし、そも
そも、本作は、プロットを読ませることを主眼にしているので、経年劣化の弊害
とは無縁、ともいえるでしょう)。
なので、本作を読了されたら「序章」だけでいいので、ぜひ再読してみて
ください。初読の時には見えなかった光景が、眼前に広がると思います。
また、本作は、そうした叙述トリックばかりが取りざたされがちですが、
タイトルとなっている「弁護側の証人」に込められた意図も見逃せません。
普通なら、絶対に「弁護側の証人」になることはないある人物が、無実の
被告を救うために証人台に立つという趣向は、社会派的なテーマとして
普遍性があるだけでなく、法廷における起死回生の逆転を劇的に演出
することに成功しています。
大富豪の放蕩息子に見初められたヌードダンサー――という現代のおとぎ話の
フィナーレは、ビターではあるものの、決して読後感は悪くなく、清々しい余韻を
残します。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
4087464296
No.5:
(4pt)

思い込みの面白さ

一言でいうなら読者に思い込みと言うか、錯覚を起こさせ、終わりのほうまでそのまま引っ張っていく小説。おおげさな仕掛けやトリックがあるわけではなく、読み終わってみれば「さもありなん。」という感じの内容(事件)なのだが、途中まで我々読者は勘違いをしたまま読み進んでしまうようにできている。さらっと書かれているようでいて、「あっ、そうだったの?!」と思わせる。作中の被害者(無残にも殺害されてしまうのだが)の人を見る目、職業など表面的なものではなく、人の本質を見抜いていたところが快かった。最近、理屈や何か講釈めいたことでページ数が増えている小説も多いが、この作品は単純な内容でありながらスッキリとまとまっていて秀作だと思う。主人公の、その後もたくましく潔く生きていったであろう姿を思い描きつつ、気持ちの良い読後感だった。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
4087464296
No.4:
(5pt)

必読です

 本書はいわゆる叙述トリックものの中で超がつくほどの代表作であります。
 古い作品なので舞台設定に違和感を覚えるかもしれませんが、すぐに慣れます。本書の凄さは叙述トリックものを多く読破されてきた方ならば分かってもらえると思います。なぜなら、他に類をみない手法を用いているからです。並の書き手ではこの手法で書けないでしょう。大変な表現力を要します。
 残念ながら著者の仕掛けた罠に気付かず読了してしまった方もいるようです。トリックを暴かれたのであればお見事です。しかし、なんとなく読み進めてしまって気付かなかったのなら、不幸と言わざるをえません。これから読まれる方は注意深く読み進めていただきたく思います。
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
4087464296
No.3:
(5pt)

抜群の切れ味

大昔に民放でドラマ化されてませんでしたか?筋もオチも全く覚えていなかったのですが、クリスティーの名作を意識したこのタイトルは妙によく記憶に残っており。ふと本屋で見かけて衝動買い。こんなに素晴らしい作品を読み逃していたとは!集英社さん、ありがとう。時代背景以外は今読んでも全く色あせることないフェアな筆遣い、ほぼ完璧なプロット。今もてはやされているアレ系のトリックですが、この作品を上回る切れ味はちょっと記憶にありません。(余談ですが、近年の“このミス”などに入っている同類トリックはガッカリが多いです。あらゆる意味でチープで)
弁護側の証人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫)より
4087464296
No.2:
(5pt)

最高傑作

この種のミステリとしては、最高傑作といっても過言ではない。
昨今、この手の作品は数多いが、その鮮やかさ、手際のよさ、驚愕度、みずみずしさ、いろいろな点において日本ミステリ史上際だった作品である。
特許ではないが、早い者勝ちなのである。
この作品を読まずして、我孫子武丸だの歌野晶午だの折原一を語る資格はなし!
弁護側の証人 (集英社文庫 73-A)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (集英社文庫 73-A)より
4087501221
No.1:
(4pt)

スマートな傑作

 翻訳家としても有名な小泉喜美子の作品。主人公がストリッパーというあたり、いかにもクレイグ・ライス作品の訳者という感じがする。長編というには短めだが、この作品にはこのくらいの長さがちょうどいい。肝心のトリックは大胆かつスマートだが、私は途中で気がついた。しかし、始めから読み返してみて驚くのは、その伏線の張り方の巧みさである。読者の目の前にタネをつきだしておきながら、それに気づかせない作者の手腕にはうならされる。クリスティの検察側の証人を意識した作品なのだろうが、それにまったく引けを取らない傑作である。
弁護側の証人 (ミステリ名作館)Amazon書評・レビュー:弁護側の証人 (ミステリ名作館)より
4882930706

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