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玉蘭



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【この小説が収録されている参考書籍】
玉蘭
玉蘭 (朝日文庫)
玉蘭 (文春文庫)
玉蘭 (文春文庫)

玉蘭の評価: 4.00/5点 レビュー 66件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(3pt)

この時代の上海の雰囲気を楽しむ

最終章まで、たどり着くまで、苦労するほど、物語に展開がない、退屈しながらの読書。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.17:
(3pt)

好きだという言葉は、これ以上因数分解出来ないものだ。

玉蘭は上海の木だ。ハクモクレンである。
「あんなに抱き合ったのに、肝心なことは話してこなかった。」
というオビに目が惹かれる。
「玉蘭 木蓮にもにた白い厚めの花弁。すっきりと細長く、優雅な釣り鐘のような
カタチをした可憐のような花。花弁は固く閉じられているが、
クチナシにそっくりな甘くつよい芳香をはなつ。
しおれた玉蘭をつまみ上げる。
肉厚の花弁は茶色く変色し、すえた甘い匂いにかわっていた。
中から小さな黒いアリが這い出てきて机の上に落ちる。
有子は、穢れたものを見た気がして立ちすくんだ。」
玉蘭の表現が、主人公 有子のその生き方と重なる。
有子は、上海のH大学に、編集者という職を捨て、医者である恋人とも別れ、留学しにきた。
不眠症で悩まされていたが、ある若い男 質が、枕元にあらわれる。
それは、父親からも聞いた大叔父の質だった。
質は、1920年ころ N汽船の機関士をしていた。上海→広州便に乗っていた。
編集者の有子が、松村のところに、小説を持っていき、監修を頼んだのだ。
その時、松村は、挑発的に
「人間は、もっと醜くて、かっこわるいですよ。
これは綺麗に書きすぎている。」と書評をする
有子の自信のないそぶりが、医者である松村のこころを揺さぶり、
急速に、恋に落ちていく。
しかし、有子の不安で真摯な状態は、松村にとっても負担となっていた。
有子は、松村に突っかかるが、有子は、なんでも言葉で分析し、
言葉でかんがえていこうとする。
松村は、「有子が好きだ」という。
そして好きだということは、
「これ以上因数分解できない素の言葉だ。」とおもう。
有子は、地方からでて、東京に住む女性と闘おうとするが、
所詮闘うこともできない・・その現実に愕然とする。
すべてを断ち切り、上海に留学するが、H大学で広げられる留学生の放埒な生活。
そこに嫌悪しながらも自分で壊れていこうとする。上海は そんな魔力がある。
質の緊迫した戦争間際の宮崎浪子の恋愛を織り糸にしながら、
花は、枯れ、朽ち落ちていく時に、甘酸っぱいかおりを出すが、
有子は、壊れながらも、自分というものを取り戻そうとしても。
有子はハクモクレンのような感じはしないなぁ。もっと、壊れそうな花のイメージ。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.16:
(3pt)

玉蘭は白木蓮。会いたくて会いたくて〜

最初のページを読み始めたとたんに物語に引き込まれていました。
上海のシーンなんてホントに自分がそこにいて呼吸してる気分になるぐらい。
男性と女性の恋愛に対する考え方の違いの描き方がいいですね。
現代の有子と松村、1920年代の質と浪子
二組の男女が織りなす人間模様が重なりあい「嘘」と共に絡み合う。
『果てに来てしまったと思ったら、どんどん知らない場所に行けばいいんだよ。
それが最果ての最前線になるだろうさ。船乗りは皆、そう思う』
物語の初めで有子に対し大伯父の質が現れて語る台詞
このお話も読んでいるそのページが最果ての最前線。
2つの恋がどう重なってくるのか
読者はその最果ての最前線でドキドキする構成になっています。
いい作品ですが読後感がちょっとね。。。
ってことで★は3つ
これも男女の感じ方の違いなのかしらん
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.15:
(3pt)

玉蘭は白木蓮。会いたくて会いたくて〜

最初のページを読み始めたとたんに物語に引き込まれていました。
上海のシーンなんてホントに自分がそこにいて呼吸してる気分になるぐらい。
男性と女性の恋愛に対する考え方の違いの描き方がいいですね。
現代の有子と松村、1920年代の質と浪子
二組の男女が織りなす人間模様が重なりあい「嘘」と共に絡み合う。
『果てに来てしまったと思ったら、どんどん知らない場所に行けばいいんだよ。
それが最果ての最前線になるだろうさ。船乗りは皆、そう思う』
物語の初めで有子に対し大伯父の質が現れて語る台詞
このお話も読んでいるそのページが最果ての最前線。
2つの恋がどう重なってくるのか
読者はその最果ての最前線でドキドキする構成になっています。
いい作品ですが読後感がちょっとね。。。
ってことで★は3つ
これも男女の感じ方の違いなのかしらん
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.14:
(3pt)

個人的には今まで読んだ桐野氏の作品の中でベスト

主軸は時代を隔てた二組の男女の時空を越えた交感、あるいは数奇な物語。打算的にして孤独な男女が、慰め傷つけ合う激しい愛の物語。男女の複雑な心理描写や駆け引き、夢も希望もない性交の描写、そこから浮かび上がる女性と男性の性の違い。男の狡さ、女の弱さと強さ。これらの描出は桐野氏ならではの鋭さだと読みながら唸ってしまう。
自分の今いるところは世界の果てなのか。新しい世界なのか。そこから逃げ出そう(解放されよう)とするならば、それにはもう一人の主人公である有子(あるいは「グロテスク」の和恵)のように自らが「毀れる」しかないというのでしょうか。自分を引きずる以上、新しい世界などないのだとしたら何と残酷な結論だろう。ですから最終章の質の物語は、私には蛇足、桐野氏の読者への良心と思えてしまう。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167602083
No.13:
(3pt)

個人的には今まで読んだ桐野氏の作品の中でベスト

主軸は時代を隔てた二組の男女の時空を越えた交感、あるいは数奇な物語。打算的にして孤独な男女が、慰め傷つけ合う激しい愛の物語。男女の複雑な心理描写や駆け引き、夢も希望もない性交の描写、そこから浮かび上がる女性と男性の性の違い。男の狡さ、女の弱さと強さ。これらの描出は桐野氏ならではの鋭さだと読みながら唸ってしまう。

自分の今いるところは世界の果てなのか。新しい世界なのか。そこから逃げ出そう(解放されよう)とするならば、それにはもう一人の主人公である有子(あるいは「グロテスク」の和恵)のように自らが「毀れる」しかないというのでしょうか。自分を引きずる以上、新しい世界などないのだとしたら何と残酷な結論だろう。ですから最終章の質の物語は、私には蛇足、桐野氏の読者への良心と思えてしまう。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.12:
(3pt)

打算に堕ちてゆく人物たち

桐野夏生氏という方は、何故、ロマンティックで夢や希望に溢れた性を描くことがないのだろうか・・。打算や堕落や衝動に塗れた性描写は、読んでいて辛くなってしまいます。辛いのは、自分が打算や堕落や衝動に塗れた行動をしてきたことを思い出すからです。

しかしながら、心を辛くさせる登場人物にも惹かれます。キャリアも性もコントロールできなくて翻弄されていく人物たち。医師という専門職の松村、大学教授の道が拓けている萱島、その他現状に鬱屈している男性たち。そして、キャリアを何となく棄てて性に鈍感になる有子。自分も、このように堕ちる可能性を自覚しているので、彼らの心情に興味が湧きます。

ただ、終盤に描かれる質の性と愛は、他の人物とは違うように思いました。「人として相手を愛する」ことが伝わってくるというか。少しほのぼのします。とはいえ、上海時代を引きずっているところが因果だなあと思うわけですが。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.11:
(3pt)

打算に堕ちてゆく人物たち

桐野夏生氏という方は、何故、ロマンティックで夢や希望に溢れた性を描くことがないのだろうか・・。打算や堕落や衝動に塗れた性描写は、読んでいて辛くなってしまいます。辛いのは、自分が打算や堕落や衝動に塗れた行動をしてきたことを思い出すからです。
しかしながら、心を辛くさせる登場人物にも惹かれます。キャリアも性もコントロールできなくて翻弄されていく人物たち。医師という専門職の松村、大学教授の道が拓けている萱島、その他現状に鬱屈している男性たち。そして、キャリアを何となく棄てて性に鈍感になる有子。自分も、このように堕ちる可能性を自覚しているので、彼らの心情に興味が湧きます。
ただ、終盤に描かれる質の性と愛は、他の人物とは違うように思いました。「人として相手を愛する」ことが伝わってくるというか。少しほのぼのします。とはいえ、上海時代を引きずっているところが因果だなあと思うわけですが。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167602083
No.10:
(3pt)

なんとなくもやもや・・・

桐野夏生さんは、女性を描くのがほんとにうまい人だな〜と思った。主人公有子の優等生ならではの生きにくさ、かたくなさ・・・浪子の奔放でいてしたたかないやらしさ。そして何より私が感動(?)したのは上海の寮を取り仕切っている光代(だったかな名前は)に対する浪子の嫌悪感!男の人にはきっとこの光代の嫌さはいまいちわからないかもしれないが、女の私には「そうそう!こういうおばさんいるいる!」とうなってしまった。
このあまりにうますぎる人物描写のため一人一人の人生をもっと深く読んでみたくなってしまい、オムニバス形式のように4人の視点で話が進んでいくのがちょっと散漫な感じがしてなじめなかった。
とはいえ、だれか一人を深く掘り下げて書かれるとすごく濃くなりすぎて読みにくくなったかも。時代や国境を越えて人々がシンクロしてる感じがこの小説の醍醐味だったのかな。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.9:
(3pt)

なんとなくもやもや・・・

桐野夏生さんは、女性を描くのがほんとにうまい人だな〜と思った。主人公有子の優等生ならではの生きにくさ、かたくなさ・・・浪子の奔放でいてしたたかないやらしさ。そして何より私が感動(?)したのは上海の寮を取り仕切っている光代(だったかな名前は)に対する浪子の嫌悪感!男の人にはきっとこの光代の嫌さはいまいちわからないかもしれないが、女の私には「そうそう!こういうおばさんいるいる!」とうなってしまった。

このあまりにうますぎる人物描写のため一人一人の人生をもっと深く読んでみたくなってしまい、オムニバス形式のように4人の視点で話が進んでいくのがちょっと散漫な感じがしてなじめなかった。

とはいえ、だれか一人を深く掘り下げて書かれるとすごく濃くなりすぎて読みにくくなったかも。時代や国境を越えて人々がシンクロしてる感じがこの小説の醍醐味だったのかな。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.8:
(3pt)

リアルすぎる・・

中国留学経験のあるものとしては、学生寮で有子が精神が荒んでいく様子や、寮特有の閉塞感・ずっと残り続ける人々の価値観・生活観が生々しすぎ(本当にそういう人がいっぱいいた)、筆者も留学経験があるのかと思わず感じさせた。又、”グロテスク”同様、優等生でずっと育ってきた女の人特有の挫折・屈折の描写がリアルすぎる。これも又筆者が経験無しに書けているとしたら”恐ろしい観察眼”と言わざるを得ない。ただ、作品そのものに関しては救われず、精神的に落ち込んでいる時にはお勧めしない。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.7:
(3pt)

リアルすぎる・・

中国留学経験のあるものとしては、学生寮で有子が精神が荒んでいく様子や、寮特有の閉塞感・ずっと残り続ける人々の価値観・生活観が生々しすぎ(本当にそういう人がいっぱいいた)、筆者も留学経験があるのかと思わず感じさせた。又、”グロテスク”同様、優等生でずっと育ってきた女の人特有の挫折・屈折の描写がリアルすぎる。これも又筆者が経験無しに書けているとしたら”恐ろしい観察眼”と言わざるを得ない。
ただ、作品そのものに関しては救われず、精神的に落ち込んでいる時にはお勧めしない。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.6:
(3pt)

けっこう苦しかった

この方の小説は好きな方なのですが、この本は正直読むのが苦しかった。特に冒頭のパートは自意識表現をしつこく感じさせる目的な部分なために、かなりの我慢を強いられる。その後はすんなり読み進めるので、苦労した甲斐すら感じるくらいだ。上海に住むのが苦痛である様子が良く理解できる。後味が良い話が好きなので、友達には薦めないでおくことにする。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.5:
(3pt)

けっこう苦しかった

この方の小説は好きな方なのですが、この本は正直読むのが苦しかった。特に冒頭のパートは自意識表現をしつこく感じさせる目的な部分なために、かなりの我慢を強いられる。
その後はすんなり読み進めるので、苦労した甲斐すら感じるくらいだ。
上海に住むのが苦痛である様子が良く理解できる。
後味が良い話が好きなので、友達には薦めないでおくことにする。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.4:
(3pt)

女性と男性で違うかなぁ?

神戸から東京に帰ってくる新幹線の中で一気に読んでしまった。港町を歩いた後だからかどうかはわからないけど、上海の町の様子が生々しく行間から浮かんでくる気がした。この作品をはたして恋愛小説と呼んでいいのかわからないが、男性と女性では読後感がだいぶ違うんじゃないかな?と思わせられる。男性の側からは恋に落ちていく描写が詳細だけど、女性からの視点はあまり掘り下げてない。女性からの視点は破局してからのものだ。女性にとって、複数の男性と関係を持つことが「壊れた」とは一概には言えないと思うし、それは男性からの視点じゃないのかなぁ?なんにしても、色々考えさせられ、一気に読ませる力を持った作品だと思う。でも、ハッピーエンドとは言えないから、星3つ。やっぱり、男のほうがロマンチストなのかな?
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.3:
(3pt)

女性と男性で違うかなぁ?

神戸から東京に帰ってくる新幹線の中で一気に読んでしまった。
港町を歩いた後だからかどうかはわからないけど、上海の町の様子が生々しく行間から浮かんでくる気がした。
この作品をはたして恋愛小説と呼んでいいのかわからないが、男性と女性では読後感がだいぶ違うんじゃないかな?と思わせられる。
男性の側からは恋に落ちていく描写が詳細だけど、女性からの視点はあまり掘り下げてない。
女性からの視点は破局してからのものだ。
女性にとって、複数の男性と関係を持つことが「壊れた」とは一概には言えないと思うし、それは男性からの視点じゃないのかなぁ?
なんにしても、色々考えさせられ、一気に読ませる力を持った作品だと思う。
でも、ハッピーエンドとは言えないから、星3つ。
やっぱり、男のほうがロマンチストなのかな?
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021
No.2:
(3pt)

ラストは好き

 『OUT』『柔らかな頬』『光源』いずれも好きだったのですが、今作はそれほどはまりませんでした。 桐野さんの作品は型破りなところにも魅力があると思うのですが、今作は上記3作に比べると、かなり平淡で、それでいて、構成がどうもぎくしゃくしていて、切り貼りをしたような印象で統一感があまり感じられませんでした。主役たちの存在感も希薄で、メインとなる性愛描写も、桐野さんらしくなく、作中で、登場人物の一人が、なんてありきたりなことをしているんだろう、と嘆く部分があったのですが、た、たしかに、とそこで相槌をうってしまったりして、その後、ある程度、ハジケる展開にはなったものの、やっぱり物足りないものがありました。
玉蘭Amazon書評・レビュー:玉蘭より
4022575832
No.1:
(3pt)

ラストは好き

『OUT』『柔らかな頬』『光源』どれも好きで、それらに続いて読みました。

 桐野さんの作品は、登場人物を含め型破りなところにも魅力があると思うのですが、今作はそのあたりは抑え気味の印象を受けました。登場人物の一人が、なんてありきたりなことをしているんだろう、と嘆く部分で、た、たしかに、とこちらも相槌をうってしまったりして、その後ある程度ハジケる展開にはなったもののやっぱり『OUT』『柔らかな頬』『光源』に続いたあとの作品としては、ちょっと物足りないものを感じました。
玉蘭 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:玉蘭 (文春文庫)より
4167918021

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