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顔に降りかかる雨
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顔に降りかかる雨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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93年度江戸川乱歩賞受賞作。探偵村野ミロシリーズの第一作である。 『グロテスク』や『柔らかな頬』から先に読んだ読者のかたは、本書を物足りなく感じるかもしれない。正直、自分も再読してみて、展開に無理がある箇所が認められるし、ミロの行動原理に共感できないなあ、と改めて思ってしまった。単純なところでは、なんでこの男と寝ようとするの?とか。でも物足りなく感じて当然なのだ。著者は、一作ごとに著しい変化を遂げる作家なのだから。 ストーリーにはあまりひきつけられなかったが、それでも最後まで読ませる筆力がある。そしてところどころ妙に印象に残る箇所も。たとえば、ミロが他人、特に女性を観察する視線に後の作品の萌芽を見ることができると思う。ストーリーよりも細部に魅力を感じる。その細部を極め、執拗なまでに書き込んでいるのが『グロテスク』だったりするのだとも思った。 やはり著者の作品は、発表順に読んだ方がいいかもしれない。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作。 犯人は最初からなんとなく分かるのだけど、そこに至るまでのスケールの大きさが醍醐味。 ドイツの社会情勢まで巻き込みつつも、一個人の欲望やカルト的な趣味、快楽主義的な生き方も丁寧に描き、雑多な日本社会が浮き彫りになる。 登場人物それぞれに癖があって、結局、いい人なんて一人も出てこないあたりも良い。特に不倫された美人妻の、気づく人しか気づかない嫌な女な感じが、これは、女にしか描けないかも。と思った。 | ||||
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はっきり言って楽しめませんでした。 出だしは暗いし、興味を引かない。 人探しというありふれたパターン。 何故、主人公が失踪した友人を探さなければならないのか 良く判らない。 さしたる山場も無く淡々と続くストーリー。 なんとなく先が読めてしまう展開です。 この作品の中で、主人公の親友のノンフィクションライターが、 ベルリンで人種差別を体験するために金髪のカツラかぶって 娼婦みたいな格好して歩くってのがありますが、これは人種差別 なんかじゃなくて、ただ単に人格を疑われてるだけだと思います。 人種差別を体験したければ、普通の格好してレストランで食事 するとか、ホテルに泊まったりすれば体験できると思います。 その方が奇抜な行動をするより、より深いものが見えてくるのでは ないでしょうか。 | ||||
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読んだとき 『テロリストのパラソル』に似ているなあと。 いやいや 『八月のマルクス』のほうかなあとも。 どちらも乱歩賞受賞作なんだけれど。 よくよく考えてみると 受賞はこっちのほうが先。 作品各位に影響被影響はないだろうけれど なんとなくほっとした。 見事にハードボイルド。 深くはないけれど 強い女の弱さもまたきちんと描かれていて。 もちろん真相についても二転三転。 十二分に楽しめた作品。 | ||||
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有名な方なので、名前だけは知ってましたが、つい最近「グロテスク」を読んだだけです。もっと最初の方からと思い、読みました。 これは、読者が女性か男性か、何歳ぐらいであるか?ということで、読後の感想がかなり違ってくる物語だと思います。 割と、白黒はっきりしている物語や、どうだ!というほどのどんでん返しも好きだし、サクサクと進む物語が好きなので、途中、主人公のミロの心理描写が特に、たるいな、と思う部分もありましたが、読み終えたら、この作家さんには必要だったのだなと思いました。 最初、なんでミロが巻き込まれなくてはならない事件かわからなかったけど、後で思うと、なるほど・・・事件とはこれだったのか?と。 自分の世界を持っておられる作者、ですね。 「グロテスク」を読んだ時も好きか嫌いかはわからなかったけど、やっぱりこの作品もそうです。好きか嫌いかわからない。でも、忘れない。そういうのが創れる方ってのは、素晴らしい才能があるのでは? 話が面白いだけじゃなく、雰囲気がすごくある作品ですね。 続編も読んでみます。 | ||||
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有名な方なので、名前だけは知ってましたが、つい最近「グロテスク」を読んだだけです。もっと最初の方からと思い、読みました。 これは、読者が女性か男性か、何歳ぐらいであるか?ということで、読後の感想がかなり違ってくる物語だと思います。 割と、白黒はっきりしている物語や、どうだ!というほどのどんでん返しも好きだし、サクサクと進む物語が好きなので、途中、主人公のミロの心理描写が特に、たるいな、と思う部分もありましたが、読み終えたら、この作家さんには必要だったのだなと思いました。 最初、なんでミロが巻き込まれなくてはならない事件かわからなかったけど、後で思うと、なるほど・・・事件とはこれだったのか?と。 自分の世界を持っておられる作者、ですね。 「グロテスク」を読んだ時も好きか嫌いかはわからなかったけど、やっぱりこの作品もそうです。好きか嫌いかわからない。でも、忘れない。そういうのが創れる方ってのは、素晴らしい才能があるのでは? 話が面白いだけじゃなく、雰囲気がすごくある作品ですね。 続編も読んでみます。 | ||||
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僕のように、「グロテスク」あたりから桐野ワールドにはまった人間からすれば「ん?」という作品。まだ、桐野ワールドが確立する前の作品に位置づけられるだろう。なぜなら視点が違うからである。後の桐野作品なら、この作品の「被害者」である耀子の内面描写に徹底されるだろう。その耀子に惹きつけられる主人公を軸に物語が展開してしまうのは、この作品に凡庸な印象を与えてしまうと共に、桐野自身の視点がまだその程度にとどまっていたことを示している。本作のあとの飛躍、そこにわれわれは萌えるのだ。 | ||||
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この作品は、女探偵「村野ミロ」シリーズの第1作にして、第39回江戸川乱歩賞受賞作である。この作品を読んだのは、続編にあたる「天使に見捨てられた夜」、「ローズガーデン」の読後だったので、書評で云われているほどセンセーショナルな感じは受けなかった。突飛な展開で強引に話を進めるやり方のような荒い部分が文章に見られるものの、暗い過去を背負いながらも表面は猛々しく生きるミロの人物造形は既に完成しており、充分魅力的である。そして、桐野夏生の力づよい作品の原点は、ここにあるのだとあらためて実感した。 | ||||
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単純に読んでおもしろい作品。次の展開が気になって一気に最後まで読み終えた。ハードボイルドだとかスリルとサスペンスだとかの枠に無理に押し込もうとすると,登場人物の人物描写,事件の発生から結末に至る過程,本作品の中で主要な部分を占める「ネオナチ」との関連性,ミロの父親の家業である「調査屋」と裏社会との関連など,すべてのことが今ひとつ踏み込みが甘いという感じはぬぐえない。ただ,著者らしい事件を通して登場する男と女の間に流れる微妙な心のやりとり,著者が好みそうないい男の成瀬とちんぴら桐島との対比,主人公ミロの女性像とかはいかにも著者らしい描き方でおもしろい。この作品は一話完結ではなく,「村野ミロ」が父親の家業である調査屋を継がざるを得ない,継ぐにふさわしい人間だということを社会に認知させるための作品であり,今後,このミロが解決する複雑怪奇な事件がどのような作品として出版されるかが期待される。 | ||||
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~江戸川乱歩賞を受賞した作品ということで、手に取りました。主人公村野ミロが初登場し、父親の探偵業を次いで仕事をしていく過程を紹介する作品だと感じました。当然、この本だけで物語は完結するのですが、これからの村野ミロの世界を紹介していくプロローグの作品と感じてしまいます。物語の展開が都合良すぎることと、主人公と成瀬との恋愛感情も違和~~感を感じます。なぜ、あの状況で恋愛感情がわくのでしょうか?わかりません。ただ、女性探偵のハードボイルドは新鮮みがあり、謎解きもストーリーの意外な展開も、ミステリ好きの僕にも楽しめました。今後の村野ミロシリーズに期待します。~ | ||||
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桐野夏生のミステリー作家としてのデビュー作。第39回江戸川乱歩賞受賞作。 女性を主人公としたハードボイルドミステリー。すでにこの作品以前に刊行作品は数多くあって、最早新人の筆ではない。安定した語り口と謎の収斂は見事。気負いの無いさりげなさにこの作家の自信を見る。 | ||||
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枚数制限があるせいでしょうか、気になる点がいくつかあります。まず、村野ミロと成瀬の人物描写の甘さ。成瀬が男前だというのは分かりますが、東大を出て極道と付き合うに至る経緯や、二人の関係が恋愛らしきものに発展していく必然性が曖昧でした。二人の恋愛に関しては、作者の頭の中ではロマンスが出来上がっているのでしょうが、それが十分に紙面に反映されていません。正直、この程度のやりとりでなぜ恋愛に?といった感じです。ミステリー的にはなかなかでした。若干地味な捜査が続きますが、倒錯した世界を無理なく取り入れ、独自の作風をかもし出しています。 | ||||
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ダークの中に出てくる成瀬、悲壮感ただようこの男に惹かれて読んだのに....いくらページをめくっても幼稚な設定ばかりで.....私が想像していた成瀬の姿を見つけることができませんでした。 | ||||
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この作品がハードボイルド作品なのかそうでないのか分かりません。その辺の線引きはなくなって今やボーダレスなんじゃないでしょうか?と、個人的には思いますけどこの作品に関しては読み始めたらあっという間に読んでしまいました。テンポは良かったと思います。話の内容に不満があったとかっていうんじゃなく、もっと長編を読みたい雑誌を読むようにあっとう間によめちゃったので。。。感情的な描写に走らず、氏の独特なタッチでこれからも頑張ってほしいです。OUT読み始めました!! | ||||
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主人公周辺の設定、舞台背景がいかにもハードボイルドといったかんじで本格ミステリが好きな人が読んだら、ちょっとこれは違うかな、といった感じでしょう。しかしながらスピード感とテンポはなかなかよく倒錯した世界のはなしながら以外と簡単に読めます。 | ||||
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全体的に暗い印象。主人公ミロの人物描写がいまいち甘いかな。でもストーリー的には、先が気になって、どんどん読み進んでしまった。次のシリーズが楽しみだ。 | ||||
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ハードボイルドだとは思わずに、推理小説として読みました。主人公の”弱さ”がまた魅力の一つなのか、およそ探偵としては一人立ちできていない。怪しい裏社会をさぐり事件の真相に辿り着きますが、『水の眠り灰の夢』が東京オリンピックの頃の記者の泥臭さがよく描けていておもしろかっただけに、この作品は少し物足りなかった気がします。ミロの人間性をもう少し深く描けていたらおもしろいのかも。次に期待します。 | ||||
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はっきり言って失敗でしょう。女性がハードボイルド書くのは良いと思うけど、あまりにもいい加減なストーリー。凄く話題になったから買ってみたけどもう少しくらい面白くてもよいと思うけど。他にいなかったのかな・・・ | ||||
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僕も万人には薦めない。 柔らかな頬に共感、表現力の深さを感じ読んでみたがイマイチだった。 期待が高かったのも確かにあるが、如何せんストーリーが曖昧すぎる。 多くのネタを出しすぎなのだと感じた。 よって、一人一人の登場人物が薄っぺらくなる。 このストーリーラインから思うに、海外の思想的背景というトピックは間違いなく余計。 他のトピックで、カバーできたはず。 しかし、OUT、柔らかな頬にいたる過程と考えれば、一読の価値は感じる。 チョット辛口過ぎだろうか。。。 | ||||
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日本での女流ハードボイルド作家の先駆けとされる著者の江戸川乱歩賞受賞作。流石に乱歩賞受賞作品だけあって、面白く、一気に読ませられた。ただ主人公が探偵のまねをして、友人の行方を追うという設定があまりに手垢が付き過ぎて、新鮮味がないと言えなくもない。もしかすると、ハードボイルドというジャンル自体がそろそろ存在意義を失いつつあるのではないかと思うのは私だけであろうか。 | ||||
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