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新世界より



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新世界よりの評価: 3.97/5点 レビュー 506件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全506件 381~400 20/26ページ
No.126:
(5pt)

緻密な設定と手に汗握るストーリー

第29回日本SF大賞を受賞した著者入魂の冒険活劇です。いや〜、むちゃくちゃ面白い!

舞台は1000年後の日本。一個人が核兵器にも匹敵するほどの超能力を身につけた時代。人類は、その刃を決して自らに向け合うことがないよう、徹底的に管理された社会で生活をしていた。しかしある時、ほんの小さなほころびから「異端の者」が生まれ、やがて多くの命を奪う凄惨な事件へとつながっていく…。

とにかく、物語の設定が細部にいたるまで堅牢に構築されていてすごいです。タイトル通り、見事なまでの「新世界」が創造され、描写されていきます。

上下巻で1000ページを超えるストーリーも、息つく暇を与えないほど面白く、世界の謎が解明されていく過程にワクワク、戦況の行方にハラハラと、先が気になって仕方がありません。敵の正体を推理するミステリの要素もあり、最後は「なるほど〜」と膝を打つと思います。

「破滅的な力をどう制御するか」「異端者をどう処遇するか」「支配・被支配の矛盾をどう解決するか」など、社会派なテーマも底にはあるのですが、まあそれはあくまでBGMとして、とにかくスリリングな展開に身を委ねて楽しみましょう!

スプラッタな要素もかなり入ってるので、血なまぐさい描写が苦手な人はダメかもしれませんが、時間を忘れてどっぷり楽しみたい方にはおすすめの一冊です。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.125:
(5pt)

これまで読んできた小説のなかでダントツに面白い

三冊にまたがって綴られるこの作品。

読み始める前は「うわー長いな―。これでつまらなかったら損だなー」と、あまり乗り気ではなかったものの、
読み終わった後の感想は「え!? 三冊で終わりなの!?」でした。

というのも、世界設定がものすんごく濃い。
登場する生物の習性、先祖、名前の由来、学名まで完全に考え尽されていて、まるでファンタジーを読んでいるかのよう。

そのため、上巻では説明描写が多くグダる印象はあるものの、300ページを越えたあたりからはノンストップ。熱い展開が待ってます。

個人的な感想ですが、上巻の説明描写がどうしても耐えられない方は、流し読みしてしまっても平気かと思います。というより、初見で完全に理解できる人はあまりいないかも。
全部読み終わった後に、その説明を見て納得できれば作者の意図も汲めると思うので、取り合えず全巻読んでみることを強く薦めます。

これは何十年後も残るエンターテイメント作品です。
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.124:
(5pt)

これはヤバい!

時間が余っていたので長目の物を手に取りましたが 、あっという間に読み終えてしまいました。SF小説ではありますが、まったくの異次元でもなく、それでいてあの独特の世界にどっぷりはまってしまいました。この後に黒い家という作品を同じ作者とは知らずに読みましたが、感情の負の部分の描写には共通するものを感じました。長編でしたが苦もなく読めましたね。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.123:
(4pt)

世界観が・・・

作者の今までの作品とは、時代背景や設定が違いすぎて、
上中下巻と3冊一気に買ったので、はじめはこの世界観になじめるか不安でした(笑)
でも読み進めていくうちに、どんどん引き込まれていきました。
難しい説明のくだりは、さら〜〜〜っと適当に読み流し(すみません)
家事や子育てしながら、あいた時間に集中して3日で読みました。
一番せつなかったのは、最後のガラスケース越しの対面シーン。
いままでのいろんなことが明らかになり、ショックでもありました。
タイトルが「新世界より」。最後まで読んで納得。
最初に複線がはってあったアレはどーした?とか、
読み進めていくうちに忘れちゃったり、?なところがあったりしたので
そのうちもう一回よみ返そうかと思っています。
新世界より(中) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新世界より(中) (講談社文庫)より
4062768542
No.122:
(1pt)

異世界動物紀?(・∀・)

上巻ですが途中で読むのを諦めました。
自分史上ワースト記録に残るつまらない作品の一つです。
1000年後の世界、呪力というキーワードに釣られて手に取ってみましたが、繰り広げられるのは訳のわからない世界設定の説明文ばかり。
作者の作り上げた世界を丁寧に描写しているようで、その実、無駄な文章が物凄く多い。
特にその世界に生きる生物を『よくもまぁ〜』ってぐらい冗長なまでにダラダラクドクド説明するもんだから話が進まないに等しい。
もう小説じゃなく妄想動物図鑑でも書けば?と言いたくなる酷さでした。
最後まで読まずに評価するな、という意見もあるかと思いますが、最初の掴みで一気に引き込めないのではそれまでの作品なのだと思います。
個人的には文句無しの駄作でした。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.121:
(4pt)

未来小説? いや、現在でも

長編かつ、100%想像世界の話ゆえしかたないのかもしれないが、粗さが気にならないでもない。

例えば、文庫本上巻p.255 l.6-l.8と文庫本下巻p.186 l.2-l.5の矛盾とか。
まあ、それはまさに「粗」探しの部類だと自分でも思うが。

ただ、下巻で登場する最大の敵はなぜ、清浄寺でのイニシエーション(大事なkey wordを授けられる)や全人学級での呪力の開発過程を経ずして呪力をコントロールできるようになったのか?
の点については、得心が行かない。
上巻〜中巻にかけて膨大な枚数を使って構築した世界観を覆しかねない設定のため、敢えて指摘したいと思う。

それを差し引いても「面白い」作品であることは間違いない。
このような世界観を構築して、これだけの文章量の作品をそれほど飽きることなく読ませる技量は間違いなく上級。
少年少女の成長物語としてみてもなかなか良質であると思えるし、戦闘場面や追跡場面はロードムービー的な面白さもある。
主人公の幼年期の描写と世界観の説明に上巻はほぼ費やされるわけだが、それほど苦になることもない。

先端の科学技術に背を向けて、個人に付加された呪力によって生活が成り立つ社会。
呪力は使いようによっては、人類を絶滅させかねない禁断の力の側面も持つ。
...個人が呪力は持たなくても、道徳や法令順守の意識が外れてしまった瞬間から大量に人を殺してしまえる現在の社会も同じことなのか?
自動車、核技術etc。
呪力そのものに善意も悪意もないように、科学技術にも善意も悪意もないとすると...。
示唆するものは非常に深くて広い。

それだけに粗の部分が何度か読むたびに気になる。
筆者の責任だけでなく、編集者にも責任はあると思うのだが。
よって、非常に面白い作品であるにもかかわらず、星は4つ。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.120:
(5pt)

What an imaginative mind the author has got!

The first 100 pages sounded like that the book was the Japanese version of Harry Potter. Well, the reality was something far from it.

The stage is the future Japan, 1,000 years from now. The world created by the author and the problems therein would be hard for ordinary people to create. It sounded so real…The human characters and creatures are depicted so well. The author must have a lot of drawers of imagination within him.

After the first 100 pages or so, I was gradually dragged into the world of the author and ended up being deprived of sleep and having day-night reversal…

Enjoyable entertainment. Too enjoyable that I did not care about people looking at me as if wanting to say, “What a thick book! What have you got here in your hands?”

新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)Amazon書評・レビュー:新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)より
4061826603
No.119:
(3pt)

面白いですが、もう少し深みがほしい

数ある著者の作品の中でも大長編といえる力作です。
SF世界の細部を事細かに描写していくので、とにかく長い!のですが、おかげで架空の世界がある程度リアルに浮かび上がってきます。
ストーリーやプロットの進展に比べて、うんちく部分がやや冗長であちこちに分散しているようにも感じるので、知識的な部分はもう少しスリムにまとめた方が良かったのではないかとも感じました。
とはいえ、設定も話の展開も非常に面白いので、ノンストップで一気に読めます。

世界観は十分リアリティを持って感じられるのですが、登場人物たちはちょっと情動が人間離れしているところもあり、個人的にはそれほど感情移入できませんでした。
中学生くらいの子供たちが、生き物を大量殺戮したり、自然環境を大破壊したりしても何の呵責も感じないとは・・・普段から超能力のようなスーパーパワーを使い慣れていると自然とそうなるんでしょうか。
特に最後の戦闘で使われた戦術、ロジック的には良くできてますが、主人公があれを考えて実行するというのはひどすぎるような気が・・・
あと、それとも関連しますが、最後の最後でどんでん返し的に提示されるアンチテーゼについても、もう少し話の中で考える材料を提示して哲学的な深みを感じさせてほしかった。
突き詰めて考えていくと非常に深いテーマなので、あえて提示するだけで終わらせたのかもしれませんが。

この著者の作品を読み終えた後にいつも同じことを感じるのは私だけでしょうか?
今回も、読後感は「うーん面白いんだけど、惜しい!」でした。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.118:
(4pt)

壮大な嘘八百!

久しぶりに読み返してみました。やはり壮大な世界観に圧倒されます。
特に、バケネズミの白黒いかんとも付けがたいキャラ設定が秀逸でした。
読み終わってみれば壮大な嘘と空想のオンパレードなのですが、
読んでいる間はその世界にどっぷりとつかることができました。

あまりにも想像上の生物や事件の記述が多いので、読んでいて少し
疲れますが、現実逃避したい方にはもってこいの作品です。
あまり後味のよい結末ではありませんが、きちんと落とし前がつけて
あるので、読後はスッキリ、満足感があります。

ただ、貴志先生の惜しいところはラブシーンの記述ですね・・
格調高い小説の中で、なんだかそこだけ三文官能小説みたいになってます・・
どの作品でも思うのですが・・残念です。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.117:
(5pt)

まさに圧倒的なエンタメ小説。

まさに怒涛の小説一気読み!圧倒的とはこのことでしょう。

この「新世界より」の1000ページはまさに一気読みしました。(途中でやめられません)

内容は読んでる人がもしいたらマズイのでネタばれはしませんが、想像力の極致をきわめた作品で、舞台は破壊のかぎりを尽くした暗黒時代を経た千年後の日本です。科学技術に代わり呪力(超能力です)が支配する徹底した管理社会。何も知らずに育った子ども達に今、悪夢が襲いかかるというエンタメ小説です。

ハードカバー2冊で4千円ですので面白くなかったら・・・とおもうと少しリスクを感じますが、その辺は作家の名前を信用して、即買い問題なしです。

貴志さんの作品はとにかく、描写が異常に細かいのですが、その分情景が目に浮かび、興奮します。奇想天外な世界の話がまるで現実のような気になるほど文章力があります。まさに天才的。

とにかく面白かった。人間に文字と想像力があって良かったなあと実感。本読んだあとって幸せ。
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.116:
(5pt)

圧倒的な構想力に脱帽

私自身も創作経験があり、並の小説ですと読後漠然と「この程度の作品なら私でも…」などと思うことが多いのですが、この作品は無理です。桁違いな構想力に裏付けられた大作です。

 悪鬼の登場や若い主人公たちの東京行きを通じて、上巻で一通り見てきた風変わりな設定の背景が次第に明らかにされます。なぜ日本の人口が5、6万で町も9つしかないのか。なぜ町には原始的な通信・交通手段しかないのか。なぜ学校が極端な管理体制の下にあるのか。
 そして町の外に棲息する異形の動物たちのうち、最も人間に近いバケネズミの正体。「ひょっとすると…」とは思っていても、実際に種明かしされると、背筋に寒いものが走ります。

 SFという形はとっていますが、深く人倫に根ざし、強い社会性を持った小説です。覚悟を決めて読んでください。

新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.115:
(5pt)

大人にお勧めのファンタジー小説です

壮大なスケールで描かれた、大人のファンタジーです。
読む前はこのボリュームに辟易しましたが、読み始めるともう止まりません。
圧倒的な世界観と物語に引き込ませる描写、先の読めない展開に、あっという間に読み終えてしまいました。

映画とはまた違う、第二の未来像がここにあります。
未来社会の人間と共存しているのは、コンピュータではなく、真言(マントラ)という呪力でした。
テクノロジーが退化する代わりに、人類が進化した未来の世界。
核兵器より恐ろしい、呪力という強大な能力を人間が身につけることによって、世界を支配しています。

そしてその人間を取り巻く、人間並みの頭脳を持ったネズミ、跳梁跋扈する進化した未来の生物、「図書館」なる生き物、想像上の悪魔。
この斬新な発想と独特の世界観が、物語に引き込ませる要因でもあります。
早い段階でこういった世界観を読者に掴ませてくれたのも大きかったです。

呪力という強大な力を手にしながら、常に何かに怯え、ひとたび人間を脅かす脅威があれば、それを除去するように取りかかる。
この作品で描かれる未来社会は閉鎖的で、そこに生きる人間たちも保守的でどこか臆病でもある、残念な未来像です。
核兵器による支配から、呪力による支配へと変わった1000年後の世界。
現在と変わらず、1000年後の未来も過ちを繰り返し築きえた社会であり、そこに生きる人間たちもまた同じ過ちを繰り返している。
実際の1000年後は、大局的な見地からすると、この物語とほとんど変わりのない世界なのかもしれません。

貴志さんの作品の中でも特に評価の高い『天使の囀り』『クリムゾンの迷宮』を読んできましたが、それらと同様読み応え十分です。
貴志ファンはもちろん、ファンタジー好きの方にもお勧めできます。
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.114:
(2pt)

SFじゃないですね、ホラーかな

1000年後の未来、とかいうのでアイザック・アシモフとかのハードSF的、もしくはスチームパンク的な呪術とかを想像していたのですが、そういった部分に対するアプローチがホラー的で、なかなか作者はがんばってウィキペディアで勉強してるな、というような記述も多いのですが説得力に欠け、よってなんだか小学生の空想絵日記を読んでいるような気分にさせられました(あくまで成人してからの回顧録という形だと思って読んでいたので)。ストーリーの進行でもモタつく部分が多く、数ページ飛ばしてもそのまま読めてしまう箇所があります。編集者に添削されなかったのが不思議なくらい、まるで推敲前の新人賞応募作品のようです。背景設定やテーマ、登場人物の心理描写、人物描写などが浅く、なんだかすごろくの上をコマが動いているような印象を受けました。読んでいて、「添削ボーイズ」の書き方に似ているな、と(良くも悪くも)思いました。あのときのがっかり具合に近かったです。『これ以上面白い本は今期登場しないだろう』なんて帯に書いてありましたが、『?』しか浮かんできませんでした。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.113:
(5pt)

この世界観ハンパない

いやー、圧倒されました。

ラストまでの持って行き方が凄い。

もう何も言えないです(笑)(*_*)
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.112:
(5pt)

めったに出会えない100点満点の1冊

上中下と読んでの感想です。
SFはあまり面白いと感じたことはなかったのですが、貴志祐介ならと買ってみました。
結果、大正解。本当に読んで良かった。
人間の想像力にただただ感服しました。

日野光風がでてくる一連の流れが漫画的で、読み進めるのをやめられなかった。
通学中に電車の中で本を読んでいるのですが、初めてです。電車降りた後、道歩きながら本読んだの。

まだ読んでない人が羨ましい。
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.111:
(3pt)

余計な要素

世界感最高
日常が少しずつ狂って、次第に飲みこまれていく様はゾクゾクして面白い どんどん読めてしまう

以外気に入らない点

まず登場人物の気持ちに誰にも共感出来ない
特に主人公に付いて行けない
二つ目に、一応理由付けはしてあったが、子供達の性描写が気持ち悪い
何度も描かれる必要性を感じない
執着や愛情を表すなら他の表現の方が良かった
お約束なんだろうが変な媚びを入れなくても十分魅力的なのに残念

新世界より(中) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新世界より(中) (講談社文庫)より
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No.110:
(4pt)

久々に読んだ貴志祐介氏の力作

現代より千年先を生きる主人公・渡辺早季が、未来へ宛てた手記を基に
物語が進むSF作品。

早季の成長と経験を通して世界観を紐解きながら展開される物語は、
ゆっくりした立ち上がりから徐々にその魅力を増して行き、
読者の興味を捉えて離さなくなる作品です。

著者の筆力により未来世界を見事に構築し、『黒い家』『天使の囀り』で感じた
恐怖や不快感が甦る表現力は流石だと思います。
世界観を表現するために語られるその世界の生物の説明が随所に用いられ、
読者にリアリティをもたらす効果を演出しています。
反面、その説明量からちょっとくどく、テンポが悪いなと感じる部分もありました。

この作品の世界観を補う作品も思案中とのことでしたので、
楽しみに待ちたいと思います。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.109:
(5pt)

発想が凄い。

この著者の作品は、ほとんど読んできたが相変わらず物語の発想と展開の速さには舌を巻く。

今回の舞台は「黒い家」のように日常の中にある現実的な部分から恐怖
をにじませていくのではなく、完全に現実からはなれた、未来の日本という
設定で物語りは始まる。
もちろん、主役を含め登場人物のひとつは人間だけれども、もうひとつは
この世界特有の生き物であり、この世界でいう「大事件」が発生して
人類の存亡をかけてメインの登場人物達が、多大な困難に遭遇しながら
乗り越えていくという、言葉にしてしまうとまったく単純なストーリーなのだが、
そこは貴志祐介先生。こんな平易な言葉では表せない、複雑かつ重みを
持たせた重厚な仕上がりになっている。

自分の勝手なイメージは「クリムゾンの迷宮」多人数バージョンなイメージも
ないではないが、まずは凡人では思いつかない舞台設定の中で、本書の舞台となる
特殊な世界の歴史を徐々に明かしながらクライマックスに持っていくその構成力と
スピード感に、ただただ驚くばかりである。

けちな自分は、文庫になるまでひたすら待ち続けてしまったのだが、文庫になってびっくり
上中下の三巻構成で、文庫であってもかなりの出費になってしまった。
しかし、そんなことよりもなによりも、会社の行き帰りで読もうと思ったが
とまらず久しぶりに、自宅に帰ってもお風呂にはいりながら、休日も朝からぶっ通しで
あっという間に読み切ってしまった。久しく感じてなかった、面白い本を読んだ後に訪れる虚無感というか、
物語りが終わってしまった悲しみを十分に感じていたので、自分にとっては
良作だったといえます。

ちょっとしたスリルな冒険を感じたい方にはぴったりではないでしょうか?
SF嫌いの人でもきっと楽しめると思います。
新世界より 下Amazon書評・レビュー:新世界より 下より
4062143240
No.108:
(3pt)

最後までそれなりに楽しんで読みましたが

上巻の作者の子供時代の日本的な情緒あふれる世界観と日本独特の「忌み」を描いたような不気味さはとっても好きな感じでした。
少女が成長して高校に進むあたりからハリーポッターを思わせる様なファンタジー世界についていけなくなりました。
見えない部分の不気味さってあると思うんですがここまであからさまにファンタジー展開されるとしらけるというか・・・。
善悪の戦争で(最後に方向修正するとしても)やたらバンバン敵を殺していく様子もついていけなくなった理由の一つです。
ファンタジーならファンタジーで徹底してればいいけど中途半端に人の道徳的是非、人間性を問う様な内容になっているのでよけいですかね。
でも作者の力量で最後(下巻)までそれなりに楽しく読めました。
新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232
No.107:
(5pt)

素晴らしい。是非読んでみてください。

厚い本が2冊なので、いつ読むか考えるうちに
全ての貴志作品を読んでしまいました。
ファンタジーには興味が無いので、正直躊躇してましたが
もう読むものないし。
ということで購入。

結果、良い意味で裏切られました。
SFだーのー ファンタジーだーのー(笑 なんて馬鹿にしてた
食わず嫌いな自分のバカバカ。

こうしたものは作家が作る世界なので、
内容を理解するには説明が必要です。
説明が長くなれば白けるし、作中の人物が
わざとらしく会話で伝えれば冷めます。
でも恐れてあやふやに記すのでは
読者によって理解が変わり、人によっては
「意味わかんない」となってしまう。

でもこの作品にはそうした興ざめするものが全くないです。
「呪力」なんて文字を見て「そんなの出ちゃうかーー」と先々の内容を
不安に思いましたが、杞憂に終わりました。

この厚さですが、意味無く長い文章はありません。
だから読み飛ばしてもいっか、と思う事はないです。しっかり読めます。

そして読み終わった後、もう一度要所を見返したいと思った時
どこら辺か大体分かってしまう程、頭に入っているような本です。

私のようにファンタジーをつい馬鹿にしてしまう人も
是非読んでみてください。
きっと貴志作品をもっと読みたくなると思います。お勧めな本です。


新世界より 上Amazon書評・レビュー:新世界より 上より
4062143232

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