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真っ暗な夜明け
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真っ暗な夜明けの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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メフィスト賞と言えば一般的にはミステリーものの賞とされているが、近年明らかにライトノベル化の著しい、ミステリーの体裁を取っているだけのキャラと世界観押し出し系ばかりとなってしまっているし、過去にも本格推理ものとして受賞していても、叙述トリックだったり、本格系とされている霧舎巧や北山猛邦の作品も特異な構造の館が舞台だったり、理論上は可能な大がかりな物理トリックでも実際はこんなこと犯人はやらないだろうという現実性をかなり無視したファンタジーとしての本格推理が幅をきかすなか、本作は、登場人物数人、舞台は普通の駅とマンションの一室、犯行方法も至って普通、トリックも誰にでも可能なシンプルなもので、ここまで非現実性を排したリアル志向の本格推理は歴代受賞作で他にないのではないかと思う。 現実に起こりそうなシンプルな事件をとにかく全編仮定と検証を軸にした論理で押し切っています。 雰囲気としては80年代の新本格よりも前の70年代の森村誠一とかの初期作に近い感じだ。 はっきり言って近年の流行りではないスタイルなのだろうが、敢えてこういうスタイルに挑戦した意欲が素晴らしい。島田荘司氏も絶賛。 個人的にはミステリーはこういうスタイルのものを読みたかったのでかなり評価が高い一冊です。 | ||||
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大学時代のバンド仲間と、久しぶりに飲んだ推理小説家志望の氷川透。 散会後、みんなといっしょに地下鉄構内に降り、終電を待っていたのだが、 なぜか外で別れたはずのバンドのリーダーが、駅のトイレの中で撲殺死体 として発見される。凶器は駅の休憩室に飾られていたブロンズ像の台座。 他に乗客もいなかったことから、彼らのなかに犯人がいると考えられた。 そしてその数日後、メンバーの一人がマンションから転落死し……。 三人称多視点の叙述形式が特徴の本作。 当然、犯人の内面描写もなされており、作者が、フェアなフーダニット を書くうえで、自分自身に、高いハードルを課していることが窺えます。 さて、本作では、地下鉄構内の殺人と、マンションからの転落死という、 二つの事件が扱われてますが、後者は密室からの犯人消失がテーマ。 鳴らされたドアチャイム、更新されたホームページなどによって、不可能状況が 演出されています(解答は、《転落死もの?》では、比較的オーソドックスです)。 そして、地下鉄構内の殺人では、犯人がブロンズ像ではなく、その 台座を凶器に使ったのはなぜか? という謎に焦点が絞られます。 その謎に対し、一つの仮定を設定し、そこから極めて 厳密に構築されていく犯人特定のロジックは、圧巻。 唯一これしかないという可能性を徹底的に追求しようとする、作者 の心意気(妄執?)が感じられ、ロジック好きには嬉しい限りです。 探偵役である氷川の、あまりに自意識過剰な言動や偏執的なまでの分析癖が、少々 鬱陶しくもありますが、それも含め、本作は、青春ミステリの佳作といえると思います。 | ||||
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氷川透氏のメフィスト賞受賞作である。 はっきり言って、これは面白い。最近の、新本格ならぬ変本格ミステリィとは一味違う、「これぞ本格ミステリィ!」と喝采を送るに吝かではない作品だ。 事件自体は地味であるが、そこを論理の騎士氷川透の冷徹なまでのロジックが、事件の最奥を抉る。 取っ付き難いという事は否めないが、慣れればどうという事はない。クイーンばりのロジックは一見の価値あり。 | ||||
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